著者
矢部 はる奈 五島 史行 林 賢 國弘 幸伸 小川 郁
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.100, no.6, pp.491-495, 2007-06-01 (Released:2011-10-07)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

It is not easy to treat patients with intractable Meniere's disease. Intratympanic injection of gentamicin or steroid is one option. The other is a surgical procedure like endolymphatic shunt surgery. Middle ear pressure treatment using the Meniett device, which has not been approved by the Japanese government is widely accepted in foreign countries. We had a chance to use this Meniett device under approval of the ethic's committee of Hino Municipal Hospital since September 2004. ‹Methods› Four patients with intractable Meniere's disease who suffered intensive vertigo attack for more than 5 months with conservative medical treatment were employed in the study. Ages ranged from 67 to 72, with 3 females and 1 male. After a ventilation tube was inserted under local anesthesia, treatment with the Meniett was performed 3 times a day at home. ‹Results› Two patients improved and 2 slightly improved concerning vertigo attacks. One showed no change, 1 experienced a worsening, and 2 showed slight improvement concerning the hearing level. ‹Conclusion› The Meniett device is less invasive and may be suitable for elderly patients who prefer conservative treatment. The mechanism involved in the reduction of vertigo attacks is not clear so far, but we speculate that middle ear pressure may suppress serum vasopressin (antidiuretic hormone) secretion and thereby reduce endolymphatic hydrops. It is necessary to accumulate treatment data with the Meniett in Japan to obtain official approval by the government.
著者
小池 はるか 吉田 俊和
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.266-275, 2007 (Released:2007-07-07)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

本研究の主な目的は,共感性と特定の人物に対する対人的迷惑行為の認知との関連を検討することである。学生113名から質問紙((1) 共感性,(2) 顔見知りから受けた行為の迷惑認知,(3) 友人から受けた行為の迷惑認知,(4) 迷惑認知の評定の根拠)の回答を得た。その結果,共感性の低い者は,共感性の高い者に比べ,行為を迷惑と認知しやすいという仮説が部分的に支持された。また,状況依存的な共感性が高い者は,迷惑認知評定をする際に,自己の視点のみではなく,行為者の視点に立っている傾向が示された。さらに,友人からの行為より顔見知りからの行為を迷惑と認知したり,行為者が顔見知りの場合より友人の場合に状況依存的な共感性が高くなるといった結果が示され,行為者との関係性が対人的迷惑認知及び共感性に影響を与えていることが明らかとなった。
著者
奥山 健二 岩本 康治 河合 はるか
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 47
巻号頁・発行日
pp.192-193, 2000-10-16 (Released:2017-11-08)

The some of large city in the world have the Mall park in their hart of the city, for example The Mall in London, The Mall in Washington D.C , the Mall park in Sapporo, Hisaya Mall park in Nagoya. The objective of this study is to research and analyze the role and function of the Mall park in the city. this paper begin with obtaining the data of the shape and scale of the Mall park in Sapporo city and Nagoya city. As a result the shape and scale of the Mall park in Sapporo and Nagoya are almost same size, but the date of plan and construction was seventy years difference period. The Mall park in Sapporo is rather flat in shape and scale because of small number of large planted tree and structure existing. And also the place is used for the snow sculpture festival every winter seasons. The Mall park in Nagoya is three-dimensional shape and use because of planted large scale of trees and constructed pedestrian bridge and sculpture monument.
著者
岩崎 亘典 小野原 彩香 安達 はるか 野村 英樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2023年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.133, 2023 (Released:2023-04-06)

2022年度より高等学校で必修となった地理総合では,地理情報システムの活用が一つの柱であり,教科書では地理院地図やひなたGIS等が紹介されているが。しかしこれらのツールでは,投影法や統計情報活用にあたり,独自データを用いた実習が困難である。また,新型コロナ感染マップや人流マップのように,データサイエンスでの地理学の重要性も高まっている。本発表では,地理総合でのGIS利用促進と地理分野でのデータサイエンス活用のための,Pythonを使用した地理学習コンテンツについて報告する。 実習のための環境は,ブラウザ上でPythonのプログラムの入力,実行が可能なGoogle Colaboratory(以下,Colab)を用いた。学習コンテンツの内容は,地理総合の教科書を参考とし,以下のリストの内容を予定している。 ・Pythonを用いた地図作成および投影法 ・APIを用いた統計情報の取得と得階級区分図の作成 ・気象メッシュとグラフの重ね合わせ地図・防災のための地形図の3D表示作成したコンテンツは,CQ出版社が発刊するインターフェイス誌上で連載記事として公表している。2022年3月までに3回目の記事までが公表される予定である。 紙媒体で発行する特性を活かし,コードや作成した地図に解説を加え,理解しやすいように努めた。コードを変更することで図法の違い等を実習できることがPythonの利点である。また,コードで地図を扱うため再現性を高い点が,データサイエンス的視点から有効である。本コンテンツは,学校教育に活用してもらいたい観点から,教員は電子版を無償入手可能である。ご興味のある方は,お問い合わせ頂きたい。
著者
平岡 一幸 阿部 はる奈 田島 滉太
出版者
東京工芸大学工学部
雑誌
東京工芸大学工学部紀要 = The Academic Reports, the Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University (ISSN:03876055)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.6-15, 2021-06-30

この小文は本学における初等数理教育の素材提供の試みとして、「歌声」に おける「母音」に焦点を当て、その倍音の成分を実験的に解析します。同じ高さの音でも、例えば「ラ ; La ; A」 に相当する440 Hz の周波数の高さの音でも、我々は、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の5母音の歌を歌い分けます。 それではその5母音の違いはどこから来るのでしょうか?この疑問に答えるため、「フーリエ級数」や「フーリエ級数展開」という数学の手法を用います。このフーリエ解析により各母音の特徴を比較・整理し、「美しい声」で歌うための研究課題を明確にすることがこの小文の目的です。 更に重唱や合唱における母音の重なりを取り上げます。
著者
王 龍飛 千川 はるか 朱 澤川 銭 胤杉
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2023年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.208, 2023 (Released:2023-04-06)

Ⅰ はじめに 現在,日本に滞在する外国人の増加に伴い,それぞれのエスニック・グループが独自のエスニック・ビジネスを展開している。出入国在留管理庁のデータによると,とくに中国人が増加していることがわかる。山下(2010)は中国の農村には強固な地縁・血縁社会が残っており,親族の中の一人が海外に出稼ぎや留学に行き,ビジネスに成功すると、それを頼って郷里から人々が集まるようになり、異国の地に同郷グループが形成されていくと述べている。 大阪においても,このような強い繋がりをもつ中国人グループが存在すると予想される。とくに中国系の店舗は,同胞向けにビジネスを展開し,宣伝方法の利活用も変化させている。本研究では,大阪「ミナミ」周辺におけるエスニック・ビジネスに着目し,その集積状況を把握し,集積の背景を検討した上で,同胞向けビジネスの新動向として,新たな宣伝方法のあり方についても言及する。Ⅱ 対象地域の概要大阪中央区南部(以下、ミナミ)は近年エスニック系店舗の増加・集積が顕著な地域であり,外国人向けに観光地化されたエスニック・タウンとは異なり,主に同胞向けにビジネスを行っている。出入国在留管理庁のデータによると,2022年6月末時点で大阪市の24区では,在留中国人が最も多い区は浪速区で,次いで中央区となっている。2018年以降は,中央区の在留中国人の数の伸び率は浪速区よりも高くなっている。中央区における在留中国人の数が浪速区を抜いて1位になるのは時間の問題だと思われる。 このようにエスニック・ビジネスの集積が進むミナミだが,その実態は粉河(2017)による報告があるのみで,それからわずか5年で大きく変化している。本研究では,そうした変化にも注目しつつ,特に成長著しい中国系ビジネスを取り上げる。Ⅲ 結果と考察現地での観察調査とGoogle Mapおよびインターネット情報から,ミナミには270軒のエスニック系店舗が確認され,そのうちの6割を中国系店舗が占めていることが分かる。アンケートおよび聞き取り調査により,これまでのところ合計21軒から情報を得ることができている。 対象地域では,もともと韓国系の飲食店が多く立地していたが,2017年ごろから中国からのインバウンド需要が急増したことで,空き店舗には,中国人経営による観光客向け免税店が多く入居するようになった。2020年からのコロナ禍によって,訪日観光客は激減したが,中国人による日本製品への需要は衰えず,インターネットで注文した日本の商品を中国へ発送するための国際物流店が増加した。一方,飲食店は大阪に居住する同胞向けのものが多く,コロナで影響を受けながらも店舗を維持している。このように,コロナ禍を挟んだ時期でも中国系店舗数は増加・維持されながら,その業種・業態の変化が見られることが分かった。 ミナミおける中国系店舗の集積については,2つの要因が考えられる。1つは,中国系不動産や富裕層が同地域に多くの土地や建物を保持しているという点である。2点目として,この地域周辺には日本語学校などの教育機関や企業が集積しており,定住中国人も多く,難波や心斎橋といった一大観光地にも隣接していることから,定住者と観光客の双方をターゲットとしたビジネスを展開できる場所であるといえる。 集積の手段や顧客の誘致については,SNSが発揮した効果が大きいと考えられる。聞き取りをした21軒の店舗のすべてが中国系SNSのWeChatを利用して店のメニューやキャンペーンを宣伝している。また,やはり中国SNSである小紅書(RED)を利用して宣伝している店は12軒,抖音(TikTokの中国版)の利用は4軒あった。これらは決済機能もついており,宣伝だけでなく商品売買にも利用される。今後も複数の中国系SNSを利用したビジネス拡大の動きは容易に予想できる。参考文献粉川春幸 2017. 大阪市中央区南部における複数のエスニック集団によるエスニック・ビジネスの実態.人文地理69(4): 447-466. 山下清海 2010. 『池袋チャイナタウン 都内最大の新華僑街の実像に迫る』株式会社洋泉社出版.
著者
兼岡 麻子 荻野 亜希子 井口 はるひ 七里 朋子 松﨑 彩花 佐藤 拓 後藤 多嘉緒 山内 彰人 齊藤 祐毅 上羽 瑠美
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.85-95, 2023 (Released:2023-04-29)
参考文献数
35
被引用文献数
1

【目的】頭頸部癌への化学放射線療法(chemoradiation therapy, CRT)に伴う嚥下障害に対する予防的リハビリテーションにおいて,行動変容手法を用いたハンドブックを導入し,患者アドヒアランスの向上度を検証した.【方法】対象は,頭頸部癌に対するCRTを完遂した患者.ハンドブックを用いてトレーニングを行った患者を導入群,過去にハンドブックを用いずに行った患者を対照群とした.自主トレーニングの実施率が80%以上の患者を高アドヒアランスとした.【結果】高アドヒアランスは導入群15名中4名(26.7%),対照群15名中7名(46.7%)で,両群に有意差はなかった.CRT終了時の口腔粘膜炎グレードは,導入群で有意に高かった.その他の因子は両群に差はなかった.【結論】ハンドブックの導入により,患者アドヒアランスは向上しなかった.ただし,口腔粘膜炎等のトレーニングの阻害要因が重度な場合,ハンドブックは患者の意欲維持やトレーニング継続に寄与する可能性がある.
著者
川端 由美子 菊田 大介 安斉 拓 望月 芳和 渡邉 博子 木村 委津子 宮澤 敬子 渡辺 園美 高橋 樹里 浜本 恵子 中村 早美 西間木 昌美 金山 裕子 三森 はるみ 泊 貴美江 宇野 公一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.145-152, 2005-05-15 (Released:2011-03-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1 2

Recently, the number of clinical PET centers is increasing all over Japan. For this reason, the monitoring and control of radiation exposure of employees, especially nurses, in PET-dedicated clinics and institutions are becoming very important issues for their health. We measured the radiation exposure doses of the nurses working at Nisidai Diagnostic Imaging Center, and analyzed the exposure data obtained from them. The exposure doses of the nurses were found to be 4.8 to 7.1 mSv between April 2003 and March 2004. We found that the nurses were mostly exposed to radiation when they had to have contact with patients received an FDG injection or they had trouble with the FDG automatic injection system. To keep radiation exposure of nurses to a minimum we reconfirmed that a proper application of the three principles of protection against radiation exposure was vital.
著者
三谷 はるよ
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.69-83, 2015 (Released:2016-07-10)
参考文献数
27
被引用文献数
1

東日本大震災後に展開されたボランティア活動に関して,かつて災害に遭った時に支援を受けた元被災者が,新たな災害に遭った被災者を支援するという「被災地のリレー」現象が指摘されている.これは,C. Lévi-Straussが「限定交換」に対比させた「一般交換」の具体例といえる.しかし国内外の先行研究において,災害ボランティア活動に一般交換の側面がみられるかを計量的に実証したものはない. そこで本稿では全国調査データを用いて,東日本大震災後のボランティア活動に一般交換の側面がみられるのか,みられる場合にはいかなる条件下で一般交換が発現しやすいのかを検討した.その結果,(1)過去の被災時の被援助経験は,被災地・被災地以外での震災ボランティア活動への参加に影響を与えること,(2)被災低リスク地域に住んでいる場合,被援助経験と被災地での震災ボランティア活動の関連が強まることが明らかになった.以上から,東日本大震災後のボランティア活動には一般交換の側面がみられること,さらに災害が珍しい地域で受ける “思いがけない恩” が一般交換を促す可能性が示唆された.
著者
筒井 はる香 TSUTSUI Haruka
出版者
京都
雑誌
同志社女子大学大学院文学研究科紀要 = Papers in Language, Literature, and Culture : Graduate School of Literary Studies, Doshisha Women's College of Liberal Arts (ISSN:18849296)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.45-63, 2022-03-31

本論では、1950 年代から70 年代にかけて活躍した作曲家で、同志社女子大学学芸学部音楽学科の創設に深い関わりのある中瀬古和(1908-1973)の生涯と創作活動を辿る。これまでに発行されたいくつかの記事から中瀬古和の略伝や教育活動を伺い知ることができるが、音楽活動に関しては十分に語られてきたわけではない。とりわけ創作活動については、作品の全貌が明らかになっていないことから、作曲家としての評価や、戦中・戦後日本の音楽史における位置づけが正当になされているとは言い難い。そこで本論では、中瀬古和の生涯に関わる文献資料を調査し、1)修業時代、2)演奏活動、3)創作活動、4)作品の初演の4 点に焦点をあてて論じた。修業時代については、同志社女学校時代、アメリカ留学を経てベルリンでパウル・ヒンデミットPaul Hindemidth(1895-1963)に師事した時期までに受けた音楽教育について述べた。演奏活動については、ドイツ帰国後の1930 年代から50 年代にかけてチェンバロ、パイプオルガン、ピアノの奏者として活動していたことを確認することができた。1950 年代以降、演奏活動はほとんど見られなくなり、それに代わって自作品を定期的に発表するようになった。創作活動については、未完やスケッチ、消失曲を含め65 作品あり、このうち20 作品が京都を中心に初演されたことが確認された。なお現存する47 作品をジャンルごとに分類したところ、聖書を題材とした日本語による宗教的声楽作品が創作活動のなかで大きなウエイトを占めていたことが明らかになった。このことは戦争体験の他、中瀬古和自身がキリスト者であったことが少なからず影響していたと言えるだろう。また、日本語による宗教的声楽作品を創作することこそが彼女の作曲家としてのアイデンティティであったと推察される。

1 0 0 0 OA 京都の闇市

著者
田中 はるみ
出版者
関西大学史学・地理学会
雑誌
史泉 (ISSN:03869407)
巻号頁・発行日
vol.83, pp.1-17, 1996-01-31
著者
小口 正義 藤森 愛子 小口 はるみ 跡部 治 永田 和也 両角 和雄 藤森 洋子 立花 直樹 蜂谷 勤
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.97-105, 2010 (Released:2010-07-28)
参考文献数
14
被引用文献数
3 2

抗菌薬適正使用は感染患者の確実かつ安全な治癒,耐性菌出現と蔓延化の防止,および医療費の効率的運用の観点から対処するとされ,特に抗菌薬の使用法管理は経済的にも重要な問題となっている。そのため抗菌薬の使用法管理としての対策(抗MRSA薬・カルバペネム系薬の使用申請制度,監視制度,警告通知制度),DPC制度導入などがどの様に薬剤費に影響したかを調査・分析した。その結果,抗菌薬の総使用量は調査期間中ほぼ一定であったが,カルバペネム系薬の使用量,および抗菌薬の総使用金額は半減した。さらに平均在院日数も減少した。これらのことから当院の抗菌薬適正使用の取り組みにより,スペクトラムの広域な抗菌薬から狭域な抗菌薬への変更,および高価な抗菌薬から安価な製品への置き換えなど,適切な抗菌薬の選択が進んだものと考えられた。抗菌薬適正使用による抗菌薬の使用法管理は,薬剤費に大きなコスト削減効果を及ぼしていることがわかった。