著者
武田 裕吾 武田 はるか 渡邉 菜月 楊箸 隆哉 古川 勉寛
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.369-373, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
26
被引用文献数
1

While there are reports on the reliability of the universal goniometer (UG) and smartphone application goniometer (SG), there have been no reports on user impressions when using these devices. In this study, impressions of users of UG and SG that are used in clinical practice were clarified and reliability was compared. Questionnaires on user impressions were administered to 13 staff members who work in the clinical field. Measurements in the hip and knee joints of seven participants were taken by three testers, and intraclass correlation coefficients (ICC) were obtained to assess reliability. Results showed that SG was superior in terms of appearance, weight, texture, portability, usability, versatility and readout. SG was inferior in terms of setting up measurement axes. However, SG demonstrated high reliability even when compared to UG. The intra-and inter-rater ICC were 0.51 to 0.89 and 0.65 to 0.75, respectively.
著者
江花 昭一 山本 晴義 秋庭 篤代 吉村 佳世子 境 洋二郎 津久井 はるみ 天保 英明 川原 健資 津久井 要
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.111-117, 2000
参考文献数
14
被引用文献数
1

心身医療は問題や疾患の同定から始めproblem talkを行うのが通例であり, 問題に焦点を当てずsolution talkを行う解決志向アプローチとは必ずしも整合的でない.また, 解決志向アプローチは多忙な臨床現場で十分な効果が発揮できる方法であろうか.今回われわれは, 2症例の検討を通して, これら2点の調査を行った.その結果, 多忙な日常臨床においても, 治療関係のタイプを吟味する, 問題を解決の資源として活用する, 可能性を引き出す対話を行う, 定型的質問を使用するなどの技法が実行可能かつ有効であった.解決志向アプローチは, 心身医療に組み込んでも, 解決を速やかにもたらし定着させる有用な方法であると考えられた.
著者
後藤 はる美
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.121, no.10, pp.1685-1720, 2012-10-20 (Released:2017-12-01)

Catholicism, as "recusancy", became a crime prosecutable in the secular courts of early modern England after the introduction of the "recusant penal laws" during the 1580s. Recusancy, however, remained one of the least effectively prosecuted crimes throughout the seventeenth century. This was especially true in the north of England, remote from the centre and close to the northern border. The present case study concentrates on a lawsuit brought before the Star Chamber in London which was fought between groups of leading magistrates of the East Riding of Yorkshire. The case stemmed from a conflict that arouse among local justices over a much-disputed recusant prosecution at the quarter session at Pocklington (Yorkshire) in January 1615. The conflict flared up against a backdrop of heightened rivalries among leading Yorkshire gentry, which were reinforced by religious antagonism. The conflicting reactions of magisterial factions on recusant proceedings caused various interactions and subtle negotiations among the justices and between them and the grand jury, which played a crucial role in indicting recusants. The interplay among those involved, reconstructed from the interrogatories, depositions and witnesses, highlights several problems that existed in enforcing the recusant penal laws in the north of England. It also illuminates different stances adopted by individual justices and the grand jury and their influences at different points in the legal process. Furthermore, the allegations of litigants and their alleged conduct both testify to how they justified themselves at the two courts in question, one in the centre (the Star Chamber) and the other in the locality (the quarter session at Pocklington). By reconstructing process of recusant prosecution, the author describes the negotiations that took place among the conflicting justices and the grand jury, each of them acting according to the rules of law and locality. The two courts bacame strong magnetic fields to which were drawn intersecting polemics of Catholic/Protestant, old/new, and the justices/the grand jury dichotomies. It was a process in which people fought, achieved and maintained order in their locality, thus determining the practices regarding recusancy and its prosecution in the North. Furthermore, participation of individual subjects in this judicial process itself worked as an important opportunity for forging how order in the kingdom would be constituted.
著者
江成 広斗 江成 はるか
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.75-84, 2020 (Released:2020-02-14)
参考文献数
53

生態系への不可逆的な影響をもたらしうるニホンジカ(Cervus nippon,以下シカ)の分布拡大と個体数増加は,生息不適地と従来考えられてきた東北地方の多雪地においても懸念されはじめた.しかし,多雪地における低密度のシカは,従来の個体数モニタリング手法では検知が困難で,予防的なシカ管理の実現に課題が残されている.そこで,筆者らは,シカが発する鳴声により個体を検知するボイストラップ法を開発した.ボイストラップ法はシカの鳴き返し行動を応用した能動的なモニタリング手法(active acoustic monitoring;以下AAM)と,自発的に発せられるシカの鳴声を検知する受動的なモニタリング手法(passive acoustic monitoring;以下PAM)の2つに分けられる.本総説は,生態音響情報を活用した従来のモニタリング手法を概観する作業を通して,シカへの応用の利点と課題を整理することを目的とした.シカを対象としたAAMとして,オスが発情期に発するhowlという咆哮に対する鳴き返し行動を利用し,対象地に侵入した優位オスを検知する簡便法を解説した.PAMとして,侵入初期から定着初期にみられるシカの分布段階の変化を検知することを目的に,2種の咆哮(howl,moan)の半自動検出手法を解説した.カメラトラップやスポットライトカウントなどの従来手法と比べて,ボイストラップ法は検知率が高いこと,特にPAMについては,その検知範囲の広さと,検知の半自動化により,非専門家を含めた多様な担い手によって支えていくことが期待される広域的なシカのモニタリング体制の構築に大きな利点があることを紹介した.
著者
吉山 怜花 吉川 はる奈
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.155-162, 2020 (Released:2020-03-25)
参考文献数
16

日本には60年以上前に開発され, 妊娠に際してすべての妊産婦に発行されている母子健康手帳がある. すべての妊産婦が持っている子育て情報が掲載された優れたツールであるが, 教育の場ではあまり注目されていない. 本研究では母子健康手帳の子育て情報源としての機能や扱われ方を調査, 整理することで, 教育的に活用する可能性を検討した. 手帳の内容は「記録」と「ガイドブック」の2つの機能に分類できた. 定期健診や予防接種などを記す「記録」としての機能は, よく知られ, 活用されている機能であったが, 子育て情報が載っているという「ガイドブック」として機能は, ほとんど活用されておらず, 紹介も十分されていなかった. 「記録」としての機能は, 生活する子どもの姿を想像できることに価値があり, 授業時に生徒が将来の自分を想像するきっかけにもなり得る資料の一つではないかと考えられた. ただし「記録」部分には個人情報が記載されているので, 扱う際は十分な配慮が必要であった. 一方で, 「ガイドブック」としての機能は, 新しい保育分野の情報や保育学習における具体的資料教材としての価値があるのではないかと考えられた. 母子健康手帳の存在を伝えるだけでなく, 「ガイドブック」としての知識の豊富さを活かして, 活用していくことも可能だと考えられた.
著者
渥美 みはる 佐藤 真理
出版者
東京女子大学論集編集委員会
雑誌
東京女子大学紀要論集. 科学部門報告 = Science reports of Tokyo Woman's Christian University (ISSN:03864006)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.1961-1975, 2013

本報では物質の色を利用した化学実験について報告する.具体的なテーマは以下の通りである.1 ソルバトクロミズム金属錯体を用いて溶媒の極性を調べた.金属錯体には Ni[tmen acac]ClO4 と Cu[tmen acac]ClO4を使用した.これらの錯体を種々の有機溶媒に溶かし,その色の違いによって有機溶媒の極性を簡単に調べることができた.2 植物色素と水溶液のpHアントシアン色素を植物から抽出して,pH指示薬としての性質を調べた.また,緩衝溶液に酸性およびアルカリ性水溶液を少しずつ添加しpH変化の様子をその色によって観察した.緩衝溶液に少量の酸性およびアルカリ性水溶液を加えてもpHはほとんど変化しないことを確認した.
著者
坂本 薫 三浦 加代子 橘 ゆかり 小泉 弥栄 作田 はるみ 岸原 士郎
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.56, 2004

【目的】砂糖は、調理上大変身近で重要な役割を果たしている食材である。砂糖には、上白糖、グラニュ糖、白双糖、三温糖、黒砂糖、その他いろいろな種類があるが、砂糖は甘味料として使われるだけでなく、その特性を生かした菓子や料理が数多くある。特に砂糖の加熱特性を利用した調理には、フォンダンや砂糖衣、抜絲、カラメルなど興味深いものが多く、温度によって性状が段階的に変化する。カラメルソースは、砂糖溶液を着色するまで加熱して作るソースで、着色や着香、味つけに用いられ、その煮詰め温度は、一般的に160℃–180℃とされていることが多い。しかし実際には、180℃まででは十分な着色が見られないこともある。今回は、カスタードプディングに適したカラメルソースの調製温度について検討するため、2社のグラニュ糖を用いてカラメルソースを調製した。<br>【方法】試料は、市販の2社のグラニュ糖を用い、28メッシュ以下の粒度のものを実験に供した。温度測定には水銀温度計と熱伝対を用い、標準温度計により温度補正を行った。また、pHおよび吸光度を測定し、有機酸の生成状況や着色状況を観察した。<br>【結果】加熱は、通常の調理操作に近い条件となるように熱源や昇温時間を検討し、実験を行った。その結果、一般的にカラメルの調製温度として示されている温度では十分な着色が認められない製品があることがわかった。また、カラメルソースを調製する過程での差異を明らかにするため、昇温過程の一定温度で加熱を止めてpHおよび色調等を比較したところ、明らかに差異が認められ、純度の非常に高いグラニュ糖であっても、製品により調理の上で大きな差があらわれることが明らかとなった。
著者
山川 聡 上村 治 永井 琢人 見松 はるか 日比 喜子
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.19-22, 2009-04-15 (Released:2009-11-10)
参考文献数
3

今回,われわれの施設において小児ネフローゼ症候群患児における年間ステロイド総投与量と身長の伸び率に関しての検討を行った。対象は当施設で管理中の過去1年間の成長記録が存在する特発性ネフローゼ症候群患児54例 (FSGS確定を5例含む) で,1年間の総ステロイド投与量と身長増加率との関係について後方視的検討を行った。患児の内訳は,男児35例,女児19例で,観察終了時の年齢は3.7~17.8歳 (中央値9.3歳) であった。免疫抑制剤併用は54例中42例〔シクロスポリン (CsA) 単独22例,CsA+ミコフェノール酸モフェチル (MMF) 9例,CsA+ミゾリビン (MZ) 4例,MZ単独7例〕であった。年間平均プレドニゾロン (PSL) 量 (mg/kg/day) は0.23mg/kg/day (0~0.88mg/kg/day) であった。ステロイドの投与量が多くなると身長増加率は低下する傾向を認めた。また,PSL投与量が少ない場合は身長増加率への影響も少ない可能性が示された。成長の面から考えて当施設での免疫抑制剤併用の基準としているPSL投与量1mg/kg隔日 (=0.5mg/kg/day連日) 以上は妥当であると考えた。
著者
佐藤 真理 / 渥美 みはる
出版者
東京女子大学論集編集委員会
雑誌
Science reports of Tokyo Woman's Christian University (ISSN:03864006)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.1961-1975, 2013-03-29

本報では物質の色を利用した化学実験について報告する.具体的なテーマは以下の通りである.
著者
青木 好美 片山 はるみ
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.255-262, 2016 (Released:2017-03-27)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

目的:本研究の目的は,日本語版自傷行為に対する反感の態度尺度(SHAS-J)の信頼性と妥当性を検討することであった.方法:全国の救命救急センターに勤務する看護師764名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施し,302名(39.5%)の有効回答を分析対象とした.質問紙は,対象者の基本情報,SHAS-J,看護師の感情労働尺度,共感的コーピング尺度を用いた.分析は,探索的因子分析,確認的因子分析,相関分析を行った.結果:探索的因子分析の結果,SHAS-Jは4因子から構成されていた.4因子は「共感的実践力の低さ」,「ケアの反感」,「積極的理解の欠如」,「権利と責任に関する無知」であった.4因子についてCronbach α係数は0.83~0.54であった.併存妥当性の基準とした共感的コーピング尺度および看護師の感情労働尺度とは有意な相関が認められた.結論:SHAS-Jは,Cronbach α係数により信頼性が概ね確認された.また,共感的コーピング尺度や看護師の感情労働尺度との関連により妥当性が概ね確認された.