著者
山内 はるひ/栄 セツコ 栄 セツコ
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学総合研究所紀要 (ISSN:1346048X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.1-21, 2016-03-15

The Psychiatric Social Worker Act issued in 1997 was amended in 2011, putting more emphasis on exercises and training sessions in the training course. Training sessions are thought to play an important role in understanding the value of the work of psychiatric social workers (PSWs) and the formation of one's identity as a PSW. However, no study has so far investigated how trainers teach the value of the work of PSWs to trainees. This study clarifies how trainers teach the value of the work of PSWs to trainees and how the trainees acquire the knowledge by conducting semi-structured interviews with trainees and their trainers. We found that trainees experience a process : awareness, verbalization, deepening recognition, self-awareness, recalling knowledge from experience and practice, and value formation. At each stage of the process, the trainers supervise and teach the value of the work of PSWs to the trainees by teaching them to extract abstract values from specific cases and then choose which value to prioritize among contradicting values. The trainees strengthened their learning through a post-learning and field practice after the training. We consider the abilities of regarding their practice objectively, visualizing and verbalizing the value of their work, and maximizing their ability to supervise as prerequisites to being good trainers.
著者
北 和之 篠原 厚 河津 賢澄 二宮 和彦 稲井 優希 箕輪 はるか 大槻 勤 木野 康志 小荒井 一真 斎藤 敬 佐藤 志彦 末木 啓介 高宮 幸一 竹内 幸生 土井 妙子 阿部 善也 岩本 康弘 上杉 正樹 遠藤 暁 大河内 博 勝見 尚也 神田 晃充 久保 謙哉 小池 裕也 末岡 晃紀 鈴木 杏菜 鈴木 正敏 鈴木 健嗣 高瀬 つぎ子 高橋 賢臣 張 子見 中井 泉 長尾 誠也 南部 明弘 藤田 将史 森口 祐一 谷田貝 亜紀代 横山 明彦 吉田 剛 吉村 崇 渡邊 明
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

【研究背景】 2011年3月に起こった、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、福島県を中心とする陸域に大規模な放射能汚染が起こった。事故後の2011年6月には、日本地球惑星科学連合および日本放射化学会を中心とした有志の研究グループが、汚染状況の把握のための土壌採取のフィールド実験を実施した。これにより初期の汚染状況が明らかとなったが、航空機サーベイ等による汚染状況の把握は継続して行われているものの、実際に土壌を採取して汚染状況の詳細を把握する大規模な調査はそれ以降行われていない。事故から5年以上が経過し、土壌に沈着した放射性核種(主に放射性セシウム:134Csおよび137Cs)は環境中でその化学形態等を変化させ、土壌の深部への浸透や流出により、初期とは異なる分布状況に変化していることが予想される。帰還困難区域の除染作業が開始されようという状況で、土壌の放射性核種の汚染状況を把握するのはきわめて重要である。そこで本研究では、福島県内の帰還困難区域を中心として土壌採取のフィールド実験を行い、その分析により現在の汚染状況の把握することを目的に実施した。【調査概要】 本研究プロジェクトは、2016年6月から9月にかけての9日間、のべ176名で実施した。福島県内の帰還困難区域を中心として、公共施設等を選定したうえで、各自治体との情報交換を行い、除染が行われていない地点全105か所を土壌採取場所として選択した。まずはNaIシンチレーターもしくは電離箱を用いて地面から1 mおよび5 cmの空間線量の測定を行い、専用の採土器を用いて表層より5 cmの土壌を採取した。試料採取場所におけるばらつきを評価するために、1地点ごとに5試料の採取を実施し、5年間の環境中での放射性核種の移動状況を評価するために、土壌は表層部の0.0-2.5 cmと、深部の2.5-5.0 cmに分けて採取した。また放射性核種の移行過程をより詳しく調べるために、4地点につき1地点程度、深さ30 cmのコア試料の採取も行った。本講演では、この調査について概要を説明し、事故直後と5年後の比較などいくつかの初期結果について簡単に紹介する。より詳細な結果については、別の講演にて報告が行われる。
著者
トロック はるか ロザンヌ グラニエリ
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.191-195, 2009

1) 米国では臨床教育のプロフェッショナルであるClinician Educatorに対するニーズが高まり,より高いスタンダードが期待されるようになった.<br>2) Clinician Educatorを育成するプログラムには様々な形態が存在するが,米国には,修士課程を含む継続的,また包括的な指導医養成プログラムがいくつか存在する.<br>3) ピッツバーグ大学医学部のClinician Educator Training Programは1,2年間の継続的なプログラムを通じて医学教育のリーダーを育成し,医学教育を学問として発展させることを目的としたプログラムである.
著者
鈴木 毅彦 斎藤 はるか 笠原 天生 栗山 悦宏 今泉 俊文
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-16, 2016-02-01 (Released:2016-03-15)
参考文献数
39
被引用文献数
6

東北日本弧南部,福島県会津坂下町で得た3本のボーリングコアからテフラを検出し,これらの認定を行い会津盆地中西部地下のテフラ層序を確立した.また放射性炭素年代測定も実施し,それらの結果と合わせて盆地堆積物の年代と堆積速度を求めた.地下約100m以浅の堆積物はシルト・泥炭・砂を主体とし,ところにより礫層やテフラを挟む.認定したテフラは上位からNm-NM(5.4ka),AT(30ka),DKP(55~66ka),Nm-KN,Ag-OK(<85.1ka),TG(129ka),Sn-MT(180~260ka)である.最長コアから得た堆積速度は,地表/DKP間で0.46~0.55m/kyrs, DKP/TG間で0.19~0.23m/kyrsである.
著者
北原 寛司 小林 はるか 金子 晋也 是永 美樹 八木 幸二
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.74, no.635, pp.113-120, 2009-01-30

This paper aims to clarify the diversity of open courtyards in faubourg Saint-Antoine area in Paris, by focusing on spatial composition and by analyzing the exterior space arrangement and the connection with the street and with the buildings. Firstly, the arrangement patterns are shown by analyzing the arrangement of the compositional units articulated by their surrounding buildings. Secondly, the connection patterns are described by analyzing the distributive role of the courtyard and the form of its connection with the street. Finally, by considering both of these patterns, 10 types of spatial compositions appear which show the diversity of the open courtyards. Then, comparing these types reveals their structural characteristics.
著者
三谷 はるよ
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.32-46, 2014

本稿の目的は, 「市民活動参加者の脱階層化」命題が成り立つかどうかを検証することである. すなわち, 資源のある人もない人も等しく市民活動に参加するような状況に変化しつつあるのかどうかを検討する. そのために本稿では, 1995年と2010年に実施された全国調査データであるSSM1995とSSP-I2010を用いて, 社会階層と市民活動参加の関連の動向に注目した時点間比較分析を行った.<br>分析結果は以下のとおりである. 第1に, 1995年も2010年も変わらずに, 高学歴の人ほど市民活動に参加する傾向があった. 第2に, 1995年では高収入や管理職の人ほど市民活動に参加する傾向があったが, 2010年ではそのような傾向はなかった. 第3に, 1995年では無職の人は市民活動に参加する傾向があったが, 2010年では逆に参加しない傾向があった. 本稿から, 高学歴層による一貫した市民活動への参加によって教育的階層における「階層化」が持続していたこと, 同時に, 中流以上の層や管理職層, 無職層といった従来の市民活動の中心的な担い手の参加の低下によって, 経済的・職業的階層における消極的な意味での「脱階層化」が生じていたことが明らかになった.
著者
薬師院 はるみ
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.434-440, 2007-09-01

電子化の進行は,図書館長のあり方を変えることになるのだろうか。事によると,司書は不要になるのだろうか。この種の議論は,図書館界で,これまでにも何度か提出されてきた。本稿は,この現象自体に注目するものである。議論が反復された背景には,不安の存在を指摘することができるだろう。新しい情報技術が,従来のあり方や既存の価値観を覆そうとすることへの不安である。ただし,未だに司書職制度が確立しているとはいい難い状況下,司書の新たな役割だけを追求しようとすることは,往々にして司書不要論に結びつく。そこで,本稿では,変化が激しい今日こそ,司書固有の存在意義という視点から情報化という事態を考え直すことを提案する。
著者
米倉 裕希子 作田 はるみ 尾ノ井 美由紀
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.77-84, 2013-03

これまでの障害児の家族研究は親の障害受容が中心的課題であり,親は子どもの障害にショックを受けながらも,再起に向かうというプロセスを踏むといわれてきた.しかし,受容の定義が曖昧で,科学的な検証がなされないまま一方的に家族に受容を押し付けてきた.このような問題意識にたち,すでに統合失調症患者の家族研究で確立されている家族の感情表出(Expressed Emotion,以下EE)研究に着目し,科学的かつ客観的手法を用いた家族研究を行ってきた.本研究では,幼児と学齢児の子どもの家族のEEおよびQOL の違いについて比較し,発達段階における家族支援のあり方について示唆を得る.【方法】EE評価には,簡便な質問紙であるFamily Attitude Scale(FAS)を,QOL 評価にはSF-36v2 を使用した.【結果】分析対象者は,幼児の家族8名,学齢児の家族32 名だった.幼児および学齢児の家族の2群で,FASおよびSF-36v2 の下位尺度それぞれにおいて,独立したサンプルのt検定をおこなった.FAS では有意な差はなかったが幼児の家族は学齢児の家族より低い傾向がみられた.一方で,QOL は全般的に学齢児のほうが幼児より高く,下位尺度の「全体的健康感」では有意に低かった.【考察】先行研究では,EE と子どもの行動上の問題との関連が示唆されている.幼児期では,子どもの行動特性や行動上の問題があまり表出されておらず,EE が低い傾向にあると思われる.一方で,QOL の全ての項目で学齢児の家族は幼児の家族より高く,「全体的健康感」では明らかに高かった.これは,幼児期より継続的にサービスを利用してきたことが影響していると推察される.以上の結果から,これまで言われていたようなショックから再起へという一方向的なプロセスを踏むのではないことが示唆された.しかし,対象者数が少ないため,一般化は難しく今後追試調査が必要である.
著者
河谷 はるみ
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 (ISSN:13447505)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.69-77, 2012-03

社会福祉サービスが措置から契約へと移行して、利用者が事業所を選択する時代となった。こうした制度下では、国の役割としても、あるいは選択の材料としても、サービスの質の保障が重要である。これまで、サービスの質を保障する制度としては、第三者評価制度などがあるが、それだけでは十分ではない。本論文では、サービスの質について、「①物(quality)がそれとして存在するもとであるものと、②サービスの内容、中味、価値」という意味に限定し、これをサービスの質としてとらえた上で、議論をすすめて、利用者満足度調査の意義と制度的導入を提案するものである。この利用者満足度調査とは、利用者本人の想像していたサービス水準からみて、当該事業所のサービスが上だったか下だったか、あるいは本人の嗜好に合っていたかどうかの判断も含めた調査である。 利用者満足度調査は、本人の主観的判断であることは否定できない。そのため、客観的に評価されたサービスの質とは、直接には結びつかないこともある。しかし、利用者満足度調査は単に主観的な判断に過ぎないし、サービスの質の良し悪しをそのまま表しているわけではないからといって、サービスの質の向上とは無関係であるという結論にもならない。その限界を十分に認識しつつも、利用者本人の評価であることに重きをおくと、利用者にとってのサービスのあり方を考えるうえで、よい判断材料となりうる。利用者満足度調査は、まさにサービスを受けている利用者の実感であるから、それを利用して、サービスの改善をめざしていけば、利用者本人にとっての最適基準や最高基準により近いサービスになりうる。この点で、「利用者満足度調査」は意義を有すると考える。 今後、利用者満足度調査は、利用者の主観的な好みが介在しやすいという理由で簡単に切り捨てるのではなく、行政または関係者が予めサービスの質についての予備知識を利用者に与えたうえで実施したり、評価に係る質問をできるだけ客観的になるような工夫をすることを通して、サービスの質を評価する有効な方法のひとつとして活用していくべきであると考える。The Ministry of Labor & Welfare in Japan has changed the personal social service system from the admitted services by local authorities to the services by means of contracts between consumers and providers, and consumers can select the better services. Under the new system, consumers can select the better services, consequently the quality of services is very important. Up to now, there were the service evaluation system by the professional examiners in nursing home, but it was not good enough to keep the quality of social welfare services. The standard of the quality of social welfare service can divide into three levels, minimum, optimum and maximum level. It is too difficult to think about the optimum and maximum standard of the quality of social welfare service. The author wants to propose to set up the assessing consumer satisfaction system in social welfare institutions. However the consumer satisfaction includes consumer's subjective judgment. Therefore, it is likely not to relate directly the quality of service evaluated objectively. Assessing consumer satisfaction sets the frank feelings or preferred sensations of consumers. However I think this is the only system which measures a consumer's affective response to services.
著者
香山 はるの
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.37-47, 2004-03-15

ディケンズの描く女性はヴィクトリア朝の性をめぐるイデオロギーを強く反映しているとしばしば言われる。たとえば、彼の小説には、当時の社会で理想とされた女性像-清らかで優しく夫を支える「家庭の天使」ともいうべき女性キャラクター-が多く登場する。また、ディケンズの世界ではこうした「家庭の天使」とそのイメージから外れたいわゆる「逸脱した」女との間に明白な境界線がある。そして前者は「善」、後者は「悪」という価値判断が明確に小説の中に描きこまれているのである。こうしたことから、これまで多くの批評家がディケンズの女性キャラクターを一面的、画一的だと批判し、この作家の女性に対する認識の甘さを指摘してきた。しかし、こうしたディケンズの特長は特に初期の作品に顕著であり、中期、後期の作品になると微妙に様相が異なってくる。それは一言で言えば、彼の「逸脱した」女性への関心が高まってきたということであろう。前期の作品では、こうした「規格外」の女たちは、コミカルな効果或いは風刺の目的のために使われる場合が殆どであったが、1850年代あたりからはよりシリアスに扱われるようになる。本稿では特に後期の代表作と言われる Great Expectations を取り上げ、3人の「規格外」の女たちについて考察した。すなわち、押しつけられた「母性」に縛られるミセス・ジョー、男に棄てられ「家庭の天使」になりそこねたミス・ハビシャム、ハビシャムの男性への復讐の道具として使われるエステラである。3人の女は社会の規範に反し、或いは挑戦したために手酷い報いを受けるが、ディケンズは彼女たちの言動の背後に潜む問題に鋭く目を向けている。また、エステラについては苦しみを超えて成長した姿が示唆されていて特に興味深い。彼女は続く Our Mutual Friend のベラと同様、ディケンズの数少ない「成長するヒロイン」である。エステラやベラの内面の葛藤や道徳的覚醒の描写は、晩年のディケンズの女性に対する洞察の深まりを示すものと言えるだろう。
著者
菊池 大典 鈴木 はる江
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.15-22, 2020 (Released:2020-06-07)
参考文献数
21

国が推進する地域医療構想の実現に向けて,訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)の需要が増す中,作業療法士(以下,OTR)の配置は必ずしも十分ではない.本研究は訪問リハに従事するOTRの職業性ストレスとその関連要因を明らかにすることを目的に,OTR101名(有効回答率78.9%)の職業性ストレスを調査し,ストレス反応と基本属性,臨床経験,ストレス要因の関連性を分析した.重回帰分析の結果,満足度がストレス反応の緩衝要因として最も影響しており,活気には正の相関(β=0.437,調整済みR2=0.305)を示し,抑うつ感(β=-0.546,調整済みR2=0.291),イライラ感,疲労感,不安感,身体愁訴には,満足度が負の相関として回帰式が得られた.このことから良好なメンタルヘルスを保つ為には,仕事と家庭に満足していることの重要性が示唆されたと共に,今後は満足度の具体的な内容を明らかにすることが,より良いメンタルヘルス対策の検討に資すると考えられた.
著者
渡邉 はるか 前川 久男
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.351-359, 2011 (Released:2013-09-14)
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究では、通常の学級に在籍する362名の定型発達児と33名の特別な教育的ニーズ(Special Educational Needs; 以下SENとする)のある児童に対して、学業適応感、学校生活適応感に関する質問紙調査を実施した。本研究の目的は、渡邉(2009)の尺度を改訂し、学業適応感が学校生活適応感へ与える影響の再検討およびSENの有無が学校生活適応感へ与える影響を検討することである。学業適応感は、因子分析の結果、学業満足感と学業困難感の2因子が抽出された。学校生活適応感に対する学業適応感の影響を検討するために重回帰分析をした結果、学業満足感の影響が確認され、学業困難感の影響はみられなかった。また、学校生活適応感の要因として、特別な教育的ニーズがあることの影響が示唆された。以上より、学校生活適応感に影響を及ぼす要因として、学業満足感に注目することができ、あらためて児童の学習面のニーズに注目する必要性が指摘できる。