著者
後藤 洋三 池田 浩敬 市古 太郎 小川 雄二郎 北浦 勝 佐藤 誠一 鈴木 光 田中 努 仲村 成貴 三上 卓 村上 ひとみ 柳原 純夫 山本 一敏
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.5_97-5_117, 2015

東日本大震災の津波避難の実態を分析するため、研究者、技術者の有志が任意参加の連携組織「東日本大震災津波避難合同調査団」を結成し、重複調査を避け調査モラルを向上させるべく連絡を取り合って調査を実施した。本報告はこの調査団発足の経緯を述べたうえで調査団の中核として活動した山田町・石巻市担当チームの調査方法とその実施状況、ならびに住民の避難に関わる背景的事象の調査結果を述べる。収集した被災者の避難データの特性については別途に取り纏め報告する。山田町・石巻市担当チームの調査に対する被災住民の苦情は聞かれず、むしろ信頼関係のもとで避難の実態解明に役立つ情報を多数得ることが出来た。著者等は山田町・石巻市担当チームの調査データとその調査経験が活用されることを期待して本報告を取りまとめている。
著者
工藤 ひろみ 床次 眞司 細田 正洋 岩岡 和輝 葛西 幸彦
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.92-97, 2016 (Released:2016-08-09)
参考文献数
13
被引用文献数
2

On 11 March 2011, a 9.0 magnitude earthquake, which occurred at Northern Japan, and subsequent tsunami caused serious damage to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS). People living within a radius of 30 km were evacuated from their homes. Residents of Namie Town stayed for several days at a location 30 km northwest of the FDNPS. However, as a highly concentrated radioactive plume passed over this location, the evacuees are very much worried about their radiation exposure. On the other hand, there are several nuclear facilities in Aomori Prefecture. Such circumstances may produce concerns among people regarding an increased risk of cancer or other radiation-induced disease. In this study, focusing on the citizens of Namie Town and Aomori Prefecture (Hirosaki, Aomori and Hachinohe Cities), their understanding of basic knowledge on radiation was investigated through anonymous questionnaires. The present study has revealed that people recognized that they are exposed to natural radiation of more than 1 mSv, Despite this fact, however, people in Namie Town believe even radiation of 1 mSv will cause them some biological effects. Although basic general knowledge on radiation should be provided, a reliable relationship between the general public and experts also needs to be established.
著者
寺町 ひとみ 舘 知也 齊藤 康介 江崎 宏樹 加藤 未紗 臼井 一将 野口 義紘 勝野 眞吾
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.106-113, 2016 (Released:2016-09-27)
参考文献数
21

Objective: Medical education was initiated in 2012 as part of health and physical education (HPE) in junior high schools.  This new measure was a result of a revision of school curriculum guidelines.  In this study, we aimed to clarify the implementation status of medical education in schools.Methods: A questionnaire survey targeting junior high school teachers in Gifu (from 184 junior high schools) was conducted by mail.Results: 60.9% of schools responded (112/184).  HPE teachers and school pharmacists were found to be in charge of providing medical education in 94.6% and 10.7% of schools, respectively.  The average duration of classes was 50 min and the average frequency was 1.2 times a week.  On average, 0.9% of schools stated that implementing medical education was “under contemplation,” 2.7% held “occasional” classes, and 2.7% only held “drug abuse-related” classes.  It was also found that the most commonly used educational material was the school textbook (91.1% of schools).  Additionally, 87.5% of schools responded “yes” to “lectures are delivered by outside lecturers,” and 69.6% responded “yes” to “we hope to introduce workshop participation.”Conclusion: The results of the survey indicated that many junior high schools have provided medical education classes and that HPE teachers were in charge of teaching these classes.  However, some schools have not provided these classes.  It is considered necessary to enhance medical education activities in the pharmaceutical field by involving specialists from different areas.
著者
宮本 みき 高橋 秀人 松田 ひとみ
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.2-12, 2016 (Released:2016-03-25)
参考文献数
27

目的 : 老年期の人工的水分・栄養補給法 (artificial hydration and nutrition, 以下AHN) の導入について, 高齢者が事前に意思決定できない (「決められない」) ことに関連する要因を明らかにすることを目的とした.方法 : 地域で自立した生活を営む単独で外出可能な60歳以上を対象に, 自記式質問紙調査による横断研究 (平成23年8月~11月, 有効回答116人, 有効回答割合90.6%) を行った. AHNに対する事前の意思決定と, AHNの知識, 事前指示や終末期医療に関する意向, 介護経験等との関連を, 多重ロジスティック回帰分析を用いて解析した.結果 : 「AHNに対する事前の意思」について, 「決められない」が25人 (21.6%) であり, 「決められる」は91人 (78.4%) であった (「何れかのAHNを望む」は16人 (13.8%) , 「AHNの全てを望まない」は75人 (64.7%) ) . 「決められない」に関連する要因として選択されたのは, (1) 「認知機能の低下に関連する失敗をした経験がない (失敗の経験) 」 (OR=12.0, 95%CI=1.42-100.41, p<.022) , (2) 「家族を介護した経験がない (介護の経験) 」 (OR=3.0, 95%CI=1.04-8.53, p<.042) , (3) 「意思表示不能時には治療の判断を他者に委ねる (他者に委ねる) 」 (OR=5.6, 95%CI=1.95-16.24, p<.001) であった.結論 : 「AHNに対する事前の意思」を「決められない」ことに関連する要因として, 認知機能の低下に関連する失敗の経験がないこと, 家族を介護した経験がないこと, 意思表示不能時には治療の最終的な判断を事前指示よりも他者に委ねたいとする意向が見いだされた.
著者
山口 勇気 矢澤 ひろみ 岩西 哲 工藤 起来 Yamaguchi Yuki Yazawa Hiromi Iwanishi Satoru Kudo Kazuyuki
出版者
新潟大学教育学部
雑誌
新潟大学教育学部研究紀要 自然科学編 (ISSN:18833845)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.41-46, 2010

野外で採集したトゲズネハリアリの巣を飼育下で営巣させるための技術的な問題について検討した.石膏をプラスチックケースに敷き,ガラス板を置き,その下に育室を作成してトゲズネハリアリを飼育した.飼育を開始すると,ワーカーがケースの縁から石膏を掘り,石膏とケースの間で圧死したため,ワーカーが掘ることができない石膏の硬さを明らかにした.ガラス板下の育室の深さについて検討したところ,ワーカーは1mm程度の浅い育室を好んで幼虫を運び込み,定着した.明暗の異なる2つの育室のある飼育ケースで飼育したところ,すべての飼育ケースにおいてワーカーは暗い育室に幼虫を運んだ.野外のトゲズネハリアリが朽ち木の表皮近くの非常に狭い空間に営巣し,堅い朽木を大顎で削って巣を拡張するという生態学的特徴があるため,トゲズネハリアリを飼育するためには"堅い石膏"上に浅い育室を作成し,暗下で飼育する必要があることが判った.餌として,ゴミムシダマシの幼虫やバッタ目昆虫の脚,昆虫ゼリー,蜂蜜を与えたが,ワーカーはこれらをほとんど採餌しなかった.一方,ワーカーはキンバエの幼虫を好んで摂食した.トゲズネハリアリの生態や社会構造についてはほとんど分かっていないが,本研究により飼育条件が確立したため,今後本種における知見が蓄積できると期待される.
著者
栗﨑 宏 藤井 義久 簗瀬 佳之 西川 智子 中野 ひとみ 瀬川 真未 清水 秀丸
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.256-263, 2015 (Released:2016-02-01)
参考文献数
7

寺社,木橋,古民家といった日本の伝統的木構造物では,擬宝珠,端隠し,根巻き,釘隠しなどと呼ばれる銅製金物が,防水の目的で施工されてきた。これら銅金物を施工した建築物では,金物の下方の木材部材の生物劣化が強く抑制されているものがある。これは,金物から溶出した銅が部材に移行し,木材保護効果を発揮したのではないかと考えられる。銅の溶出を検証するために,三条大橋高欄の銅擬宝珠付き木柱や釘隠し付き横木の表面と,橋のたもとに設置された防腐処理支柱の表面を,ハンドヘルド型蛍光X 線分析装置を用いて分析した。得られた蛍光X 線強度値から,FP 法に基づいて各元素の含有率を算出した。その結果,擬宝珠付き支柱表面では14の全測定点から銅が検出され,うち12点では防腐処理支柱表面で検出された銅含有率0.4%を上回った。今回の調査により,銅金物からは銅が溶出して周囲木材へ移行すること,また,その銅の量は木材の生物劣化抑制に十分寄与しうるレベルであることが確かめられた。
著者
高橋 ひとみ/川端 秀仁/衞藤 隆
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学人間科学 (ISSN:09170227)
巻号頁・発行日
no.45, pp.89-110, 2014-03-28

Children are given visual acuity tests at school. The purpose of the tests is to facilitate school education. There are two types of visual acuity: far- and near-vision visual acuity. Far-vision visual acuity is required, for example, when reading something written on a whiteboard in a classroom. On the other hand, near-vision visual acuity is needed when reading textbooks, notebooks, or when looking at computer screens. However, only far-vision visual acuity tests are typically included in medical examinations at public schools. We believe that a near-vision visual acuity test is necessary, and so in this paper we analyze some basic data about the relationship between children's near-vision visual acuity and their learning efficiency. For the purposes of the paper, we examined both far-vision and near-vision visual acuity, refraction test, questionnaire survey of children at an elementary school. We found that approximately20% of the children had poor, near-vision visual acuity. In addition,8% of the children had only poor near-vision visual acuity. We further found that children with poor far- and near-vision acuity had more learning difficulties compared with children of normal visual acuity. Among children with learning difficulties, the percentage of children with poor far-vision acuity was the same as that of children with poor near-vision acuity. Children whose far-vision visual acuity is found to be lacking are given remedial treatment. We therefore strongly recommend the addition of near-vision visual acuity tests in public schools so that children found to have near-vision acuity problems can be given treatment too. We have to carry out near-vision visual acuity tests and guarantee all children an opportunity to learn.
著者
坂本 ひとみ 那須 清吾
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.17, pp.7-12, 2014-03-16

豊富な労働力を有するアジアが注目されている。しかし、近年の労働者の確保難と賃金の高騰は、それらの国にも現れはじめた。東アジアでは、失業率は低下しているものの各国の労働法の改正により、進出した日系企業へも影響を与えている。そこで、東アジアの人材確保と育成の状況について各国の調査をし、共通している課題が多いことがわかった。第1に、日本人が暮らすためのインフラでは、日本人が現地で暮らすことについても、単身赴任か家族連れかで生活スタイルは変わってしまう。とくに子どもが中学生になるころに日本での教育を望む親が多いため、子どもの年齢により単身赴任になる男性が多いことがわかった。また、国によっては不安定な状況もあり、家族があまり外出できないことにストレスを感じている社員も少なくはない。第2に、「5S」や「ホウレンソウ」について各企業の努力が見られる。日本的な人材育成をどう企業文化として根付かせるか、経営品質という課題である。特に中小企業では、駐在員も少ないため、人材育成になかなか手が回らないのが現状である。
著者
伴 ひかり
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.45-54, 2003

ヘクシャー=オリーン理論にしたがえば,熟練労働豊富国である先進国と非熟練労働豊富国である発展途上国の間の貿易拡大は,先進国における賃金格差の増大と,発展途上国におけるその縮小をもたらす.近年,東アジア地域においても自由貿易協定の構想が活発化しているが,それらは日本の労働市場にどのような影響を及ぼすだろうか.本稿では応用一般均衡モデルの1 つであるGTAP モデルを用い,日本と中国,NIEs,ASEAN,東アジア,全地域のそれぞれの間で関税を撤廃するという5つのシナリオのシミュレーションを実行した.対東アジアと対全地域のシナリオでは賃金格差は拡大するが,他のシナリオでは確認できない.対中国では若干縮小する傾向さえみられる.賃金の動向には生産や貿易の構造が複雑に影響することが明らかになった.
著者
畔上 由佳 内山 友里恵 笠原 ひとみ 上田 ひろみ 吉田 徹也 宮坂 たつ子 長瀬 博 藤田 暁
出版者
長野県環境保全研究所
雑誌
長野県環境保全研究所研究報告 (ISSN:1880179X)
巻号頁・発行日
no.7, pp.57-61, 2011

1992年から2010年までの間,長野市におけるスギ・ヒノキ科花粉の飛散状況調査を継続して実施した.その結果,長野市でのスギ花粉飛散開始は,前年11月の日最高気温が平年よりも高いシーズンでは1月1日からの日最高気温積算値が295℃から388℃を超えるころに確認された.一方,前年11月の日最高気温が平年並みから平年より低かったシーズンでは,229℃から317℃で飛散開始が確認された.スギ花粉最高飛散日の平均は3月27日であった.飛散開始から最高飛散日までの日数は,平均23日であった.スギ花粉総数の中央値は1988.4個/cm2であった.スギ花粉総数が1000個/cm2を超える年では「環境省花粉観測システム(はなこさん)」のデータと,ダーラム型花粉捕集器によるデータは高い相関が認められた.
著者
川野 亜紀 細田 千晴 高橋 智子 大越 ひろ
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.13-20, 2006-01-15
被引用文献数
5

Mixed gel-sol samples were prepared by mixing yam gel with grated yam sol. The sol samples were prepared to five different levels of hardness : those resembling salad oil, yogurt, mayonnaise, grated yamatoimo, and mashed potato. The lowest hardness of the mixed gel-sol samples was achieved from the sol samples with a hardness similar to that of yogurt or mashed potato. The higher the concentration of the sol used in the sample, the higher were the values for the "adhesive energy" and "cohesiveness." The results of a sensory evaluation of the mixed gel-sol samples revealed that the higher the concentration of the sol used in the mixed sample, the more likely it was to be evaluated as "sticky" and "cohesive." The samples made from the sols similar in hardness to mayonnaise or grated yamatoimo were evaluated as the easiest to swallow. The samples made from the sols similar in hardness to yogurt or mayonnaise were rated having less "residual feeling in the mouth." The sensory evaluation comparing gel sample alone with mixed gel-sol samples revealed that those samples in which the gel was covered with the sol were more likely to be evaluated as "soft" and having less "residual feeling in the mouth" than sample of the gel alone.
著者
杉山 英子 中沢 ひとみ 中澤 公美 渋沢 明希子 高橋 実沙登 中村 真理子 永下 祐衣 前角 みちる 松本 秀樹 石尾 さゆり 小澤 里沙 横山 伸
出版者
長野県短期大学
雑誌
長野県短期大学紀要 = Journal of Nagano Prefectural College (ISSN:02861178)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.13-17, 2011-12

The present study investigated the stereotypes of the ideal male and female face shapes depicted in Japanese comics (manga) and their influence on body image. General trends of face shapes in male and female figures (n=1381) were analyzed in manga published during 2006-2008. In manga for female readers, both males and females have a thinner cheek-jaw silhouette, while in manga for male readers, they have a natural cheek-jaw silhouette. Moreover, compared with females’ face shapes of males depicted in all the manga categories have more variation of face shape. Interestingly, males in manga stories for adult female readers are depicted with the highest frequency of thin cheek-jaw silhouette. The meaning of the thinner cheek-jaw silhouette in manga is discussed.
著者
杉山 英子 中沢 ひとみ 中澤 公美 渋沢 明希子 高橋 実沙登 中村 真理子 永下 祐衣 前角 みちる 松本 秀樹 石尾 さゆり 小澤 里沙 横山 伸
出版者
長野県短期大学
雑誌
長野県短期大学紀要 (ISSN:02861178)
巻号頁・発行日
no.66, pp.13-17, 2011
被引用文献数
1

The present study investigated the stereotypes of the ideal male and female face shapes depicted in Japanese comics (manga) and their influence on body image. General trends of face shapes in male and female figures (n=1381) were analyzed in manga published during 2006-2008. In manga for female readers, both males and females have a thinner cheek-jaw silhouette, while in manga for male readers, they have a natural cheek-jaw silhouette. Moreover, compared with females' face shapes of males depicted in all the manga categories have more variation of face shape. Interestingly, males in manga stories for adult female readers are depicted with the highest frequency of thin cheek-jaw silhouette. The meaning of the thinner cheek-jaw silhouette in manga is discussed.