著者
中野 綾美 池添 志乃 益守 かづき 高谷 恭子 首藤 ひとみ 佐東 美緒
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

子どもの脳死に直面した家族が辿る苦悩に満ちた意思決定プロセスを支えるケアガイドラインの開発を目的とした。臓器提供を行った家族の 10 編の手記、子どもの看取り又は臓器移植をした家族への看護を看護師 13 名に面接調査し質的に分析した。その結果と家族看護エンパワーメントガイドラインを活用し、研究者と小児看護や家族支援 CNS、小児救急看護 CN の 12 名でブレインストーミングを実施した結果、家族が子どもの最善を考えるケアガイドラインを検討し、今後、洗練化が課題である。
著者
高久 雅生 江草 由佳 寺井 仁 齋藤 ひとみ 三輪 眞木子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.1005110019-1005110019, (Released:2010-05-24)
参考文献数
41
被引用文献数
3

Web利用者の情報探索行動の理解のために,眼球運動データ,ブラウザログ等の情報を包括的に用いて,ユーザ特性,タスク種別の違いがいかに探索行動に影響しうるかを検討した.ユーザ特性として図書館情報学専攻の大学院生と一般学部生の2グループを設定し,それぞれ大学院生5名,学部生11名が実験に参加した.タスク種別としてレポートタスクと旅行タスクの2つを設定して,それぞれ15分間ずつのWeb探索行動を観察した.実験の結果,タスク種別の影響として,サーチエンジンの検索結果一覧ページ上における視線注視箇所として,旅行タスクではスポンサーリンク,レポートタスクではスニペット領域がより多く見られるなど,タスク毎に着目する情報が異なることが示された.また,旅行タスクではサーチエンジン検索結果一覧ページから2回以上たどったページの閲覧回数がより多く,異なるタスクにおいて情報収集方略が異なる傾向が示唆された.一方でユーザ特性の影響として,大学院生は学部生に比べて,ページ閲覧をすばやく行い,タブ機能を用いた並列的な閲覧行動も観察されるなど,効率的な情報収集を目指した行動の差異が見られた.
著者
ましこ ひでのリ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告.IM, [情報メディア]
巻号頁・発行日
vol.97, no.89, pp.1-6, 1997-09-12

いわゆるワープロ機能における漢字論議をみていて痛感されるのは, コスト感覚を度外視しているのではないかとおもわれる前提-たとえば「第2水準漢字程度の字数は不可欠」といった-である. たとえば固有名詞におびただしくあらわれる特異な表記をともかく伝統どおりに再生産しなければという官公庁等のこだわりは, 時代錯誤的なアナログ・フェティシズムとはいえまいか. 先天性の全盲者のおおくがのりこえてしまっている「日本語表記には漢字は不可欠」というおもいこみ. これらの再検討をふまえない, モジ・セットの議論は, 一歩距離をおいたとき, 悲喜劇としかいいようがない. 梅棹忠夫氏のといた, ワープロ=かなタイプ論は, いまだに検討にあたいする.
著者
望月 ちひろ 宍戸 哲也 石田 玉青 春田 正毅 村山 徹
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
石油学会 年会・秋季大会講演要旨集 第49回石油・石油化学討論会(山形大会)
巻号頁・発行日
pp.208, 2019 (Released:2019-12-31)

バイオマスから得られる重要な基幹化合物である5-ヒドロキシメチルフルフラールを選択酸化することで得られる2,5-ジフォルミルフランは、医薬品, 機能性ポリマー合成の重要な前駆体である。本研究では、アルコール酸化反応の光触媒として知られるNb2O5に様々な金属ナノ粒子を担持しHMF選択酸化反応を検討した。この結果、Nb2O5のみに比べAuナノ粒子を担持することで活性・選択性の向上が確認されたので報告する。
著者
大西 由紀 杉本 吉恵 網島 ひづる 大西 英雄
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.14-20, 2010-08-20 (Released:2016-08-25)
参考文献数
19

安全で効果的な湯たんぽの貼用方法の基礎的資料を得るために,湯温 60℃と 80℃の湯たんぽを用いて寝床内の保温範囲,快適な温度への到達時間 ・ 持続時間,保温量などの寝床内温度の経時的な変化を測定し比較検討した.その結果,寝床内の温度は両湯温とも実験開始から 10分までに急激に上昇し,その後緩やかに下降した.また,湯たんぽ周囲から離れるほど寝床内温度は低下し保温量も少なくなることが明らかとなった.さらに,快適な寝床温度 (32~34℃) は湯温 60℃では 5 cm,80℃では 10 cmの位置に湯たんぽを貼用することで約 20分後に得られ,約 4.5時間程度持続することが判明した.一方,60℃でも湯たんぽの表面温度は最高で 44.5℃まで上昇し,43℃以上の表面温度が 110分間持続していることから低温熱傷の危険性があると考えられる.安全で効果的な貼用方法を検討するためには寝床内温度の変化を考慮することが重要である.
著者
古別府 ひづる
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.170, pp.107-121, 2018 (Released:2020-08-26)
参考文献数
13

本研究の目的は,英語圏中等教育機関の日本語教師が求める日本語アシスタント (以下,JA) の資質を明らかにすることである。質問紙調査より日本語教師212名の回答が得られた。データを因子分析にかけた結果,「教師の専門性と英語力と規律」「日本語教授者の基本的態度」「明るい人間性」「勤勉さと役割認識」の4因子が抽出された。うち,JAに強く求められる因子とそうでない因子,教師と共通の因子,JAに特徴的な因子が挙げられた。次に,4因子と教師の語学アシスタント (以下,LA) 経験有無とJA受入希望有無との関係を探るためノンパラメトリック検定を行った。結果,「教師の専門性と英語力と規律」の因子に有意差があり,LA経験有無とJA受入希望有無は,JAと教師の区別の認識に重要な要因であることがわかった。また,JA受入希望者が多い一方,JAと教師の区別が明確でない者も多いことが指摘できた。本結果は,海外JA活用の基礎的な指標を示したと考える。
著者
田中 ちひろ 山本 雄平 姜 文渊 田中 成典 中村 健二 中島 伸介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.580-589, 2020-02-15 (Released:2020-02-15)
参考文献数
18
被引用文献数
3

スポーツ庁では,我が国の国際競技力の向上に関する重点政策において,日本代表選手の活躍を科学な側面から支援することを目指している.そこで,筆者らは,GNSSセンサによるフィールドスポーツの可視化システムを開発してきた.特に,アメリカンフットボールに着目し,QB,WR,DBのマッチアップを対象にした軌跡画像を用いて,深層学習によるパス成否の判定を目指してきた.ただし,プレーが完結したトラッキング情報のみを用いているため,プレー中の成功率の予測や,その予測値に基づくタイムリーな動作の選択と修正をサイドラインから指示できるようなプレー中の気づき情報の獲得には至っていなかった.そこで,本研究では,軌跡の経時変化を加味したトラッキング情報を用いることで,プレー中の成功率を予測することを試みる.実験では,クイックパス,ショートパスやロングパスなどの軌跡を対象に分析を行い,その有用性を実証した.
著者
河西 ひとみ 船場 美佐子 富田 吉敏 藤井 靖 関口 敦 安藤 哲也
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.488-497, 2018 (Released:2018-09-01)
参考文献数
38
被引用文献数
1

過敏性腸症候群 (IBS) と自己診断して医療機関を受療する患者の中には, 腸管ガスに困難感をもつ一群が存在する. 本稿では腸管ガスに関連する症状を主訴とする多様な病態の診断と鑑別について述べた後, それらの病態をIBS・機能性腹部膨満を中心とした機能性消化管障害・呑気症・自己臭症のカテゴリに整理し, 治療についてまとめた. 中でも治療に難渋することが多い自己臭症は, 同様の病態がolfactory reference syndrome (ORS) として海外でも報告されている. 筆者らが自己臭症について国内外の治療法の効果研究報告を調査したところ, 現時点でRCTを含む比較研究は存在しなかった. そこで, システマティック・レビューと症例報告を紹介した. それらの文献では, 薬物療法では抗うつ薬を有効とする報告が, 心理療法では行動的介入の有効性の報告が多かった. 行動的介入の有効性の報告からは, わが国で自己臭症患者に適用されてきた森田療法や, 第三世代の認知行動療法のacceptance and commitment therapy (ACT) と治療構成要素の共通性が見出される. 腸管ガスに関連する症状には, 多様な病態が関与しうる. 病態理解と効果的な治療のために, さらなる研究とエビデンスの蓄積が期待される.
著者
塩野 剛司 佐藤 ひろゆき 森谷 幸紀 岡本 泰則
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.409-412, 2010-06-15 (Released:2010-06-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

Tsuchi-kabe (called as soil wall or mud wall in English) utilized in Japanese traditional buildings is well known to have the characteristics of humidity conditioning. However, the characteristics have not been well examined. For preparing tsuchi-kabe material, soil, sand and rice straw are well mixed with water and then kept from a few weeks to months to promote fermentation. This aging process that is called as “Nekashi” gives plasticity to the material and is very important to construct tsuchi-kabe. In the present study, effect of “Nekashi” on the characteristics of humidity conditioning was examined. Long period of “Nekashi” enhanced the characteristics in nakanuri-kabe with a smaller amount of clay component.
著者
薮田 行哲 宮脇 ひろみ 柴山 絢子 一柳 剛 會見 忠則 渡辺 文雄
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.89-92, 2012-07-31 (Released:2018-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
1

市販されている9種の食用きのこの抗酸化活性をクロシン退色法,フォーリンチオカルト法,そして1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル消去法の3種類の方法により測定した.9種類の内,ツクリタケが最も高い抗酸化活性(0.22mmol Trolox当量/g新鮮重量)を示した.さらにツクリタケの抗酸化活性は熱に安定であった.抗酸化活性は抽出溶媒および抗酸化活性の測定法の違いにより変化した.このことはきのこには様々な抗酸化物質が含まれていることを示唆するものであった.