著者
石井 営次 乾 美智子 高橋 美帆 塚本 晶子 林 茂美 三浦 和美
出版者
(社)大阪生活衛生協会
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.228-232, 1991-09-10 (Released:2010-03-11)
参考文献数
3
被引用文献数
1

Bacterial contamination in tableware sponge polishers for kitchen use was examined and means for sterilization were sought. Among 36 polishers including 4 for use at places of business, a colony forming unit for each polisher measured by standard plate count, exceeded 109 in 21 polishers, and 108 in 32 polishers, of which a number of coliforms in MPN was more than 106 in each polisher. Although no Salmonella could be detected, Staphylococcus aureus and Bacillus cereus were found in 9 and 15 polishers, respectively. Polishers treated with boiling water every day and which dried easily showed a low number of bacterium, from 102 to 103. Bacterial contaminated polishers were sterilized by boiling water for more than 30 seconds every day, but not by chemicals or disinfectant. Salmonella, S. aureus, and Escherichia coli were found capable of growing in polishers at 25°C.
著者
松下 貴惠 岩島 佑希 馬場 陽久 稲本 香織 三浦 和仁 岡田 和隆 渡邊 裕 山崎 裕
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.209-217, 2020-12-31 (Released:2021-01-28)
参考文献数
31

目的:味覚障害の多くを占めている高齢者における味覚障害の特徴を明らかにすること。 方法:2013年8月~2019年12月の6年5カ月間に味覚異常を主訴に当科を受診した101例を,65歳以上の高齢者群74例と,65歳未満の非高齢者群27例の2群に分けた。これらに対し,男女別の年齢分布,病悩期間,発症の契機,味覚の自覚症状,味覚異常以外の口腔内随伴症状,薬剤服用歴,内科的疾患,味覚障害の原因,初診時の味覚検査と血液検査,治療法,予後に関して比較検討した。 結果:高齢者群は非高齢者群に比べ,病悩期間が有意に長く(19.3±28.1月 vs. 8.9±16.8月),発症の契機率は有意に短く(46% vs. 74%),薬剤服用歴と内科的疾患の有病率はともに有意に高い結果であった(91% vs. 70%,93% vs. 59%)。味覚異常の原因では,両群ともおおむね同様の傾向を示したが,高齢者群は非高齢者群に比べ心因性が少なく,口腔疾患と亜鉛欠乏性の割合が多くなっていた。高齢者群の口腔疾患は,口腔カンジダ症が多く高齢者群全体の約2割を占め,臨床所見のみではカンジダ症が疑われない症例が約4割に認められた。高齢者群の改善率は非高齢者群と同様で約75%と良好であったが,治療期間は長い傾向にあった。両群ともに病悩期間の長いほうが改善率は低く,治療期間も長くなる傾向があった。 結論:高齢者における味覚障害では,口腔カンジダ症が多く認められるため,初診時のカンジダ検査の重要性が示唆された。また病悩期間が治療効果や治療期間と関係するため,早期発見と早期の適切な治療が必要であると思われた。
著者
三浦 和己
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.23-28, 2016 (Released:2017-03-22)
参考文献数
15

近年,映画の製作・流通がアナログ(フィルム)からデジタルへと急速に移行している.この移行は映画の可能性を大きく広げる一方で,生成されたデジタルデータを長期間保存するという面においては,保存媒体やフォーマットがすぐに陳腐化するなど課題も多い.この課題についての調査を進めるため,東京国立近代美術館フィルムセンターでは,文化庁による 「美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業」 の補助を受け,『映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究事業』 を実施している. 本稿ではこの調査事業の一環として実施した,4K 映像の長期保存に向けた取り組みについて紹介し,その中から顕在化 した課題について考察する.さらに今後の保存システム構築における重要な要素として,特定技術への依存を回避するための技術動向について触れる.
著者
今井 健介 三浦 和美 飯田 博之 藤崎 憲治
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.147-154, 2011-08-25 (Released:2011-09-02)
参考文献数
24

クズは日本から北米へ導入されて害草化し,アメリカ合衆国では侵略的外来植物とされている.アメリカにおけるクズの生物的防除に資する目的で,原産国である日本におけるクズの天敵相を調査し,2004年~2005年に近畿地方を中心に行った野外調査と文献調査により48種のクズ食者を確認した.そのうち20種は先行研究で作成された日本産クズ天敵リストに掲載されていない種であった.これらの中で導入可能なクズの単食性天敵と推察されたのは,食性が知られていない3種,エゾコハナコメツキParacardiophorus subaeneus yasudai Ohira,ヨスジヒシウンカReptalus quadricinctus Matsumura,およびコガタヒメアオシャクJodis orientalis Wehrliであった.また,本調査で明らかになった近畿地方のクズ天敵相(41種)と鹿児島市における先行研究の結果(62種)を比較したところ,2地域間の共通種は21種で,天敵相に大きな違いが認められた.同様に,既存の日本産天敵リストと本研究の結果を併せた129種を,先行研究で報告された中国産天敵リストの116種と比較したところ,2国間の共通種は15種でさらに大きな差が認められた.このように調査地点により天敵相が大きく異なることから,気候等の環境条件の異なる多くの地点で探索することが有効な導入天敵の発見につながる可能性が示唆された.しかし,本調査の近畿地方における調査時間と累積発見種数との関係を解析したところ,今回の天敵探索方法による発見種数は飽和に近づいており,今後も天敵の探索を継続するなら,別の地域における調査や別の調査手法の導入が必要と考えられた.
著者
今井 健介 三浦 和美 飯田 博之 藤崎 憲治
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.147-154, 2011 (Released:2012-12-03)

クズは日本から北米へ導入されて害草化し、アメリカ合衆国では侵略的外来植物とされている.アメリカにおけるクズの生物的防除に資する目的で、原産国である日本におけるクズの天敵相を調査し、2004年~2005年に近畿地方を中心に行った野外調査と文献調査により48種のクズ食者を確認した.そのうち20種は先行研究で作成された日本産クズ天敵リストに掲載されていない種であった.これらの中で導入可能なクズの単食性天敵と推察されたのは、食性が知られていない3種、エゾコハナコメツキParacardiophorus subaeneus yasudai Ohira、ヨスジヒシウンカReptalus quadricinctus Matsumura、およびコガタヒメアオシャクJodis orientalis Wehrliであった.また、本調査で明らかになった近畿地方のクズ天敵相(41種)と鹿児島市における先行研究の結果(62種)を比較したところ、2地域間の共通種は21種で、天敵相に大きな違いが認められた.同様に、既存の日本産天敵リストと本研究の結果を併せた129種を、先行研究で報告された中国産天敵リストの116種と比較したところ、2国間の共通種は15種でさらに大きな差が認められた.このように調査地点により天敵相が大きく異なることから、気候等の環境条件の異なる多くの地点で探索することが有効な導入天敵の発見につながる可能性が示唆された.しかし、本調査の近畿地方における調査時間と累積発見種数との関係を解析したところ、今回の天敵探索方法による発見種数は飽和に近づいており、今後も天敵の探索を継続するなら、別の地域における調査や別の調査手法の導入が必要と考えられた.
著者
武田 雅彩 三浦 和仁 新井 絵理 松下 貴恵 山崎 裕
出版者
北海道歯学会
雑誌
北海道歯学雑誌 (ISSN:09147063)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.122-126, 2020-04

苦味の自発性異常味覚を訴える症例に対し,漢方薬の五苓散を投与したところさまざまな効能が得られた症例を経験したので報告する. 70 代の女性.初診の1か月前,突然,安静時に右舌縁の苦味を自覚し,その後も症状に改善傾向なくかかりつけの歯科からの紹介にて当科受診した.下肢のむくみ,頬粘膜の咬傷痕が認められ,血清亜鉛値は61 μg/dl と軽度低値ではあったが他の各種検査では異常を認めなかった.味覚障害の原因として亜鉛欠乏性が疑われたが,まずベンゾジアゼピン系の抗不安薬であるロフラゼプ酸エチルの投与を開始した.すぐに苦味は軽快傾向を示したが,3週頃から改善が認められなくなった.そこで水滞の所見を参考に五苓散5 g/ 日を投与すると苦味が軽快した他に下肢のむくみや頬粘膜の咬傷がなくなった。結果的に亜鉛の補充は行わずに味覚異常は完治した
著者
三浦 和己
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.61-66, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)

映画の製作及び流通の過程においては,情報量やフォーマットの違い,使用目的に応じた特性の違いによって,様々なバリエーションのデータが生成される。同様にこれらのデータを保存するメディアも,バックアップを目的として用途に応じた複数の種類が生成される。デジタル映画の保存を目的としたデータベースを考える上で,これら様々なバリエーションのデータとメディアをどのように分類し,管理するかが重要なポイントとなる。本稿では,この分類上の考え方を中心に,データベースの構成,項目について,国立映画アーカイブで検討中の方針を具体例として挙げ,紹介する。
著者
三浦 和 勝平 純司 黒澤 和生
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.683-687, 2014 (Released:2014-10-30)
参考文献数
16

〔目的〕ヒラメ筋の痙縮抑制に効果的な圧迫強度と時間を明らかにすることである.〔対象〕地域在住の慢性期の脳血管障害片麻痺者18名.〔方法〕H波,M波の閾値と最大値の測定をヒラメ筋に対し軟性サポーターを用いた5つの強度(0,20,30,40,50 mmHg)と3つの時間(1,3,5分間)の組み合わせで施行した.臨床で行われているヒラメ筋の6つの痙縮評価も実施した.〔結果〕麻痺側の脊髄運動神経興奮性は,非麻痺側と比較し有意な亢進を示し,これとクローヌス数の間に有意な相関が認められた.40 mmHgで5分と30 mmHgで3分での圧迫により麻痺側の脊髄運動神経興奮性は他の組み合わせと比較して有意に低値をみせた.〔結語〕これらの強度と時間の組み合わせでの圧迫は,ヒラメ筋の痙縮抑制の効果を持つ.
著者
小林 慎二郎 瀬上 航平 三浦 和裕 四万村 司 櫻井 丈 小泉 哲 牧角 良二 月川 賢 宮島 伸宜 大坪 毅人
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.595-598, 2011-05-31 (Released:2011-07-12)
参考文献数
21
被引用文献数
5

膿瘍形成性虫垂炎に対する緊急手術では拡大手術移行の可能性や合併症発生率が高い。当院では2008年から膿瘍形成性虫垂炎に対して保存的治療で膿瘍を沈静化させ手術希望があれば約3ヵ月後に虫垂切除を行うinterval appendectomy(以下,IA)を行っている。膿瘍形成性虫垂炎32例について検討した。32例中29例(91%)が平均17.2日の入院期間で保存的治療に成功した。29例のうち,手術希望のあった16例に対してIAを施行した。16例のうち14例(87.5%)が腹腔鏡下虫垂切除術を完遂した。手術症例16例における平均手術時間は96分で,手術時平均入院期間は9.4日であった。また手術症例において合併症の発生は1例も認めなかった。総入院日数が長いことが課題であるが,拡大手術移行が少なく,合併症もない本治療方針は膿瘍形成性虫垂炎に対して有効であると考えられた。
著者
三浦 和己
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.23-28, 2016

<p>近年,映画の製作・流通がアナログ(フィルム)からデジタルへと急速に移行している.この移行は映画の可能性を大きく広げる一方で,生成されたデジタルデータを長期間保存するという面においては,保存媒体やフォーマットがすぐに陳腐化するなど課題も多い.この課題についての調査を進めるため,東京国立近代美術館フィルムセンターでは,文化庁による 「美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業」 の補助を受け,『映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究事業』 を実施している. 本稿ではこの調査事業の一環として実施した,4K 映像の長期保存に向けた取り組みについて紹介し,その中から顕在化 した課題について考察する.さらに今後の保存システム構築における重要な要素として,特定技術への依存を回避するための技術動向について触れる.</p>
著者
藤田 慎一 岡村 和幸 三浦 和彦 高橋 章
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.349-354, 2010
被引用文献数
2

The scavenging ratio of sea-salt components for the winter monsoon was presented on the coastal region of the Sea of Japan. Concentrations of sodium in air and precipitation were analyzed from four monitoring networks, CRIEPI, NPG, NIES/ADORC, and CRIEPI during the period from 1987 to 2008. On the basis of the monitoring data collected, we analyzed (i) seasonal variation and horizontal distribution of sea-salt concentration in air and precipitation, (ii) statistical properties of scavenging ratio on a regional scale, (iii) relationship between scavenging ratio and precipitation intensity, (iv) wet scavenging coefficient on a local scale, and (v) temporal variation of sodium concentration associated with the winter monsoon.<br>