著者
中山 英二 大内 知之 賀来 亨 柴田 考典 有末 眞 永易 裕樹 安彦 善裕 上野 繭美 河津 俊幸 吉浦 一紀 浅香 雄一郎 上田 倫弘 山下 徹郎 仲盛 健治 平塚 博義 針谷 靖史 関口 隆
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.59-68, 2011-09-15 (Released:2011-10-20)
参考文献数
6
被引用文献数
5 4

唾液腺腫瘍は病理組織像が多彩であり,また,一つの腫瘍型の中にも多様な組織成分が混在するので,唾液腺腫瘍の病理組織学的診断は難しいことがある。それゆえ,唾液腺腫瘍において,良性と悪性の画像鑑別診断もまた困難なことがある。境界が画像上でほとんど明瞭のようであっても,実際は微妙に不明瞭である唾液腺腫瘍は悪性腫瘍のことがある。そこで,唾液腺腫瘍の画像診断においては,画像上の境界の明瞭度は非常に重要で,境界の明瞭度の注意深い判定は必須である。境界の明瞭度はCTではなく,超音波検査とMRIで判定されるべきである。さらに,CTとMRIでは,可能であれば,DICOMビューワー上で最適な画像表示状態で観察されるべきである。大唾液腺腫瘍について:耳下腺腫瘍では良性腫瘍が70%以上であり,顎下腺腫瘍では40%が悪性で,舌下腺腫瘍では80%が悪性である。この事実は唾液腺腫瘍の画像診断をする上で重要である。境界が必ずしも明瞭とはいえない耳下腺腫瘍は悪性を疑う。画像所見が舌下腺から発生したことを示す病変は悪性腫瘍と診断されるべきである。小唾液腺腫瘍について:腫瘍が小さい場合はたとえ悪性でも境界が明瞭なことがしばしばである。そこで,病変の境界が明瞭である画像所見は,その病変が良性である証拠とはならない。口蓋部の悪性唾液腺腫瘍では,画像所見として検出できない微妙な骨浸潤があることに特に注意を払う必要がある。口唇と頬部の唾液腺腫瘍には超音波検査が最も有用である。顎骨内に粘表皮癌が発生することについても注意したい。
著者
中山 英一郎
出版者
日本分析化学会
雑誌
ぶんせき (ISSN:03862178)
巻号頁・発行日
vol.294, pp.475-483, 1999-06
参考文献数
30
著者
中山 英司
出版者
日本人類学会
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.336-353, 1937-09-15 (Released:2008-02-26)
著者
蟹江 康光 服部 陸男 中山 英明 関 邦博 水嶋 康男 設楽 文朗 伊藤 信夫
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌 (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.86-94, 1981-07-15 (Released:2018-01-31)

In a hyperbaric chamber, living mature specimens of Nautilus pompilius withstood the hydrostatic pressure of 8.31 MPa (84.7 kg/cm^2) equipvalent to 827 m-depth in the sea and 7.89 MPa (80.5 kg/cm^2) equivalent to 785 m-depth, respectively, before it was killed instantly by implosion, the animals reacted physiologically to increasing pressure including increased partial pressure of oxygen with the compression rate (0.0981 MPa/min). This suggests that Nautilus undergoes severe stress during rapid descent and ascent through the water column. The shell implosion was caused by maximum strain-shortening (1.3% of the length). The shell implosion under pressure seems to have occurred at an old air chamber or siphuncular tube but not at the last septum of the phragmocone. Consequently, the depth of approximately 800 m is considered to be the maximal depth that N. pompilius is durable. The result will be usable for interpretations on paleobiology of extinct nautiloids and ammonoids which have similar shells and siphuncular tube system as living Nautilus.
著者
神内 謙至 橋本 善隆 新美 美貴子 山下 亜希 山内 光子 四井 真由美 西田 なほみ 山崎 徹 早川 太朗 中山 英夫 槻本 康人 並河 孝 笹田 侑子 前林 佳朗 高橋 正洋 磯野 元秀
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.256-263, 2014

50歳女性.平成4年に糖尿病を指摘され平成16年より当院にて加療中.低血糖で救急搬送された既往あり.インスリン治療で血糖コントロール不良,また低血糖も起こすため,平成23年2月教育入院となった.入院中,血糖正常であるものの低血糖症状のためパニックになることがあった.翌日のスケジュールを説明しても当日になると忘れる,糖尿病教室でテキストを忘れる,と言う出来事があった.そのため,注意欠如/多動性障害(ADHD)を疑い本人の同意の上で滋賀医科大学精神神経科に紹介しADHDの診断となった.抽象的な情報を処理する能力は低く,簡潔で具体的な手本を示し,時間的余裕が必要な症例であると判断された.全成人の4.7 %の有病率とされるADHDであるが,今のところADHDと糖尿病の合併にかかわる報告は極めて少ない.血糖コントロールが極めて悪化することが考えられ,適切な治療方法が必要である.
著者
堀川 教世 中山 英明 境田 彰芳 田中 道七
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.426-432, 2000-04-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
12
被引用文献数
3 4

Load-controlled fatigue tests were carried out on PAN-based monofilament carbon fibers under cyclic tensile load conditions at a frequency of 10Hz. Fatigue strength data are obtained under pre-determined maximum load Pmax with three different stress ratios of R(=Pmix/Pmax)=0.1, 0.5 and 0.7. The maximum load Pmax is not an appropriate parameter to evaluate the fatigue strength behavior because the cross-sectional area of monofilament carbon fiber is not constant and varies along the longitudinal direction. This fact results in a large scatter of fatigue lives when the data are plotted on Pmax-Nf diagram. In order to evaluate the fatigue strength behavior more precisely, the fatigue strength data must be plotted on S-N diagram by using the maximum tensile stress σmax determined from the cross-sectional area of the fracture surface. It is found that S-N properties of monofilament carbon fibers clearly show the fatigue behavior, depending on the stress ratio R. It is also found that the fatigue strength of monofilament carbon fiber is governed by two parameters such as the maximum stress σmax and the stress amplitude σa, and that the combined stress parameter σmax(1-α)×σaα is useful to describe the fatigue strength behaviors of the different stress ratios.
著者
松田 和政 中山 英久 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.166-176, 2010-02-01

Web会議やIP電話の普及により,ストリーミング配信におけるセキュリティ確保がますます重要となっている.しかし,P2Pネットワークや通信路の暗号化といった新たな通信技術の普及により,既存のセキュリティ技術でのパケットフィルタリングなどでは完全な通信制御ができない場合がある.そこで,我々のグループでは以前に,ルータにおいてストリーミング動画のトラヒック量を記録し,そのパターンをマッチングすることにより,該当する動画がネットワークを流れているかどうかを判定する手法を提案した.この手法ではパケットの中身を解析することなく,秘匿すべき動画の外部流出を検知することができる.しかし,既提案手法ではパケットの遅延変動が著しく増大すると,正しい比較を行うことができない場合があった.本論文ではこれを考慮し,動的なトラヒックパターン生成方式を用いた遅延変動にロバストなストリーミング動画検知手法を提案する.更に,マッチング手法として動的計画法を導入し,パケットロス時に発生するパターン長の伸縮問題にも対応している.提案手法は,既提案手法に比べて精度・再現率などの点で大幅な性能向上を達成した.
著者
小林 正裕 中山 英久 Ansari Nirwan 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.221, pp.131-136, 2007-09-13
参考文献数
17

IPマルチキャストに代わるストリーム配信技術として,各ノードのストリーミングアプリケーションに依存してマルチキャストツリーを構成するApplication Layer Multicast(ALM)技術に注目が集まっている.ALMでは配信ツリーを構成し,そのツリー構造に従ってストリームを配信する.そのため,ツリーの上位に位置するノードの離脱により,そのノードよりも下位に位置するノードヘストリームが配信されない場合が生じる.そのような問題点に対して,Topology-aware Hierarchical Arrangement Graph(THAG)を利用してALMを実現するストリーム配信手法が提案されている.THAGでは,Multiple Description Coding(MDC)により,ストリームを複数の部分ストリームに分割しそれぞれの部分ストリームに対して,Arrangement Graph(AG)から独立にツリーを構成して配送する.しかし,THAGではすべて同じサイズのAGを用いるため,ネットワーク帯域が不均一な環境では帯域に適したストリームを配信できない可能性がある.本稿では,ネットワークの利用可能帯域に応じてAGのサイズを動的に変更する方法を提案する.提案手法は,THAGをネットワーク帯域が不均一な環境に適応させた手法である.ns-2を用いたシミュレーションにおいて,トータルスループットとBandwidth Satisfaction Rate(BSR)による評価では,THAGよりも提案手法が優れていることを示す.
著者
安藤 桂 松崎 圭佑 五明 克規 タ トァン タン 中山 英太 谷藤 正一 亀田 卓 末松 憲治 高木 直 坪内 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.307, pp.81-86, 2010-11-18

小型・低コストのミリ波無線端末実現のため,90nm Si-CMOS (Complementary Metal 0xide Semiconductor)プロセスを用いて60GHz帯ブロードバンド通信用パワーアンプ(PA)の設計・試作を行った.現在,日本の60GHz帯特定小電力用帯域では最大10mWまで無免許で送信可能であることから,目標出力はシングルエンドで7dBm,プッシュプルで10dBmとした.またPAの高利得化のため,トランジスタサイズ最適化手法を用いて最終段トランジスタのゲート幅を決定した.この手法により最適ユニットゲート幅は2μm,最適フィンガー数は32本,すなわち全最適ゲート幅は64μmとなった.このトランジスタサイズを用いてシングルエンドPAと,これを差動化したプッシュプルPAを試作した.シングルエンドPAとしてはP_<sat>=10.2[dBm], P_<1dB>=7.3[dBm], Gain=10.9[dB](@63GHz),最大PAE=23.9[%], P_<1dB>で7dBmを超える帯城幅は8GHz以上と,高効率・広帯域な結果が得られた.プッシュプルPAとしては,P_<sat>=12.9[dBm], P_<1dB>=10.2[dBm], Gain=13.1[dB](@63GHz),最大PAE7=25.4[%]となった.また,10dBmを越える帯域幅は61〜71GHzの10GHzとなったことから,日本の60GHz帯特定小電力用帯域の帯域幅7GHzを超えた.以上より,60GHz帯ブロードバンド通信端末用PAとして十分適用可能な特性を得た.
著者
神山 孝吉 紀本 岳志 江角 周一 中山 英一郎 渡辺 興亜
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.30-40, 1994-03
被引用文献数
2

雪氷試料の化学的解析方法を, 現場運用環境を考慮しつつ検討した。現地で雪氷試料の化学的情報に接することができれば, 現場環境に応じてサンプリング間隔などを調整でき, 現場での研究活動に大いに貢献する。イオン交換性濾紙の利用は, 現場での雪氷試料の全ベータ放射能強度測定のための前処理方法の省力化・持ち帰り試料量の削減などに有効である。またイオンクロマトグラフィーを利用し, 微少量の試料で多種イオン(F^-, (CH_3COO)^-, (HCOO)^-, (CH_3SO_3)^-, (SO_4)^<2->, (C_2O_4)^<2->, (NO_3)^-)を分析する小型イオン分析システムを検討し, その機器構成と分析条件について議論した。さらに硝酸イオンの簡易測定システムについて問題点と有効性を考察した。このような方法を随時改良して行くことによって現場と同期した迅速な解析体制が確立可能である。
著者
中山 英美
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染初期過程に関わる宿主因子の解析を行い、TRIM5・に加えてサイクロフィリンAもサル細胞内でHIVの増殖を阻害すること、TRIM5・の抗ウイルス作用にはプロテアソーム依存性経路と非依存性経路とが混在し、サルとウイルスの種の組み合わせによって使用される経路が決まること、広範な抗ウイルス作用を示すアカゲザルTRIM5・はウイルスカプシドの広範な領域を認識していることが明らかになった。
著者
原田 達也 中山 英樹 國吉 康夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.857-869, 2010-06-01

本論文では実世界でユーザの見たものを瞬時に記述・蓄積し,後で言葉を用いて検索可能とするAI Gogglesを提案する.これは,カメラを備えたゴーグル,タブレット型計算機とHead Mount Displayからなるウェアラブルシステムである.本システムは以下の五つの機能を特徴とする. (1)高速かつ高精度な画像アノテーション・リトリーバル機能, (2)画像の大域的な情報から画像に写る対象を推論する機能, (3)安定かつ高速な追加学習機能, (4)常にデータが増え続ける状況に対応可能な機能, (5)意味に基づいた特徴抽出を行える機能.標準的なデータセットを用いた実験では,本手法が精度の面で2008年度の最良手法と同等の性能を示し,計算速度では上回ることを示した.更に,屋内と屋外の双方における実験を実施し,提案システムは統制困難な環境において予測できない認識対象の追加に対応可能であり,安定して動作することを確認した.
著者
土橋 昌 中山 英久 加藤 寧 JAMALIPOUR Abbas
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.627, pp.73-76, 2006-02-23

デジタルコンテンツの配信をセキュアに保つDRM(デジタル著作権保護)技術に注目が注がれている.トレイタートレーシング技術は,DRM技術の一種であり,配信側がコンテンツの視聴状況を把握する技術である.その例として,電子透かしを用いる手法や暗号配信の際の暗号鍵を利用するものがある.しかし,コンテンツに対する加工情報を利用するそれらの手法では,ユーザ側での不正な加工によりトレーシングを無効化される可能性を払拭できない.ユーザ側での不正な加工を防ぐためには,ネットワーク上のルータで加工情報を解析しなければならない.しかしながら,現在の高速広帯域ネットワークにおいては,流れているパケットの解析が非常に高負荷であるため,現実的ではない.したがって,加工情報以外の情報を用いる手法を検討する必要がある.本稿では,ストリーミング再生中のトラヒック量の変化に着目したトラヒックパターンを用いて,コンテンツを視聴しているか否かを判定する手法を提案する.提案手法は,無線環境でエラーが頻発することを考慮し,動的な判定方法や崩れた波形のマッチング方法についても検討を行った,画期的なトレイタートレーシング技術である.実際にPCを用いた実ネットワークにおける実験環境を構築し,有線だけではなく無線においても提案手法が有効であることを確認する実験を行い,良好な結果が得られたことを示す.