著者
中村 元信 戸倉 新樹
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.11, no.Suppl.19, pp.31-35, 2012 (Released:2013-07-06)
参考文献数
7

ロキシスロマイシンは14員環マクロライドの1つであり,抗生物質としての作用以外にサイトカイン産生抑制,抗酸化,好中球機能抑制などさまざまな作用が知られている。組織にマスト細胞の浸潤が認められた好酸球性膿疱性毛包炎にロキシスロマイシンを投与したところ,効果が見られた1例を経験し,ロキシスロマイシンによるマウス骨髄由来マスト細胞の IL-13,CCL17/TARC,CCL22/MDC 産生調節について検討を行った。ロキシスロマイシンは IL-13,CCL17/TARC,CCL22/MDC いずれの産生も抑制した。今後,マスト細胞が関与した皮膚疾患にロキシスロマイシンの効果が期待される。(皮膚の科学,増19: 31-35, 2012)
著者
鈴木 元彦 中村 善久
出版者
日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
雑誌
耳鼻咽喉科免疫アレルギー (ISSN:09130691)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.243-250, 2012 (Released:2012-10-12)
参考文献数
29

アレルギー性鼻炎は我が国の20%以上が罹患しており,日常診療において重要な疾患の一つである。しかし臨床上有効な根本的治療がなく,新しい治療法の開発が期待されている。RNA干渉(RNAi)は二本鎖RNA(double-stranded RNA,dsRNA)やmicro RNA(マイクロRNA,miRNA)に代表されるRNAによって相補的な塩基配列をもつmRNAからの翻訳が阻害される現象であるが,RNA干渉によって特定の遺伝子発現を抑制することが可能となる。また二本鎖RNAによるRNA干渉の発見後,長い二本鎖RNAによるRNA干渉が用いられてきたが,近年siRNA(small interfering RNA,short interfering RNA)という21-23塩基対の短い合成二本鎖RNAによってもRNA干渉が可能なことがわかってきた。siRNAは特定のmRNAにのみ生物活性を発揮し,特異的に遺伝子発現を抑制する。つまりsiRNAは選択性が高く,医薬品としての開発が期待されている。siRNAを用いて様々な標的分子を選択し,抑制することができるが,医療品として効率よく疾患を治療するためには重要な標的分子を選ぶことが肝要である。本稿では,アレルギー性鼻炎に対する新たな治療戦略としてRNA干渉を用いた治療法について概説する。
著者
中村 晃 ナカムラ アキラ Akira NAKAMURA
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-20, 2004-06-30

現在まで自己愛(narcissism)の概念に関しては多くの議論が重ねられてきているが,また同時に混乱が多い分野であることが知られている。その混乱の最も大きな原因は,自己愛そのものの定義が研究者によって異なっており,「自己愛」という用語がさまざまな意味で使われていることが挙げられる。そこで本研究では,今までの自己愛に関する議論を整理することを目的とした。特にこれまで重ねられてきた議論をふまえ,自己愛の健康的・適応的な側面と,不健康的・不適応的側面の本質的な差異に注目し,自己愛の構造を検討した。その結果,健康な自己愛(self-love)と不健康な自己愛(narcissism)に分けて考えることの重要性が指摘された。また,不健康な自己愛の表れ方には,大きく分けて「誇大型」と「過敏型」の,一見正反対の性質のように見える2種類に分類できることが示されたが,両者に共通する性質として「他者が待つ自分に関する評価への関心の集中やこだわり」があり,これが不健康な自己愛の本質であることが考えられた。このようにこれまでの自己愛の定義にある「自分自身に対する関心の集中」を,「本当の自分自身に対する関心」と「他者から見られる(評価される)自分に対する関心」の二つの側面に分けることが自己愛の健康性を考えるうえで重要であることが考えられた。
著者
佐直 信彦 中村 隆一 細川 徹
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.7, pp.541-548, 1991-07-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
16
被引用文献数
21 9

退院後1年以上経った歩行可能な在宅脳卒中患者54例を対象として,10m最大歩行速度(MWS)と75項目の日常生活活動遂行の関係を検討した.性別,年齢,麻痺側,罹病期間,家庭内地位,MWSを説明変数とし,各項目の遂行頻度を目的変数として,数量化I類を用いて分析した.MWSが第一義の決定因として選出された活動は27項目であった.身辺処理や新聞を読むなどの静的活動はMWSの速度とは無関係であった.20m/分以上で掃除,買物などの家事,趣味や旅行などの余暇活動,40m/分以上で政治,文化講演会参加,80m/分以上では老人などの世話を行っていた.MWSは在宅脳卒中患者の日常生活活動の予知に有用である.
著者
河本 夏雄 行弘 研司 木内 信 阪口 洋樹 和田 旭紘 伊藤 雅信 小瀬川 英一 中村 匡利 池田 真琴 木内 彩絵 桑原 伸夫 金児 雄 比留間 潔 水谷 信夫 浅野 眞一郎 石橋 純 飯塚 哲也 神村 学 志村 幸子 瀬筒 秀樹 冨田 秀一郎
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.1_053-1_063, 2019 (Released:2019-05-16)
参考文献数
24

We surveyed the distribution of the wild mulberry silkmoth, Bombyx mandarina, using pheromone traps. Male moths were captured in all the prefectures of Japan except Okinawa Prefecture. In Tokara Islands, B. mandarina inhabits Nakanoshima and Akusekijima Islands while it is absent in Takarajima Island, which lies to the south of the Watase line. No Bombyx moths were captured in Iki, Amami, and Okinawa Islands. In addition, we collected B. mandarina in Hachijo Island for the first time. 1) Institute of Agrobiological Sciences, National Agriculture and Food Research Organization, 1-2 Owashi, Tsukuba, Ibaraki 305-8634, Japan; 2) Department of Applied Biology, Kyoto Institute of Technology, Matsugasaki, Sakyoku, Kyoto, 606-8585, Japan; 3) Genetic Resource Center, National Agriculture and Food Research Organization, 6585 Kobuchisawa, Hokuto, Yamanashi, 408-0044, Japan; 4) Gunma Sericultural Technology Center, 2326-2 Soja, Soja-machi, Maebashi, 371-0852, Japan; 5) Faculty of Agriculture and Life Sciences, Hirosaki University, Hirosaki 036-8561, Japan; 6) Kyushu Okinawa Agricultural Research Center, National Agriculture and Food Research Organization, 2321 Suya, Koshi, Kumamoto 861-1192, Japan; 7) Graduate School of Agriculture, Hokkaido University, Sapporo, Hokkaido, 060-8589, Japan.

2 0 0 0 OA 五大洲探険記

著者
中村直吉, 押川春浪 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.第1巻 亜細亜大陸横行, 1912
著者
中村 祐久
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学雑誌 (ISSN:00480444)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.33-46_2, 1966-02-15 (Released:2010-10-14)
参考文献数
46
著者
岩間 太 中村 大賀 竹内 広宜
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4_258-4_277, 2012-10-25 (Released:2012-11-25)

半形式的な記述や半構造的な自然文を含むテキスト文書のためのパーサーを形式言語/自然言語処理パーサーを組み合わて構築するためのシステムを提案する.特に,形式言語/自然言語処理パーサーを柔軟に組み合わせるためのパーサーコンビネータを設計することで,宣言的な文法記述からテキスト文書用のパーサーを作成するシステムを実現する.現状のパーサーコンビネーターは主にプログラミング言語用のパーサー構築を目的としており,自然文を含むテキスト文書のためのパーサーを構築するには不十分である.特に,既存の様々な自然言語処理パーサーは,形式言語のためのパーサーとは異なった性質をもっており,既存の枠組みでは柔軟に組合わせることが難しい.本論文では,自然言語処理パーサーと形式言語用のパーサーの組合せを可能にし,かつ,部分的なパージングや情報抽出部分の指定など,テキスト文書の処理において有用な機能を実現する演算子を含んだパーサーコンビネーターをParsing Expression Grammarsを基に設計する.また,導入したパーサーコンビネーターを用いて,宣言的な記述から,種々の自然言語処理を部分的に含むパーサーを自動生成するためのシステムを構築し,実際の適用例の一端を示す.このようなパーサーコンビネーションシステムはソフトウエア開発時に作成される文書成果物に対する解析に有用である.
著者
鈴木 和博 中村 俊夫 南 雅代 池田 晃子 Suzuki Kazuhiro Nakamura Toshio Minami Masayo Ikeda Akiko
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.22, pp.121-134, 2011-03

Japanese Red foxes (Vulpes vulpes japonica) establish stable home ranges within particular areas or are itinerant with no fixed abode around human habitations. They are popular wild animals and feature prominently in the folklore of human culture. The population, however, was decreased until the beginning of the 1970's, and no fox has been seen since about 1975 in Kodenosawa, a small habitation about 17km NE from the urban area of Toyota City. A fox remains was found from the under floor of the Jizo-temple together with a ragged package of Nissin Chicken-Ramen which was used from 1971 to 1983. The fox's remains is c. 50 cm in body length. The left half of the remains exhibits soft tissues including skin and dried muscle, but the right half facing to the ground is completely decayed. To determine when the fox died, we measured 14C concentration in collagen extracted from a tooth and a rib of the remains. The δ13C (-18±1 ‰) normalized 14C concentrations are 129.2±0.4 pMC for the tooth and 129.0±0.4 pMC for the bone. Although the values intersect the calibration curve at 1962 and 1979, the 1979 age only agrees with the time span supported by the envelope of Chicken-Ramen. Drying of muscle tissue without rotting was likely to take place in cold winter. Thus, the fox's death is reasonably definable in the period from late November 1979 to early January 1980. The δ13C (-18±1‰) values suggest a diet containing a significant amounts of C4 food or protein with higher isotopic values. There is little C4 plants in Kodanosawa, but sizable amounts of cone were constantly brought from outside for cow's and chicken's food. A possible protein source is the herbivore and the omnivorous feeder within the area. An alternative may be marine fish and the derivatives including dog- and cat-food. To test whether the fox took food brought from outside or not, we analyzed the 87Sr/86Sr isotopic ratio of the remains. The 87Sr/86Sr isotopic ratios, 0.709439±0.000016 for the tooth and O.749464±0.000014 for the bone, are distinctly lower than those of wild boar's bone (0.709944±0.000016 and 0.709912±0.000012), river water (0.710079±0.000016) and the granite (0.710218±0.00016) that underlies the wide area of Toyota City. The initial 87Sr/86Sr ratio of 0.7096±0.0001 constrains the lowest isotopic ratio of water, plants and animals within the area. The distinctly lower 87Sr/86Sr values documents that the fox took sizable external food with higher δ13C values. After the disappearance of foxes from Kodenosawa around 1980, wild boars swelled in population. Voracious scavengers dug slope of hills side and paddy fields as they foraged for bulbs, yams, earthworms and grubs, and eventually ate voraciously paddy, sweet potatoes and beans in the field. This triggered the abandonment of cultivation of fields that face mountains. It is likely presumed that foxes were preventing wild boars from invading the human habitation through attacking Uribou, young wild boars. 愛知県豊田市小手沢町にある地蔵堂を建替えるために旧堂を取壊したとき,床下から乾潤びたキ ツネの遺骸が見つかった.遺骸の横に1971年から1983年まで使用されたデザインのチキンラーメ ンの袋があった. 口先から骨盤までの長さが約50cmの成獣である.遺骸の地面に接した右側半分 と尾は骨まで溶けて失われていた.左側半分には耳や皮膚も腐敗することなく保存されていたが, 体毛は全く残っていなかった.骨は白骨化し,前足の付け根の皮膚にのみ黒色の筋組織様のものが 付着していた. キツネの歯と骨から抽出したゼラチンコラーゲンの14C濃度(δ13C=-25‰に規格化)は129.2±0.4 pMCと129.0土0.4pMCである.この較正年代(1962年と1979 -1980) 年)とチキンラーメン袋の 使用期間および腐敗の無いことを総合して,キツネの死亡時期を1979年11月下旬~1989年1月上 旬と特定した.キツネのδ13Cは=-18±1‰である.小手沢地内にはC4植物が殆ど栽培されていない ので, 地域内の植物や小動物のみを食べていたと仮定すると,ほぼ完全な肉食をしない限りδ13C=-18‰にならない.一方,キツネの87Sr/86Sr比は0.70745 であり,分析誤差を超えて小手沢のイノシ シ(0.70993) ・川の水(0.71008) ・花崗閃緑岩の初生値(0.7096)より小さい. δ13C値と87Sr/86Sr比か ら,キツネは外来の餌(残飯を含む人間の食料やトウモロコシ主体の家畜飼料)を相当量摂取して いたと結論した. 地蔵堂の床下から見つかったキツネの死亡時期(1979年)は,小手沢地内でキツネが減少した時期 より約10年後で,イノシシの食害が顕在化する1980年代半ばに近い.人家に近い里山を縄張りと するキツネが,イノシシの人里進出を阻止していた可能性を考察した.
著者
中村 公昭
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.706-711, 2017-09-15 (Released:2017-10-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1

消毒薬は消毒できる微生物の範囲から3つのレベルに分類されているが,単に効果の強い消毒薬を使用すればいいというわけではなく,使用目的に応じて適切な消毒薬を選択する必要がある.消毒薬は成分,溶媒,添加物によって消毒効果や適用可能な範囲が異なるため,その特徴を理解し適正に使用しなければ期待する効果を得られない,また副作用を生じる可能性がある.手術室で使用する主な消毒薬を取り上げて,各消毒薬の使用方法,特徴,使用上の留意点について紹介する.
著者
中村 一基
出版者
岩手大学
雑誌
岩大語文 (ISSN:09191127)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-9, 2006

日本において、《遺骨》はどのような思想史的な意味の中に置かれたのか。そのことを考える視点として、釈迦の遺骨(=仏舎利)に焦点を当てる。このことを考えることは、仏教をめぐる《聖遺物信仰》を考えることでもある。仏像が《偶像崇拝》を象徴するように、仏舎利は仏像以前からの《聖遺物信仰》の象徴であった。その意味で仏舎利信仰は仏教のもっとも根源的な信仰の姿を伝えている」(内藤榮「「仏舎利と宝珠」展概説」、奈良国立博物館編『特別展「仏舎利と宝珠-釈迦を慕う心」』、二〇〇一年一七二頁。本稿の基本的な構成・趣旨は、この概説に沿っている。)仏舎利を納める仏塔とともにアジアへ広がった。遺骨の聖性は釈迦に限定された特殊なものだったのか。《遺骨》は舎利信仰と接触することで、聖性への契機を掴んだのでないか。山折哲雄氏は仏教と結びついた舎利崇拝は、上層階級に受け入れられ、漸次一般に浸透していったが、「あくまでも「仏」という特定のカリスマの「舎利」にたいする崇拝」であり「例外的な遺骨崇拝」である(「死と民俗-遺骨崇拝の源流-」『死の民俗学』岩波書店、一九九〇年、四八頁)という前提に立ちながらも、五来重氏の元興寺極楽坊の納骨器研究に着日'、「わが国における仏舎利崇拝と納骨信仰とが共通の文化的土壌から生み出された同血の信仰形態であるということに、とくに注意喚起しておきたい」(同、六〇頁)と述べておられる。筆者も仏舎利崇拝と我が国における遺骨崇拝に基づく納骨の習俗とが、接点をもっているのではないかと考える。本稿は、そのことを明らかにするために、印度・中央アジア・中国・朝鮮・日本と釈迦の遺骨が《仏舎利》という崇拝の対象として辿った道筋を、日本の仏舎利信仰を中心に歴史的に俯瞰しながら、日本の《遺骨崇拝》形成にどのような思想的接触を持っていったかを探りたいと思う。ただ、「日本の舎利信仰は舎利は釈迦の遺骨である」という常識を一度払拭しないと理解できないほど、複雑に入り組んでいる」(内藤榮、前掲概説、同頁)のも事実である。
著者
井上 聡子 木白 俊哉 藤瀬 良弘 中村 玄 加藤 秀弘
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.185-190, 2014 (Released:2014-03-20)
参考文献数
24

北太平洋産ミンククジラの精巣において,4 月から 10 月にかけての季節的変化を検討した。精巣重量の変化には 268 個体を使用し,うち 70 個体(各月 10 個体)の精巣組織を観察した。分析の結果,精巣重量は体長 7 m 以上の個体でのみ 7 月頃から増加が認められた。精細管直径は 5~6 月に縮小した後,徐々に拡大した。精母細胞など発達した精細胞は 7 月に最も減少し,その後増加した。これらのことから,ミンククジラの精子形成は 5 月から 6 月にかけて停滞し,8 月には次の繁殖期に向け準備が始まるという季節的変化が示唆された。
著者
吉田 二美 デルマワン ブディ 中村 士 柳沢 俊史 黒崎 裕久 中島 厚 伊藤 孝士
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集 日本惑星科学会2005年秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
pp.45, 2005 (Released:2006-07-24)

8.2mのすばる望遠鏡と0.25平方度の広視野を持つ主焦点カメラSuprime-Camを組み合わせて、見かけの等級が約20-24等という微小メインベルト小惑星を100個同時に検出し、それらのライトカーブを得た。それらの自転周期分布を調べた結果、「全体の約25%が自転周期2時間以下のいわゆる高速自転小惑星である」という驚くべき結果を得た。高速自転小惑星はこれまで近地球小惑星のグループだけに発見されていたが、我々の結果はこれまで調べられていなかったメインベルトの微小サイズの小惑星には大きい割合で高速自転小惑星が存在することを示唆している。