著者
伊藤 久美子 河合 恒 西田 和正 江尻 愛美 大渕 修一
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.22-083, (Released:2023-02-10)
参考文献数
11

目的 介護保険法改正により基準緩和型サービスが創設され,地域住民が担い手として介護サービスに参加できるようになったが,その具体的な方法は示されていない。我々は通所型サービス事業所(以下,事業所)に教育機能を付加し,地域住民をサブスタッフ(介護予防の一定の知識・技術と守秘義務を持ち,職員の支援のもと自立に向けたケアを有償で提供する補助スタッフ)として養成する「サブスタッフ養成講座(以下,養成講座)」を開発した。本報告では,養成講座を自治体の介護予防事業等で実施するために,実践例の紹介と調査を通して,実現可能性と実施上の留意点を検討した。方法 養成講座は4か月間のプログラムで,介護予防等の知識の教授を目的とした講義(1時間/回,全16回)と,サービス利用者のケアプランの目標や内容を把握し職員の支援のもと介護サービスを提供する実習(半日/回,全13回)で構成した。修了後の目標は事業所での活動や地域での介護予防活動とした。2015~2017年度に東京都A市,B市,千葉県C市の14事業所にて養成講座を実施した。評価は,修了率,養成講座参加前後の活動の自信・介護予防の理解度の変化と修了後の地域活動状況,サービス利用者が受講生から介護サービス提供を受けることによる精神的影響,事業所職員の仕事量軽減の認識について,受講生,サービス利用者へのアンケート,事業所職員へのインタビューにより行った。活動内容 養成講座修了者は104人中96人(修了率92.3%)であった。受講生へのアンケートの結果,参加前後で事業所での活動の自信や介護予防の理解度が有意に向上し,65.3%が修了後に事業所での活動を含む新しい地域活動の実施に至った。サービス利用者へのアンケートの結果,受講生から介護サービス提供を受けた利用者は受けていない利用者と比べ負の精神的な影響が多くなかった。養成講座を実施した事業所の85.7%が地域住民のサービス参加により仕事量が軽減されたと回答した。結論 養成講座は受講生の活動の自信・介護予防の理解度を向上させ,半数以上が新しい地域活動への実施に至っていた。受講生の介護サービスへの参加は利用者への負の影響が少なく,事業所にとっても仕事量軽減につながることが示唆された。これらのことから,養成講座の介護予防事業等での実現可能性は高いと考えられた。
著者
伊藤 久志 谷 晋二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.105-115, 2011-05-31 (Released:2019-04-06)

本研究は、導尿スキルの習得が困難であった特定不能の広汎性発達障害を合併する二分脊椎症の男児 に対して導尿スキル訓練を実施した事例の報告である。介入を進めるにあたって、まず課題分析を実施 し、導尿スキル訓練時には課題分析表の提示、所要時間のフィードバック、強化価の高い強化子の設定 をすることを母親に提案し、それに基づき母親が導尿スキル訓練を実施した。その結果、対象児は以下 の標的行動を習得することができた。(1)カテーテルを持って、ゼリーをつける、(2)カテーテルを チューブから抜いて、カテーテルを持つ、(3)カテーテルを尿道に入れる、(4)カテーテルを尿道の奥 まで入れる。さらに、学校では、対象児が習得した下位行動以外の部分については教師と看護師の援助 を受けることで、導尿を実行することができるようになった。考察では、「援助付き導尿の確立」と 「合併する障害の特性への配慮」という観点から検討した。
著者
伊藤 久志 菅野 晃子
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.193-203, 2022-05-31 (Released:2022-07-28)
参考文献数
23

本研究の目的は、行動論的アプローチに基づく自閉スペクトラム症と知的障害児者に対するトイレットトレーニングにおいて、What Works Clearinghouseが作成した「エビデンスの基準を満たすデザイン規準」に従った単一事例実験計画研究を抽出してメタ分析を行うことである。メタ分析に組み入れるために最終的に抽出された文献7本の統合された効果量は0.77[0.66—0.88]であった。標的行動に関して、3種類(排尿のみ/排便のみ/排泄関連行動を含む)に分類したところ、排尿のみを扱った文献は4本該当し効果量は0.88[0.75—1.00]であった。排尿訓練に関する実践研究が進展してきたことが明確となった。今後、エンコプレシスを伴わないケースの一般的な排便訓練をエビデンスの基準を満たすデザイン規準に従って進めていく必要がある。
著者
プリマ オキ ディッキ A. 亀田 昌志 伊藤 皓平 伊藤 久祥
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.993-1000, 2011-11-25 (Released:2012-03-28)
参考文献数
11

1986年に登場して以来,JPEGがWebコンテンツやデジタルカメラの記録方式として多く利用されてきている.しかしながら,JPEGには注目領域(ROI)を考慮して,ROIに応じて圧縮率を可変にする機能がない.本稿は,JPEGのアルゴリズムを改良し,ROIを考慮する新しいJPEG画像を生成する手法(ROI-JPEG)を提案する.提案手法では,事前に定義したROIをもとにDCT係数を適応的に量子化することで,画像中のブロックごとの符号量をROIによって柔軟に設定することができるようになる.更に,量子化したDCT係数を逆量子化して劣化したDCT係数を生成し,これらのDCT係数に対して既存のJPEGアルゴリズムで量子化・エントロピー符号化を施すことによって,既存のJPEG復号器を変更することなく,符号化した画像を復号できる.実験では,顕著性マップ生成アルゴリズム(Ittiら,1998)1)を用いてROIを自動生成し,ファイルサイズが小さく,かつ従来のJPEGと同等な主観的品質をもつJPEG画像を作成できることを示した.
著者
西田 和正 河合 恒 伊藤 久美子 江尻 愛美 大渕 修一
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.17-25, 2022-01-15 (Released:2022-01-28)
参考文献数
26

目的 2015年度に介護予防・日常生活支援総合事業が導入され,住民主体の介護予防活動は,より重要性が増している。自治体の介護予防事業においても,終了後に参加者を住民主体の介護予防活動へ効果的に繋げることが必要である。本研究では住民主体の介護予防活動への参加を促進する取り組みを行った介護予防事業終了者の,その後の住民主体の介護予防活動への参加要因を明らかにすることを目的とした。方法 東京都A区の一般介護予防事業の2教室を対象とした。この教室では,心身機能改善とともに事業終了後の参加者の自主グループ化を支援するための学習やグループワークを導入している。本研究では,2016・2017年度に同事業参加者に対して実施した,事業開始3か月後(以下,T1)と事業終了6か月後(以下,T2)の自記式アンケートを分析した。有効回答数は216人(男性:51人,女性:165人,年齢:65-95歳)であった。T1では参加教室,健康度自己評価,基本チェックリスト,ソーシャル・キャピタルの「近隣住民との交流」,「グループや団体への参加の有無」,「近隣住民への信頼」,「近隣住民が他の人の役に立とうとすると思うか」を調査した。T2では住民主体の介護予防活動として,介護予防自主グループへの参加の有無を調査した。住民主体の介護予防活動への参加の有無と調査項目との関連をロジスティック回帰分析で検討した。結果 参加群は113人(52.3%),不参加群は103人(47.7%)であった。住民主体の介護予防活動への参加の有無を従属変数,各調査項目を独立変数として個別に投入した単変量のモデルでは,「参加教室」(オッズ比:0.31,95%信頼区間:0.15-0.63,P=0.001),「近隣住民への信頼」(オッズ比:5.30,95%信頼区間:1.46-19.16,P=0.011)が介護予防活動への参加と有意に関連していた。すべてを独立変数として投入した多変量のモデルでは,「参加教室」(オッズ比:0.29,95%信頼区間:0.14-0.62,P=0.001)が有意な関連要因であった。結論 事業における積極的な取り組みを通して約5割が住民主体の介護予防活動へ繋がっていた。住民主体の介護予防活動参加の関連要因は,「参加教室」であり,教室の開催頻度などプログラムの内容が事業終了後の住民主体の介護予防活動参加に影響すると考えられた。
著者
武口 俊太 川岸 貴博 伊藤 久央 井口 和男
出版者
日本薬学会化学系薬学部会
雑誌
反応と合成の進歩シンポジウム 発表要旨概要
巻号頁・発行日
vol.31, pp.22, 2005

Clavubicyclone, a novel clavulone-related marine prostanoid, was isolated from Okinawan soft coral Clavularia viridis by our group. To determine the absolute stereochemistry of clavubicyclone, development of the total synthetic route was performed. The key step of our synthetic route was construction of bicyclo[3.2.1]octane skeleton by Cope rearrangement of the divinylcyclopropane derivative. The substrate of Cope rearrangement was prepared from cis-2-butene-1,4-diol as a starting material through carbon chain elongation reactions and the rhodium catalyzed intramolecular cyclopropanation reaction. The Cope rearrangement smoothly proceeded by heating the divinylcyclopropane derivative in diphenyl ether (180 °C) to give the desired bicyclo[3.2.1]octane derivative. We are examining to convert the rearrangement product to clavubicyclone.
著者
渋谷 厚輝 武口 俊太 伊藤 久央 井口 和男
出版者
日本薬学会化学系薬学部会
雑誌
反応と合成の進歩シンポジウム 発表要旨概要
巻号頁・発行日
vol.34, pp.144, 2008

Clavubicyclone was isolated from Okinawan soft coral, Clavularia viridis, by our group as a novel prostanoid-related compound. The absolute stereochemistry and biological activity of clavubicyclone have not yet been examined due to small quantities of isolated samples. We recently achieved the total synthesis of clavubicyclone as a racemic form through Cope rearrangement as a key step. However, there are several problems on our previous synthetic route; improvement of the yield of Cope rearrangement and shortening of the relatively longer sequence. To overcome these problems and to achieve an enantioselective synthesis, we examined further synthetic research. Cope rearrangement was proceeded smoothly by changing the stereochemistry of the substrate. We also achieved to obtain an intermediate as an optically active form by using enantioselective Mukaiyama aldol reaction. Introduction of side chains to an optically active bicyclo[3.2.1]octane skeleton is now underway.
著者
王 笑寒 Oky Dicky Ardiansyah PRIMA 伊藤 久祥 今渕 貴志 蛇穴 祐稀
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.705-706, 2015-03-17

近年,パンフレットや商品などに対する顧客の注目部分を計測し,その分析結果をマーケティングへ応用することが盛んに行われている.注目部分の計測において,複数人の視線を同時に推定したり,常に移動する人物の視線を追尾することは困難である.本研究では,単眼カメラを利用して,様々な照明条件下での複数人の顔向きを推定し,3次元仮想空間においてそれぞれの顔向きのベクトルを延長して対象の商品にヒートマップを描画する技術を開発し,実時間における顧客の注目領域を収集するシステムの開発を試みる.実験の結果,通常の65°画角を持つWebカメラにより最大3人の顔向きと注目領域のヒートマップを実時間で生成することに成功した.
著者
大塚 香奈子 伊藤 久生 時澤 佳子 田中 正純 八谷 直樹 荒牧 真紀子 猪口 哲彰 大泉 耕太郎 Masahiro Yoshida
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.833-837, 1994-11-30 (Released:2011-08-04)
参考文献数
13
被引用文献数
1

症例は54歳, 女性で1968年特発性血小板減少紫斑病 (ITP) と診断され副腎皮質ホルモン投与されていたが, 1971年に慢性関節リウマチ (RA) を併発した. 1979年尿糖および高血糖が出現し, 糖尿病と診断され, その後ITPの増悪により副腎皮質ホルモン (プレドニン) を30mgに増量し, インスリン注射を開始した.この時点での尿中C-ペプチド (CPR) は36μ9/日であった. 1989年頃より血糖コントロールは徐々に悪化し1991年には尿中CPRが10μ9/日以下となり, グルカゴン試験も無反応を示した.また, 既往に流早産を数回経験し, 検査所見ではICA, RA因子, 抗血小板抗体, およびループアンチコアグラントが陽性を示した. 以上より時間的に推移しながらITP, RAおよび抗リン脂質抗体症候群にslowly progressive IDDMなどの自己免疫疾患を合併したもので, 免疫学的背景を考える上で興味ある症例と思われた.
著者
伊藤 久恵
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.46-57, 1997

In der letzten Halfte des 19. Jahrhunderts sind verschiedenartige Kunstwissenschaften wie die Wissenschaft fur bildende Kunst erschienen. Man kann auch sagen, dass die empirischen, positiven Kunstwissenschaften der traditionellen Asthetik uberlegen geworden sind. Guido Adler (1855∿1941) war einer der Musiwissenschaftler, die in dieser Zeit gelebt haben und versucht haben, Musikgeschichte als "Wissenschaft" zu systematisieren. Mit in Betracht Ziehung der damaligen Geistes- und Naturwissenschaft war er bemuht, die Methode der Musikgeschichte aufzustellen. Er hat seinen Blick auf die Stilfragen, die damals schon ein Thema in der Wissenschaft fur bildende Kunst waren, gerichtet. In seinen zwei Schriften 『Stil in der Musik』 (1911) und 『Methode der Musikgeschichte』 (1919) hat er den Begriff "Stil" neu in die Musikwissenschaft eingefuhrt. Das Ziel seiner musikhistorischen Forschung war die Erklarung der eigenen Entwicklungsgesetze der Musikgeschichte und der Stilzusammenhange in musikalischen Werken. Er hat dadurch den neuen Gedanken "Stilkritische Musikgeschichte" gepragt.
著者
江尻 愛美 河合 恒 安永 正史 白部 麻樹 伊藤 久美子 植田 拓也 大渕 修一
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.459-467, 2021-07-15 (Released:2021-07-20)
参考文献数
26

目的 住民主体の通いの場の増加に伴い,住民がよりよい活動を継続できるよう自治体や専門職が支援する「継続支援」の重要性が増している。しかし,有効な通いの場の継続支援方法に関する知見は十分に蓄積されておらず,通いの場参加者が活動時に感じている課題の内容についても明らかになっていない。そこで本研究では,参加者が抱える課題の内容を活動期間に基づいて分析し,活動の時期によって変化する課題を明らかにすることで継続支援の方法を考察することを目的とした。方法 2018年に,島嶼部を除く東京都内53区市町村の担当者を通じて住民主体の通いの場活動を行う自主グループへ調査員訪問による自記式質問紙調査への協力を依頼し,40区市町で活動する155グループ2,367人より回答を得た。通いの場における課題は,10種類の提示からあてはまるものを選択させた。活動期間は,自己申告を基に,1年未満,1年以上2年未満,2年以上4年未満,4年以上の4群に分類した。活動期間と課題認識の関連を検討するため,活動期間を独立変数(参照カテゴリ:1年未満),各課題の認識の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を,Crude,性・年齢で調整したModel1,Model1に加えてグループの活動内容で調整したModel2の3つのモデルで行った。結果 分析対象者は2,194人(男性14.5%,平均年齢76.9歳)だった。活動期間により有意差が認められた課題(オッズ比)は,2年以上4年未満群では,グループの高齢化(1.92),グループの運営メンバーの不足(1.61),参加者の健康・体調(1.47)であり,4年以上群では,グループの高齢化(3.24),グループの運営メンバーの不足(2.63),参加者の不足(2.12),参加者の健康・体調(1.95),活動内容のマンネリ化(1.62),場所の確保(1.48)だった。結論 通いの場の参加者が感じている課題は活動期間により異なっており,継続支援においては活動期間を考慮した支援を実施する必要性があることが示唆された。2年以上の段階では,高齢者特有の健康問題への対処についての情報提供,運営メンバー確保のためのマッチングが必要である。また,4年以上では口コミによる新規参加者獲得促進のため,参加効果を実感させる働きかけが必要である。
著者
齋藤 亮子 竹森 幸一 小山 睦美 小玉 有子 伊藤 久子
出版者
弘前医療福祉大学紀要編集委員会
雑誌
弘前医療福祉大学紀要 (ISSN:21850550)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.19-29, 2014-03-31

本研究の目的は、任意に公費負担で子宮頸がん予防ワクチンを接種することが出来た高1 女子(調査時高2)を対象に、子宮頸がん等の知識の多寡と、ワクチン接種行動を決めた要因を明確にすることである。青森県中弘南黒地区の高2 女子1500人を対象に自記式留置法でアンケート調査を行った。知識に関する合計得点を、都市・農村別、行政区別、接種者・非接種者別に平均値の差の検定等を行った。回収数1180(回収率79.4%)の内、有効数1162(都市部1051、農村111)を解析対象とした。ワクチン接種に関する回答数1148 の内、接種者773(67.3%)、非接種者375(32.7%)であった。知識得点は、全体に非常に低かったが、その中でも都市が農村より、また接種者が非接種者より有意に高かった。接種の決定要因はワクチンが子宮頸がん予防に有効であるという知識に基づき自分で決定したというより、家族の勧めと接種が無料である、また副作用が少ないことであった。当地区の接種率は全国平均(65%)とほぼ同等であったが、社会教育や学校教育による知識の普及で、ワクチン接種率向上の可能性が示唆された。
著者
伊藤 久仁子
出版者
ほんの森出版
雑誌
月刊学校教育相談
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.60-62, 2019-10
著者
神薗 洋子 齋藤 亮子 小玉 有子 伊藤 久子
出版者
弘前医療福祉大学紀要編集委員会
雑誌
弘前医療福祉大学紀要 (ISSN:21850550)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.75-84, 2012-03-30

本研究の目的は青森県中南津軽地区において小学校6年生をもつ保護者を対象に子宮頸がん、HPVワクチンについてどのように認識しているか意識調査を行い今後の健康教育、子宮頸がん予防に対する地域保健活動の基礎的資料とすることである。自記式アンケートを作成し、各小学校長に児童を通じて保護者にアンケートを配布するよう依頼し、留め置きとし回答は同封した返信用封筒で保護者が密封し、学級担任に回収、一括して送付を依頼した。回収率は73.5%だった。アンケートの質問は子宮がんについて、子宮がん検診について、HPV について、HPV ワクチンについて、HPV ワクチン接種について、自由記載とした。その結果、子宮がん検診については基礎的な知識はあるがHPV、HPV ワクチンについて認識がうすく、知識の少ない保護者がいた。子宮頸がん、HPV、HPV ワクチンについてもっと情報を必要としていることがわかった。
著者
中西 康雄 野本 さい子 根岸 守 大屋敷 一馬 横山 淑雄 山内 保人 酒井 信彦 伊藤 久雄 梅原 千治
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.23, no.9, pp.1427-1432, 1982 (Released:2009-01-26)
参考文献数
18
被引用文献数
1

A 74-year-old man without previous treatment was found to have an IgA paraprotein on serum immunoelectrophoresis and Bence-Jones protein on urine immunoelectrophoresis. Serum IgA level was 2,400 mg/dl with depressed IgG and IgM levels. Bone marrow aspiration revealed infiltration by both promyelocytes and plasma cells. Chromosomal abnormalities were found. Electron microscopy showed that promyelocytes had a lamellar structure arranged in a concentric circle pattern. The case was thus diagnosed as multiple myeloma complicated by acute myeloid leukemia. Complete remission of leukemia was achieved with combination chemotherapy. Acute leukemia tends to occur at a relatively high incidence in patients with multiple myeloma who are treated with alkylating agents. But the appearance of acute leukemia in patients with multiple myeloma without previous treatment is very unusual. The possible relationship between multiple myeloma and acute leukemia is discussed.
著者
長谷川 修一 山中 稔 野々村 敦子 伊藤 久敏 菅原 弘樹
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東北日本の太平洋側にある松島は,松島湾とその内外にある大小260余りの島々からなる日本三景の一つである景勝地である.長谷川ほか(2008)は,松島周辺の地形,地質を検討した結果,巨大な地すべりによって形成された可能性が高いとの仮説(松島巨大地すべり説)を示した.本研究では松島巨大地すべり説を実証する目的で,東松島市宮戸島において2015年に深さ70mのオールコアボーリングを実施した。また、想定すべり面の上盤側,想定すべり面,想定すべり面の下盤側の3箇所から得たジルコンのU-Pb年代を試みたが,誤差の範囲で一致する15.2 Maを示し、地すべり説を積極的に支持する結果は得られなかった.