著者
杵渕 哲彦 伊藤 毅志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回全国大会(2014)
巻号頁・発行日
pp.1E35, 2014 (Released:2018-07-30)

コンピュータ将棋はプロ棋士に迫るレベルになっているが,アマチュアにとっては将棋を楽しむ為の対局相手でもある.既存の棋力調整方法では,人間が手に不自然さを感じるという問題点が指摘されている.この問題に対し,コンピュータに人間らしいミスを犯させるという手法が考えられる.本研究ではこれを実現する為の基礎研究として,ミスを犯した際の思考についてインタビューを行い,人間がミスを犯す際の認知モデルを提案した.
著者
伊藤 毅志
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.1184-1185, 2016-11-15
著者
伊藤 毅志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.27, pp.1-8, 2009-03-02
参考文献数
5
被引用文献数
3

2回目となるUEC杯5五将棋大会が2008年12月に開催された。昨年同様に、COM部門、人間部門、KIDS部門が行われ、最後にCOM部門上位プログラムと人間部門上位者によるエキシビション対戦が行われ、今年は人間が2勝した。ここでは、各部門の5五将棋大会の棋譜を紹介して、5五将棋の現状について報告する。The 2st UEC-cup 5x5 shogi tournament was held in December, 2008. It was carried out by dividing each section; "COM section", "HUMAN section", and "KIDS section". After these tournaments, an exhibition match by the COM section top-2 programs and the human section top-2 players were performed. Human players defeated computers. In this report, I introduce the game records of each section and report the contemporary 5x5 Shogi.
著者
伊藤 毅志 古郡 廷治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.406-407, 1997-09-24

通信技術やマルチメディア技術の発達に伴い, グループウエアの研究も盛んになってきている。それにつれて, 教育工学の分野では, 共同学習や協調学習がテーマとなり, 様々な研究が行われるようになっている。しかし, 共同学習の効果に関しては, 様々な報告がある上に, 共同学習場面における学習者の認知面での研究は立ち後れていると言わざるを得ない。一方, コンピュータチェスの分野では, ディープブルー(コンピュータチェス)が, ついにカスパロフ(チェスのグランドマスター)に勝利を収め, 将棋の分野でも日々コンピュータの棋力は向上している。しかし, それらのソフトは, 強さを求めるあまりに, それに勝てない人間からは「ただ自分より強いだけのマシン」となり, ユーザーインターフェースという観点からは, 面白くない対戦相手になっている。本研究では, 共同学習の例として「将棋の感想戦」に注目した。将棋の感想戦では, 「学習者は比較的高い学習意欲を持っていること」「学習効果があることが経験的に知られていること」から効果的な共同学習が起こっている好例であると考えた。この感想戦機能を, 将来, 強い将棋ソフトに備えることができれば, 多くの将棋の学習者に貢献できると考えている。また, 同様の知見を一般の教育システムへ応用することも考えられる。我々は, そのための基礎研究として, 実際に二人の被験者を使っておよそ2ヶ月半にわたって将棋を学習させ, 感想戦がどのように学習過程に影響を与えているのかを発話プロトコルデータを取って, その過程を認知科学的に分析して調査した。その結果をもとにして, 学習者の共同学習時の認知モデルの構築を目指していく。
著者
仲道 隆史 伊藤 毅志
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

現状の将棋AIの実力はプロ棋士に肉薄しているが,実力差の大きいエージェントの指し手は理解が困難でエージェンシーの認知を妨げることや対戦相手の実力が対等な時に楽しいと感じやすいことが指摘されている.本研究では局面の評価値を0に近づける着手を選ぶことでユーザの棋力に合わせる接待将棋AIを作成し,エージェンシーと対局の満足感に対する主観評価によって,インタラクティブエージェントとしての妥当性を検討した.
著者
澤 宣成 伊藤 毅志
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-8, 2011-06-24

将棋における棋風を形成する要素に関する統計的分析Using statistical analysis of the feature extracted from game records, we tried to clarify the elements makes human feel the play-style. As the result, several features were found.
著者
伊藤 毅志 杉本 新也 古郡廷治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.23, pp.33-40, 1995-03-06

本稿では、マルチエージェントによる協調問題解決の例として四人将棋を挙げる。四人将棋では、状況の変化に対応して各プレーヤーの役割が変わる完全情報確定ゼロ和ゲームである。四人将棋において協調的な思考がどの様に実現されているのかについて考察した。(四人将棋には、2対2でチームを組み闘うダブルスと、全員敵同士になるシングルスの2種類があるが、本報告では、特にダブルスにおける協調問題解決行動を扱った)まず、四人将棋をコンピュータ通信上で実現するシステムの構成を説明した。そして、そのシステムを用いて、ダブルスのパートナーと対話できる条件と、対話できない条件の2条件の心理実験を行った。対話ができる条件では、指し手の方針や、読みが、対話ができない条件では、パートナーの方針、読みを予想することによって補われ、協調的な思考の基となっていることが分かった。この心理実験の知見をもとに、四人将棋におけるプレーヤーの思考過程を説明する認知モデルの骨子を提案した。本稿は、本年1月にHI研究会で報告した「四人将棋における暗黙のコミュニケーションに関する研究」の原稿をもとに加筆、修正したものである。We deal with the cooperative problem solving process in playing "four-players-SHOGI", a two-against-two (or sometimes four-way) game in which two persons on side cooperate each other to win the game. We explain firstly the organization of a four-player-SHOGI to be implemented on computer network. We analyze secondly the results of an experiment that show how the two players on the same side cooperate each other explicitly when allowed and implicitly when not allowed. Based on the analysis, we offer lastly acognitive model that explains players' mental behavior for making a move in the for-players-SHOGI. This paper is revised one basis on "Implicit Communication in Playing 'Four-Playing-SHOGI'", published in HI-58-4 (1995).
著者
池畑 望 伊藤 毅志
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3817-3827, 2011-12-15

2007年よりIEEEのCIGシンポジウムの中でMs. Pac-Manの自動操作を競う大会が開かれている.この大会以来,Ms. Pac-Manは,デジタルゲームAIの研究対象として注目を集めつつある.これまでの大会では,知識ベースを用いた古典的な手法によるAIが最も良い成績を収めているが,その性能には限界が見え始めており,知識ベースに代わる新しいアプローチが求められている.そこで,本稿では囲碁で成功したモンテカルロ木探索によるMs. Pac-Manの自動操作システムを実現し,その有効性を検証した.モンテカルロ木探索は乱数によって生成された未来局面についてのシミュレーションを繰り返すことで,専門的知識に頼らずに期待値の高い次の手を求めることができる.性能評価実験ではモンテカルロ木探索による自動操作システムは過去にMs. Pac-Man Competitionに参加したすべてのプログラムよりも優秀な成績を示し,Ms. Pac-Manにおけるコンピュータの世界記録を上回る結果を得た.
著者
小幡 拓弥 塙 雅織 伊藤 毅志
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2009-GI-22, no.2, pp.1-5, 2009-06-19

複数の違う思考過程を持つ単体が出した結論をもとに、全体として一つの答えを導くプロセスを合議と定義する。本研究では、複数の意見を単純に多数決するシステムを考え、5五将棋と本将棋で、この単純多数決システムの有効性について、実験を通して考察していく。
著者
大保木 輝雄 魚住 孝至 立木 幸俊 吉田 鞆男 仙土 克博 八坂 和典 柳田 勇 伊藤 毅
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

平成24年度から中学校保健体育科目の武道が必修となった。それにともない、武道の伝統的特性を解り易く説いた教材の開発が急務である。しかしながら現代武道は、戦後、スポーツ宣言をし、競技として発展させ、伝統的特性を排除する方向で推進されてきたのが現状である。本研究は、不明瞭となった武道の伝統的特性を明確にするために、古流武術に共通する身体技法に着目し、その実践を通じて武道の伝統的特性を学ぶことのできる教材の可能性を提示するものである。
著者
伊藤 毅志
出版者
電気通信大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

将棋を題材にして、人間のエキスパートの学習過程について研究してきた。学習支援の形として、将棋の感想戦に注目した。感想戦とは、対局が終了した後、対局者同士が一局の将棋を振り返りて、反省点を述べ合う一種の協調学習過程である。研究では、様々な棋力の被験者を用意して、実際に感想戦を行って貰い、その過程をビデオで録画して、どのような学習が行われているのか分析した。また、エキスパートの高い問題解決能力のメカニズムを調べるためにトッププロ棋士の認知的過程をアイカメラや発話プロトコル分析を用いて考察する研究を進めてきた。その成果は、論文や研究会報告・海外の国際会議発表を通して、報告してきた。その結果、感想戦では、一局の対局を直感的な言葉で表現する能力と、その対局中でどこが悪かったのかを反省し教訓帰納として反芻する過程が重要であることが明らかになってきた。そこで、まず始めに、一局の対局を言葉で説明するためのコンピュータシステムの構築を目指した。将棋の棋譜データをもとに、一局の将棋について将棋用語を用いて表現することが可能なシステムの構築を行い、研究会報告などでその成果を報告した。そして、さらにそのシステムを用い、学習者に対局を行わせた後、一局の将棋を振り返らせて、反芻させる機能を持たせた学習支援システムの構築を目指している。14年度の終了が近づいているが、現在、そのシステムの構築に一通りの目処が立ったところで、これから、具体的に被験者を用いて、このシステムを使わせて、学習支援システムとしての有効性の検証に入っていく予定である。
著者
池畑 望 伊藤 毅志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3817-3827, 2011-12-15

2007年よりIEEEのCIGシンポジウムの中でMs. Pac-Manの自動操作を競う大会が開かれている.この大会以来,Ms. Pac-Manは,デジタルゲームAIの研究対象として注目を集めつつある.これまでの大会では,知識ベースを用いた古典的な手法によるAIが最も良い成績を収めているが,その性能には限界が見え始めており,知識ベースに代わる新しいアプローチが求められている.そこで,本稿では囲碁で成功したモンテカルロ木探索によるMs. Pac-Manの自動操作システムを実現し,その有効性を検証した.モンテカルロ木探索は乱数によって生成された未来局面についてのシミュレーションを繰り返すことで,専門的知識に頼らずに期待値の高い次の手を求めることができる.性能評価実験ではモンテカルロ木探索による自動操作システムは過去にMs. Pac-Man Competitionに参加したすべてのプログラムよりも優秀な成績を示し,Ms. Pac-Manにおけるコンピュータの世界記録を上回る結果を得た.The competition of controller program for Ms. Pac-Man has been held in the CIG symposium of IEEE every year from 2007. Since this competition was held, Ms. Pac-Man has become to an attractive subject of research on digital game AI. In the competition by this year, the classical AI method by using the knowledge base has gotten the best result. But, since the improvement by this method is becoming a limit, a new approach is required. In this paper, we realized the Ms. Pac-Man controller by the using Monte-Carlo tree search which is effective on Go, and examined the effectiveness. By repeating the simulation about the future phase generated with the random number, the Monte Carlo tree search can select the next move with a high expected value, without depending on professional expertise. In an evaluation experiment, the controller by the Monte Carlo tree search showed results more excellent than all the programs which participated in Ms. Pac-Man Competition in the past.
著者
伊藤 毅志 斎藤 大 高橋 克吉 村松 正和 松原 仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.23, pp.17-24, 2006-03-07

本研究では、囲碁を題材にして2つの認知科学的実験を行った。1つ目の実験では、アマチュア初心者(ルールを覚えたて)の被験者に対して、初心者向けの囲碁プログラムを用いて学習させ、その視線と発話データを分析した。その結果、初心者は相手の打った場所周辺に視線が集まっているのに対して、上達するにつれて相手の手につられずに広く盤面を見られるようになることがわかった。2つ目の実験では、アマチュア中級者(級位程度)の被験者から上級者(五段程度)の被験者に対して次の一手課題を与え、どのように思考するのかを視線と発話データを分析した。この結果から、上級者ほど盤面を広く見る傾向が見られた。一方、先行研究から、将棋では局面認識の過程では上級者ほどあまり広く盤面を見ずに思考していることがわかっている。このことは、囲碁と将棋のゲームとしての違いを表わしていると考えられる。In this research, we performed two cognitive science experiments on the topic of the game of Go. In the 1st experiment, amateur beginners' subject learned using Go-software for beginner, and analyzed the eye tracking data and verbal protocol data in the learning process. As a result, it turned out that player can see widely the board, as who made progress. In the 2nd experiment, the next move problems are given for subjects from amateur intermediate level player to amateur expert player and the eye tracking data and verbal protocol data were analyzed. This result also showed that the players see the board widely, so that they became an expert. On the other hand, the related researches show that the expert player of Shogi thought without seeing the board not much widely. This results are considered to express the difference as a game of Go and Shogi.
著者
伊藤 毅志
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.641-646, 2008-06-15
著者
中川 理 赤松 加寿江 加藤 玄 野村 啓介 伊藤 毅 杉浦 未樹 大田 省一 岸 泰子 上杉 和央 中島 智章 坂野 正則
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

まず日本国内におけるテロワール調査として東京近郊における参照産品として、野田市の醤油工場見学および研究会を実施。ワイン以外にも「テロワール」の形成がどのようになされているのを検討する上で参照事例となった。将来的な成果発表を行う国際シンポジウムのため、シャンパーニュメゾンのドゥーツ社会長へプレゼンテーションを行い、11月には宇治茶の製茶会社である福寿園の担当者と研究交流会を開催した。1月には台湾調査を実施し、多様な茶生産が流通とともに変容しながらも、テロワールを構築している状況を調査することが出来た。2月には「テロワールと流通」を軸にテロワール報告会を実施。シャトー・クーテットに関する調査分析の進捗を確認し、「テロワール」形成の現場に触れ、研究を深化することができている。一方、2020年3月初めには、フランス・ボルドーのサンテミリオン調査を予定していたが、コロナ発生により断念することとなり、2020年度、2021年度に予算繰り越しにより、国外調査によらない研究活動を実施した。2020年度は研究会をオンライン中心で実施し、9月には東アジア環境史学会大会においてポスターセッション「テロワール研究」を立ち上げ、ボルドー大学のフレデリック・ブトゥル教授をコメンテーターにしたパネルディスカッションを実行することができた。2021年度には3回のオンライン中心の研究会を実施し、また2月に「若手研究セミナー」を京都で開催し、研究を深化することができた。また京都近郊和束町茶業集落および滋賀県のワイナリーの生産現場の調査を行い知見を深めることが出来た。また、国内におけるテロワールの現地調査として、九州における嬉野茶産地やワイン生産の現場の調査を実施することができ、国内外におけるテロワールの実態を把握することができた。
著者
鈴木 崇雅 伊藤 毅志
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21888736)
巻号頁・発行日
vol.2019-GI-41, no.16, pp.1-6, 2019-03-01

デジタルゲームAIのコンペティションを開催するWeb上のプラットフォームRiddles.ioでは,二人零和有限確定完全情報ゲームであるGame Of Life And Death(GOLAD)のAIコンペティションが行われている.GOLADは,AIに許容される思考時間が非常に短い上に分岐が非常に多いため,乱数対戦を行うだけの単純なモンテカルロ木探索では十分なシミュレーション回数が得られなかった.本研究では,Bitboard計算を用いて局面計算の高速化を行うとともに,プレイアウトに工夫を加えることでモンテカルロ木探索の効率化を図ることで,少ない計算量で妥当な探索ができるシステムを提案した.その結果、単純なモンテカルロ木探索のAIに対して有意に強くなることを確認した.また,現在CNNを用いた改良も行っており,発表までに間に合えば,その結果についても言及する.
著者
伊藤 毅志 河口 恭平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回 (2014)
巻号頁・発行日
pp.3B4OS10b1, 2014 (Released:2018-07-30)

コンピュータチェスの分野では、人間とコンピュータが協調して対戦するアドバンスドチェスというゲームが行われている。本研究では、アドバンスド将棋というゲームを提案し、その状況で人間がどのようにコンピュータを利用していくのかを観察した。その結果、コンピュータに対する信頼度に応じて、コンピュータを使って人間が強くなるという利用法、人間が協力してコンピュータを強くするという利用法の二つが観察された。