著者
栢野 想太郎 佐々木 裕 木村 高弘 頴川 晋
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 = Acta urologica Japonica (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.329-333, 2018-08-31

Metanephric adenoma is a rare benign renal epithelial tumor. We have experienced two cases of metanephric adenoma. The first case was a left renal tumor found by ultrasonography in a 26-year-old woman. The abdominal computed tomography (CT) revealed a 90 mm mass that was enhanced slightly in the early phase, and enhanced further in the late phase. Laparoscopic radical nephrectomy was performed with suspicion of renal cell carcinoma. The second case was a right renal tumor found by CT imaging for heart disease in a 64-year-old man. An abdominal CT revealed a 30 mm mass that was the same as our findings in the first case. Laparoscopic partial nephrectomy was performed with the suspicion of renal cell carcinoma. In both cases, tumor cells are positive for WT-1 and CD57 in immunohistochemical staining ; the final diagnosis was metanephric adenoma. It is difficult to differentiate metanephric adenoma from renal cell carcinoma by preoperative imaging ; the diagnosis depends on morphological and immunohistochemical profiles.
著者
佐々木 裕介 関口 敦二
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2021-SE-207, no.31, pp.1-8, 2021-02-22

ラピッドリリースを前提として Microservice Architecture (MSA) で構築したシステムを複数の組織で運用する場合,複数の組織が様々な設定変更を MSA システム上で同時に実施する.しかし,複数の同時変更に起因するテストの失敗,すなわち障害を解決することは困難である.本論文では,サービスメッシュの構成変更時,特に性能にかかわる障害に関して,障害原因の切り分け作業を網羅的かつ効率的に行う手法を提示する.本手法は,複数の設定変更を組み合わせた場合にのみ再現する障害について,効率的に原因箇所を特定できる.
著者
野中 洋一 角 真佐武 佐々木 裕亮 田中 将大 大橋 元一郎
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.597-609, 2017

<p> 囊胞性聴神経鞘腫 (cystic vestibular schwannoma) は, 充実性聴神経鞘腫と比較して臨床像や腫瘍特性が異なり, そのため手術においては特有の難しさが存在するといわれている. それゆえ最大径が40mmを超えるような巨大囊胞性腫瘍の手術においては, 標準的なアプローチのみで切除することが困難な場合もある. Transmastoid approachは側頭骨錐体部を立体的に切削することで, 小脳の圧排なしに小脳橋角部へアクセスすることができる確立されたアプローチではあるものの, 解剖学的な制限のため術野としては決して広くはない. しかし側頭開頭や外側後頭下開頭などと組み合わせることで, 広範囲かつ多方向的な術野展開 (multidirectional approach) が可能となるため, 視認性や操作性の向上につながる. 本稿では巨大囊胞性聴神経鞘腫に対して用いたcombined transmastoid approachの有用性, 手術成績, 合併症などについて概説する.</p>
著者
湯本 英二 岡本 和憲 佐々木 裕美 丘村 熙
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.145-151, 1987-07-25 (Released:2010-06-22)
参考文献数
8
被引用文献数
1

H/N比計算法あるいは測定システムに由来する, 真のH/N比との差およびピッチや振幅の変動が測定値に与える影響等について検討し, 以下の結果を得た.(1) 平均波を用いて調波成分を推定することはみかけ上の調波成分エネルギーを増加させ従ってH/N比を大きくする. (2) 基本周波数および振幅のゆらぎは雑音成分として計算され従ってH/N比を小さくする.また, 正常声にみられる程度の基本周波数のゆらぎは振幅のゆらぎよりも雑音成分に大きく寄与していた. (3) AD変換を含めた測定システム全体の誤差は無視しうる程度であった.たとえば, 基本周波数160Hz, 基本周波数のゆらぎ0.5%, 振幅のゆらぎ0.1dBで真のH/N比が10dBの仮想的音声はH/N比法によって10.9dBと測定されることになっる.
著者
佐々木 裕之
出版者
日本DOHaD研究会
雑誌
DOHaD研究 (ISSN:21872597)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.18, 2016

特別講演2
著者
落合 信靖 山﨑 博範 佐々木 裕 山口 毅 木島 丈博 松木 圭介 見目 智紀
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.461-463, 2013 (Released:2013-12-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Background: Diffusion-weighted imaging (DWI) based on magnetic resonance imaging (MRI) can provide valuable information regarding the microstructure of tissues by monitoring the random movement of water molecules. The diffusion data can be used for determination of quantitative diffusion values such as the apparent diffusion coefficient (ADC). The purpose of this study was to evaluate rotator cuff muscle activity using DWI.Methods: DWI was performed before and after loaded on empty can test and full can test and compared before and after those tests.Results: ADC of supraspinatus, infraspinatus and superior portion of subscapularis were increased after empty can test. ADC of supraspinatus, superior portion of infraspinatus and superior portion of subscapularis were increased after full can test. Anatomical study showed that the infraspinatus had contributed in shoulder abduction in shoulder internal rotation.Discussion: This study showed the agreement with the anatomy of the previous study, an increase of ADC in supraspinatus and infraspinatus in empty can test and an increase of ADC in supraspinatus mainly in full can test. There were possibilities that DWI could evaluate the activity of rotator cuff muscle.
著者
佐々木 裕昭 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.1-6, 2011-05-06

人通りの多い場所においては,歩行者どうしの接触などの事故がしばしばみられる.これは,歩行者が他者の行動を事前に知ることが困難であることが原因の 1 つだと考えられる.一方,自動車は各車両が自身の行動をランプの点灯などの形で事前に周囲に提示することで安全でスムーズな交通を実現している.そこで本研究では,身に付けた LED などのデバイスでウインカなどの自動車の情報提示機能を実現することで,歩行者が周囲に自身の情報を提示するシステムを提案する.また,その直観性や視認性を評価するため,提案システムを実環境で使用した評価実験を行い,提案システムの有用性を確認した.At crowded places, there are many accidents such as bump between walkers. One of reasons for these troubles is that it is difficult for each people to predict the behaviors of other people. On the other hand, cars communicate with other cars implicitly by presenting their contexts using equipments such as brake lamp. In this paper, we propose a system for visualizing user context for surrounding people by information presentation methods based on those in cars, such as wearing LEDs for realizing brake lamp. Evaluation results using our prototype system confirmed that our method transmitted user context visually intuitive.
著者
中村 哲 佐々木 裕 菊井 玄一郎 清水 徹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.345-350, 2005-08-01 (Released:2017-05-25)

音声翻訳は, 日本語を喋ると英語やその他の外国語に翻訳して喋ってくれる, あるいは外国語を喋ると日本語に翻訳して喋ってくれるという技術である。音声翻訳を実際の生活のあらゆる場面で使えるものにするためにはまだ多くの課題が山積している。個別の技術で言えば, 音声認識, 翻訳, 音声合成といった要素技術を, 話し言葉を対象にいかにしてロバストで高精度にするか, そして, それらをいかに効果的に統合するかという音声翻訳特有の課題の解決が不可欠である。そこで, 本稿では, ATRが現在研究開発を進めている旅行会話を対象とした音声翻訳システムの解説を中心に, 音声翻訳研究の現状を紹介する。
著者
石井 雅樹 佐々木 裕也
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.757-770, 2015-10-15 (Released:2015-11-13)
参考文献数
21
被引用文献数
1

ロボットが人間の生活環境で自律的に行動するためには環境地図が必要となる.従来提案されている環境地図構築手法は,形状情報のみから環境地図を構築している場合が多い.しかし,形状情報のみを使用した場合は,長い廊下環境のような幾何学的特徴の少ない均一な環境において自己位置の候補が複数発生し,推定が困難であるという問題がある.そこで本論文では,自己位置の推定に有用な情報として視覚情報に着目し,画像情報のみを用いた自己位置推定手法について検討した.提案手法では,事前に環境中で取得した全方位画像データを教師無し学習アルゴリズムである自己組織化マップを用いて学習し,位置推定識別器を構築する.ロボットは,自身の移動中に観測した画像が環境中のどのエリアで取得可能であるかを位置推定識別器により判断する.本稿では,幾何学的特徴およびパターンやテクスチャ等の視覚情報の多い室内環境と,幾何学的特徴が少なく視覚情報も乏しい廊下環境を対象として,位置推定識別器の有用性について検証した.
著者
橋本 瑛子 落合 信靖 佐々木 裕 山口 毅 木島 丈博 山崎 博範 松木 圭介
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.779-783, 2014 (Released:2014-11-21)
参考文献数
14

近年,肝臓等で報告があるIDEAL法は脂肪と水を分離して描出でき,定量評価可能なMRI撮像法である.本研究の目的は,IDEAL法,単純T2強調像,単純CT像からの腱板筋脂肪変性を比較し,大・広範囲腱板断裂の一次修復の可否を検討することである.IDEAL法を撮像した47例50肩を対象とした.IDEAL法では,斜位矢状断で各腱板筋にROIを設定し,In Phase,Fat Imageの信号値から脂肪を定量した.同撮像面で単純T2強調像,単純CT像から腱板筋脂肪変性の割合を算出した.IDEAL法と単純T2強調傍矢状断像から分類したGoutallier分類は解離し,単純T2強調像での脂肪変性評価はIDEAL法に比較し過小評価する傾向を認めた.また,大・広範囲腱板断裂の一次修復不能群ではIDEAL法での棘上筋実質部成分・棘下筋の脂肪含有率と単純T2強調像での棘下筋の脂肪含有率が有意に高値で,一次修復可否の判断材料となり得た.
著者
白井 裕子 佐々木 裕子 井上 清美 島田 友子 稲垣 絹代
出版者
愛知医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011-04-28

1)野宿者の生活への参加観察等から、野宿者の健康や生活上における知恵や工夫について調査を行った。寒さ・暑さ対策、暴行を防ぐ、生活用品の入手方法、その場所に住まい続けるための方法(地域住民との関わり方)などが明らかになった。2)調査で明らかになった野宿者の知恵や工夫を、研究者らが行っている健康支援活動の中で、個々に紹介しながらその人の健康を高める方法をともに考えあった。3)梱包用エアーマットを活用した寒さ対策と、砂糖と塩でつくった経口補水液を活用した熱中症予防の方法について、野宿者に実際に生活の中で試してもらった。効果があったという意見も多く、野宿者に共通して広く紹介できることが明らかになった。
著者
荻窪 哲也 日高 宗明 奥村 学 藤田 健一 山崎 啓之 浅生 将英 岩切 智美 佐々木 裕美 児玉 裕文 有森 和彦
出版者
日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.392-399, 2006-05-10
被引用文献数
2 2

In view of the lack of information on the extent to which tea beverages inhibit the activity of human cytochrome P 450 3A (CYP 3A), we investigated their effect on the midazolam 1' -hydroxylation activity of CYP 3A contained in human liver microsomes. "Grapefruit (white)" was used as a positive control, and "Valencia Orange", as a negative control. All the tea beverages tested significantly inhibited the midazolam 1' -hydroxylation activity of CYP 3A in a concentration-dependent manner and inhibition was particularly marked for Katekin 600^[○!R] and Banso-reicha^[○!R] (5.0%, v/v). The potency of the inhibitory effects was similar to that of grapefruit. The inhibitory effects on the activity of CYP 3A were enhanced by preincubation of tea samples (2.5%, v/v) with microsomal fractions for 5 to 30min in a preincubation period-dependent manner. These results suggest that Katekin 600^[○!R] and Banso-reicha^[○!R] contain mechanism-based inhibiting agents. Further, the inhibitory effects on CYP 3A of green tea beverages seemed to be enhanced by catechins with the enhancement depending on the catechin concentration indicated on the label. In conclusion, we found that there were ingredients that inhibited CYP 3A activity in all of the tea beverages, and they were probably catechins.