著者
佐藤 瑞騎 倉田 昌一 岩倉 正浩 大倉 和貴 新田 潮人 照井 佳乃 佐竹 將宏 塩谷 隆信
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.197-202, 2018 (Released:2018-06-20)
参考文献数
27

【緒言】片麻痺患者に対する部分免荷型トレッドミル歩行練習(以下,BWSTT)の即時効果を明らかにする。【方法】片麻痺患者10 名(平均年齢71 ± 11 歳)にBWSTT と非免荷型トレッドミル歩行練習(以下,FBWTT)を施行し,10 m 歩行試験の結果を比較・検討した。評価項目は歩行速度,歩幅,歩行率,左右・上下重心移動距離,左右・上下RMS,麻痺側脚・非麻痺側脚の1 歩行周期変動係数とし,3 軸加速度計を用いて抽出した。【結果】BWSTT により最大歩行速度,歩幅,歩行率,麻痺側脚の1 歩行周期変動係数,上下RMS が有意に改善した。また同様の項目と非麻痺側脚の1 歩行周期変動係数においてBWSTT がFBWTT より有意な改善が認められ,歩行速度変化率は歩行率変化率と正の相関が認められた。【結論】BWSTTは片麻痺患者に対して歩行能力向上の即時効果が期待され,FBWTTよりも有意であった。また歩行速度の改善は歩行率の改善が寄与していた。
著者
桜井 映子 朝倉 富美子 伊東 清枝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.689-695, 1985-09-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
18

淡雪かんの調製方法として, 卵白に90℃の寒天・ショ糖液を混合する場合の卵白タンパク質の熱変性の状態について, 電気泳動法を用いて検討した.あわせて, 卵白泡の性状および淡雪かんの安定性についても調べた.1) ショ糖無添加の寒天液を卵白泡に混合した場合には, 混合開始温度が70~90℃では, オボアルブミン, オボムコイド, グロブジン, コンアルブミン, リゾチームの各タンパク質に, 熱変性が認められた.2) ショ糖添加の場合には, ショ糖が20%以上含まれると, 90℃で混合を開始しても, 上記5種類のタンパク質には, 熱変性は認められなかった.3) 混合開始温度が90℃で, ショ糖濃度が高い場合には, 比重が小さく舌ざわりが軽く, また離漿率が少ない安定性の高い淡雪かんができるごとがわかった.
著者
與倉 豊
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.187-203, 2014-09-30 (Released:2017-05-19)

九州半導体産業は,経済産業省の産業クラスター計画や文部科学省の知的クラスター創生事業など科学技術振興施策の元で,システムLSIや三次元実装など競争優位を有する技術を順次導入し,大手半導体メーカーの再編や東アジア諸国の技術的キャッチアップなど時代ごとの環境変化に適応してきた.本稿では,九州における半導体産業の高度化を振興する事例として,九州経済調査協会が事業実施の中核主体となる国際会議の開催事業と,ビジネスマッチング事業を取り上げ,半導体関連企業間の多様なネットワークの形成過程について検討した.分析の結果,2001年の初開催以降,国際会議が多様な国から参加者を集め,国際取引を可能とさせる商業の場として機能していること,また既存の人的ネットワークの強化に寄与していることを明らかにした.そして国際会議で構築された人的ネットワークの活用を目的として,2008年より開始されたビジネスマッチング事業では,継続的な情報交換によって相互に他企業を認知するなかで信頼関係が醸成され,九州内外の企業間で新規取引関係が構築されていることを示した.そのような多様な企業間のネットワーク形成において,半導体技術に関して卓越した知識を有するコーディネーターが重要な役割を果たしていることが示唆された.
著者
板倉 勝高
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟論集
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.57-68, 1969-08
被引用文献数
1

以上によって東京の日用消費財工業には分散型と集中型があり,全国市場に結合する集中型は卸問屋-製造卸(メーカーエ場)-加工業という結合関係を持っていることが知られ,工業の研究に流通段階を合わせみることが必要であることが明白になった。この集中型を量産の段階によって整理すると,おのずから発展段階の順序に並び,これらの作業地域が,Complex Areaをなすことが明らかになる。このComplex Areaこそが東京工業,つまり大都市工業の本質的部分である。わたくしは,今後一方で組立機械工業の底辺部分の研究をなすと同時に,このComplex Areaの調査を行なって,さらに大都市工業の持つ論理を明らかにしなければならない。
著者
高倉, 逸斎
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1],
著者
倉本長治 著
出版者
商店界社
巻号頁・発行日
1925
著者
横倉 節夫 Yokokura Setsuo 三星 宗雄 Mitsuboshi Muneo 尹亭 仁 Yoon Jeong-In 浜田 弘明 Hamada Hiroaki
出版者
神奈川大学人文学会
雑誌
人文研究 : 神奈川大学人文学会誌
巻号頁・発行日
vol.178, pp.1-15, 2012-12-25

八久保先生へのお詫びと感謝八久保先生を偲んで八久保さんを悼む -フィールドワークの思い出
著者
片山 訓博 大倉 三洋 山崎 裕司 重島 晃史 酒井 寿美 栗山 裕司 稲岡 忠勝 宮崎 登美子 柏 智之 藤本 哲也 藤原 孝之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.365-369, 2011 (Released:2011-07-21)
参考文献数
11
被引用文献数
2

〔目的〕常圧下における低酸素および高酸素条件への急性暴露が,運動時の呼吸循環応答へ与える影響を検討した.〔対象〕健常成人男性7名.〔方法〕膜分離方式により常圧環境下において低,通常,高の3つの酸素濃度条件を設定した.各条件下で自転車エルゴメータによる多段階漸増運動負荷を行い,安静時から運動最終時までの呼吸循環応答を測定した.低酸素濃度と通常酸素濃度,通常酸素濃度と高酸素濃度の呼吸循環反応を比較検討した.〔結果〕低酸素濃度では,通常酸素濃度に比べ呼吸循環器系への負荷が有意に増大した.特に,嫌気性代謝閾値以上の負荷において呼吸器系への負荷が大きくなる傾向にあった.高酸素濃度では,通常酸素濃度と大きな差を認めなかった.〔結語〕急性暴露における常圧低酸素環境においても,順化させた低圧低酸素環境での呼吸循環負荷と同様の効果が示された.
著者
山田 哲雄 倉沢 新一 笠原 久弥 林 淳三
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.23-33, 1996-03-31 (Released:2011-01-31)
参考文献数
62

本研究は, エネルギー1, 000kca1当たりの栄養素摂取量を維持する食事条件下での5日間の運動 (1時間または2時間/日) 時におけるナトリウム (Na), カリウム (K), カルシウム (Ca), マグネシウム (Mg) およびリン (P) 出納の変動を検討するために行われた.健康な男性5名が被験者となった. 実験は6日間の安静期に続くおのおの5日間の第1運動期および第2運動期から構成された.運動期には, 60%V02maxを目標強度とした自転車エルゴメーターによる60分間 (第1運動期) または120分間 (第2運動期) の運動が負荷された.付加エネルギー摂取量は, 付加運動によるエネルギー消費量に応じて計算された.安静期のレベルを上回るNa, K, CaおよびMgの汗中排泄量の増加分は, これらの摂取量の増加分を下回った. 尿中排泄量の減少によるNaとPの体内保留が観察されたが, K, CaおよびMgの出納は変化しなかった. 尿中アルドステロン排泄量と血清副甲状腺ホルモン (PTH44-68) は, わずかに増大した. 以上のことから, 運動時におけるエネルギー1, 000kca1当たりの栄養素摂取量を維持する食事方法がこれらの無機質については理にかなっていることが示唆された.
著者
木村 祥子 松田 良信 吉田 こずえ 日吉 理恵 遠野 かおり 岡山 幸子 野間 秀樹 板倉 崇泰
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.194-200, 2015 (Released:2015-08-21)
参考文献数
29
被引用文献数
2

メサドンはがん疼痛治療薬として本邦でも使用可能となったオピオイドであるが,個人差の大きい薬物動態や重篤な副作用のため使用にあたり細やかな配慮が必要であり,広く使用されるには至っていない.今回,他のオピオイドからメサドンに変更導入を行ったがん疼痛のある44症例を通してその鎮痛効果と副作用の検討を行い,がん疼痛治療におけるオピオイド鎮痛剤の中のメサドンの臨床的意義を考察した.44症例のうち導入に成功したのは37症例(84.1%)であり,成功症例においてメサドン投与前後の疼痛強度(Numerical Rating Scale;NRS)は平均7.5から2.8に低下していた.副作用として強い眠気が6例,嘔気が3例にみられたが,QT延長や呼吸抑制の重篤なものは認めなかった.高用量のオピオイドを必要とする難治性のがん疼痛患者では,メサドンも疼痛治療の選択肢となり得ると考えられた.
著者
白倉 栄美 中井 美樹 与謝野 有紀 岩本 健良 米澤 彰純 岩間 暁子 持田 良和
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

本年度は、中流階層を中心とした文化とライフスタイルの実態を解明するため、昨年度実施した川崎市における「ライフスタイルと文化に関する意識調査」(郵送質問紙調査)を中心に研究活動を推進した。研究経緯は、データ収集の最終調整を行い、データコーディング作業、データ入力を経てデータセットを作成、さらにデータクリーニング作業、コンピュータでのデータの統計解析、研究報告および検討会議を経て研究成果報告書を作成した。本研究の特徴および成果は、わが国で肥大化したといわれる中流階層〜上層の文化状況とライフスタイルとの関連を明らかにしたこと、また、中流階層の文化消費やライフスタイルの差異を個人的要因に求めるだけでなく、マクロな社会的要因である「場」の効果を測定したことにある。ライフスタイルと文化的諸実践に及ぼす社会階層の効果、家庭文化のの効果、学校効果、企業などの勤務先集団の効果等について検討した結果、主な知見として以下の点が明らかになった。1.諸文化活動を分析すると、学歴や職業などの社会的地位変数によって正統文化嗜好と大衆文化嗜好に差異がみられる。同じ社会階層であっても、出身家庭の文化資本および教育は正統文化活動を促進するよう作用する。2.正統文化と大衆文化の両方に関与する文化的オムニボア(cultural omnivore)が若い年齢層ほど増加し、社会全体としてみると文化的寛容性が高まる方向にある。3.男性と女性で文化消費に差があり、男性は大衆文化嗜好が強く、女性は正統文化嗜好が強い。4.女性の大衆文化化は、配偶者の文化消費傾向からの影響で始まる割合が多い。5.社会関係において文化的境界を用いる人は高学歴層に多く、文化資本と強い関連を示す。6.学校効果と企業効果が顕在化しやすい文化側面が存在する。