著者
石井 明子 橋井 則貴 松本 真理子 香取 典子 新井 進 粟津 洋寿 磯野 哲也 井上 友美 永座 明 大山 幸仁 奥村 剛宏 梶原 大介 田熊 晋也 丹下 浩一 塚原 正義 筒井 麻衣子 寺島 伊予 中川 泰志郎 服部 秀志 林 慎介 原 芳明 松田 博行 村上 聖 矢野 高広 巌倉 正寛 大政 健史 川崎 ナナ 広瀬 明彦
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.15-29, 2017 (Released:2017-12-21)
参考文献数
17

The use of single-use systems has been getting more popular in biologics manufacturing. Utilization of this novel technology enables the efficient manufacturing, including prevention of cross contamination, flexibility to manufacture multiple products, and elimination of the need for cleaning and steam sterilization including those validations. In order to ensure the quality and stable supply of biologics, appropriate risk management considering the characteristics of the system is necessary. However, there is no regulatory document describing the examples or recommendations on it. In 2015, we published the White paper of “Approaches to Quality Risk Management When Using Single-Use Systems in the Manufacture of Biologics” in AAPS PharmSciTech, which was a fruit of discussion in the research group consisting of Japanese pharmaceutical manufacturers, single-use suppliers, academia and regulatory agencies. This review introduces the contents of the White paper with some revision reflecting the comments on it as well as the discussion in our research group after publishing the paper. The basic concept is consistent with ICH guideline on quality risk management. Here we describe the points to consider in risk assessment as well as in risk control when single-use systems are used in biologics manufacturing.
著者
倉本 敬二
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.257-267, 2017 (Released:2018-05-14)
参考文献数
17
被引用文献数
1
著者
小林 照忠 西村 洋治 網倉 克己 坂本 裕彦 田中 洋一
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.448-451, 2006 (Released:2009-06-05)
参考文献数
21

症例は76歳,男性.検診で便潜血陽性のために前医を受診し,肛門管の扁平上皮癌と診断されて,当院へ紹介された.肛門管内にIIa+IIc型病変を認めたが,腫瘍径13mmであり,壁深達度も粘膜下層までと診断し,経肛門的局所切除術を施行した.病理組織所見では癌の広がりは上皮内に止まっており,免疫組織化学的検査で腫瘍部に肛門管癌発生との関連性が報告されているヒトパピローマウイルス(以下,HPV)感染が証明された.
著者
倉智 佐一 北尾 倫彦 松岡 由紀子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. IV, 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.109-120, 1970

学力と知能構造との関連を研究する目的をもって,小学校5年生および6年生334人を対象として,学力診断検査と知能構造診断テストが実施された。これらの結果について,2つの観点から学業群が抽出され,これらと知能パターンとの関係が分析された。その1つは,学力検査の得点そのものの高低によって優秀群(HA),普通群(MA),劣等群(LA)に分けた学業群であり,他は,学力と知能との差による成就値にもとづいて,促進群(OA),均衡群(BA),不振群(UA)に分けた学業群である。また知能パターンとしては,思考(T)・記憶(M)・言語(V)・非言語(P)の各知能因子得点の相互関係から9種の型が分類され,ひとりひとりについてその型が判定された。その結果,次のことが見出された。1.各知能パターンのあらわれる率を,HA群とLA群,OA群とUA群について比較し,著しい差のあるものを検討してみると,一般にHAおよびOAではT因子およびV因子の高いパターン(T型,V型,TV型)が多い。これに対しLAおよびUAではM因子およびP因子の高いパターン(M型,P型,MP型)が多い。これらの結果は,われわれが従来,相対的学業群について実施した研究結果とほとんど一致している。2.各知能パターン相互の間でその出現率を比較してみると,一般にTMVP型,すなわち知能の各因子が,高かれ低かれ,ほぼ均衡な能力を示すごときパターンが,どの学業群どの教科にも多くあらわれている。これは,小学校における教科の学力というものは,各,種の基礎的能力がほぼ均衡にそなわっているか否かに関係深いことを示している。なおこのパターンの出現率は,LA群およびUA群において,とくに顕著である。3.絶対的学業群と相対的学業群とを比較してみると,HAとOAとの間に,TMVP型のあらわれ方にかなりの違いがある。すなわち,HAではこれが非常に多いのに対し,OAではこれが著しく減少し,それに代ってV型がより多くあらわれている。このことは,絶対量としての学力得点と,相対量としての成就値との間の質的な差異を示唆しているようである。For the purpose of studying the relations between scholarly achievements and structures of intelligence, two sorts of test were given to about 300 pupils of higher grades in elementary schools. One is a battery of achievement tests covering four school subjects, and the other is an intelligence test consisting of four factors: thinking(T), memory(M), verbal(V), non-verbal(P). Achievement-groups were classified from two points of view, i.e. (1) from the absolute level of test scores: high-achievers(HA), middle-achievers(MA), low-achievers(LA), (2) from the relative level of achievement as compared to intelligence scores: over-achievers(OA), balanced-achievers(BA), under-achievers(UA). As for the intelligence structure, nine patterns were classified by means of comparing the four factors, T, M, V & P, each pupil being identified as to the pattern to which he may belong. The data were analysed from various points, and the followings were found. (1) The intelligence patterns "T", "V", "TV" where the factors T and/or V dominate appeared significantly more often in HA and OA groups, while the patterns "M", "P", "MP" where the factors M and/or P dominate were found significantly more often in LA and UA groups. These results coincide exactly with the former same studies. (2) The "TMVP" pattern where the four factors keep considerable balance appeared most often as compared to the other patterns in almost all groups, both in case of absolute and of relative meanings of achievement. This fact may indicate that the achievements at higher elementary grades are greatly influenced by whether or not the pupils could develop ail-roundly balanced fundamental abilities for learning. This inference seems to be more valid in cases of LA and UA groups than in others. (3) From the comparisons between the absolute and the relative achievement groups, it was found that the above-mentioned "TMVP" pattern appeared most in HA group, while the "V" pattern where the factor V only dominates increased instead in OA group. This seems to show one of the important differences between the absolute and the relative levels of achievement.
著者
田邉 真帆 荒瀬 康司 辻 裕之 謝 勲東 大本 由樹 天川 和久 加藤 久人 有元 佐多雄 奥田 近夫 小川 恭子 岩男 暁子 尾形 知英 橋本 光代 四倉 淑枝 山本 敬 宮川 めぐみ 原 茂子
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.603-610, 2012 (Released:2012-12-27)
参考文献数
26

目的:高尿酸血症はインスリン抵抗性を基盤とするメタボリック症候群(MS)の一症候である.今回尿酸と耐糖能異常の関係を検討するため,高尿酸血症と高インスリン血症の関連について検討した.対象と方法:75g経口糖負荷試験(OGTT)を施行した人間ドック受診者全1,175例とOGTT糖尿病型を除外した1,007例の尿酸(UA)とインスリン(IRI)動態を検討した.UA>7.0mg/dLとUA≦7.0mg/dLに区分し,UA>7.0mg/dLを高尿酸値例(高UA群),UA≦7.0 mg/dLを正常尿酸値例(正常UA群)とした.さらにUA値を四分位に区分し第1四分位-第4四分位とした(Q1-4).IRI分泌ピーク値が負荷後30分である場合をIRI分泌正常型,IRI分泌ピーク値が負荷後60分以降である場合をIRI分泌遅延型とした.結果:血清UA値を四分位により分けた4グループの血糖曲線,IRI反応を比較したところ,UAが高いほど,血中血糖(PG)は軽度の上昇を示し,血中IRIは有意に高反応を示した.脂肪肝合併は全1,175例でも高UA群が56.5%(157/278),正常UA群が44.1%(396/897),糖尿病型を除外した1,007例においても高UA群が55.3%(141/255),正常UA群が40.8%(307/752)であり,高UA群に多くみられた.IRI分泌ではIRI分泌遅延型の頻度は全1,175例でも,糖尿病型を除外した1,007例においても高UA群の方が高率であった.結語:高尿酸血症は高インスリン血症と関連を認めた.
著者
石倉 健二 高島 恭子 原田 奈津子 山岸 利次 Kenji ISHIKURA Kyouko TAKASHIMA Natsuko HARADA Toshitsugu YAMAGISHI
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 = Nagasaki International University Review (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.167-177, 2008-03

本論は、近年、高等教育学界において注目を集めている「初年次教育」がいかなるものであるかを、国内外の動向をレビューしつつ検討したものである。M・トロウが明らかにしたように、大学入学者数・率の上昇は、大学教育の変質を必然的に伴うものであり、日本やアメリカ等、トロウの言うマス段階からユニバーサル段階に達した高等教育においては、その質的変化に伴う新たな教育が要請されることになる。「初年次教育」とは、そのような新たな教育形態の一つであり、特に、新入生の大学への適応を支援していくためのプログラムである。その背景には、大学教育のユニバーサル化により、必ずしも大学が期待する学習文化を持たない学生が多数入学し、結果として大学にスムースに適応できない学生が多数存在するということがある。高等教育のユニバーサル化を早期に経験したアメリカにおいて、初年次教育の理論・実践には一定の蓄積があるが、日本においては、アメリカの事例を参照しつつ、各大学が試行錯誤を行っている段階であり、初年次教育が十分に深化されているとは言えない状況である。大学全入時代を迎える日本の高等教育において、初年次教育の必要性はますます高まるであろう。このような視角のもと、今後、具体的な初年次教育のあり方を構想することが求められるであろう。
著者
小山 豊 山岸 淳 宍倉 豊光 深山 政治 武市 義雄
出版者
千葉県農業試験場
巻号頁・発行日
no.27, pp.169-183, 1986 (Released:2011-03-05)

オモダカの防除法確立のため,その生態的特性について検討を行った。1. 出芽特性 (1)塊茎には休眠性があり,休眠覚醒に対しては0℃の低温処理及び包皮除去処理の効果が認められた。(2)塊茎からの出芽深度は塊茎の大小により異なり,土中深い位置からの出芽歩合は塊茎が小さいほど低下した。1g以上の大きい塊茎は地表下20cmの深い層からも容易に出芽した。(3)土壌の還元程度が塊茎からの出芽に及ぼす影響は同じオモダカ科の中でも異なり,ウリカワに比べてオモダカは土壌の還元に対する適応力が大きかった。(4)塊茎は土壌水分が最大容水量の80%(対乾土60%)以上で出芽した。また,湛水深が15cmと深くても出芽は劣らず,水生雑草の特徴をよくあらわしている。2. 生育特性 (1)稲わらを施用した強還元条件でも生育はほとんど劣らず,塊茎形成量はかえって多くなった。(2)遮光処理により草丈,葉面積は大となったが,地上部乾物重は低下した。(3)本県産のオモダカには3種の種内変異が認められ,各々外観,出芽時期,塊茎形成量が異なった。(4)親塊茎の大小により生育及び塊茎形成量が異なった。生体重1gと2gとの間では明らかな差は認められなかったが,0.5g以下の小塊茎は他に比べ地上部生育量,塊茎形成量ともに少なかった。3. 塊茎形成に関する諸要因 (1)塊茎形成に入る時期の地上部の生育状態により塊茎形成数及び塊茎の大小,土中分布は著しく異なった。すなわち,地上部の生育量が大であるほど塊茎形成数,一個当り塊茎重量は大となり,形成される塊茎の土中分布も広い範囲にわたった。最高値は,塊茎形成数で180個/株,一個当り重量で1.7g,形成範囲は地表下30cmまで,水平距離で50cmまでであった。また,塊茎の重量は形成される深さが深いほど,株からの水平距離が遠いほど重くなった。(2)塊茎形成は短日処理により促進された。(3)遮光処理の時期・程度にかかわらず自然条件に比べ塊茎形成数が多くなり,ミズガヤツリ,クログワイと異なった反応を示した。
著者
栗田 隆志 野田 崇 岡村 英夫 里見 和浩 清水 渉 須山 和弘 相原 直彦 鎌倉 史郎 安田 聡
出版者
The Japanese Society of Electrocardiology
雑誌
心電図 = Electrocardiology (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.10-17, 2009-02-05
参考文献数
23
被引用文献数
1

ニフェカラント静注薬は我が国で開発された唯一の純粋なI<SUB>Kr</SUB>チャネル遮断薬であり,重症心室不整脈に対する高い抑制効果が示されている.特に急性冠症候群など冠動脈疾患に合併した難治性の心室頻拍・心室細動(VT/VF)に対しては,8割を超える患者において有効性が示された.また,拡張型心筋症など慢性的な病変によるVT/VFに対する効果は若干劣るものの,6割を超える効果が確認された.ニフェカラントに残された最大の問題は,過剰なQT延長によるtorsade de pointesの誘発であろう.この合併症を避けるためには推奨されているよりも少ない量(loadingは0.15~0.2mg/kg,維持量は0.2mg/kg/時)から投与を開始し,モニター心電図による継続した監視と12誘導心電図でのQT時間の観察が必須である.同薬剤の中止または減量の目安はQTc時間が550msecを超えた場合と考えられる.また,アミオダロン静注薬との使い分けや,経口薬への移行などについては今後に残された課題である.
著者
梶本 義衛 倉本 昌明
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.124-130, 1968-06-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
4

Cephalothin (CET) およびCephaloridine (CER) は, ともにCephalosporin Cの誘導体で, 現在知られている種々の抗生物質のうちでも, 最も高い抗菌力をもつた広範囲スペクトル抗生物質の1つである。これらの基礎的ならびに臨床的研究は, すでに数多くみられ, その治療効果も高く評価されている。しかし一方, 副作用または毒性についても報告され, 特にCERの腎毒性については, 種々論議されているところから, 筆者らはCETとCERについて, 家児を用い, 腎毒性を比較し, 興味のある成績を得たので報告する。
著者
板倉 文忠 東倉 洋一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, 1978-07-15
著者
萩原 信弘 小沢 知雄 倉窪 努
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.24-30, 1970-03-19 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9

樹木は光線の強弱により、それに応じて陽樹、陰樹の別を生ずるが、従来この区別は経験に基いたものが多い。そこで一つの規準を設け、この区別を決定させようとする企てを試みたのが本論文である。それは簡便な葉緑素計を用い、葉つきの樹枝を試材とし、或る照度のもとにその葉内の葉緑素量を測定してみた。その量の多少と照度とを比較することにより、その樹木が太陽光線の或る分量下における生育の良否が決定されるものと仮定して分類を試みた。その結果、次の如くである。陰樹:ゲッケイジュ、シイノキ、ヒイラギナンテン、サザンカ、ピサカキ、モッコク、アオキ半陰樹:ジンチョウゲ、キンモクセイ、マテバシイ、ウバメガシ、トベラ、クスノキ、コブシ、ヤマブキ、キョウチクトウ、ツバキ、サンゴジュ、トウカエデ、カナメモチ、ムクノキ陽樹:チョウセンレンギョウ、イチコウ、ポプラ、イボタノキ、ネコヤナギ
著者
高倉 直 高尾 雄二 武政 剛弘 池永 敏彦 平岡 教子 中村 武弘
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

Agave pasificaの苗の大量増殖を目的にin vitroで基礎実験を行い、その実験結果からジャーファメンタでの培養を行った。無菌種子から育てた葉の厚さ5mmの外植片をMS培地を修正した培地にホルモン(2,4DとBA)を添加し、蔗糖と寒天を加えた培地で培養した。いずれの培地においてもカルスが誘導され、生長も良好であった。その後、継代のカルスの生長培養条件を調べた結果、2,4Dを0.25mg/LとBAを10mg/L添加した培地で生長が最も良好であった。カルスからシュートの形成では、再分化した植物からはシュートとともに根を形成した植物も出現したが、しないものはホルモン無添加の培地に移して発根させた。12回継代培養を重ねたカルスからはシュートは形成されなかった。ジャーファメンタによる大量培養では、培養液として、大塚1号、2号の混合標準培養液を用い、25℃、暗期で3週間培養した。発芽率は対照区よりジャーファメンタを用いた場合が高くなる傾向を示したが、植物の生長に個体差が大きく均一性に欠けた。Agave pasificaはCAM植物であり、通常のC3、C4植物とは異なる光合成を行うので、その光合成をsimulinkを用いてモデル化した。二酸化炭素固定の第1ステップはメソフィル細胞で起こる。C3あるいはC4植物は明期にCO_2を取り込むが、CAM植物は暗期にCO_2を取り込む。CAM植物はC3植物に似た光合成を行う。4つのプロセスからなる。1)気孔をひらき、CO_2の固定、2)リンゴ酸の合成、3)リンゴ酸の消費、4)C3光合成である。光合成におけるカルビンサイクルは3つの生化学反応として表現できる。まず、第1はRuBPとその中間生成物(R)の合成である。Rはミカエルーメンテンの関係式に従うとして、各種の光入力に対して光合成がどのように変化するかをモデル化した。
著者
木村 範子 竹田 美知 正保 正惠 倉元 綾子 細江 容子 鈴木 真由子 永田 晴子 中間 美砂子 内藤 道子 山下 いづみ
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

今日の日本社会では、家族をめぐる問題は、虐待や暴力など複雑で多様となってきている。その打開のためには、人や物にかかわる「家族生活」のトータルな支援・教育と、地域のネットワークづくりが必要である。そのことは、日本のみならず、グローバル・ウェルビーイングの観点から,世界共通の家族問題の打開のために必要な視点である。本研究は、日本で生涯学習として「家族生活教育」を行うために「家族生活アドバイザー」の資格化を視野に、その養成のための研修講座のカリキュラム開発を行うことを目指して行われた基礎的研究である。
著者
山下 いづみ 倉元 綾子 黒川 衣代 正保 正惠
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.275, 2017 (Released:2017-07-08)

目的 今日,日本の個人・家族・コミュニティにおいては,晩婚化・未婚化,DV等に対する取組が求められている。米国等では,家政学・家族研究を基礎とした生活課題の予防・支援が行われてきている。ここでは,米国の家族生活教育の主要文献である Family Life Education: Working with Family across the Life Span,Chapter10: Education for Relationships and Marriage を分析し,結婚前教育と結婚教育について明らかにする。  方法 Family Life Education: Working with Family across the Life Span (2nd Ed.), Lane H. Powell & Dawn Cassidy, 2007, Waveland Press, USA(邦訳『家族生活教育:人の一生と家族』倉元綾子・黒川衣代監訳,2013,南方新社)等の文献を研究した。結果 (1)第10章「結婚前教育と結婚教育」は,結婚教育の必要性,結婚教育の歴史,予防的方法対治療的方法,哲学・理論およびプロセス,結婚教育へのアプローチ,プログラム評価,要約の各節と,討論問題・復習問題から成る。 (2)結婚教育は,長く続く幸せな結婚を支える順調な人間関係を築くために準備する方法を見つけることである。 (3)結婚エンリッチメント・プログラムにおける必要最小限のスキルは,個人・関係・パートナーの成長への関与,理解につながるコミュニケーション方法,創造的変化を刺激するために葛藤を用いる能力,親密性を作り維持する能力である。 (4)結婚教育は,認識行動学,学習理論,宗教的指導,ロジャーズ学派,人間性心理学,システム理論,コミュニケーション・システム理論,社会的学習理路,認知行動理論などを理論的基礎としている。
著者
華山 宣胤 島倉 凡子 南 哲平
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.27, pp.71-78, 2000-03-07

本研究では、消費者のTVゲームに関する消費者動向の調査方法を提案し、実際の調査データに当てはめることよって、その有意性を確かめる。また、提案したモデルに基づく調査データから新商品のコンセプト作りに有用な結論を導出するための方法として、スライスド・インバース・レグレッションを用いた解析手順を提案する。A strategy for the analysis of data on trends in the market for TV-game is proposed, and it is applied to a trial investigation to show the effectiveness of the proposed strategy. Further, for the purpose of projecting factors which have things to do with total valuations, it is insisted that the sliced-inverse-regression is meaningful to apply to the data.