著者
秦 祐也 永井 修平 大屋 裕二 辻 美奈子 内田 孝紀 烏谷 隆
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.257-262, 2010

ポーラス状の外側部をもつ円柱のポーラス部の透過率Ctを変化させ、流れ場について数値計算(2D-DNS)を用いて詳細に検討した.透過率を変えることで流れ場の構造に3つのレジームが現れ、それぞれのレジームの流れ場は以下のようになった.レジームI(Ct< 1.0): 内部の円柱からKarman渦列が形成され、それとポーラス外縁から生じる2つの剥離せん断層が干渉する.レジームII(1.5 < Ct <10): 内部の円柱から渦列は発生せず、ポーラス外縁から生じる剥離せん断層が遠くの下流位置で渦形成を行う.レジームIII(15 < Ct ): ポーラス外縁から生じる剥離せん断層が物体背後に近づいてKarman渦列を形成する.
著者
喜多川 権士 上村 佳奈 齊藤 哲 内田 孝紀 水永 博己
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.57-66, 2010-12-25

台風0918号は静岡大学上阿多古演習林内の67年生ヒノキ林に,根返りの風害を引き起こした。この林では風害発生以前に,風害リスク評価モデルの構築を目的として風速計の設置と立木引き倒し試験を行っていた。台風0918号による風害イベントにより,1)風害リスクの高い個体の樹木属性を観察とメカニズムモデルの両面から明らかにすること,2)風害を引き起こした実際の風況を記録すること,3)既存の風害リスク評価モデルの妥当性の検証,が可能になった。樹冠面積と胸高直径の比は個体耐風性を示す重要な指標として認められたが,形状比,幹サイズ因子は個体レベルの風害リスクには関係なかった。林冠のすぐ上で風速勾配の著しい増加がみられるなど,風速プロファイルの大きな変化が上空風速(林冠上10mの位置)が7ms^<-1>を超えた時に起きた。GALESを利用して計算した風害被害木の限界風速は,実測最大平均風速の約3倍だった。強風時の風速垂直プロファイルとモデルで仮定した風速プロファイルには大きな乖離があった。これらの結果は,強風時において風害リスク評価モデルに既存の対数則を適用することの問題点を指摘している。しかしながらモデルによって評価された個体の脆弱性は,観察によって明らかになった被害木の属性の傾向と一致した。これらの結果は,GALESの妥当性が樹木属性における相対的風害リスクの評価に留まることを示している。
著者
内田 孝紀 小野 謙二 飯田 明由 吉村 忍 加藤 千幸 山出 吉伸 今村 博 植田 祐子
出版者
一般社団法人 日本風力エネルギー学会
雑誌
風力エネルギー学会 論文集 (ISSN:24363952)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.71-82, 2021 (Released:2022-03-30)

In the current project, the first author and the second author play a central role in conducting high-speed tuning and wind turbine wake analysis of the supercomputer version of RIAM-COMPACT. In this report, we applied the supercomputer version RIAM-COMPACT to the wind turbine wake simulation from the wind tunnel scale to the utility-scale wind turbine wakes. As a result, we clarified unsteady wake aerodynamics of wind turbines including multiple wake interactions with high precision and high reality.
著者
内田 孝紀
出版者
一般社団法人 日本風力エネルギー学会
雑誌
風力エネルギー (ISSN:03876217)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.A_53-A_60, 2015 (Released:2016-09-30)

Because a significant portion of the topography in Japan is characterized by steep, complex terrain, which results in a complex spatial distribution of wind speed, great care is necessary for selecting a site for the construction of Wind Turbine Generators (WTGs). We have developed a Computational Fluid Dynamics (CFD) model for unsteady flow called Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University, COMputational Prediction of Airflow over Complex Terrain (RIAM-COMPACTR). The RIAM-COMPACTR CFD model is based on Large-Eddy Simulation (LES) technique. In this paper, the numerical wind simulation over the Shiratakiyama wind farm was executed using the high resolution elevation data. In order to reproduce terrain-induced turbulence numerically, it is shown that both of the horizontal grid resolution and the time increment are extremely important. As a result, the numerical results also showed that it is possible to reproduce energy cascade of actual terrain-induced turbulence well in the frequency-wavenumber domain.
著者
高田 稜一 高橋 江梨香 内田 孝紀 杉谷 賢一郎 谷川 博哉 野口 尚史 平田 勝哉
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
流体工学部門講演会講演論文集 (ISSN:24242896)
巻号頁・発行日
pp.OS03-05, 2020 (Released:2021-05-25)

In the present study we investigate the relationship between various aerodynamic characteristics and attack angle α for FP (a flat plate), NACA0015 and iNACA0015 (the NACA0015 placed back to front) by numerical analysis and water-tank experiment at Re = 100 – 800. Then, we reveal the effects of α upon various aerodynamic characteristics such as the lift coefficient CL, drag coefficient CD and the lift-to-drag ratio CL/CD. In order to discuss these revealed α effects, we further visualize the flow around the airfoils in terms of the velocity vector, vorticity and the Q value at α = 0 – 30 deg., based on PIV analyses by water-tank experiment. Such results suggest that FP is similar not with NACA0015 but with iNACA0015 from an aerodynamic point of view.
著者
内田 孝幸
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.473-480, 2013 (Released:2014-12-16)
参考文献数
26

蒸着や,電着によって10 nm程度の銀の薄膜を作製し,これらを透明導電膜等で挟み込んだ場合,透明性,導電性,表示色に関して特徴ある特性を示す.本稿では〈1〉Ag薄膜を酸化物透明導電膜(TCFs)で挟んだ,サンドイッチ型の積層膜の作製と評価,さらにこれらを用いて有機EL(OLEDs)の電極への適用の事例とその応用について紹介する.〈2〉また,Agイオンを含む透明エレクトロクロミック素子へバイアス電圧を印加し,透明導電膜にAgを電着した場合,鏡や黒,さらには赤~青色といった多彩な表示色を示す.これは,透明電極のモルフォロジー(平坦/凹凸等の差異)や,バイアス電圧印加の工夫(一定電圧やダブルパスル印加など)によって,ある程度,銀の粒子(核発生,粒子成長)の成長を制御でき,その結果,Agの粒子の凝集状態が異なることによって,多彩な表示色が得られることを示す.〈3〉さらに,これら〈1〉と〈2〉の特徴を活かした新奇な素子として,「透明有機EL素子」と「透明エレクトロクロミック素子」を組み合わせた,6状態を有するスマートウィンドウの紹介を行う.
著者
福間 眞澄 内田 孝幸 福島 志斗 小川 仁一 吉野 勝美
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.134, no.5, pp.299-306, 2014 (Released:2014-05-01)
参考文献数
16
被引用文献数
3 3

The electric double layer capacitor (EDLC) electrode is made of carbonized and activated materials. The material surface and electrical characteristics of carbon materials produced from low cost organic materials were examined. First, a cotton cloth was carbonized and activated, and its optimal time and temperature of carbonization and activation processing were examined. And, its surface area, pore volume and pore size distributions were analyzed. Second, activated carbons were applied to the electrodes of 1Wh class EDLC cell with water electrolyte solution. The capacitances and internal resistances of the assembled EDLC cell were measured by a charge and discharge circuit using constant voltage source. And, the charge and discharge cycle test was performed on these assembled EDLC cells under practical use condition. As a result, EDLC cells using the activated carbon with large surface area of 1300m2/g showed the high density of capacitance 0.5-1.1F/cm2. The internal resistances of EDLC cells were less than 0.34W. It was also found that the EDLC cells had no deterioration in the charge and discharge cycle test under practical condition. It shows that the activated carbon made of cotton cloth contributes to the low cost and safety electrode of an EDLC.
著者
友清 衣利子 内田 孝紀 前田 潤滋
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.205-210, 2006

2004年の台風23号は九州に上陸しなかったものの,九州北部に強風をもたらし台風経路から300km以上離れた佐賀県小城市に構造物被害が集中した。被害が当地に集中した要因として,小城市北部に位置する天山山系の地形形状の影響が考えられる。また,大気の安定度が強くなった場合には,いわゆる「おろし風」が吹いて山麓周辺でさらに増速する可能性がある。本報では,台風0423号時の強風分布状況を検証するために風速場シミュレーションを行い,周辺地形が小城市周辺の風況に及ぼす影響を検討した。数値計算で実際の風の乱れの強さを再現することは困難であるが,中立状態であれば平均風速分布が実際の風観測記録とやや対応すること,大気安定度を変化させると小城市で強風発生領域が局所化することが分かった。大気の成層状態を把握することは困難であるが,台風接近時には大気が安定状態となって小城市の一部地域でおろし風のような強風が吹いた可能性を示した。
著者
内田 孝紀 荒屋 亮 Uchida Takanori Araya Ryo
出版者
[九州大学応用力学研究所]
雑誌
九州大学応用力学研究所所報 (ISSN:13455664)
巻号頁・発行日
no.142, pp.55-62, 2012-03

In order to simulate unsteady three-dimensional airflow around urban city area with characteristic length scales of the order of kilometers, we have been examining the large-eddy simulation (LES) technique using a finite-difference method (FDM). In this paper, using the LES technique, we have performed the calculation of buoyant gas diffusion around real urban area with huge computational grids. The various patterns of gas diffusion are clarified, and airflow is also locally accelerated or decelerated, due to the topographic and the obstacle effects.
著者
内田孝蔵 著
出版者
丸ビル眼科出版部
巻号頁・発行日
vol.続, 1936
著者
馬原 文彦 古賀 敬一 沢田 誠三 谷口 哲三 重見 文雄 須藤 恒久 坪井 義昌 大谷 明 小山 一 内山 恒夫 内田 孝宏
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1165-1172, 1985
被引用文献数
22 61 50

昭和59年5月中旬より7月までの短期間に, 徳島県阿南市において, 紅斑と高熱を主徴とし特徴的な経過を辿ったリケッチア症と思われる3症例を経験した. これらの症例は, Weil-Felix反応OX2陽性で, 恙虫病とは異なる反応を示し, 詳細な臨床的血清学的検索の結果, わが国初の紅斑熱リケッチア症と判明した.<BR>症例は, 62~69歳の農家主婦で, 藪または畑に入ってから2~8日後に発熱, 悪寒戦標をもって発病し, 稽留熱 (39~40℃ 以上) と, 四肢末梢から全身に拡がる皮疹を特徴とした. 皮疹は, 米粒大から小豆大, 淡紅色の痒みを伴わない紅斑で, ガラス圧により消退するが, 次第に出血性となった. 3例中2例で痂皮または潰瘍を伴う硬結を認めた (刺し口). 全身リンパ節腫脹, 肝脾の腫大は認めなかった. 治療は, テトラサイクリン系抗生剤 (DOXY) が著効を示した.<BR>血清学的検査では, Weil-Felix反応で, 3症例共OX2に有意の抗体価上昇を示した. 間接免疫ペルオキシダーゼ反応では, 恙虫病リケッチア3株に陰性であり恙虫病では無いことが証明された. 更に, CF反応で紅斑熱群特異抗原に対し陽性となり, 本症例は, 紅斑熱リケッチア感染症であることが確認された.

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著者
内田孝蔵 著
出版者
内田出版部
巻号頁・発行日
1937
著者
馬原 文彦 古賀 敬一 沢田 誠三 谷口 哲三 重見 文雄 須藤 恒久 坪井 義昌 大谷 明 小山 一 内山 恒夫 内田 孝宏
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1165-1172, 1985
被引用文献数
22 61

昭和59年5月中旬より7月までの短期間に, 徳島県阿南市において, 紅斑と高熱を主徴とし特徴的な経過を辿ったリケッチア症と思われる3症例を経験した. これらの症例は, Weil-Felix反応OX2陽性で, 恙虫病とは異なる反応を示し, 詳細な臨床的血清学的検索の結果, わが国初の紅斑熱リケッチア症と判明した.<BR>症例は, 62~69歳の農家主婦で, 藪または畑に入ってから2~8日後に発熱, 悪寒戦標をもって発病し, 稽留熱 (39~40℃ 以上) と, 四肢末梢から全身に拡がる皮疹を特徴とした. 皮疹は, 米粒大から小豆大, 淡紅色の痒みを伴わない紅斑で, ガラス圧により消退するが, 次第に出血性となった. 3例中2例で痂皮または潰瘍を伴う硬結を認めた (刺し口). 全身リンパ節腫脹, 肝脾の腫大は認めなかった. 治療は, テトラサイクリン系抗生剤 (DOXY) が著効を示した.<BR>血清学的検査では, Weil-Felix反応で, 3症例共OX2に有意の抗体価上昇を示した. 間接免疫ペルオキシダーゼ反応では, 恙虫病リケッチア3株に陰性であり恙虫病では無いことが証明された. 更に, CF反応で紅斑熱群特異抗原に対し陽性となり, 本症例は, 紅斑熱リケッチア感染症であることが確認された.