著者
楪 雅行 佐藤 義輝 内田 康也 田島 清司
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州齒科學會雜誌 : Kyushu-Shika-Gakkai-zasshi (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.862-869, 1985-12-25

The widely used dental Ag-Pd-Au alloy is frequently melted with a gas-air blowtorch, and cast by a centrifugal casting machine. In this case, the timing of casting the molten alloy is generally determined by means of the observation of its appearance at melting. There are few reports on the temperature of the molten alloy at casting. Therefore, the casting temperature of Ag-Pd-Au alloy melted with a gas-air blowtorch was measured, as well as the heating time until the start of castig. This study was scheduled to examine the effects of remelting, flux addition, and operator's experience in casting. Six operators, three well and three poorly experienced, were selected. The casting temperatures adopted by the three well experienced operators tended to rise gradually as the repetition times of melting increased. The difference between the casting temperatures at the first and the 10th melting without flux ranged from 10 to 15℃. On the other hand, the casting temperatures adopted by two poorly experienced operators of the three tended to fluctuate sharply, and no rising tendencies were observed in the casting temperatures. Flux addition in due course of heating the alloy reduced the difference between the maximum and the minimum casting temperature. The rise in casting temperature was suppressed by flux addition in the repeated melting by the well experienced operator group, resulting in about only 5℃ rise from the first to the 10th melting. The time required for heating the alloy from the liquidus to the casting temperature was nearly constant in the case of the well experienced operator group, but in the case of the poorly experienced one it fluctuated sharply, irrespective of flux utilization. Consequently, it may be said that the operator's experience and/or skill are inevitably necessary for casting Ag-Pd-Au alloy by judging the casting temperature from the appearance of the molten alloy.
著者
内田 忠賢
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

全国各地、世界各地に増殖する「よさこい(YOSAKOI)」の文化伝播のプロセスやメカニズムについて調査した。よさこいとは、鳴子踊りの集団によるダンスとその競演イベントを指す。本研究では、文化伝播の比較軸として、国内×海外、よさこい×エイサー(沖縄の太鼓踊り)を設定した。私はこれまで国内のよさこいが作る文化や社会を研究してきた。今回、海外でのよさこいを調査できた。特に、ブラジルでのよさこいを調査でき、日系コミュニティや文化を考えた。また、エイサーは国内外ともに、沖縄文化のローカリティが強く、よさこいに比べ、増殖力が弱い。よさこいは現代の日本文化として汎用性が高く、様々なコミュニティに受容される。
著者
内田 悦生 前田 則行 中川 武
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩鉱 : 岩石鉱物鉱床学会誌 : journal of mineralogy, petrology and economic geology (ISSN:09149783)
巻号頁・発行日
vol.94, no.5, pp.162-175, 1999-05-05
被引用文献数
3 23

アンコール遺跡に使用されている主要石材の一つであるラテライトの研究を行った。調査はアンコール遺跡の主要25遺跡において行った。<br>   アンコール遺跡に使用されているラテライトはその組織によりピソライト質ラテライトと多孔質ラテライトとに分けられる。その主要構成鉱物はどちらも同じであり,針鉄鉱,赤鉄鉱,カオリナイトおよび石英である。<br>   調査した25遺跡は,使用されているラテライトの孔隙サイズと帯磁率に基づき5つのグループに分けられる。ただし,プノム・クロムとバンテアイ・スレイは例外である。この分類は微量元素であるAs, Sb, SrおよびVの含有量からも裏付けされる。このことはラテライトの石切り場が時代とともに変化したことを示している。<br>   ラテライト材の層理面方向を調査した結果,層理面が縦になっている石材の割合はアンコール・ワットより前の建造物では高いが,アンコール・ワット以降の建造物ではその値が低くなっている。このことは,アンコール・ワット以降では層理面方向を意識して建造が行われたことを示している。<br>   プラサート・スープラとクレアンに隣接する池は,その護岸に使用されているラテライトの孔隙サイズ,帯磁率,層理面方向および微量元素の含有量からクレアンと同じ時代に建造されたと推定される。
著者
内田 忠賢
出版者
公益財団法人 後藤・安田記念東京都市研究所
雑誌
都市問題 (ISSN:03873382)
巻号頁・発行日
vol.104, no.9, pp.22-25, 2013-09

高知市の地域活性のために始まったよさこい祭りは、札幌に飛び火して、YOSAKOIソーラン祭りに進化した。今では日本各地で大盛況であるばかりでなく、海外にも伝播している。新しい形の祭りとコミュニティの関係を考える。
著者
内田 君子 大矢 芳彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.49-52, 2011

大学の情報教育において,ペアによる課題解決時に生起する問題点を検討する目的で,情報基礎演習科目受講者約280名を対象に,15分間の文書処理検定試験問題に準拠した実技試験を個人とペアで2回行った.その結果,双方ともペア試験成績が個人試験成績を下回った(EP(-))ペアは全体の約21%認められた.これらのペアは,発話量が相対的に少なく,ペア内の基礎学力差が大きいことや,ペアよりも単独解決を支持するなどの特徴が見られた.また,問題別のペア効果値(EPQ値)から判断すると,正答率が低い試験においてペア効果が時系列的に下降傾向を示すことも明らかとなった.
著者
藤原 敦子 木村 泰典 三神 一哉 内田 睦 建部 敦
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.607-610, 2002-10
被引用文献数
2

65歳女.肉眼的血尿で膀胱内腫瘍を指摘された.膀胱はコアグラタンポナーデの状態で,膀胱洗浄により血塊と共に悪臭の強い多量の壊死組織が排出された.膀胱鏡では左側壁から後壁を中心とする非乳頭状広基性腫瘍を認め,膀胱粘膜全体が表面不整であった.骨盤部造影CTで膀胱左側壁を中心とする8×6cmの腫瘍を認め,膀胱壁は全体に肥厚していた.1週間後の膀胱造影では左側壁からの造影剤漏出を認めた.膀胱癌T4N2M1と診断し,発熱が増悪するため膀胱全摘術及び両側尿管皮膚瘻造設術を施行した.摘出組織で表面を壊死組織で覆われた灰白色の腫瘍を認め,膀胱壁外に到達した部分に瘻孔が形成されていた.組織学的には表在性に位置する癌腫の部分と,優勢な肉腫様部分で構成され,両者の境界は明瞭であった.癌腫は扁平上皮に分化している細胞,肉腫様部分は未分化な紡錘形細胞で構成されていた.術後一時的に改善したが発熱が再燃し,2週後に敗血症で死亡したA 65-year-old woman was referred to our clinic with gross hematuria. Cystoscopy revealed a non-papillary and non-pedunculated tumor on the left lateral wall of the bladder. A piece of necrotic tissue obtained from the bladder irrigation was histologically squamous cell carcinoma. A perforation at the left lateral wall of the bladder was found on the cystogram. Bone scintigraphy showed multiple metastases and computed tomography scans showed multiple lymph node metastases in the pelvic cavity. The clinical diagnosis was bladder carcinoma of T4N2M1 stage with an abscess due to a spontaneous perforation. Total cystectomy with bilateral ureterocutaneostomy was performed. She died due to sepsis 13 days after the operation. Histologically, the tumor was composed of carcinomatous and sarcomatous elements. The carcinomatous element was compatible with squamous cell carcinoma and the sarcomatous element was composed of undifferentiated malignant spindle cells. Immunohistochemical examination showed that the carcinomatous component was positive for keratin and human chorionic gonadotropin (HCG) and the spindle cell component positive for vimentin, desmin and HCG. Therefore, we diagnosed the tumor as sarcomatoid carcinoma. We reviewed 56 cases of carcinosarcoma of the bladder in Japan and discussed the clinicopathology of the disease.
著者
長谷川 哲也 内田 良
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は,資料の電子化が迫られる大学図書館を対象に,格差の実態とその変動を明らかにすることである。本研究では,『日本の図書館―統計と名簿』に掲載されているデータをもとに,国公立大学の図書館資料費および図書館職員について,大学間・大学間格差を分析した。また,格差の具体的な状況を明らかにするため,国公立大学を対象とした聞き取り調査も実施した。本研究が明らかにした重要な知見は,電子ジャーナル費や雑誌費,正規採用の司書数で,大学階層間格差が拡大していることである。研究と教育の両面において,大規模大学ほど図書館資源が潤沢である一方,小規模大学が苦境に立たされている実態が浮き彫りになった。
著者
寺本 義也 内田 亨
出版者
新潟国際情報大学情報文化学部
雑誌
新潟国際情報大学情報文化学部紀要 (ISSN:24238465)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.71-79, 2016-04-01

本稿では、まず、水産大国であるノルウェー王国の経済と水産業を概観した。ノルウェー王国の水産業は、GDP 構成比0.8%、就業人口0.6%と少ないものの、輸出品としては、水産物が2 番目に来ている。次に、ノルウェーの水産業とそれを支援する機関がどのような役割を果たしているのか明らかにした。第一に、ノルウェー水産物審議会(NSC)の主な活動は、マーケティング、市場への情報提供、コミュニケーション、の3つである。そして、NSC は、ノルウェーにおける水産業のマネジメントとしてサステナビリティの3つの柱(社会、経済、環境)を打ち立てている。第二に、ノルウェー産業科学技術研究所(SINTEF)は、先端的R&D 支援を行う研究機関であり、水産業及び養殖業のマネジメント、沿岸域の管理、漁業と養殖管理について、それらの重要性を明らかにしている。また、技術革新と高品質の科学による「ノルウェーモデル」を掲げている。
著者
吉本 充宏 古川 竜太 七山 太 西村 裕一 仁科 健二 内田 康人 宝田 晋治 高橋 良 木下 博久
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.109, no.10, pp.595-606, 2003-10-15
被引用文献数
5 18

鹿部冲の海底に分布する北海道駒ヶ岳火山1640年の岩屑なだれ堆積物を調査した音波探査の結果,海底岩屑なだれ堆積物の分布の末端部を確認することに成功したこれらは溶岩流などに認められる急勾配の末端崖は示さないものの,傾斜の変化を示す海域に分布する流れ山は岩屑なだれ堆積物分布末端部では存任せず,流走距離に反比例して規模・分布頻度が小さくなる傾向を示す海域における岩屑なだれ堆積物の分布は,主方向が北東方向と東方向の双頭状の分布を示し,給源からの最大水平流走距離は約20km,最大幅は約15km,分布面積は約126km^2であるH/L比は0.06であり,海底を流走した岩屑なだれは同規模の陸上岩屑なだれより流動性が高い傾向がある実際に海中に流入した体積は,探査から求めた海底地形データによって見積もった体積に,薄く広がった部分と流れ山の体積を加えた0.92〜120km^3と見積もられた
著者
内田 宏 山岸 敏宏
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.819-825, 1993
被引用文献数
1

黒毛和種の子牛市場成績,繁殖雌牛の体型,肥育成績などの経済形質に対して近親交配がどのような影響をもたらすかを調べた.材料牛は宮城県内の市場に上場された15,142頭の子牛,県内の11の改良組合の改良基礎雌牛(3歳以上)1,042頭および986頭の去勢肥育牛である.子牛では叔姪交配(近交係数6.25%以上)による近親交配が全子牛の16.4%を占めている.また,繁殖雌牛および肥育牛では,近交係数が6.5%以上のものが,それぞれ13.3%と13.4%を占めている.子牛の日齢体重は,近交度が上昇するにつれて小さくなっており,子牛市場上場時の発育形質に,近交退化が認められた.繁殖雌牛における近交係数に対する体測定値の一次回帰係数は,体高を除いた部位がすべて負となり,近交係数の高いものほど体測定値は小さくなる傾向にあったが,かん幅の体高比を除いて有意性は認められなかった.肥育牛の近交係数に対する発育形質の一次回帰係数はすべて負で有意となり,近交度の上昇にともない発育が低下しており,肥育牛の発育形質においても近交退化が認められた.一方,脂肪交雑の近交係数に対する一次回帰係数は正で有意であったが,種雄牛と一次回帰との間に交互作用が見られ,脂肪交雑に及ぼす近交の影響が種雄牛によって異なることが分った.