著者
加藤 尊秋 八田 昌久 西川 雅史 松本 史朗
出版者
Atomic Energy Society of Japan
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 = Transactions of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.404-420, 2007-12-25
被引用文献数
3

Although dwellers living near a nuclear power station are entitled to economic/financial benefits such as increased job opportunities and local tax revenues pertaining to the power station, it is not clear whether such benefits are appreciated by the dwellers. Two findings of this study based upon a social survey of local dwellers living near the Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Station are summarized as follows. First, an increase in the per capita sizes of the local tax revenue and national subsidies resulted in a larger share of respondents who thought that those revenues are beneficial. Therefore, local dwellers are aware of the sizes of economic/financial benefits. Second, given the same risk level of nuclear disaster, a larger per capita financial benefit resulted in a larger share of respondents who felt compensated for the nuclear risk. However, this increase in the number of compensated respondents is low relative to the increase in the amount of financial benefits.<br>
著者
杜 伯学 加藤 景三 金子 双男 小林 繁雄
出版者
社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.401-404, 2002-07-01

Surface breakdown phenomenon of printed wiring board was investigated with increasing temperature from 23℃ to 150℃. The experiment was carried out by dc pulse voltage with the frequencies in the range of 50Hz to 150Hz. Printed wiring boards of epoxy resin laminate have been employed to investigate the effects of the surface temperature, electrode distance and the frequencies of applied voltage on the discharge quantity. The study revealed that the time to breakdown decreases with increasing the temperature, increasing the frequency of applied voltage and decreasing the electrode distance. The characteristics of discharge currents with increased temperature and the electrode distance were discussed by power spectral density of discharge current. The results show that the power spectral density of discharge currents increases with increasing the temperature, and decreasing the electrode distance.
著者
加藤 武
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.124, no.3, pp.145-151, 2004-09-01
被引用文献数
10

メマンチンは中等度,重度のアルツハイマー病(AD)の治療薬としてEUとアメリカで承認されている.メマンチンはMK-801やフェンシクリジン(PCP)と同じ非競合的NMDA受容体阻害薬であり,虚血が引き起こすグルタミン酸過剰放出による神経細胞死を防ぐ.これらの薬物はマグネシウムイオンと同じイオンチャネル結合部位に作用する.しかし,MK-801やPCPは統合失調症様症状を引き起こし,ADの治療薬としては使用されていない.メマンチンには類似の毒性はない.また,大脳皮質でのアセチルコリン放出は起きない.メマンチンとMK-801との相違の機構はまだ解明されていないが,メマンチンはマグネシウムイオンと同様に電位依存的にイオンチャネルへ結合し,解離するためと考えられている.今後メマンチンに関する基礎的,臨床的研究が進み,機構が解明されるであろう.<br>
著者
加藤 覚 稲積 彦二 鈴木 孝典 羽田 豊
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.255-260, 1980-05-10 (Released:2009-10-21)
参考文献数
8

濡れ壁塔を用いて, 乱流で流れる気流中への2成分系混合液の蒸発実験を常温, 常圧のもとで行い, 各成分の物質移動速度を測定して, 従来提案されている分子拡散に対する対角化法の拡張適用性を検討した結果, 拡散成分の濃度が希薄な範囲でも適用できない場合があることを示し, また, その適用できる条件範囲を実験的に確かめた.また, 一般化されたFickの拡散方程式を線型化した結果に基づく物質移動速度の近似表示法について考察し.比較的簡便な表示法を提案するとともに, その適用条件の判定方法を実測値に基づいて明らかにした.さらに, 実測値に基づいて, 3成分系気相における2成分の物質移動速度の取り扱いを1拡散成分と非拡散成分とから成る2成分系における一方拡散として扱いうる条件を確かめた.
著者
加藤 覚 稲積 彦二 鈴木 孝典
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.246-253, 1982-05-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

Stefan-Maxwellの方程式に基づいて3成分系気相における2成分の物質移動速度の表示法と推算法を誘導し, これを実験的に検討した.まず, 境膜モデルに基づいて各拡散成分によって異なる有効拡散距離を定義し, これを実験によって求めて, その妥当性を確かめた.ついで, 境膜モデルに基づく物質移動速度の推算法を誘導し, この方法の妥当性を実測値を用いて確かめた.また, 3成分系における物質移動速度に影響を及ぼす要因について検討し, 3成分系に特有な挙動が顕著に現れる条件範囲においては, 二つの拡散成分の問の拡散の効果が支配的であることを示した.
著者
加藤 覚 稲積 彦二 鈴木 孝典
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.15-22, 1980-01-10 (Released:2009-10-21)
参考文献数
14

濡れ壁塔を用いて, 2成分系混合液の乱流で流れる空気流中への蒸発実験を行い, 次の知見を得た.拡散成分の濃度が希薄な場合には, 一つの拡散成分が拡散流束によって他方の拡散成分の移動速度に及ぼす影響は小さい.しかし, 各拡散成分の移動速度が大きく異なる場合には, 大きな移動速度をもつ成分が対流項(bulk flowを指す)を通じて他方の拡散成分の移動速度に及ぼす影響は著しく大きい.この場合に対して非拡散成分を含む3成分系気相における物質移動速度と2成分系における一方拡散の場合のそれとを関連づける因子を提案し, それらの間の相関関係を明らかにした.さらに, この関係に基づく各拡散成分の物質移動速度の推算値が, 着目成分や各成分の濃度および系によらず実測値とおおむね一致することを示した.
著者
加藤 正平
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

東京タワーと世界一の高さとなる東京スカイツリーのサージ特性を、数値シミュレーションと縮小モデル実験から調べた。東京スカイツリーはペンシルスタイルであるため、鉄塔自体の電位上昇は東京タワーよりも高くなるが、金属導体を東京タワーより多く使用するため、タワー内の配電線路に発生するサージ過電圧値は抑制される。このため、東京スカイツリーにおける雷対策は、避雷器のエネルギー耐量を倍増しさえすれば、これまでの耐雷設計指針を適用可能である。
著者
加藤 大智
出版者
山口大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

アフリカで広くリーシュマニア原虫を媒介するサシチョウバエPhlebotomus duboscqiの主要唾液成分をコードするDNAワクチンを作成し、マウスを免疫することにより、効率よく液性免疫応答を誘導する3種の唾液成分を同定することができた。これらのタンパクは自然感染時にリーシュマニア原虫とともに注入され宿主に液性免疫応答を誘導することから、宿主の免疫応答を介して原虫感染を増強する因子であることが示唆された。
著者
加藤 のぞみ
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.327-339, 2012-04-27

This study considers how mothers of children with mental retardation waver through bringing up and living with their children. The participants in this study were eight mothers whose children had intellectual disabilities, including autistic disorder, and were registered at special support education schools. The data collected were based on semi-structured interviews and reports in which the participants recorded impressive communication of a day. The interview was conducted twice per a participant. The data were analyzed using the Modified Grounded Theory Approach. The resalts indicated that the mothers acquired affirmative maternal feelings through attempts to sense the distance with their child, and through the growth of mothers and children. As a result, the mother-child relationship became stable and they could maintain a flexible relation with their child. Moreover, this will lead to taking steps forward in the life of the child and the mother will provide the room for their own life again.
著者
加藤 鎌司 山下 俊二
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.475-484, 1991-09-01
被引用文献数
6

コムギの出穂期は日長反応性,低温要求性及び純粋早晩性の3要因によって決定される複合形質であるから,その育種に際してはこれら3要因が出穂期にどのように関与しているかを明らかにする必要がある.またこのためには各要因を他の要因と切っ離して評価する必要がある.そこで研究では,日長反応性の評価法について検討するとともに,秋播き栽培したコムギ品種の圃場出穂期と上記3要因との関係を検討した.在来コムギ158品種(Tab1e1)を供試し,高知大学附属農場に1983年11月15日に播種し,出穂期を調査した.また全日長条件下での催芽後止葉展開迄日数(Dof)を一定値にする最短の低温処理期間によって低温要求性を評価した.純粋早晩性及び日長反応性の調査に際しては,低温処理により完全に春化した後12時間及び24時間の両日長条件で栽培し,24時間日長条件下でのDofにより純粋早晩性を,また日長の違いによるDofの変化により日長反応性を評価した.なお,後者のための指標として長・短日条件下でのDofの差及び比の2種類を用いた.出穂期には4月13日〜5月18日の,低温要求性にはO日〜80日の,そして純粋早晩性には27.6日〜49.8日の品種問変異が,それぞれ存在することが明らかになった(Fig.3).また日長反応性については,10.3日〜103.1日(差),もしくは!.30〜3.51(比)の品種間変異が認められた(Fig.3).
著者
粟島 亨 戸井 崇雄 中村 典嗣 紙 弘和 加藤 吉之介 若林 一敏 宮澤 義幸 李 京
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.578, pp.23-28, 2004-01-15
被引用文献数
22

動的再構成可能プロセッサDRP(Dynamically Reconfigurable Processor)のCコンパイル環境について報告する.C言語ベースの動作合成エンジンをフロントエンドとすることでDRPに対するソフトウエアライクな開発環境を実現した.C言語の動作記述から自動スケジューラにより制御回路(FSM)とデータパス回路が合成される.制御回路はDRPの状態遷移コントローラー(STC)にマッピングされ,データパス回路は複数のコンテキストに分割された上でPEアレイにマッピングされる.フロントエンド合成とバックエンド合成は統合開発環境により密に統合され,直観的なGUIが提供される.実チップ上のシンボリックデバッグが可能なオンチップ・デバッガも備えた.
著者
杉本 充 津川 光太郎 加藤 淳 菱田 俊明 三宅 正武 立澤 一哉 冨田 直人
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

フーリエ積分作用素の大域的な有界性の理論を整備することにより、偏微分方程式の解の様々な評価式を導出する際に標準形へと変換してから考察する手法を確立し、さらには二つの偏微分方程式の表象の比較からそれぞれの解の評価式を比較する新しい手法も整備して、非線型問題にアプローチした。
著者
岩野 真一 長瀬 亮 金山 和則 安東 泰博 加藤 邦治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.27-32, 1994-04-15
被引用文献数
2

装置実装用の光コネクタの小形化・高密度化、および装置内の実装心数の多端子化が要求されている。本報告では光コネクタの小形化を検討する上で重要となるフェルールの細径化について、装置構成条件を考慮して検討した結果を述べる。さらに検討の結果、高密度実装用光コネクタのフェルール径としてφ1.25mmを採用し、φ1.25mm細径フェルールを基本要素とする高密度、多心実装装置用のMU形光コネクタシステムを開発した。本システムはプラグイン光コネクタ、アダプタタイプの装置実装用光コネクタ、治工具類とから構成される。本報告では、このMU形光コネクタシステムの構成、特性等についても述べる。
著者
尾城 孝一 杉田 茂樹 阿蘓品 治夫 加藤 晃一 阿蘓品 治夫 アソシナ ハルオ 加藤 晃一 カトウ コウイチ
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.475-482, 2004-09-01
被引用文献数
2

近年,海外の大学図書館を中心として学術機関リポジトリと呼ばれる,インターネット上の電子公開書庫の設置が相次いでいる。学術機関リポジトリは,学術コミュニケーションをめぐる危機的な状況と大学からの情報発信強化という2つの問題に対する解決策として注目されている。本稿では,まず学術機関リポジトリの誕生の背景と問題の所在について概観し,その定義および成立要件について述べる。続いて,海外の代表的な事例を紹介し,さらに国内の状況について,千葉大学附属図書館と国立情報学研究所におけるプロジェクトを取り上げる。最後に,学術機関リポジトリの普及に向けた協調的活動の重要性について触れたい。