著者
平 啓介 寺本 俊彦 北川 庄司
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.181-192, 1985
被引用文献数
5

アーンデラ水晶圧力計を用いて, 相模トラフの2, 036m水深点, 駿河トラフの2, 538m水深点, そして南大東島沖の32m水深点で海底における水圧変動の通年観測を行なった. 潮汐の各分潮の振幅と位相を応答法を用いて評価した. 気象庁の沿岸観測値との比較によって, 水晶圧力計による潮汐の観測精度が十分に高いことがわかった. Schwiderski (1979, 1981) の潮汐の全球モデルの計算結果と, 主要8分潮について比較し, 振幅は3cm以内, 位相は15。 以内で一致することがわかった. 海底圧力の変動は潮汐が卓越していて, 主要8分潮を除いた剰余の分散は, もとの分散の1.5%以下であった. 圧力計の指示値のドリフトのため, 海流の変動や渦の移動によって生ずると思われる長周期変動の解析はできなかった.
著者
河住 有希子 浅野 有里 北川 幸子 藤田 恵 秋元 美晴
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.64-65, 2016

We analyze a teacher diary of Japanese-language lessons given to visually-impaired learners, and find differences between teaching for the sighted and that for the visually-impaired. We gave Japanese supplementary classes from April to July 2016 in an educational institution where visually-impaired foreign students were enrolled. We wrote and shared the diary, which shows confusion of the learners seen in the introduction of vocabulary and sentence patterns and in oral practices, and also shows items of learning difficult for the teachers to give explanations. Through the analysis of the diary, this research will make clear the items with difficulties unique to visually-impaired learners and will provide classroom solutions.
著者
北川 和夫
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.33, no.10, pp.1299-1308, 1994-10-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1
著者
北川 美香 Kitagawa Mika キタガワ ミカ
出版者
大阪大学日本語日本文化教育センター
雑誌
大阪大学日本語日本文化教育センター授業研究 (ISSN:24239410)
巻号頁・発行日
no.14, pp.35-40, 2016-03

2014年度春学期に大阪大学日本語日本文化教育センターで「漢字研究」の授業を担当した際、幾つかの漢字学習法を実践し、各方法に対する学生の感想を集計した。その結果、日本人の好む語呂合わせや漢字絵描き歌といった即効性の高い方法ではなく、繰り返し漢字を書いて覚えるという地道な作業が留学生に支持されることが判明した。これは日本人高校生のような漢字学習意欲が比較的低い者に比べて、当センターに在籍する外国人留学生は漢字習得に対するモチベーションが高いせいではないだろうか。今までは、漢字を苦手とする外国人の漢字学習に対するやる気を刺激する方法、或いは漢字学習への嫌悪感を消す方法が模索されてきた。しかし、漢字を授業内でも身に付けたいという当センターの学生たちが持っている熱意に応え、漢字を書く作業――例えば書写――を授業内に取り入れてもよいのではないだろうか。
著者
北川 重男
出版者
信州大学教養部
雑誌
信州大学教養部紀要 第1部 人文科学 (ISSN:05830605)
巻号頁・発行日
no.2, pp.77-90, 1967-12

信州大学教養部紀要. 第一部, 人文科学 2: 77-90(1967)
著者
亀山 幸司 岩田 幸良 宮本 輝仁 北川 巌 久保田 幸
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.I_119-I_126, 2021 (Released:2021-04-01)
参考文献数
30

本研究では,有機物が不足する砂質土に対して,国内において入手が容易な木質バイオ炭と牛ふん堆肥の混入が土壌の物理・化学的特性に及ぼす影響について検討した.バイオ炭混入割合の増加により,全炭素,陽イオン交換容量(CEC),pH,易有効水分量,1 mm以上のマクロ団粒の割合が有意に増加した.また,バイオ炭を堆肥と混合施用した場合,全炭素,pH,CEC,1 mm以上のマクロ団粒の割合が有意に増加した.更に,バイオ炭と堆肥の混合施用によりCECが相乗的に増加する可能性が考えられた.ただし,バイオ炭単独の施用では混入割合の増加と共に易有効水分量が増加する効果が見られたが,バイオ炭と堆肥の混合施用の場合は易有効水分量の増加が抑制された.今回の試験結果から,砂質土に対して木質バイオ炭と牛ふん堆肥を混合施用した場合,保肥性の改善やマクロ団粒の増加が期待できる一方,易有効水分量の増加が抑制されることやpHの急激な増加に留意する必要があると考えられた.
著者
北川魏著
出版者
三浦書店
巻号頁・発行日
1920
著者
叶内 晨 北川 善彬 荒牧 英治 岡崎 直観 小町 守
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.363-395, 2015-12-14 (Released:2016-03-14)
参考文献数
49

ソーシャルメディアサービスの普及により,人々や社会の状況を調査する新しいアプローチが開拓された.ひとつの応用事例として,ソーシャルメディアの投稿から疾患・症状の流行を検出する公衆衛生サーベイランスがある.本研究では,自然言語処理技術を応用して,ソーシャルメディアの投稿から風邪やインフルエンザなどの罹患を検出するタスクに取り組んだ.最先端のシステムのエラー分析を通じて,事実性解析と主体解析という重要かつ一般性のあるサブタスクを見い出した.本研究では,これらのサブタスクへの取り組みを行い,罹患検出タスクへの貢献を実証した.
著者
北川 源四郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.300-307, 2001-03-01 (Released:2020-09-29)

For automatic extraction of essential information and discovery from massive time series, it is necessary to develop a method which is flexible enough to handle actual phenomena in real world.That can be achieved by the use of general state space model, and it provides us with a unified tool for analyzing complex time series.To apply these general state space models, development of practical filtering and smoothing algorithms is indispensable.In this article, the non-Gaussian filter/smooother, Monte Carlo filter/smoother and self-organizing state space model are shown.As applications of the method, problems of detecting sudden changes of the trend and nonlinear smoothing are shown.
著者
北川 眞也
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.39-39, 2003

1990年代前半のイタリアは激動のときであった。冷戦期の「第一共和制」と呼ばれる政体が崩壊し、既成政党の消滅や経済危機などに直面した。イタリアはグローバル化する世界において、その位置付けを見失った状況にあったのである。それゆえ「イタリア」をめぐって、さまざまな言説が生み出された。政治のレベルでは、新政党が「第二共和制」を構築していくこととなったが、その中でもっとも「イタリア」を問題化したのは、北部に自治を求める北部同盟という政党であった。北部同盟は、既存の政治システムを批判し、国家の連邦制改革を訴えることで、1990年代前半に躍進した。だが1996年には北部をイタリア内のリージョナルな場所から、それとは異なる「パダニア」というナショナルな場所として表象し、分離を目指した。しかも1996年の総選挙で過去最高の躍進をみせ、中央に対する不満を募らせるイタリア経済の中心である北東部から多くの支持を得た。一方で、1996年はイタリアのEUの通貨統合へ向けての国家改革の端緒とも言える。通貨統合への参加が危ぶまれていたイタリアにとっては、かなりの困難が予想されていた。国内からの北部同盟の分離への訴えと、国外からのヨーロッパ統合の圧力は、いずれもしばしば近代性の欠如として特徴付けられるイタリアを「普通の国」へと適合させていくための挑戦と考えられる。発表では、北部同盟による地理的スケールの政治が、イタリアの政治に及ぼす効果に注目する。なぜならこの表象によって、ユーロをめぐる重要な時期にイタリア北部の意味が問題化されるからである。他の政治勢力が、この北部同盟の「パダニア」・ナショナリズムからどのようなことを読み取ったのか。そしてそれが「イタリア」の言説にどのように節合されたのかということを明らかにする。またここから、グローバル化の中で活躍する「イタリア」へ向けての道のりの困難さが伺えるだろう。
著者
北川 眞也
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.264-271, 2021 (Released:2021-10-31)
参考文献数
44
著者
菊池 友和 瀬戸 幹人 山口 智 小俣 浩 中澤 光弘 磯部 秀之 大野 修嗣 三村 俊英 北川 秀樹 高橋 啓介
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.834-839, 2010 (Released:2010-12-24)
参考文献数
20

【目的】鍼通電刺激(EA)が,ヒトの筋血流に及ぼす影響を定量的に直接法で測定した報告はない。新しく開発したクリアランス法を用いEA前中後での筋血流量の変化を測定した。【方法】健康成人ボランティア10例,男性8例,女性2例(中央値30.5歳)を対象とし,鍼長50mm,直径0.18mmのステレンス鍼で僧帽筋上の天柱穴と肩井穴へEAを行い,右を刺激側,左を非刺激側とした。さらに,EA前2分,EA中4分,EA後4分の計10分のデータを分析した。同時に血圧と心拍数も測定した。【結果】EA側の筋血流量は,刺激中増加し(p < 0.05)。また刺激中,拡張期血圧と心拍数が下降した(p < 0.05)。【考察】EAにより筋血流量が刺激側で増加し,拡張期血圧と心拍数が下降したことから,局所の筋ポンプ作用等により筋血流量が増加することが考えられた。【結語】新しい99mTc04-クリアランス法を用い評価した結果,EAは,刺激中,刺激側の筋血流量を増加させた。本法はこれまでの方法よりも簡便で精度も高いことから,今後鍼灸の臨床研究により積極的に用いられて良いと考える。
著者
佐藤 裕二 角田 拓哉 北川 昇
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.448-454, 2019-03-31 (Released:2019-04-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1

口腔機能低下症の評価方法の一つとしてオーラルディアドコキネシス(ODK)が挙げられる。ODKは1秒間に/pa/ /ta/ /ka/をそれぞれ何回発音できるかをカウントする。しかし,高齢者自身が簡便に測定することは困難である。そこで,本研究ではODKの簡便な自己評価方法を考案し,従来法と比較した。 「ぱたか」と10個書かれた用紙を順に指さしながら発音し,自分で秒針のついた時計で時間を測定した(pataka 10回法)。また,同時に測定者がストップウォッチで時間の測定を行った。ODKの測定には口腔機能測定機器を用いた。結果を1秒ごとの発音数に換算した。被験者は高齢者27名で,測定はそれぞれ2回行い,その平均をデータとした。 pataka 10回法はODKの/pa/と/ta/と/ka/に有意な正の相関を示し,pataka 10回法で被験者と測定者の測定結果は有意な正の相関を示した。ODKでいずれかが4回/s未満を舌口唇運動機能障害の閾値とし,pataka 10回法で被験者測定が6秒以上,測定者で5.5秒以上を閾値としたときの感度はともに1.0,特異度はそれぞれ0.90,0.95であった。 新たに考案した方法は,閾値についてはさらなる検討が必要であるものの,患者による自己評価方法として有用である可能性が示唆された。
著者
中谷 友哉 福田 真知子 北川 裕樹 宮本 俊朗
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.30-37, 2019 (Released:2019-02-20)
参考文献数
34

【目的】低速度レジスタンストレーニング(以下,LRT)時における筋活動動態を明らかにすること。【方法】健常成人男性13 名を対象に,LRT,高強度運動(以下,HI),低強度運動の3 条件で膝関節伸展運動を3 セット実施した。運動中の外側広筋の筋活動を高密度表面筋電図で測定し,各条件で,電極内の%MVC(Maximum Voluntary Contraction),電極内の異質性を表す修正エントロピー,積分筋電図(以下,iEMG)で比較した。【結果】LRT の%MVC は高強度運動と比較して,1 セット目では有意に低値を示したが,3 セット目には同等の筋活動が認められた。LRT と高強度運動では修正エントロピーに有意差を認めなかった。iEMG では3 条件間に有意差を認めなかった。【結論】LRT はHI,LI と同様のiEMG を示し,セット数を重ねる毎にHI と同等の%MVC,運動単位の動員様式となり,HI と同等の活動になることが示唆された。