著者
森 大地 板木 雅俊 岩佐 恭平 大濱 慎一郎 北川 知佳 田中 貴子 池内 智之 河野 哲也 津田 徹 神津 玲
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
pp.22-01, (Released:2023-03-29)

【目的】慢性呼吸器疾患患者の要介護度は過小評価される傾向にあり,患者の不満が多いと報告されている.今回,認定結果に対する不満の有無とその関連因子について検討した.【方法】通所リハビリテーションを利用する慢性呼吸器疾患患者を対象とした.認定結果への不満の有無で2群に分け,比較検討を行った.患者特性,身体機能,ADL(BI,NRADL),呼吸困難,呼吸機能,心理状態を調査・解析し,不満の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った.【結果】解析対象は31例で,不満なし群(21例),不満あり群(10例)であった.ロジスティック回帰分析の結果,NRADL(オッズ比0.914,95%CI 0.852 - 0.980)が不満の有無と有意な関連を認めた.【結論】認定結果への不満にはNRADLが関連しており,NRADLの点数を考慮することで,要介護度の過小評価を是正できる可能性が示唆された.
著者
水谷 誠 北川 啓介 内藤 拓也 森川 祐喜
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.75, no.656, pp.2335-2342, 2010-10-30 (Released:2011-02-16)
参考文献数
27

Architectural space is composed by the interrelationship of three elements; relationship between interior space and exterior space which created the space by putting the wall, relationship between interior space and interior space which is based on arrangement and expanse of room and wall and human being who enjoy two relationships and move in it. So to speak, the architectural design is pursuit of the interrelationship of three elements, and what were created by the behavior are the outline, zone, and path. On this research, we define three kind of factor, outline which expanse to exterior space, zone, which means continuity of rooms and path which means positioning of various buildings. Furthermore, we analyze by comparison of those factors and consider the interrelationship of three elements.
著者
北川 雪恵
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.139-143, 1973-12-29 (Released:2009-11-16)
参考文献数
4

前報に続いて果菜類のトマト, ピーマン (ナス科), イチゴ (バラ科) を用いて生育時期別, 上下部位別, 組織別のV. C量の変化について観察した。1) トマトの果実の生育に伴うV. C量 (mg%) の変化は総C, 還元型Cでは生育につれて増加し, いわゆる収穫期に最高になるが, 完熟期には逆に減少した。 細かく上下部位別の差異を果肉部でみると, 全期間を通じて基部に最も多く, 先端部がこれにつぎ, 中部が最も少なかった。 また組織別では全期を通じて胎座・種子部が果肉部より多く, とくに種子を含むゼリー状部に多かった。なお, 酸化型Cについては未熟期ほど多く, 生育につれて減少したが, 部位別, 組織別には総Cとほぼ同様の傾向がみられた。2) ピーマンの果実の生育に伴うV. C量 (mg%) の変化は総C, 還元型Cでは生育につれて漸増し, とくに完熟期に著しい。 上下部位別の差異を果肉部についてみると, 幼果期には中部に多いが, 収穫期以後は果頂部に最も多かった。 組織別にみると, 全期間を通じて果肉部にとくに多く種子部, 胎座部には少なかった。 また果肉部, 胎座部は完熟期に著しく増加するが, 種子部では反対に減少した。なお, 酸化型Cについては幼果期に多く, 収穫期にやや減少するが過熟期になると再び増加した。また果肉部よりは種子と胎座部に多かった。3) 可食適期のイチゴの場合を上下部位別にみると総C, 還元型Cは果頂部に近いほど多く含まれ基部に最も少なかった。また組織別では皮部にとくに著しく, ついで果肉部に多く含まれ芯部は最も少なかった。酸化型Cについても総Cの場合と同様の傾向が認められた。
著者
古家 和彦 北川 信 中村 俊一 鈴村 恵太 聖生 守雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.637, pp.103-114, 1999-12-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
27
被引用文献数
10 8

近年実施された因島大橋や大鳴門橋等の現地調査により, 吊橋ケーブルが腐食していることが発見された. そこで, ケーブル内部の腐食機構を推定するため, 模擬ケーブルおよび実橋ケーブルを用いた腐食環境の調査, 濡れ状態にある亜鉛めっき鋼線の腐食シミュレート試験, 劣化ペースト中の亜鉛めっき鋼線の腐食シミュレート試験を実施した. その結果, ケーブル内の滞留水がケーブル内部を高湿度化し温度変化の大きい表層部では結露による腐食環境を形成すること, 濡れ状態にある亜鉛めっき鋼線は腐食しやすいこと, 劣化した鉛酸カルシウム含有高分子有機鉛ペーストが亜鉛めっき鋼線の腐食を促進する可能性があることを見出した.
著者
大谷 竜 塚本 斉 佐藤 努 木口 努 重松 紀生 板場 智史 北川 有一 松本 則夫 高橋 誠 小泉 尚嗣
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
雑誌
地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1-2, pp.57-74, 2010-01-26 (Released:2013-07-09)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

産業技術総合研究所(以下,産総研と呼ぶ)は, 2006年度より四国・紀伊半島~愛知県にかけて地下水等観測点やGPS観測局の新設を行っており,これを機に従来の産総研のGPS観測局と統合したGPS連続観測システム(以下,GPSシステムと呼ぶ)の全面的な更新を行った.本報告ではその概要,及び本GPSシステムを用いて得られる結果について紹介する.まず,全局についてTrimble製の同一型の受信機とアンテナに統一した.また,解析ソフトウエアはBerneseソフトウエアに切り替えた.これらの結果,従来の産総研のGPSシステムの結果に比べ,新解析で推定されたGPS局の変位の再現性の向上が見られた.また,産総研のGPS観測局だけではなく,周囲にある,国土地理院のGPS連続観測網(GEONET)の観測局も一緒に解析を行い,日々の座標値を推定するようにした.この解析方法の導入により,産総研GPS観測局周辺の歪をGPSから求めることができるようになった.更に, GEONETの定常解析であるF2 解に準拠した解析を産総研の新GPSシステムでも独立に行うことにした.産総研による解析結果と,F2解で求められた同一観測局 の変位を比較した結果,両者の間に大きな差はないことが確かめられた.
著者
林 泰寛 高村 博之 正司 政寿 中沼 伸一 古河 浩之 牧野 勇 中川原 寿俊 宮下 知治 田島 秀浩 北川 裕久 太田 哲生
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.747-751, 2014-03-31 (Released:2014-09-29)
参考文献数
9

劇症肝炎は,その急激な病態の進行から他臓器障害を発症する例にもしばしば遭遇する。今回われわれは劇症肝炎に急性膵炎を合併した2例を経験した。2例の肝障害の内訳はB型慢性肝炎急性増悪1例,原因不明1例であった。2例ともに内科的治療が奏功せず,肝移植を予定した。劇症肝炎に対する治療に並行して膵炎に対する治療も行ったが奏功せず,肝移植を中止せざるを得なかった。劇症肝炎に対する治療は肝移植を含め,一定の成績が期待できるため,他臓器合併症の予防と治療が重要であり,急性膵炎の合併にも十分な注意を払う必要がある。劇症肝炎に合併する急性膵炎においてはB型肝炎ウイルスの関与が知られている。一方で,近年high mobility group box 1の急性膵炎の病態への関与も示唆されており,その特性を利用した治療が期待される。
著者
奥矢 恵 北川 洋
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.86, no.781, pp.1073-1081, 2021 (Released:2021-03-30)
参考文献数
16

On Mt. Fuji, especially from the late Edo era, great numbers of pilgrims who belonged to Fuji-ko societies made worship ascents from the Yoshida Trail. Wooden huts, serving as teahouses, provided pilgrims with water from Sengen shrine at the foot of Mt. Fuji to the 5th station. Above the 5th station, stone huts managed lodgings. However, in Showa 39 (1964), the teahouses were closed upon the opening of the Fuji Subaru Line, a scenic toll road to the 5th station. As we have already confirmed the transition and construction method of stone huts from the Edo era to the Showa 30s, here, we investigate the teahouses by examining historical materials and conducting field surveys on their remains on the Yoshida Trail. Mt. Fuji climbing tourism continued to evolve. At the end of the Taisho era (–1926), the locations and numbers of teahouses that had been established during the end of the Edo era changed. In particular, new construction occurred around the 5.5th station. The teahouse floor plans inherited from the Edo era consisted of a room with an earthen floor, a living room, and a fireplace. We found three other types of floor plans for the main hut based on documents drawn in the Showa 30s. The first divided the room and included a kitchen instead of a fireplace, the second expanded the lean-to roof and added rooms underneath, and the third, which was based on the former two, extended guestrooms along the trail. Furthermore, more than half of the teahouses had attached huts. These plans show how the teahouses changed and added rooms from the Edo era to the Showa era. The teahouse construction method was simple, involving local resources, stones and wood, and opened to the trail. Many wooden members were not lumbers but logs and some parts seemed to be nonprofessionally finished. The narrow rectangular floor plans along the trail were hirairi (enter from the parallel side of the edge of roof) and had gable or hipped roof. The interior consisted of an earthen floor at the entrance and a wooden floor in the living room with a fireplace or a kitchen. The roof structure had no ceiling. The expanded guestrooms were covered with tatami mats and had a tokonoma (alcove) and saobuchi tenjyo (decorative ceiling). The roof was covered with shingles and initially held in place with stones, followed by zinc-coated steel. The outer walls and the inner partitions were composed of wooden boards. The outer walls were initially boarded with nuki (joinery) between the columns, and later covered again with weatherboards. The teahouses seemed to have been constructed using nearly the same method, independent of location. In addition, more than half of the teahouses had a resting place, and two types of construction methods depending on the location were confirmed. Below the 1st station, the width of the trail was wide, and teahouses lined both sides of the trail. Resting places were found under the lean-to roofs facing the trail. Above the 3rd station, where the trail was narrow, rest huts were found opposite the main hut. These attached rest huts, which appeared to be of temporary construction, were located on the valley side of the trail and provided a magnificent view. These resting places were also constructed of logs.
著者
安彦 智史 加藤 諒 北川 悦司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.535-543, 2020-03-15

近年のインターネット社会では,SNS(Social Networking Service)の利用による薬物売買や児童ポルノ,自殺幇助といった様々なサイバー犯罪が問題視されている.特に薬物売買は,インターネットの匿名性を利用した売買手法について潜在化や巧妙化が進行しており,平成29年では薬物利用による検挙人員の約半数は青少年であった.そのため,厚生労働省では,警察庁と連携し,有害情報をフィルタリングするシステムの導入を促進しているが,検挙人員の低下にはつながっていない.さらに公開型のSNSを中心に,薬物売買を示唆するアカウントが頻繁に作成されているため,個別に対応するだけでは根本的な解決につなげることは難しいという課題がある.そこで,本研究では,特に重要度が高いとされるマイクロブログを対象に,機械学習を用いて薬物売買を行うユーザの自動抽出を試みる.さらに,ユーザ間の関係から,薬物売買に興味があるコミュニティを包括的に把握可能なシステムを開発する.実証実験の結果,薬物売買に関連するユーザを高精度に抽出し,ユーザの有害判定やネットワークの可視化を実現できることを証明した.
著者
竹内 渉 北川 啓介 今枝 良輔 陳 曄
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.87, no.800, pp.1910-1921, 2022-10-01 (Released:2022-10-01)
参考文献数
7

Building alterations often occur when the buildings ought to be updated to meet new standards. In such processes, original values of existing buildings tend to be neglected in favor of hasty demolitions and economic benefits from aggressive alterations. In this research, we will investigate the mechanism of architectural alterations that respect the value of existing buildings. It will help uncover the successive values of buildings that are to be preserved rather than imminently demolished.
著者
北川 誠一
出版者
弘前大学人文学部
巻号頁・発行日
1998-03-31

平成7年度~平成9年度科学研究費補助金重点領域「スラブ・ユーラシアの変動-自存と共存の条件-」一般公募研究研究成果報告書,課題番号:09206201,08206201,07206201
著者
森 健太郎 佐々木 裕亮 酒井 淳 赤須 功 山川 功太 北川 亮 吉田 浩貴 沼澤 真一 伊藤 康信 渡邉 貞義
出版者
一般社団法人日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.464-469, 2022 (Released:2022-07-25)
参考文献数
14

微小脳血管減圧術を施行したが再発, あるいは未治癒の突発性三叉神経痛でカルバマゼピン非耐性の5症例に対して, 再手術の際に三叉神経知覚枝のnerve combingを施行した. 全例術直後からカルバマゼピン内服なく疼痛発作が完全消失したが, 5例中4例 (80%) に三叉神経第3枝領域を中心とした顔面知覚障害が残存した. 術後1~5年の時点で再発を認めずQOLも良好である. 再発三叉神経痛で責任血管が明らかでなく, かつカルバマゼピン非耐性例に対してはnerve combing法は有効な治療法と思われる. なお, nerve combing法を予定する場合は術前に顔面知覚障害をきたす可能性が高いことを説明すべきである.