著者
土井 勉 木内 徹 三星 昭宏 北川 博巳 西井 和夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.367-374, 1995
被引用文献数
1

本研究は、鉄道沿線の地域イメージとその構造的特徴を分析することを目的としている。.こごでは、関西の私鉄の中から、阪急神戸線、近鉄奈良線、南海高野線の3つの沿線地域を取り上げる。本研究ではまず、これらの沿線に存在する物に関する普通名詞・固有名詞を抽出する。次いで、それぞれの名詞のイメージに類似する名詞をこれらの抽出された名詞群から選ぶという意識調査を実施する。この調査データを用いて、想起率が高いモノ・コトを選定する。また、モノ・コトのイメージにおける類似度の関係をイメージ空間上に布置したイメージマップを作成することにより、沿線イメージの構造の特徴を明らかにする。さらにこれらの特徴を考慮しながら、これからの鉄道沿線の地域づくりにおける基本的課題に言及する。
著者
北川 章 細江 智夫 河合 賢一 北川 弘之 河合 清
出版者
日本マイコトキシン学会
巻号頁・発行日
no.2, pp.65-69, 2019 (Released:2019-12-03)

Eupenicillium sheariiから分離された新規のマクロライド系抗生物質であるeusherilideの抗真菌性活性に関する分子機序を明らかにする目的で,新鮮な単離ラット肝ミトコンドリアを用いてミトコンドリアの呼吸機能について検討した。Eusherilideは,L-グルタミン酸系とコハク酸酸化系呼吸の両方を阻害した。この阻害は,ロテノンとアンチマイシンAの阻害部位の上に電子伝達シャントを生成するN,N,N',N'-テトラメチル-p-フェニレンジアミン(TMPD)およびシトクロムcオキシダーゼのための人工基質であるアスコルビン酸によって回復されなかった。シトクロムの酸化還元スペクトルにおいて,シトクロムa,b,cの全てがeushearilide存在下で還元型を保っていた。このことから,eushearilideが電子伝達系のシトクロムcオキシダーゼ(complex IV)を阻害することが示唆された。EusherilideはKCl等張溶液の中で懸濁されたミトコンドリアの膨化を誘導した。このミトコンドリア膨化の誘導は,内膜で透過性孔の生成を示すシクロスポリンAによって阻止された。これらの結果から,eushearilideがミトコンドリアの電子伝達系のcomplex IV部位(シトクロムcオキシダーゼ)の阻害により呼吸機能を減弱させ,ミトコンドリアを膨化させることが示唆された。
著者
三谷 保弘 橋本 雅至 北川 智美 松木 明好
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.619-622, 2013 (Released:2013-11-09)
参考文献数
13
被引用文献数
4 1

〔目的〕異なる重さの荷物を持ち上げる際の身体運動を計測し,その特徴を検討した.〔対象〕健常な成人男性13名とした.〔方法〕三次元動作解析装置と床反力計を用いて無負荷,10 kg,15 kgの荷物を持ち上げる際の身体運動を計測した.〔結果〕持ち上げる荷物が重いほど,身体重心の上下移動範囲,膝関節屈曲角度,股関節屈曲角度,股関節伸展モーメント,足関節底屈モーメントは有意に増大し,身体重心の上方への加速度は有意に減少した.足関節背屈角度,体幹前傾角度,膝関節伸展モーメント,身体重心の上方への最大速度は,荷物の重さによる有意差が認められなかった.〔結語〕荷物が重くなるに従い,膝関節屈曲角度,股関節屈曲角度,股関節伸展モーメント,足関節底屈モーメントが増大した.
著者
アグレバンテ ジョセフイン 松井 年行 北川 博敏
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.911-915, 1990
被引用文献数
8

本研究は,エタノール及びエチレン処理されたバナナの追熟中のホスホリラーゼとインベルターゼ術変化について検討したものである.バナナ果肉中術デンプン含量は,緑色段階の約20%から完熟段階の1%以下に減少し,一方全糖は20%へ増大した.追熟の同じ段階でエタノールとエチレン処理果実術デンプン・ショ糖含量と酵素活性はコントロール術それと共通点があった.ホスホリラーゼ活性は,デンプン術初期分解段階(カラーインデックス2)で増大し,デンプンの減少と同時に追熟術後期で減少した.他方,インベルターゼ活性は緑色段階で非常に低かったが,ショ糖の急激な増大に伴ってカラーインデックス3(黄色より緑色)で著しく増大した.
著者
北川 克己
出版者
大阪大学
雑誌
国際共同研究加速基金(帰国発展研究)
巻号頁・発行日
2018

セントロメア特異的なクロマチン構造とその機能を決定する重要な因子の一つに、ヒストンH3の一種であるCENP-Aタンパクがある。このCENP-Aがセントロメアだけではなく、染色体上のDNA損傷部位に局在することが報告された。我々のグループはCENP-AはDNA損傷部位の中でもDNA二重鎖が切断された部位に局在することを明らかにした。我々は、また、ヒト培養細胞を用いてCENP-Aの細胞内レベルを低下させると放射線感受性が上昇することを明らかにし、それにより、CENP-AがDNA損傷応答において重要な役割を果たしていることが示唆された。我々はCENP-AがDNA二重鎖切断部位に局在することによって特異的なクロマチン構造を形成し、ネオセントロメア様の複合体を形成し、スピンドルチェックポイントを活性化させるという仮説を検証するために、DNA損傷時特異的にCENP-Aに結合するタンパク質をIPマススペクトロメトリーにより同定した。
著者
北川 和美
出版者
朝日新聞社
雑誌
週刊朝日
巻号頁・発行日
vol.111, no.37, pp.139-141, 2006-08-04
著者
小貫 泰志 武田 秀和 大枝 泰彰 北川 淳 丸山 剛生 中原 凱文
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.109-114, 2004-08-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
30
被引用文献数
1

我が国の65歳以上人口は2003年9月時点で総人口の19%であり,2015年には26.0%にのぼると予測されている.この高齢者人口の増加の影響は平均寿命の長命化の影響を受け,日常生活動作(Activity of daily living:ADL)水準の低い要介護度4や5などの,重度な介護を必要とする被介護者や,寝たきりの被介護者の増加につながると思われる.また,現在の高齢障害者の介護形態は,在宅療養の充実を目的とした事業展開を推進し,施設介護から在宅介護に移行していく方向にあるが,実際は,要介護度4,5の被介護者の半数以上が介護老人保健施設や特別養護老人ホーム等で介護を受けている状況である.さらに,家族による在宅介護能力を人口比率から見ると,65歳〜84歳の高齢者1人当りの成人介護適齢期女性(娘や嫁)の人口比率は,少子高齢化のために,1990年の1.298人から2005年には世界最低水準の0.77人,2015には0.588人と半減する.そのため,重度な介護を必要とする被介護者は在宅介護では限界をきたし,介護施設への入居が圧倒的に多くなることが予想できる.
著者
青木 茂樹 井上 達貴 尾崎 圭太 小坂 哲矢 柴山 恵美 鈴木 州 高橋 覚 立石 友里恵 田中 僚 田輪 周一 原 俊雄 水谷 深志 薮 美智 山田 恭平 児玉 康一 斎藤 芳隆 田村 啓輔 濱田 要 吉田 哲也 佐藤 禎宏 手塚 郁夫 伊代野 淳 山本 紗矢 石黒 勝己 大塚 直登 河原 宏晃 北川 暢子 駒谷 良輔 小松 雅宏 﨏 隆志 佐藤 修 中 竜大 長縄 直祟 中野 敏行 中村 光廣 丹羽 公雄 宮西 基明 森下 美沙希 森島 邦博 吉本 雅浩 六條 宏紀 Aoki Shigeki Ozaki Keita Kosaka Tetsuya Shibayama Emi Suzuki Atsumu Takahashi Satoru Tateishi Yurie Hara Toshio Mizutani Fukashi Yamada Kyohei Kodama Koichi Saito Yoshidata Tamura Keisuke Hamada Kaname Yoshida Tetsuya Sato Yoshihiro Tezuka Ikuo Iyono Atsushi Ishiguro Katsumi Otsuka Naoto Kawahara Hiroaki Kitagawa Nobuko Komatani Ryosuke Komatsu Masahiro Sako Takashi Sato Osamu Naka Tatsuhiro Naganawa Naotaka Nakano Toshiyuki Nakamura Mitsuhiro Niwa Kimio Miyanishi Motoaki Morishima Kunihiro Yoshimoto Masahiro Rokujo Hiroki
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
大気球シンポジウム: 平成27年度 = Balloon Symposium: 2015
巻号頁・発行日
2015-11

大気球シンポジウム 平成27年度(2015年11月5-6日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所 (JAXA)(ISAS)), 相模原市, 神奈川県著者人数: 41名資料番号: SA6000044043レポート番号: isas15-sbs-043
著者
北川 雄也 Yuya Kitagawa
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.143-155, 2020-03-01

本論文では、日本の府省において導入が進められているEBPMの特徴を整理したうえで、障害者政策においてもEBPMを適用可能であるか否かを検討した。その結果、日本の府省におけるEBPMは統計データの整備に重点が置かれており、障害者政策の分野では雇用分野で統計データ整備が進められている点が明らかとなった。しかし、対象者の個別性の要素に配慮した多量の情報を集める必要があり、統計データの整備はいまだ不十分である点を示した。
著者
北川 眞也
出版者
観光学術学会
雑誌
観光学評論 (ISSN:21876649)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.69-86, 2018 (Released:2020-03-25)

イタリア最南端のランペドゥーザ島には、地中海を渡ってきた移民たちの船が置かれたままの「船の墓場」がある。そこには船のみならず、移民たちが有していた様々な所持品も残っている。これらのモノは、移民たちの移動を可能とした移動空間を構成していたものである。それらが移民たちの身体から切り離されるとき、これらのモノは別種の時間・空間の軌道を描いていくのではないだろうか。 本稿では、これらのモノの物質性とモビリティが、観光地でもあるランペドゥーザの島民、さらにはヨーロッパの人々を、どのように主体化させているのかを考察する。一方には、これらのモノを「境界スペクタクル」として客体化することで、移民たち自身をも客体化、犠牲者化し、かれらの移動性を取り締まる制度レヴェルでの主権的態度がある。他方には、たとえこれらのモノを「展示」するとしても、それらの物質性とモビリティの内側に留まりながら、モノ、そして移民たちとの関係性を内在的に模索する、一部の島民の脱主権的な態度がある。後者の態度には、移民たちの自律的な移動性、移動空間の形成に対して開かれた政治的過程を、この観光空間において引き起こす潜在性があろう。
著者
北川 扶生子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.38-48, 2015

<p>『こゝろ』の「奥さん」は、先生が〈家庭〉を学び、Kの力から逃れるための指導者の役割を果たしている。しかしそのことは、「先生の遺書」では抑圧されている。当時のメディアにおける軍人未亡人のイメージを参照すると、奥さんが軍人未亡人であることで先生の自殺は大義に接続されるが、一方で、軍人未亡人は経済的・性的側面からも注目されており、その点から見れば『こゝろ』は、戦死者遺族女性の生き延びる努力の物語になる。</p>
著者
北川 勝彦
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.309-358, 2020-09-20

本研究の目的は、アフリカニスト史家によるアフリカ経済史研究の「アフリカ化」と経済史研究におけるアフリカ経済史研究の「主流化」の可能性を探求しようと試みるところにある。具体的には、1960年代以降、世界のアフリカ史研究を牽引してきたテレンス・レンジャーの問題提起 : アフリカ史はどれほど「アフリカ化」し、歴史研究の「主流」となってきたのか に準拠しつつ、とりわけ20世紀後半から現在に至るUNESCOを中心としたアフリカ史の「アフリカ化」およびグローバル・ヒストリーにおけるアフリカ史の「主流化」の試みを検討し、さらに21世紀初頭に現れたアフリカ経済史研究の新展開をめぐる諸問題の考察を通して本研究の目的を追求した。以上の考察に基づいて、アフリカニストによるアフリカ史の記述とアフリカ経済の史的分析に当たっては、「アフラシア学」の先駆者アリ・マズルイが提起した4つの歴史的洞察の視点 : indigenization, domestication, diversification, horizontal interpenetration の重要性が認識されるにいたった。
著者
沼野 雄志 北川 徹三
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1431-1433, 1957-11-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
7

アセチレンの爆発範囲を知ることは,工場の安全上重要な問題である。空気中のアセチレンの爆発限界に関してはすでに多くの報告があるが,酸素中でのアセチレンの爆発限界,および空気-アセチレン混合ガスに他の不活性ガスを加えた3成分系混合ガスの爆発範囲が測定された例は少ない。著者らは,前報の爆発限界測定装置を用いて,これを測定し,常温,常圧の酸素中における爆発下限界2.3%,爆発上限界94.5%,常温常圧の空気中における爆発下限界2.3%,爆発上限界72.3%,空気中で不活性ガスとして窒素を加えた場合の爆発臨界点70.5%,炭酸ガスを加えた場合の爆発臨界点50.0%をえた。
著者
小林 誠 北川 隆夫 藤下 雅敏 吉本 静雄 久保西 一郎 新谷 憲治 田口 博国 三好 勇夫 園部 宏
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.1384-1390, 1983
被引用文献数
2

Pneumocystis carinii(Pc)肺炎は専ら免疫不全状態にある患者に発症する.最近CMV感染あるいは麻薬の常用が,同性愛の男性の免疫不全の原因となる可能性が指摘されている.我々は異常な性習慣や麻薬歴のない健康成人女性に発症したPc肺炎の1例を報告する.症例は37才の女性で,主訴は労作時呼吸困難.両側性びまん性胸部陰影の精査のため入院した.患者は10年間縫製業に従事しており,入院5ヵ月前の胸部X線像は正常であつた.入院第10病日に高熱が出没するようになり,次第に低酸素血症と胸部陰影が増強したため,経気管支肺生検を施行した.メテナミン銀染色で肺胞腔内に充満するPcの虫体を認めたので, TMP-SMZの内服を開始した.投与後5日目に下熱し,その後8週間で胸部陰影は全く消失し, Po<sub>2</sub>も正常化した.入院後間もなく患者は腋窩部と下腹部を中心に疥癬に罹患していることが判明し,皮膚病変は成人ではまれとされる皮下トンネルの形成が著明であつた.血清学的にCMVに対する抗体は陰性で,末梢血リンパ球数, T細胞数, B細胞数, PHAとPWMに対するリンパ球幼若化反応,末梢血単球と好中球の貧食能,免疫globulin値はすべて正常であつたが, PPD皮内反応は陰性であつた.細胞性ならびに液性免疫能が正常でかつ基礎疾患のない婦人にPc肺炎が発症した理由は明らかでないが,トンネル形成が著明な疥癬が合併したことを考えると,本例に何らかの免疫不全が存在したことは否定できない.