著者
前山 恵里 加藤 宏 長谷川 大悟 柴野 正康 大野 啓介 藥師寺 孝 片倉 朗 柴原 孝彦 髙野 正行
出版者
日本口腔診断学会
雑誌
日本口腔診断学会雑誌 (ISSN:09149694)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.111-116, 2021 (Released:2021-08-06)
参考文献数
34

Schwannoma is a benign tumor originating from Schwann cells, occurring rarely in the masseter muscle. In this report, we describe a case of schwannoma in the masseter muscle. A 35-year-old man was referred to our hospital because of swelling of the left cheek. A painless elastic hard mass was palpable in the left cheek. No abnormalities were found in the skin, oral mucosa, or cervical lymph nodes. MRI T2-weighted images showed a high signal area with 43×37mm internal nonuniformity and clear boundaries. Although malignant atypical cells were not detected by fine-needle aspiration and incisional biopsy, no definitive diagnosis was obtained. The lesion was diagnosed as a benign tumor of the masseter muscle and resection was performed under general anesthesia. It was located in the masseter muscle without any adhesion to surrounding tissues. No nerves were continuous with the tumor. The tumor was 45×40×30mm in size and was covered with a capsule. Histopathological diagnosis was schwannoma. After the operation, left facial nerve palsy was recognized, but it was completely cured 3 months after the operation. In addition, neither masseter atrophy nor masticatory function was observed. Two years have passed since the operation without recurrence of the tumor.
著者
東原 孝典
出版者
Japanese Society of Prosthetics and Orthotics
雑誌
日本義肢装具学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Prosthetic and Orthotic Education, Research and Development (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.6-7, 2009-01-01

このたび,日本義肢装具学会において栄えある飯田賞奨励賞を賜り心よりお礼申し上げます.受賞にあたり,ご推薦いただいた広島県立保健福祉大学理学療法学科の大塚 彰先生ならびに数多くの先生方,義肢装具学会役員の皆様,患者様のお力添えに心から感謝いたしております.<BR>東京電機大学の斎藤之男教授のもとで,マイクロコンピュータで制御された全腕電動義手の研究開発を中心に,1980年代の終わり頃から約10年にわたり,全腕,上腕,前腕電動義手の研究開発に取り組ませていただきました.その後,義肢装具士の資格を取り,高松義肢製作所において,実用化を目指した電動義手の開発研究を継続しております.上肢を切断された方に対し,電動義手を装着する機会を提供し,日常生活において電動義手を体験していただいて,少しでも多くの方に電動義手を使ってもらいたいと願っております.<BR>私が初めて電動義手を知ったのは中学生の時で,当時徳島大学の教授であられた野島元雄先生から,2冊の動力義手に関する本を頂いたことが今の道に進むきっかけになりました.1冊は,徳島大学工学部で開発された動力義手の報告書,もう1冊は,野島先生がドイツに留学され,ドイツにおけるサリドマイド児のために開発された空圧動力義手の視察に関する報告書でした.2冊とも何度も何度も読み返しました.1980年代の初め,東京大学の舟久保先生のグループが両肩離断の障害者のための全腕式電動義手を開発され,愛媛大学医学部にて装着訓練を行うことになりました.どうしても見学したくて,首藤 貴先生と大塚 彰先生にお願いして立ち会うことができました.また,被験者である吉森こずえさんと知り合いになることができました.この義手は,サリドマイドによって両手を失った人たちが大学に進学あるいは就職する時期にあたり,厚生省の科研費によって開発が進められたマイクロコンピュータ制御の11自由度をもつ電動義手でした.義手の操作はハミングのような音声信号により,あらかじめプログラムされた数十パターンの動作軌道を呼び出すものでした.しかし,故障が多く,まだ実用に耐えうるものではありませんでした.訓練終了後,義手なしの生活でほとんどのADLが自立している吉森さんが電動義手をはずして,ほっとしている姿が印象的でした.その後,この義手の開発グループの1人であった斎藤之男先生がおられる東京電機大学に進学しました.そして,斎藤研究室で,機械工学,電子工学,マイクロコンピュータのハードとソフト等を学び,研究者,エンジニアの立場として多くの切断者に会うことができました.大学院時代,斎藤先生の電動義手をテレビで知ったカナダ(モントリオール)の両肩離断の切断者のお姉さんからの連絡を受け,ジャンさんとジルさんのための全腕電動義手の開発を行いました.その義手は,肩(3自由度),肘,前腕の回内外,ターミナルデバイスの独立した関節モジュールから構成され,手先具は,ハンド型とフック型を取り替えることができました.当時のLSIの技術革新により,マイコンの制御回路の小型化が進みました.カナダでの試装着の時,床に落ちた小箱を拾ったり,コップをつかんで口元までもっていったり,タバコをくわえたり,食事をしたりと,電動義手で何ができるか,いろいろな日常生活動作を試行しました.吉森さんと違い,食事や着替えなど自分1人ではできないことがたくさんある2人にとって,電動義手は必要なものだったのです.これらの貴重な経験をもとに,モジュール化された肘,リスト,ハンドのユニットを組み合わせ,上腕切断,前腕切断者のためのコンピュータで制御されたハイブリッド電動義手を数多く製作しました.また,大学院に在籍しながら,田澤英二先生,大石暁一先生のお力添えで,平成2年,国立身体障害者リハビリテーションセンター学院義肢装具学科において聴講生として講義を受け,義肢装具士の資格を取得しました.学院では,年下の同級生と一緒に義肢装具学全般の講義を受け,実習をさせていただきました.当時指導教官であった,野坂先生,栗山先生,また製作部の高橋先生,東江先生,山崎先生ら,大勢の先生方に大変お世話になりました.<BR>高松義肢製作所に就職してからも,斎藤先生と一緒に電動義手を製作し,切断者の採型,ソケット製作,装着評価を行ってきました.それらについては,日本義肢装具学会学術大会において報告をしてきました.また,日本義肢装具学会研修委員に任命され,第19回日本義肢装具学会研修セミナー「筋電義手の処方・製作・訓練システム」では,講師として「筋電義手の原理と種類」について講演いたしました.第22回日本義肢装具学会研修セミナー「各地域における下肢装具処方の実際」では,日本聴能言語福祉学院義肢装具学科の中川先生らの協力により代表幹事をさせていただきました.また,2007年から開催されている「義手を語る会」では,世話人の1人にさせていただいております.<BR>近年,障害者自立支援法が施行され,筋電義手が特例補装具として認可されました.また,労災法においても筋電義手の試験給付が始まりました.しかし,高価で重い筋電義手は支給しても使用されない可能性があり,労働基準監督署または更生相談所での判定がきびしくなるのは当然です.多くの切断者に電動義手を使ってもらうためには,低価格で軽く,装飾性にすぐれた電動義手が必要です.そこで,私も切断者が装着したいと思う電動義手の開発をこれからも続けていきたいと思います.<BR>最後に,これまでの臨床と研究に携わらせていただくにあたり,東京電機大学の斎藤之男先生,愛媛十全医療学院 名誉学院長の野島元雄先生,済生会松山病院の首藤 貴先生,広島県立保健福祉大学の大塚 彰先生,愛媛大学運動器学教授の山本晴康先生,そして多くの知識と経験を与えてくださった切断者の方々に深く感謝しております.これからも義肢装具の研究・開発・発展のために寄与していきたいと考えております.義肢装具学会会員の方々のご指導,ご鞭撻を賜りますよう今後ともよろしくお願いします.
著者
小原 孝男
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1891-1893, 1991-11-10

甲状腺検査の基本は触診である.甲状腺疾患の患者の多くは,触診によってはじめて見つけだされる.とくに甲状腺腫瘍は大部分が無症状であり,悪性でも進行癌でないと症状が出ない.無症状のうちに甲状腺癌を見つけだすには一般医師の頸部触診に頼るしかない.甲状腺機能異常を起こすバセドウ病や橋本病にしても,腫大した甲状腺を触れてはじめてその診断を思いつくことがある.甲状腺の触診技術に習熟すると,その所見だけからどの甲状腺疾患であるか,診断を予測することが大体できる.
著者
輿水 大和 藤原 孝幸 室伏 広治
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.593-594, 2007

蛍狩りカメラは、空間内の輝点の3D位置を撮像面のリング像の位置と半径としてリアルタイムで撮像することができる単眼カメラである。本研究では、ハンマー投げ選手の頭部に設置したLEDの3D軌跡を分析し、アスリート動作解析を試みた。
著者
松本 桂一 篠原 孝順 笠松 昭宏
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
防食技術 (ISSN:00109355)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.643-648, 1984-11-15 (Released:2009-10-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

As corrosion failures of 316L in urea synthesis solutions are due to either the active region dissolution or the corroison at the transition zone from the passive to the transpassive region, effects of process variables of the urea reactor on these two types of corrosion were electrochemically examined in order to advance the reliability of corrosion preventive methods. For making simple methods to evaluate resistance of 316L to the corrosion at the transition zone from the passive to the transpassive region, seven 316L specimens were immersed in an urea synthesis solution and the results were discussed by comparison with the results of Huey test and chemical compositions of the test specimens. The conclusions obtained are as followws.(1) 316L for the urea reactor required more amount of air to be injected for preventing active dissolution as the temperature of the reactor rose or the molar ratio of H2O/CO2 increased.(2) Sulfide, an impurity in CO2 gas, had a very detrimental effect on passivation of 316L. As it is not practical to compensate the harmfulness of sulfide by increase of the amount of air injection, the content of sulfide in CO2 gas should be lowered before feeding to the urea plant.(3) For reducing the corrosion at the transition zone from the passive to the transpassive region, higher molar ratio of NH3/CO2, lower ratio of H2O/CO2 and lower temperature were advantageous.(4) Sulfide was also harmful to this corrosion.(5) Annealed 316L was subject to weight loss owing to general corrosion and intergranular corrosion simultaneously at the transition zone from the passive to the transpassive region. Resistance of 316L to these two types of corrosion were correlated with Cr content in 316L and results of Huey test, respectively.
著者
沖 一匡 笹原 孝太郎 岸本 浩史 吉福 清二郎 高橋 裕輔
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.135-139, 2012
被引用文献数
1

84歳,女性.近医にてS状結腸軸捻転の疑いにて当院へ救急搬送となった.大腸内視鏡にて軸捻転解除を試みたが,解除困難で,緊急手術となった.手術所見ではS状結腸軸捻転は存在せず.大網が横行結腸に癒着し,横行結腸の狭窄と穿孔を認めた.悪性疾患による結腸狭窄,穿孔と判断.結腸切除施行し,盲腸と下行結腸に人工肛門を造設した.免疫染色の結果,Calretinin(+),HBME-1(+),EMA(+),CEA(-)であり,悪性中皮腫と診断された.病歴聴取でアスベストの暴露歴はなく,術後の胸部CTにて明らかな胸膜壁肥厚は認めなかった.悪性中皮腫の頻度は全悪性腫瘍の約0.2%程度で,約20%が腹膜に生じる.特異的症状に乏しく,多くの症例で腹水貯留を来すが細胞診による正診率は低く,最終的には組織生検を施行し,診断する.今回われわれは,腹部膨満,急性腹症に対する緊急手術で発見された腹膜悪性中皮腫を経験したので若干の文献的考察を加えここに報告する.
著者
奥村 寿子 一谷 正己 瀧原 孝宣 国本 浩喜
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.128-133, 2008-01-10 (Released:2017-12-01)
参考文献数
18

UV absorption spectra of authentic tea catechins were measured in the pH range between 5.0-10.0. Gallated and non-gallated catechins exhibited quite different pH dependence to each other. On raising the pH from 5.0 to 8.7, the UV absorption maxima of gallated catechins typically shift from 274 nm to 322 nm with a distinct isosbestic point around 290 nm. On further raising the pH to 10, the absorption intensity at 322 nm became more intense with the spectra deviating from the isosbestic point. On the other hand, non-gallated catechins showed small spectral changes upon these pH changes. The content of gallated catechins contained in commercial tea beverages and tea extracts are determined on the basis of the UV absorption difference between gallated and non-gallated catechins. Results of the UV absorption method showed good correspondence with those by the HPLC method.
著者
沼田 宗敏 神谷 和秀 野村 俊 藤原 孝幸 舟橋 琢磨 輿水 大和
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2009年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.731-732, 2009 (Released:2010-02-25)

断面曲線から粗さ曲線を抽出するためのガウシアンフィルタ(GF)は,例外値の影響を強く受ける.このためロバストなGFが提案されているが,繰り返し計算を伴うため計算コストが大きい.本研究では,高速M推定を用いたロバストなGFを提案する.矩形の平滑化フィルタを数回繰り返すだけで計算できるので,高速計算が可能である.しかも,例外値のない場合には従来のGFに一致するという優れた性質を併せもつ.
著者
吉崎 邦夫 佐原 亮 瀬川 大輔 浜田 純一郎 遠藤 敏裕 藤原 孝之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0685, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】肩関節疾患治療において肩関節内旋運動(以下内旋運動)制限が問題となる。なかでも日常生活活動では結帯動作に支障を来すことが多い。上肢運動は複合的運動であり,肩甲上腕関節,肩甲骨,鎖骨,胸郭,体幹の運動が関与している。これらの運動を考慮した上腕骨頭(以下骨頭)の内旋運動と肩甲骨運動について三次元動作解析装置(3D-MA)を用いて検討した。本研究の目的は,骨頭が内旋する肩関節の第1肢位(1st)内旋,第2肢位(2nd)内旋,第3肢位(3rd)内旋,結帯動作における骨頭の内旋角度と肩甲骨運動を調査すること,また肩関節内旋制限を有する症例の理学療法確立の一助とすることである。【方法】対象は肩関節痛の既往がなく,野球などの球技スポーツ歴のない,書面で同意を得られた健常者9名(男性9名,平均年齢21歳,19~23歳)であり,利き手側を計測した。8台の赤外線カメラを用いた三次元動作解析装置(MAC 3DSystem,Motion Analysis corp.)にて,基本的立位姿勢から開始し肩関節1st・2nd・3rd内旋,結帯運動を計測した。直径10mmの赤外線マーカーを,体幹(C7,L5,胸骨柄,胸骨剣状突起および両側の腸骨稜と上前腸骨棘),肩関節周囲(いずれも利き手側の骨頭前方および後方,肩峰角,肩甲棘内縁),肘関節(上腕骨内側・外側上顆),手関節(内・外側)合計16ヵ所の皮膚ランドマークに,できるだけスキンアーティファクトが少なくなるよう調整し貼付した。データ統合解析プログラム(KineAnalyzer,キッセイコムテック)を用い,各運動面上で上記のマーカーから導出した運動軸の変化を抽出し,体幹運動(屈曲・伸展,側屈,回旋)を差し引いた1st・2nd・3rd内旋運動の骨頭内旋角度と肩甲骨運動角度(内・外旋,上方・下方回旋,上方・下方傾斜)を算出した。結帯動作の骨頭内旋角度は,骨頭中心から骨頭前方および後方を結ぶ線と直交しかつ上腕軸と直交する線を作成し,この線と上腕骨内・外側上顆を結ぶ線の成す角度を基に算出した。肩甲骨運動は,肩峰角,肩甲棘内縁,骨頭後方が作る三角形の面に直行する軸を各運動面に投射し,各基本軸と成す角度を基に算出した。体幹運動は,屈曲・伸展および側屈はC7とL5を結ぶ直線と各運動面における基本軸とのなす角度から計測した。体幹回旋は,C7とL5を結ぶ直線の中点と胸骨剣状突起を結ぶ直線と水平面上の基本軸との成す角度を基に算出した。【結果】最大運動角度における1st内旋の骨頭内旋角度は68.6±17.3度,肩甲骨内旋角度は5.0±2.9度であった。2nd内旋の骨頭内旋角度は55.6±11.0度,肩甲骨前方傾斜角度は14.5±5.2度であった。3rd内旋の骨頭内旋角度は15.5±4.7度,肩甲骨上方回旋角度は7.1±6.3度であった。結帯動作における骨頭内旋角度は39.2±5.0度,肩甲骨前方傾斜角度は14.0±4.7度,肩甲骨内旋角度は5.0±5.6度,上腕骨伸展角度は36.3±9.2度,肘関節屈曲角度は100.0±11.2度であり,母指指先はTh7±2椎体レベルであった。【考察】各運動で骨頭内旋角度を比較すると,1st内旋が最も大きく,2nd内旋,結帯動作が続き,3rd内旋が最も小さかった。結帯動作に着目すると1st内旋と比較し上腕骨が屈曲位にあるか伸展位にあるかの違いで骨頭内旋角度の差が大きく(47.5±15.1度),結帯動作障害のある症例には,1st内旋の制限がなく,また結帯動作に伴う肩甲骨上方回旋および前方傾斜にも制限がないことが多い。以上から骨頭内旋制限が結帯動作の障害因子であると推察され,上腕骨伸展位で何らかの軟部組織が骨頭内旋制限に関与すると考えられる。われわれは第41回日本肩関節学会(2014年)において解剖学的・臨床的知見から骨頭内旋制限に烏口上腕靭帯肥厚・瘢痕形成が関与すると報告した。特に結帯動作の上腕骨伸展に伴い,烏口上腕靭帯が緊張し骨頭の内旋制限を生じることが確認された。今後は,骨頭内旋運動に伴う腱板筋の筋活動と,烏口上腕靭帯の肥厚・瘢痕形成に対する理学療法を考案してゆく予定である。【理学療法学研究としての意義】肩関節疾患において肩関節内旋運動制限が問題となることが多く,特に結帯動作の改善は困難である。内旋運動は多関節の複合的運動であり肢位により違いがあるものの,各内旋運動を区別して検討することは理学療法のターゲットを明確にし,治療効果を向上させるためにも重要である。
著者
石原 孝二
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.124, no.10, pp.626-629, 2004-10-01 (Released:2008-04-17)
参考文献数
7
被引用文献数
3 3
著者
酒向 健二 松原 孝祐 松本 真
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.284-292, 2021 (Released:2021-03-20)
参考文献数
22

Purpose: A volume scan can cover a range of 160 mm with a single gantry rotation. It can be performed sequentially (a wide volume [WV] scan) to cover more than 160 mm, and volume Xact+ (Xact+) can be used when volume scan is done to extend the reconstruction area. The purpose of this study was to investigate the dose distribution and organ doses for a WV scan during chest CT. Method: We arranged radiophotoluminescence glass dosimeters (RPLDs) linearly on the surface and inside of the phantom to evaluate the dose distribution along the z-axis. We also placed RPLDs at the lens, thyroid, and breast positions to evaluate organ doses. We performed WV and helical scans and WV scan using Xact+. Result: The absorbed doses increased at the borders of the volume scans, and dose peaks were observed there. The organ doses for the WV scan outside the acquisition range were lower than those for the helical scan. The organ doses inside the acquisition range changed by the locations of borders. Conclusion: The WV scan increases the absorbed doses at the overlapping scanned regions, which can be reduced by using Xact+.
著者
乳原 孝
雑誌
人間文化研究
巻号頁・発行日
no.45, pp.1-22, 2020-11
著者
加藤 由博 河上 充佳 槇原 孝文 寺門 晋
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.932-937, 2019 (Released:2019-05-24)
参考文献数
7
被引用文献数
2

Aピラー・ドアミラーまわりで発生する風切り音を非線形音場方程式を用いた手法で計算した.特に,横風のある場合と無い場合を比較したところ,Aピラー下部およびドアミラーからの音波の強まりが見られた.音波の伝播の様子を可視化したところ,サイドウィンドウへ到達する音波はドアミラー起源の音が主要であった.
著者
河原 孝行 平岡 裕一郎 渡辺 敦史 小岩 俊行 滝 久智 田端 雅進
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

ウルシは日本の伝統工芸を支える漆を得るための重要な特用林産物である。文化財修復など国産漆の需要は高まっており、安定供給が求められているが、その伝統に反し、ウルシの育林技術は確立されていない。健全な育苗を行っていくために、ウルシ林がどのような繁殖構造を持っているか遺伝解析によって検討した。<br> 北海道網走市及び岩手県二戸市浄法寺町に植栽されるウルシ林を材料として用いた。SSR10座を用い、multiplexによるPCR増幅後ABI prism 3100XLにより遺伝子型を決定した。 網走の2林分において6mx6m内の全ラメットを採取し、クローン構造を決定した。成長良好箇所はラメット数が少なく(134)、22のマルチジェノタイプ、不良個所はラメット数が多く(223)、24のジェノタイプが検出された。この結果、約20年での萌芽枝の最大伸長は4m前後であり、自然実生による更新も行われていることが示された。また、上伸成長がよい個体では萌芽枝を発生しないか少ないことが示された。 <br> 両地域の代表的な母樹を選び、父性分析を行ったところ、隣の林分からの遺伝子フローもあることが示された。
著者
松原 孝志
出版者
電気通信大学
巻号頁・発行日
2018-03-23

Computers continue to evolve as a tool to expand human intellectual, creative, and emotional activities. Human-computer interfaces play an important role in utilizing the power of computers without interrupting human activities. In recent years, the collaboration between humans and computers has expanded, and the scope of human activity is expanding. Therefore, an interface between humans and computers becomes more important. An effective interface enabling real-world-oriented and intuitive operations is a major factor for increasing the appeal of using computers for information retrieval. Such an interface fundamentally affects human activities widely and generally. When using an interface, the natural action of looking at the screen and moving one's hand is most frequently used. Therefore, the purpose of this research is to develop an interface that extends the interactions between a human and a computer and enables intuitive operations by "seeing and moving." In recent years, intuitive operations by "seeing and moving" focus mainly on touch operations used in smartphones and tablets. Therefore, such operations are limited to short-distance interactions in small-to medium-sized environments with a display. In this research, as an approach to extend such interactions, we consider those in which basic elements such as size, interaction distance, and type of screen in real environments are not restricted. Furthermore, such considerations will enable the creation of an interface that uses a human's natural gestures. Therefore, we conducted research and development with the following two pre-requisites.I. Create an interface that can operate a large screen from an optimal viewing distance.A large screen is excellent for displaying content with a high degree of visibility. This advantage is secured when its content can easily be viewed from far away. Therefore, we will develop an interface that uses natural gestures from the optimum viewing distance of a large screen.II. Create a human interface that can be operated by touching a non-display surface. It is natural to approach a screen and touch it with your hands. However, if you do not have a physical display like a projector or wearable device, you can not touch the screen. Therefore, by enabling the operation of touching a non-display surface, we can extend the interactions.The third section describes a human interface that can operate a large screen from an optimum viewing distance. In this research, we decided to develop a gesture operation method for a digital signage system. We designed the graphical structure and operation methods of the digital signage system. In addition, a usability evaluation was carried out by general subjects to confirm the system's practicality. We determined the following three mechanisms of interaction.(i)As an interface with a graphical structure can be operated intuitively, it is effective to hierarchize the information to be operated and to visualize that hierarchy as a menu by using the depth direction of the screen.(ii)As gesture operations can be performed intuitively and efficiently, it is effective to recognize the movement of a hand approaching the screen and apply this gesture to the selection operation of the menu.(iii)As the position of a large screen affects the operations performed on it, forexample, if the screen is laid flat to improve visibility, consideration for reducing the burden on a person's body is necessary.The fourth section describes an interface that can be operated by touching a non-display surface. The most effective way to use this type of interface is to display an image from a projector or head-mounted display onto surrounding real-world surfaces and touch it directly. However, these surrounding surfaces are not always flat. For example, there might be outlets in a wall or magnets on a desk. In general, there are many surfaces where protrusions are present and/or objects are placed. Therefore, we propose a new touch detection method and a prototype system with an IR camera and two IR lights that requires no surface sensors and can detect a touch even on non-flat surfaces. There are three main contributions in this work. (i)We conducted experiments to determine the accuracy required for touch detection. As a result, nearly all touch operations could be detected if the position of a user's finger is 5 mm or more away from a surface.(ii)We propose a new touch detection method and a prototype system with an IR camera and two IR lights that requires no surface sensors and can detect a touch even on non-flat surfaces. To improve touch detection, we have developed two echniques: extraction of shadow area and detection of shadow shape change.(iii)We evaluated the accuracy of touch detection with our prototype system and found that a touch can be detected with high accuracy over a large (80 inches wide) operating surface.The fifth section concludes the results of this research. In this research, to extend human-computer interactions, we developed a real-world-oriented interface that enables intuitive operations by "seeing and moving" with various environments and devices. We want to further develop the interface not only to make it easier for a human being to use a computer but also develop technology that contributes to maintaining the quality and value of a sophisticated system.コンピュータは人の知的,創造的,感性的な活動を拡張するための道具として進化を続けている.人の活動を阻害することなくコンピュータのパワーを利用するために,ヒューマンインタフェースは重要な役割を担ってきた.近年では,人とコンピュータが高度に連携,融合するインタラクションの拡張により人の活動範囲が広がっており,人とコンピュータの界面となるヒューマンインタフェースがより重要度を増している.実世界指向で直感的な操作性を実現した快適なヒューマンインタフェースは,情報機器製品としてのコンピュータの魅力を高める大きな要因となっている.このような実世界指向インタフェースは,人が常に具体的な環境の中にいるが故に,人の活動において最も基本的であり,広く一般に影響を及ぼす.実世界指向インタフェースにおいて,特に「見て,手を動かす」操作は人が自然に利用でき,尚且つ,最も利用頻度が高い操作のひとつである.そこで,本研究では,実世界指向インタフェースによるインタラクション拡張のために,「見て,動かす」直感的な操作を可能にするヒューマンインタフェースを実現することを目的とした. 「見て,動かす」直感的な操作は,近年,スマートフォンやタブレットなどのタッチ操作を中心に洗練されてきた.これは「中小型」「手元」「ディスプレイ」という限定された実環境でのみ,直感的な操作が実現されていると言い換えることができる.そこで,本研究では,インタラクションを拡張するためのアプローチとして,実環境における画面の「大きさ」「距離」「種類」という基本的な要素が限定されることのないインタラクションを検討し,人の自然な行為を取り入れたヒューマンインタフェースを実現する.そこで,次の2つの観点で研究開発を行った.・大画面を最適視距離で操作できるヒューマンインタフェース 大画面は視認性や情報の一覧性に優れる.この長所は,大画面を見やすい距離 (以下,最適視距離)に離れて見るときに担保されるため,最適視距離で行う 自然な行為を操作に取り入れて,インタラクションの拡張を実現する.・非ディスプレイ面に触れて操作できるヒューマンインタフェース 画面に近づいて手を触れて操作することは直感的であり自然な行為として行わ れるが,プロジェクタやウェアラブルデバイスのように物理的なディスプレイ が存在しない場合,画面に触れて操作できない.そこで,このような非ディス プレイ面に触れて操作できるようにすることで,インタラクションの拡張を実 現する. 本論文は以下のように構成される.第1章は序論として,研究の背景とヒューマンインタフェースの役割を述べ,研究の目的とアプローチを明らかにする.第2章では,従来研究について論述し,その課題について議論する.第3章と第4章は,論文の主内容として研究開発したヒューマンインタフェースを整理する.第3章は大画面を最適視距離で操作できるヒューマンインタフェースについて論じる.本研究では,大画面の用途を具体的に定め,その用途を対象とした操作およびシステムを統合的に開発することで,大画面を最適視距離で操作するための基本技術を確立する方針とした.この具体的な用途として,ジェスチャ操作を用いてフロアガイドコンテンツをインタラクティブに操作できるデジタルサイネージを選定した.グラフィック構造および操作方法の設計を行い,デジタルサイネージのシステムを実装して試作検証した.また,一般被験者でのユーザビリティ評価により,利用方法を説明することなく目的の操作を実行できる,公共用途に適した実用性を確認した.インタラクションの仕組みとして以下の3つの成果を得て,これにより大画面を最適視距離で操作する基本技術を確立した.(i) 直感的に操作できるグラフィック構造として,操作対象の情報を階層化すると ともに,画面の奥行き方向を利用して階層を可視化する表現が有効である.(ii) 直感的かつ効率的に操作可能なジェスチャ操作として,手が近づく動きのジェ スチャを認識してメニュー階層の選択操作に適用することが有効である.(iii) 大画面の操作は,画面を寝かせて見やすくするなど,身体への負担軽減の配慮 が必要である. 第4章は非ディスプレイ面に触れて操作できるヒューマンインタフェースについて論じる.本ヒューマンインタフェースの最も有用な用途は,周囲の実空間の様々な面にプロジェクタやヘッドマウントディスプレイで画面を重畳して表示し,重畳した画面に直接タッチ操作することであると考える.しかしながら,身の回りにある机上や壁面などの様々な面上は,物が置かれる,突起物があるなどの状態が多い.そこで,面上や面の周囲の様々な状態に対応してタッチ検出する方法として,赤外カメラと2つの赤外照明を用いて指先の左右にできる影を利用して指先の接触を検出する新たな手法を提案する.提案手法を用いてタッチ検出を行うシステムを開発した.この開発を通じて,以下の3つの成果を得て,これにより非ディスプレイ面に触れて操作する基本技術を確立した.(i) タッチ検出に必要な精度を求める実験を行い,面から指が5mm以上離れたこと が判別できれば,ほぼ全てのタッチ操作が検出できることを明らかにした.(ii) 赤外カメラと2つの赤外照明を用いて,非ディスプレイ面でタッチ検出できる新 たな手法を提案し,高精度なタッチ検出を実現するために,影領域の抽出技術と影 の変化の検出技術の2つの技術を開発した.(iii) 提案手法の試作検証とタッチ検出精度の評価を行い,80インチの操作対象面の全 面で高精度にタッチ検出できることを確認し,提案手法の有効性を確認した. 第5章では本研究の成果を総括する.本研究では,人間とコンピュータのインタラクションの拡張に向けて,実世界指向インタフェースにおける「見て,動かす」直感的な操作を様々な実環境やデバイスで実現するヒューマンインタフェースの基本技術を確立した.ヒューマンインタフェースは,人間とコンピュータの界面としてインタラクションを支える役割を増している.ヒューマンインタフェースが人間にとっての使いやすさを超えて,高度なシステムの質や価値を維持するために効果を発揮する技術開発にさらに努めたい.