著者
原田 諭 宮本 伸一 三瓶 政一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.420, pp.7-12, 2006-12-07
被引用文献数
11

近年,カバレッジやノード配置の柔軟性の観点から,生起ノードから宛先ノードまでデータを伝送する際に他のノードを中継ノードとして利用するマルチホップ無線ネットワークが注目を集めている.マルチホップ無線ネットワークでは,ネットワークのトポロジーにより,ネットワークの一部に双方向のトラヒックが発生する.そして,双方向のトラヒックが発生した場所においては,特定のノードにトラヒックが集中し,そのノードがボトルネックとなってネットワーク全体としてみるとデータパケットの伝送が円滑に行なわれていない状況に陥る.そこで本稿では,ネットワークコーディングを適用することにより双方向のトラヒックを一括して伝送する手法を提案し,提案方式を用いた場合の伝送特性について検討を行なう.また,各リンクの利用可能な伝送速度が異なる場合においてはネットワークコーディングを適用した双方向トラヒックの一括伝送が必ずしもボトルネックの解消に対して有効な手法であるとは限らない.そこで,各リンクの利用可能な伝送速度が異なる場合においても効率的に双方向のトラヒックを中継可能とするアナログ変調信号多重化を提案し,BER(Bit Error Rate)特性からアナログ変調信号多重化の実現性について検討する.
著者
竹村 勇司 塗師 憲太郎 小笹 直子 原田 史 鎌田 壽彦 菅野 茂
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.99-108, 2004-09-24
被引用文献数
2

発情周期にともなうヒツジの試情時の性行動の推移を明らかにする目的で、発情が正常に回帰している成雌3頭に対して成雄3頭による試情を行い、雄が雌に関心を示さなくなるかまたは乗駕に至るまでの時間(試情所要時間)ならびに試情中の雌の排尿行動,雄による性的探査行動および求愛行動の発現回数を測定した。試情所要時間は、おおむね発情同期から発情前期に向けて延長し、乗驚が生ずる発情日は短く、発情後期1日目に再び延長し以後元のレベルに短縮してゆく推移パターンが認められた。しかし、雌個体によって変化が明瞭なものと不明瞭なものがあった。変化が明瞭に現れた個体では、排尿行動の発現回数が試情所要時間の推移と同様の推移を示したほか、雄による陰部嗅ぎやフレーメン行動の発現回数の推移パターンにも同様の変化が認められた。一方、こうした変化が不明瞭であった雌個体に対して、雄は発声,舌出し,頚ひねり,前脚による蹴り上げ(前蹴り)などの求愛行動を多く発現し、前蹴り以外の3つの行動の発現回数は、発情同期から発情前期に向けて増加し、発情後期1日目に再び増加し以後元のレベルに滅少していく推移パターンが認められた。また、前蹴り行動は発情日に比較的多く発生が見られた。以上の結果から、試情時における性行動の発現とその発情周期にともなう推移には雄側よりも雌側の要因がより強い影響を及ぼすものと推測され、雄が雌の発情周期を判断する際には主に雌からの嗅覚情報によって判断する方法と、嗅覚情報が乏しい場合には雄は代償性に視覚、聴覚、触覚刺激を雌に与え、それらに対する雌の反応によって判断する方法があるものと推測された。
著者
太田 一徳 原田 浩幸 中嶋 重旗 田中 一彦
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.141-146, 1992-03-05
被引用文献数
6 1

市販のイオンクロマトグラフィー(IC)用陰イオン交換体より大きな交換容量を有するはん用のイオン交換体(シリカ系強塩基性陰イオン交換体)と大きな溶出力を有する芳香族トリカルポン酸(トリメリト酸)系溶離液の組み合わせから成る無機陰イオンの導電率検出ICを開発し, 酸性雨に関連する実際試料に対して適用した.その結果, 1.25mMトリメリト酸溶離液(pH 4.65)と内径4.6mm, 長さ100mmの分離カラムを用いることにより8種の陰イオン(PO_4^<3->, Cl^-, NO_2^-, NO_3^-, I^-, SO_4^<2->, SCN^-及びS_2O_3^<2->)を25分以内で良好に分離, 導電率を検出することが可能であった.最適IC条件下の検量線は, 一価陰イオンにおいて, 0.3mMまで, 二価陰イオンにおいて0.2mMまで各々直線であり, これらの検出限界(S/N=3)は, 10ng/mlオーダー(Cl^- 10ng/ml, NO_3^- 25ng/ml及びSO_4^<2-> 28ng/ml)であった.本法を酸性雨及び酸性雨による土壌(黒ぼく土及び赤ぼく土)溶出(抽出)水中の無機陰イオン分析に適用したところ, その中に含まれるCl^-, NO_3^-及びSO_4^<2->を良好に分離定量することが可能であった.その結果, 土壌のSO_4^<2->吸着量は, 雨水中の全陰イオン濃度及びpHに依存することが明らかとなった.
著者
村山 尚 児玉 靖司 原田 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.7-8, 1996-03-06

プログラミング言語は、型付き言語と型無しの言語に、大別できる。型付き言語は,静的型検査によって型誤りを起こさないことが保証される強く型付けされた言語、型誤りを起こす可能性のあるプログラムも型検査に合格してしまう弱く型付けされた言語とに分けられる。強く型付けされた言語では,型に関して安全で,信頼性の高いプログラムを作ることが可能である。型無しの言語では,型を明示的に指定する必要がないので,プログラムが簡潔に記述でき、変更などに対しても柔軟に対応できる。 強く型付けされた言語と型無しの言語の両方の長所を実現するために,型推論が考案された。型推論とは,プログラム中に現われる,非明示的な型に関する情報を使って,式の持ち得る型を厳密な推論規則によって、決定することである。型推論を行うことにより、明示的に型を指定しなくても,強い型検査を行うことができ,実行時の型誤りが起きないことが保証できる。
著者
唐 力 大矢 宗樹 佐藤 嘉伸 田村 進一 内藤 博昭 原田 貢士 小塚 隆弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.1009-1017, 1994-05-25
被引用文献数
1

標準MRI撮影中の体動により画像上に生じるアーチファクト(偽像)の除去手法について述べる.臨床診断においてしばしば問題となる呼吸に伴う頭部の上下移動を想定して位相エンコード軸(Y方向)のみの剛体平行移動を扱う.従来の発見的な繰返し処理による除去法と異なり,本論文では,MRI撮像過程と画像の特性の解析に基づき,MRI信号中の体動成分と画像成分を単純な代数演算により分離できる新しい拘束条件を導出する.MRI信号に対して読出し方向(X方向)の1次元フーリエ変換を行った後のY方向スペクトルの位相値は,画像自身の成分と体動の成分の和になっている.一方,頭部などの断層像において周囲の皮下脂肪部分の密度はほぼ均一であることが知られており,その上のY方向の1ラインの密度分布は対称とみなせる.密度関数が対称の場合には,スペクトルの位相は位置に対して,線形的に変化する.従って,その線形関数からずれた成分を体動として分離できる.この拘束条件に基づき,根拠の明確なアーチファクト除去手法を提案する.更に,体動の変動が激しい場合や,対称性がくずれる場合における影響を解析し,それに対する対応策も検討する.シミュレーションにより,本手法の有効性を明らかにする.
著者
秋元 守 原田 耕一 渡邊 和二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.59, pp.29-34, 2002-09-19

本報告は,AMeDAS観測の降水量データを活用した,日本全国各地を対象とする1分間降雨強度分布推定法の高精度化検討に関するものである.まず,過去25年間の1時間雨量データ及び1分間雨量データから,近年になって短時間に強い雨が降る傾向が増加している地点があること,及び1時間降雨強度分布と1分間降雨強度分布の関係が変化していることを示す.次に,この傾向を1分間降雨強度分布推定法の高精度化に反映する一例として,1時間雨量データから1分間降雨強度分布を推定する際に10分間雨量データも考慮する手法について定量評価し,既存の推定法より高精度となることを示す.
著者
秋元 守 原田 耕一 渡邊 和二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.305, pp.29-34, 2002-09-12
被引用文献数
1

本報告は,AMeDAS観測の降水量データを活用した,日本全国各地を対象とする1分間降雨強度分布推定法の高精度化検討に関するものである.まず,過去25年間の1時間雨量データ及び1分間雨量データから,近年になって短時間に強い雨が降る傾向が増加している地点があること,及び1時間降雨強度分布と1分間降雨強度分布の関係が変化していることを示す.次に,この傾向を1分間降雨強度分布推定法の高精度化に反映する一例として,1時間雨量データから1分間降雨強度分布を推定する際に10分間雨量データも考慮する手法について定量評価し,既存の推定法より高精度となることを示す.
著者
原田 英昭 鶴巻 渡 松雪 康巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, 1997-08-13

TMN(Telecommunications Management Network)に準拠したオペレーションシステム(Operations System :OS)が実用の段階を迎えている。しかし、既存OSとの機能分担、既設設備の有効利用等の観点からTMN準拠OS(以下、TMN-OSと記す。)と非TMNである既存OSの相互接続が必要となる。 本稿では、相互接続を実現するアダプタの機能及び配備法を検討する。
著者
岡村 均 原田 攻 森川 博史 大島 正義 西村 敏雄
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.811-816, 1977-07-01

ヒトにおいて,排卵時に卵胞腔内から放出された卵が卵管内に移行する機構については,一般的に卵管采によるpick-up mechanismがいわれているが,いまだ詳細に検討されていない点が多い.この問題解明のため,われわれは卵巣と卵管采の間に存在する卵管間膜,mesotubarium ovarica (MTO)を超微形態学的に検索し、このMTOに微細構造上典型的な平滑筋細胞が束状に存在し,しかも卵巣と卵管采を機能的に連絡しているかのごとき配列を呈していることを観察した.MTOの構成成分はこの平滑筋の他に血管とcollagen fibersでありmast cellのような遊走細胞も観察された.卵管間膜表面被覆上皮細胞にはciliaは全く観察されない.従つて排卵時に卵胞壁の収縮により卵胞腔から排出される卵は卵管間膜表面構造によつて移送されるのではなく,この卵胞の運動と同調したMTOの収縮により卵巣に近接する卵管采によつて直接pick-upされるものと考えられる.
著者
原田 津 範 公可
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.91, no.9, pp.915-918, 2008-09-01

本論文では,フルスイング出力するXNOR回路を用いた10トランジスタ全加算器を提案する. 0.18μm CMOSプロセスを用いて,HSPICEによるプレレイアウト及びポストレイアウトのシミュレーションを行った上性能を評価した.従来全加算器と比較した結果,提案全加算器は遅延及び消費電力がともに大きく改善された.
著者
原田 勝二 三沢 章吾
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.161-164, 1974

本邦における赤血球酵素Esterase Dの多型性変異の表現型頻度および遺伝子頻度を調べることを目的に, 東京在住の献血者524名の赤血球につき, 澱粉ゲル電気泳動法を用いて検査した。その結果, 表現型頻度はEsD1(45.42%), EsD2-1(43.89%), EsD2(10.69%)となり, 遺伝子頻度はEsD^1=0.6737, EsD^2=0.3263となった。無作為に選んだ2人の表現型が一致する確率をこの値より計算してみると, 他の赤血球酵素に比べかなり低く, 法医学上の個人識別に有効なことがわかった。双生児およびその両親の家族試料を検査し, Esterase Dは常染色体上少くとも2種類の対立遺伝子によって支配されていることも併せ確かめられた。