著者
吉田 勝平
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

エネルギー変換用蛍光色素の開発を目的として新規複素多環系固体発光性色素を分子設計・合成し、これら色素の溶液状態および固体状態における光物性を測定し、固体発光性とX線結晶構造の相関性を追究した。さらに、色素を高分子樹脂中に含有させた蛍光フィルムを試作し、それら光物性や耐光性を評価した。蛍光フィルムは優れた波長変換機能と良好な耐光性を示し、太陽光や人工光の波長分布を簡便に調整できることがわかった。
著者
八幡 勝也 吉田 勝美 渡邊 清明 吉田 勝美 渡邊 清明 富永 真琴
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

糖尿病を含む生活習慣病においては、個人の健診データと生活指導が中心で進められているが、日常生活や社会的要因が大きく影響する。今回、地方の糖尿病調査および企業従業員の経年変化を調査し比較した結果、通勤・移動、食生活の食材、生活習慣、地方と都市、経済状態など直接個人の健康状態に結びつかないように見える要因の影響が無視できないことがわかった。また、このような社会的要因を個人情報と連携させるためには、従来の医療を中心とした枠組みではなく、個人と社会や環境などの要因を含めた総合的な枠組みを構築する必要があり、その概要モデルを検討した。
著者
吉田 勝
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

平成8年から10年の3年間にわたって、東ガート帯及び周辺の関連地域の全体像をつかみ、その造構史を明らかにする目的で、文献の組織的収集と整理、地質試料の分析、解析的研究を実施した。新規購入備品である流体包有物解析システム(YAGAIFLUID)は、これらの研究に利用された。主な研究成果の概要を下に記す。1)東ガート帯中部から北部にかけて詳しい岩石学的研究を実施し、この地域が高温高圧のグラニュライト相変成作用や中程度の角閃岩相変成作用を重複して受けていることを確認した。2)EPMAモナザイト年代やSm-Nd年代からは、20億年前から5億年前の間の数回の変動が推定された。主変成作用は約12〜14億年前のアルカリ深成岩類の貫入事件の前と認められ、約20億年前と約15億年前で関連火成岩の性質から、それぞれ圧縮場及び伸張場における変動であったと考えられる。その後、約10億年前にも圧縮場におけるグラニュライト変成作用があり、さらに約8億年前と約5億年前には、花崗岩の貫入を伴う再変動があった。東ガート帯西縁部分では約28〜26億年前の変成年代が得られており、この部分は基盤の再変動地帯と考えられる。3)東ガート帯のこのような多時階の変動は、そのすべてを周辺のゴンドワナ陸片に追跡することは出来ない。同帯の北東延長にあたる南西オーストラリアのアルバニー・フレイサー帯では、約10億年前変動とそれより古い事件が、南東延長である南極のピア・レイナー帯では、10億年変動とそれにより新しい事件が、よく追跡される。このことは、約10億年前頃に、東ガート帯周辺のゴンドワナ陸片地域に大きなテクトニクスの変換が生じたことを示していると考えられる。4)以上の研究成果は、国外誌や英文紀要等の学術論文59編、英文の学会メモア・学位論文などの書籍15冊、国際学会などにおける学術講演56題として発表された。
著者
内藤 靖彦 ELVEBAKK Arv WIELGOLASKI フランスエミル 和田 直也 綿貫 豊 小泉 博 中坪 孝之 佐々木 洋 柏谷 博之 WASSMANN Pau BROCHMANN Ch 沖津 進 谷村 篤 伊野 良夫 小島 覚 吉田 勝一 増沢 武弘 工藤 栄 大山 佳邦 神田 啓史 福地 光男 WHARTON Robe MITCHELL Bra BROCHMANN Chirstian ARVE Elvebak WIELGOLASKI フランス.エミル 伊村 智
出版者
国立極地研究所
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

北極の氷河末端域における生態系の変動は温暖化に強く関連するといわれているがあまり研究はなされていない。とくに今後、北極は4〜5℃の上昇が予測されているので調査の緊急性も高い。本研究では3年間にわたり(1)植生及び環境条件の解明、(2)繁殖過程の解明、(3)土壌呼吸と温度特性の解明、(4)土壌節足動物の分布の解明、(5)人工環境下での成長変化の解明を目的として調査、観測が実施された。とくに気候変動がツンドラの生態系に及ぼす影響を、遷移初期段階である氷河モレーン上に出現する動物、植物の分布、定着、生産、繁殖、移動について研究を行った。調査、観測は海洋性気候を持つスバールバル、ニーオルスンの氷河後退跡地で実施した。初年度は植生及び環境条件の解明を目的として6名の研究者を派遣した。氷河末端域のモレーン帯の植物の遷移過程の研究では、氷河末端域から約50メートル離れたモレーンに数種の蘚類が認められ、これらはパイオニア植物として考えられた。種子植物は100メートル過ぎると出現し、地衣類の出現はむしろ遅いことが明らかになった。また、遷移段階の古いチョウノスケソウ群落は立地、土壌中の窒素量の化学的特性の違いによって7個の小群落に区分された。2年度は植生と環境条件の解明を引き続き実施すると共に、遷移初期段階における植物の繁殖、土壌呼吸と温度特性、土壌節足動物の生態の解明を目的として実施された。現地に6名の研究者が派遣された。観測の成果としては昨年、予備的に実施したスゲ属の生活形と種子繁殖の観察を踏まえて、本年度はムカゴトラノオの無性繁殖過程が調査された。予測性の低い環境変動下での繁殖特性や繁殖戦略について、ムカゴの色、大きさ、冬芽の状態が環境の変化を予測できるという実装的なアプローチが試みられた。パイオニア植物といわれているムラサキユキノシタは生活型と繁殖様式について調査され、環境への適応が繁殖様式に関係しているなど新たな知見が加わった。また、氷河末端域の土壌呼吸速度は温帯域の10%、同時に測定した土壌微生物のバイオマスはアラスカの10%、日本の5%程度であることが始めて明らかにされた。土壌節足動物の分布の解明においては、一見肉眼的には裸地と見なされるモレーン帯にもダニ等の節足動物が出現し、しかも個体数においては北海道の森林よりもむしろ多いなど興味深い結果が得られた。最終年度は2年度の観測を継続する形で、6名の研究者を現地に派遣した。実施項目は氷河後退域における植生と環境調査、土壌と根茎の呼吸調査、および繁殖生態調査が実施された。観測の成果としては植生と環境調査および土壌と根茎の呼吸速度の観測では興味深い結果が得られ、すなわち、観測定点周辺のポリコンの調査では植物および土壌節足動物の多様性が大きいことと、凍上および地温に関する興味深いデータが取得された。また、土壌および根茎の呼吸速度の観測では、実験室内での制御された条件での測定を行い、温度上昇に伴って呼吸速度は指数関数的に上昇するが、5度以上の温度依存性が急に高くなり、これは温帯域のものより高かった。これらを更に検証するためにより長期的な実験が必要であるが、今後、計画を展開する上で重要なポイントとなるものと考えられる。さらに、チュウノスケソウの雪解け傾度に伴う開花フェノロジー、花の性表現、とくに高緯度地域での日光屈性、種子生産の制限要因についての調査では、生育期間の短い寒冷地での繁殖戦略の特性が明らかにされた。初年度および最終年度には、衛星による植物分布の解析し環境変動、北極植物の種多様性と種分化について、ノルウェー側の共同研究者と現地で研究打ち合わせを持った他に、日本に研究者を招聘して、情報交換を行った。最後に3年間の調査、観測の報告、成果の総とりまとめを目的として、平成9年2月27、28日に北極陸域環境についての研究小集会、北極における氷河末端域の生態系に関するワークショップが開催された。研究成果の報告、とりまとめに熱心な議論がなされた。
著者
吉田 勝 奥平 敬元 有馬 真 古山 勝彦 加々美 寛雄 小山内 康人
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

1)平成11年度と12年度の2年間ににかけて、インド原生代変動帯を主題とし、UNESCO-IUGS-共催事業国際地質対比計画(IGCP)No.368プロジェクトの総括研究を行った。補助金によって蛍光X線分析装置と走査電子顕微鏡を購入し、後者には既存のEDXを装着し、研究地域の岩石・鉱物の分析的研究を行い、多くの成果を得た。インド楯状地及び関連地域の内いくつかの重要地域の野外研究を実施した。インドから科学者2名を招聘し、同位体年代分析あるいはインド原生代変動帯に関する全般的な情報提供を頂いた。また、インドの研究協力者らによってインド半島原生代変動帯の重要地域の地質研究成果のとりまとめが行われた。これらによってインド亜大陸の原生代変動帯に関する広く新しい知見が得られ、多くの国際集会に参加して研究発表、討詮及び研究のまとめを行った。2)これらの研究の結果、インドの原生代変動帯はメソ原生代のロディニア・東ゴンドワナの集合テクトニクスで重要な役割を演じたこと、ネオ原生代には基本的には再変動であったことが示された。最近Powellら(Gondwana Research 4,PP.736-737)などによって東ゴンドワナのネオ原生代集合モデルが提案されているが、我々の研究成果は、この新しいモデルはさらに精密な検討を要することを強く示唆している。3)これらの研究成果は研究分担者、協力者らによって国際誌等での学術論文公表135編・国際シンポジウムなどでの研究発表59題、国際誌特別号や学会メモアなど18冊の論文集冊などとして公表され、或いは印刷中である。4)本研究の成果報告書として「インドの原生代変動帯:IGCP-368の研究成果」(英文、GRG/GIGE Misc.Pub No.15)が発行された。本書は全376頁で、第1章:東ゴンドワナ研究の最近の進歩、2章:東ゴンドワナのテクトニクス、3章:インド半島のテクトニクス、岩石とミネラリゼーション、4章:アフリカと周辺地域のテクトニクス、岩石とミネラリゼーション、5章:南極のテクトニクスと岩石・6章:その他のゴンドワナ地域の地質、7章:IGCP-368プロジェクトの活動-国際シンポジウムとフィールドワークショップ-から成り、公表論文リスト、講演リスト、文部省提出書類ファイル一式が付録として付けられている。
著者
吉田 勝 和田 秀樹 小山内 康人 有馬 真 加納 隆 PANDIT M. K. PANDIT M.K.
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

1.平成10年度と11年度の2年間にわたり、インド中央構造帯およびその周辺地域の地質野外研究を、日本から派遣研究者27人延ぺ573人日、現地参加科学者40人延べ659人日、合計で述べ1232人日を実施した。また、インドから研究分担者ら4人を延べ133日間招聘した。野外調査はとくに、アラバリ・デリー帯とインド中央構造帯中央部(サコーリ帯およびサウサー帯)を集中的に実施したほか、インド中央構造帯東部、東ガート帯、南インド原生代変動帯、スリランカなども実施した。2.アラバリ・デリー帯、中央構造帯中央部、及びインド中央構造帯全般に関する最新の知識が得られ、採集された地質標本についての詳しい分析的研究が実施され、岩石学、年代学関係の重要なデータが得られ、それらの一部は公表された。3.これらの研究を通じて、ゴンドワナテクトニクスにおけるインド中央構造帯の意義が明らかになって来た。インド中央構造帯のスーチャーとしての主要な活動時期はパレオ原生代(19-22億年前)であり、その後は内陸変動帯であったと思われる。メソ原生代には西オーストラリア南部のアルバニー帯と連なっていたと考えられる。従って、西オーストラリア西縁を走るピンジャラ変動帯が、グレンヴィリアン期のロディニア集合テクトニクスにおいて重要な役割を果たしたと考えられる(Yoshida,2001,Gcmdwana Research 4,208-211)。4.以上の研究成果は、国際誌などでの研究論文105編、国際学会等における講演60題、研究論文集など8冊および国際学術研究連絡誌など10冊の発行などによって国内外に公表された。また、英文研究成果報告書「The Central Indian Tectonic Zone and its Extensions within East Gondwana」(GRG/GIGE Miscellaneous Pub-lication No.14)として刊行された。この報告書はインド中央構造帯のテクトニクス(11編155頁)、アラバリ・デリー褶曲帯のテクトニクス(7編66頁)、東インド東部原生代変動帯の岩石とテクトニクス(8編799頁)及び南インド楯状地の岩石とテクトニクス(6編47頁)の4章347頁で構成され、付録として公表編著書、論文、講演目録、文部省への提出諸書類が添付されている。
著者
岡田 光正 吉田 勝行 柏原 士郎
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.169, pp.79-86, 95, 1970-03-30
被引用文献数
1

In this paper, we report such results of time studies about hospitals, parking places and railway stations as follows. 1. a. At Osaka Univ. Hospital, the number of patients entering this hospital is 1, 929. The peak of arrival is between 9 : 30 and 9 : 35 and the ratio of concentration in 30min. is about 20%. Here, the ratio of concentration is proportion of number of persons entering in 30min. to total accumulation in one day. b. At Osaka City Univ. Hospital, the number of patients entering this hospital is 658. The ratio of concentration in 30min. is about 26%. 2. a. At Nagahori parking place in Osaka, the number of cars entering this parking place is about 1, 500. The ratio of concentration in 60min. is about 13%. b. At Azuchimachi parking place in Osaka, the number of cars entering this parking place is about 500. The ratio of concentration in 60min. is about 14%. 3. a. At. Osaka City underground railway stations, the ratio of concentration in 60min. is about 25%. b. At Japan national railway stations, the ratio of concentration in 60% is about 17%.
著者
原 正一郎 杉森 裕樹 古海 勝彦 東福寺 幾夫 窪寺 健 河合 正樹 吉田 勝美
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.32-52, 2003
被引用文献数
1

健康審査(健診)には多数の施設が関わっており,これらの施設の健診情報システム間でデータを交換する必要がある.ところが健診に関わるデータ構造は多様であり,健診依頼元へ検査結果を電子的に還元することすら容易ではない.そこで平成8年より,日本総合健診医学会情報委員会は,健診データの有効利用を図るために日本保健福祉医療情報システム工業会と合同委員会を組織し,標準健診データ交換規約(HDML:Health Data Markup Language)とツールの開発に着手した.HDMLはSGML/XMLを基礎とし,既存の医療情報交換規約との互換性を考慮しつつ,健診に特化したデータ交換規約である.本稿ではHDMLの構造と,HDMLツールを用いた評価試験の結果について述べる.HDMLの導入によりデータ交換にかかわるコストの削減が可能となる.さらにデータ交換の段階でデータ構造が標準化されるため,複数の医療施設で発生した健診データを生涯健康管理データベースとして集積・管理できるようになり,生活習慣病などの予防医学にも大きく貢献することが期待される.