著者
平井章康 吉田幸二 宮地功
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.633-638, 2014-07-02

近年,登場してきた簡易脳波計は携帯可能な大きさであり,装着が簡単で,装着者の行動を制限しない.このため,日常的な使用が可能で,比較的安価で入手し易い利点がある.そこでこの簡易脳波計を用いて脳波情報を取り入れた遠隔教育における指導支援にフィードバックできるシステムの構築を検討している.本論文では昨年の実験で記憶作業に関する反応がlow_γと,ワーキングメモリと呼ばれる短期記憶領域で反応を示しているθ波の2つの波長の関係性を調べ,その特性を利用したサポートシステムを構築,実際に脳波計測において学生の記憶作業中の脳波データの相関関係を実験により比較分析した.その結果,(θ+α)/10とLow_γが同期した波長である事が判明した.またこの2つの波長の特性を利用したプロトタイプシステムを構築し,実験により,(θ+α)/(10×low_γ)がサポートシステムの有無で記憶力の変化が見られた事から記憶の度合いを測る指標として有効であると結果が出た.
著者
塙坂 八重 高橋 幸博 川口 千晴 森川 肇 安原 肇 吉田 幸一 吉岡 章
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.23-28, 2004-02-29 (Released:2011-03-09)
参考文献数
11

われわれは, 播種性血管内凝固 (disseminated intravascular coagulation : DIC) を合併した病的新生児に対する蛋白分解酵素阻害薬nafamostat mesilate (Futhan®) の臨床効果を, 同じく蛋白分解酵素阻害薬gabexate mesilate (FOY®) と比較し検討した.対象は1993年1月~2001年12月に当院新生児集中治療部門に入院した低出生体重児および外科症例を含むハイリスク新生児のDIC症24例であった.全例が生後28日未満にDICを発症し, 白幡のDICスコアー3点以上であった.Futhan®投与例とFOY®投与例が各12例であった.両蛋白分解酵素阻害薬ともDICスコアーを有意に低下させ, 血小板数とFDP値を有意に改善させた.Futhan®は新生児のDIC治療に有用であった.しかし, Futhan®投与群の1例に, 腎不全を伴わない高カリウム血症を認めた.Futhan®投与の期間中は血清カリウム値に注意を払う必要がある.
著者
室橋 豊穂 関 叉蔵 吉田 幸之助
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.248-252, 1954-07-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
6

Comparative studies were made on the cultural and immunobiological characteristics between Scandinavian and Japanese BCG strains.Each of them grew very nice on the potato-media and their growths were good on the bilepotato medium even from the first transplantation. Their growths were also good on the Sauton medium, but the pellicles were rather thick compared with that of Japanese strain. The growth speed on this medium was slightly more rapid in Swedish and Norwegian strains than that of Danish and Japanese. but the viable units per mg of pellicle were the greatest in Japanese, strain.The bacillary size was compared on the smears prepared from Sauton-potato cultures and it was found that the three strains, Danish, Swedish and Japanese had almost the same average size with similar distribution curves, whereas, Norwegian strain only had rather big size like French strain reported in the foregoing paper.Virulence test as well as challenge test on guinea pigs did not show any difference among those four strains except the difference due to the different amount of viable units inoculated.From these results it is considered that for the maintenance of the original characteristics of BCG strain, it is best at present to maintain it only by the successive transplantation on bilepotato medium.
著者
鈴木 一路 吉田 幸一郎 渡辺 正
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.158-163, 1996-03

バイオセンサーは生体素材の持つ高度の分子認識機能を利用した物質センサーであり, 医療, 食品工業, 環境計測など広い分野での応用が期待されている. 最近, 導電性ポリマーを用いて酸化還元酵素を電極上に固定した電気化学バイオセンサーが注目されており, 電子メディエーターの同時固定, 電極一酵素間の直接電子移動などこれまでの固定化法になかった特徴を持つ. 本稿ではこのようなセンサーの研究小史, 計測原理などを解説し, 筆者らがこれまでに実施してきた研究の一部を紹介する.
著者
滝井 健二 石丸 克也 吉田 幸功 井上 修一 日高 久美 眞岡 孝至 谷本 文男 伏木 省三
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学水産研究所報告 (ISSN:09117628)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.11-18, 2006-03-25

飼料への自己消化酵母Hansenula anomala(Ha)の添加が,アユの飼育成績やレンサ球菌症の自然発症率に及ぼす効果について調べた。チリ魚粉をタンパク質源とした飼料に,Haを18,9および3%配合した飼料(Ha-18,-9および-3)を,体重35.7gのアユに1日4回,1週間に6日飽食給与して12週間飼育したところ,Ha-9およびHa-3区の成長および飼育成績は,対照のHa無配合飼料区(Ha-0)やHa-18区より優れていた。また,終了時におけるレンサ球菌症の発症率は,Ha配合区がHa-0区より僅かに低かった。ついで,レンサ球菌症の発症を抑えるための,Ha-3飼料の効果的な給餌法を検討するため,平均体重33.0gのアユにHa-0およびHa-3をそれぞれ連続給与する区,Ha-3とHa-0を毎日交互に給与する(Ha-3, 0)区などを設けて10週間飼育したところ,増重率はHa-3給与によって向上し,発症率はHa-3, 0区で28.6%で低く,Ha-0区の45%,Ha-3区の50%の順に増加した。以上の結果から,飼料のHa添加は成長促進だけでなく,レンサ球菌の感染防御にも効果のあることが示唆された。
著者
橋本 貴幸 中安 健 吉田 幸代 立石 智彦 岡田 恒夫 杉原 勝宣 岡安 利夫 伊藤 万理 大西 弓恵 豊田 和典 村野 勇
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.213, 2003

【はじめに】骨化性筋炎は、骨や関節周囲の軟部組織に外傷などの刺激が加わって起こる異常骨化現象である。主な症状は、疼痛と可動域制限で、症例によっては骨切除術を行うこともある。今回、外傷性左大腿血腫後、骨化性筋炎を呈し、膝関節屈曲可動域制限を生じた症例の理学療法を行う機会を得たので考察を踏まえ報告する。【症例紹介】17歳、男性、高校2年生、空手部所属現病歴:平成14年8月24日、部活動練習中、相手方のローキックを左大腿外側部に強打し受傷した。練習を継続していたが疼痛が強くなり8月31日近医受診し、関節穿刺にて4mlの血腫を認めた。同年9月18日紹介にて当院整形外科受診し、外傷性左大腿血腫後骨化性筋炎と診断された。x-p所見は、左大腿骨外側部に紡錘状の骨化像を認めた。CT所見では、左外側広筋に骨化像を認めた。【初診時理学的所見】跛行にて治療室来室、視診・触診では、大腿外側中央に熱感、腫脹、筋硬結、大腿全体に筋スパズムを認めた。疼痛検査では、屈曲、伸展時の運動時痛および大腿外側中央に圧痛を認めた。大腿周計は、膝上15cm、47.0/48.5cmで、膝上10cmでは、43.0/44.5cmと患側の筋萎縮を認めた。膝関節可動域(以下ROM)は、屈曲70°p、伸展0°、lag10°であった。徒手筋力検査は、可動範囲内で、屈曲3+、伸展4-であった。【経過】平成14年9月18日当院受診し、理学療法を開始した。頻度は週2回から3回の指示であった。9月20日ROM屈曲120°、9月24日部活動での筋力トレーニング中に再度受傷部に疼痛を伴いROM屈曲90°と逆戻りとなった。10月19日ROM屈曲155°、正座可能となり理学療法終了となった。【理学療法】I、水平面での股関節・内外転運動、II、外側広筋を狙った軽微抵抗運動、III、大腿直筋ストレッチング、IV、外側広筋クライオストレッチングを施行した。更に運動前には、icingを運動後には、RICE処置を徹底した。【考察】骨化性筋炎の治療は、薬物療法及び局所の熱感と炎症時期が治まる頃より理学療法を開始することが一般的であり、疼痛を伴う可動域訓練は、症状を悪化させる危険がある。今回、治療手順として、受傷周辺の軟部組織、主に二関節筋の軽い収縮とストレッチングを施行し、柔軟性を引き出した。これは、受傷部の疼痛に伴う周辺組織の防御性収縮に伴う二次的な可動域制限を排除する目的である。次に、CT所見で受傷が確認された外側広筋にクライオストレッチングを施行した。これは、冷却による無感覚化に伴う疼痛緩和、筋スパズムの軽減の効果が期待され、実際の可動域制限因子である外側広筋の伸張性を獲得する目的である。これら治療により、関節可動域の二次的制限因子を排除することで、一次的制限因子の治療が効果的に行えたこと、運動後のRICE処置による炎症反応を軽減できたことが加わり、骨化を助長することなく、早期に正常可動域に回復することができたと考えられた。
著者
伊藤 歩 七里 守 江口 駿介 安藤 萌名美 竹中 真規 前田 眞勇輔 任 隆光 鈴木 博彦 神谷 宏樹 吉田 幸彦 平山 治雄 室原 豊明
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.724-730, 2015

慢性心不全では睡眠呼吸障害を高率に合併することが知られている. 特にチェーン-ストークス呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸の割合が多く, 予後不良因子とされている. 一方, 睡眠呼吸障害に対し治療介入することで, 左室駆出率や生命予後の改善が期待できるとの報告がある. 具体的な治療法として, 閉塞性睡眠時無呼吸においては持続陽圧呼吸療法 (Continuous Positive Airway Pressure ; CPAP) の有用性が確立されている. しかし, 中枢性睡眠時無呼吸にはnon-responderが存在し, CPAPの有用性については議論がある. 中枢性睡眠時無呼吸の治療において, 新しいデバイスとしてadaptive servo ventilation (ASV) に注目が集まっている. 症例は体重増加, 労作時呼吸困難を主訴に来院した74歳, 男性. 外来にて利尿薬等による内服管理をしていたが, 経胸壁心臓超音波検査にて推定収縮期右室圧の上昇を認めた. さらにSwan-Gantzカテーテル検査では, 左心不全を認めるとともに, 右房圧・右室圧の上昇を認めた. 原因精査のため終夜ポリソムノグラフィを施行したところ, チェーン-ストークス呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸を認めた. CPAPにて治療を開始したが, 十分な治療効果が得られず, ASVに変更し継続したところ, 無呼吸イベントの抑制とともに左室駆出率は上昇し, 右房圧・右室圧・肺動脈楔入圧はいずれも低下した. ASVはチェーン-ストークス呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸を合併した心不全において有効な非薬物治療法と考えられた.
著者
市村 洋 鈴木 雅人 小畑 征二郎 吉田 幸二 酒井 三四郎 水野 忠則
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.2-8, 2000
被引用文献数
11

現在日本では,創造性教育への切り替えを産官学挙げて強く推進している.我々高専では,最も柔軟な思考のできると言われる16~20才の年齢層の学生を教育対象としており,また比較的少人数制(必須科目で一教室40名定員)を採っており,創造性教育に恵まれた環境である.しかし日本の長い受動的教育の経緯を一挙に転換することは難しく,学生・教師双方とも相当の負担である.そこで,新しい時代にはそれに相応しい道具すなわちマルチメディアの活用により,20~30名単位の授業を能動的にする仕組みの授業システムを設計し,その有効性を検証した.<BR>このマルチメディア支援授業は,半期15週2時限授業をPLAN段階,DO段階,CHECK段階の3段階に分け,各段階にマルチメディアを柔軟に適応することを旨として設計した.このマルチメディア活用により試験合格型から予習中心型の学習へ転換でき,従来型の授業より2~3倍の学習時間を費やしていることも検証できた.また発表後の学友の評価,自由意見の激励に感動している報告も多かった.
著者
山中 一朗 仁科 健 三和 千里 阪口 仁寿 廣瀬 圭一 水野 明宏 吉田 幸代 矢田 匡 恩賀 陽平
出版者
日本脈管学会
雑誌
脈管学 (ISSN:03871126)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.59-64, 2016 (Released:2016-06-10)
参考文献数
11
被引用文献数
4

大動脈食道瘻(AEF)に対する治療戦略を示す。最近10 年に経験したAEF は5 例。1)食道抜去と頸部食道・胃瘻増設。2)感染大動脈に対する人工血管置換術。3)感染治癒,体力回復を待って食道再建という段階的手術を基本方針とした。80 歳以上の2 例が病院死した。死因は脳梗塞と感染再発。他の3 例は再発なく良好。AEF は早期に診断して可及的に治療介入し,段階的手術を行うことで予後の改善が期待できる。
著者
田中 耕太郎 高嶋 修太郎 田口 芳治 道具 伸浩 温井 孝昌 小西 宏史 吉田 幸司 林 智宏 山本 真守
出版者
日本脳循環代謝学会
雑誌
脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) (ISSN:09159401)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.57-62, 2015 (Released:2015-08-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1

要旨 我々の施設の非弁膜症性心房細動による心原性脳塞栓症(NVAF-CE)入院患者について入院時の抗血栓薬を検討すると,NOAC 登場前は,ワルファリン(W)32%,抗血小板薬(P)23%,抗血栓薬なしが45%であった.NOAC 登場後はW が35%,NOAC が18%,P が9%,抗血栓薬なしが38%であり,NOAC 登場前に比しP 処方患者が明らかに減少,抗血栓薬なしも軽度減少していた.以前ならW の代わりにP を処方していた症例に,NOAC が処方されている症例が増加していると考えられた.NOAC 服用中のNVAF-CE 発症患者の入院時NIHSS は平均1.4 であり,W 服用中の8.8,抗凝固薬非服用中の10.9 に比し,有意に(p<0.05)低値であった.入院時D-dimer 値についても,NOAC 服用群で有意に(p<0.05)低値であった.NVAF-CE の退院時の抗凝固薬は,NOAC 登場前はW 76%,処方なしが24%,登場後はW 44%,NOAC 43%,なしが13%で,抗凝固薬処方なしが減少していた.NOAC 使用が普及しつつあるが,長期の安全性と有用性については今後も検証が必要である.
著者
吉田 幸司
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

本年度は、前年度までの、F.H.ブラドリー、W.ジェイムズ、A.N.ホワイトヘッドの形而上学研究、およびそれらと現代英米哲学の主潮との比較研究を継続しつつ、価値経験や宗教的経験のような個別的経験と科学知を統合的に論じた形而上学としてホワイトヘッド哲学を評価し直す研究を遂行した。1.現代英米哲学の主潮、特にクワインの自然主義と、ホワイトヘッド哲学の方法を比較研究した。その結果、両者とも科学と形而上学の境界は曖昧だと考える一方、ホワイトヘッドは「よりよい理解」を通じて「よりよい生」へ冒険する働きを「思弁」に見出す点で自然主義と一線を画すことが明らかになった。2.むしろ、ホワイトヘッドにとって哲学が例証を見出す事実は、科学が扱う経験的事実だけでなく、情感的経験や宗教的経験の事実でもあった。本研究は、ホワイトヘッドが、科学史や哲学史を解体しロマン主義的自然観を取り入れる中で独自の術語群を作り出し、世界に関する「よりよい理解」を獲得するとともに、科学・哲学・芸術を有機的に結びつけたことを明らかにした。3.彼の形而上学における神の記述も、本研究では、神学ではなく、S.アレグザンダーらの創発的進化論や哲学的人間学の脈絡のうちで展開した。これにより、生の意義や神的経験に関する形而上学的記述を我々の具体的経験に即して論じ直すことに成功した。4.さらに、ジェイムズの『宗教的経験の諸相』やブラドリーの方法論、現代スピリチュアリティ思想や脳科学研究を参照しながら、宗教的経験の意味に対する科学・哲学・宗教のアプローチの違いを研究した。その際にプラグマティズムを発展的に応用し、意味の世界を支えているがそれに先立つ基準の転換として宗教的経験の宗教性を捉える新たな提案を行った。5.また、科学者やアーティストとの学際的な研究活動・報告も積極的に行い、哲学を実践において活かす様々な提言をすることができた。