著者
遠藤 守 安田 孝美 横井 茂樹 林 良嗣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.12, pp.37-42, 2002-02-07

コンピュータ上に構築した3次元の仮想都市空間内に仮想人間を導入するための仕組みを提案し,都市空間を構成する物体を効果的に管理する手法を開発した.本稿では仮想人間の動作を付与する仕組みを提案し,インデックスに基づくデータベースを用いてすべての情報を管理する具体的な仕組みについて述べる.提案手法を実現するにあたりインターネットを通して操作可能なインターフェースからなるシステムを構築した.これによりコンテンツ作成者や利用者は容易に都市空間を構築・体験することが可能となる.また構築したシステムの応用として空間内のキャラクタを主人公としたドラマ化手法を開発し,コンテンツを製作したのでここに報告する.
著者
荻島 和真 福安 真奈 浦田 真由 遠藤 守 安田 孝美
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.1-16, 2016-02-29 (Released:2017-01-25)
参考文献数
15
被引用文献数
3

オープンデータを推進する方法として,開発イベントやアプリコンテストが各地で開催され,一定の効果を示している。基礎自治体によるオープンデータ推進のためには,これらの取り組みを短期集中的に実施するだけでなく,自治体の受容性を考慮した上で,日常的な自治業務にオープンデータを取り入れていく必要がある。しかし,多くの自治体は,膨大な業務の中,限られた人員やコストでオープンデータを推進している。そこで,本研究では従来の自治業務におけるオープンデータ推進の確立を目的とし,自治体が主催する観光イベントを対象にオープンデータ化の試行とアプリ開発を実践した。観光イベントについて,自治体が発信しているリーフレットの情報を整理し,オープンデータ化を試行した。これを活用して,観光イベントをガイドするモバイル端末向けアプリを開発し,アプリを利用した実証実験を,名古屋市東区で行われる「第15回 歩こう!文化のみち」にて実施した。実証実験からはアプリの有用性が明らかになり,試行した観光イベント情報のオープンデータが有用であることを示すことができた。また,本研究の成果として,「第16回 歩こう!文化のみち」の観光イベント情報が名古屋市のオープンデータとして公開されることになった。以上を踏まえ,自治体の受容性を考慮した,従来の自治業務におけるオープンデータ推進について考察した。

1 0 0 0 撰集抄

著者
[西行著] 安田孝子 [ほか] 校注
出版者
現代思潮社
巻号頁・発行日
1985
著者
浦 正広 山田 雅之 遠藤 守 宮崎 慎也 安田 孝美
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.143-150, 2009 (Released:2010-01-13)
参考文献数
9

バルーンアートは,バルーンにより動物などの形状を制作するアート技法である.1本,もしくは,複数本のバルーンをひねることにより,様々な形状が生成できる.バルーンアートの造形はシンプルであるが,想定された完成形状から制作手順を推測することは容易ではない.そこで,本研究では,バルーンアートのための構造解析手法と難易度評価手法を提案する.1本のバルーンにより制作されるバルーンアートの完成形状をグラフで表現すると一筆書きができることから,グラフからオイラー経路を求め,その経路に基づき制作手順を導出する.また,1つのバルーンアートに対し,一般に複数の制作手順が存在するため,制作過程におけるバルーンの変形操作の難しさを定量的に評価し,導出される制作手順の難易度を比較する.実際のバルーンアート作品に提案手法を適用することで,その有効性を確認する.
著者
曽我 麻佐子 海野 敏 安田 孝美 横井 茂樹
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.96-107, 2004 (Released:2008-07-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

モーションキャプチャで取得したバレエの3次元モーションデータを利用し,バレエの振付をWeb環境で対話的に創作し,3次元アニメーションによってシミュレーションするシステム"Web3D Dance Composer(WDC)"の開発を進めてきた.バレエ教師が作成した振付をWeb上に蓄積し,それを生徒がダウンロードして再生し,復習や自主学習に利用することを想定している.本論文では,まず,WDCがバレエの実用的な教育支援システムとなるように,その機能を大幅に強化するため,バレエ動作の体系的符号化と,創作支援システムの開発を行った.次に,バレエ教師が舞踊の保存手段として利用できるように,バレエ用語に基づいたテキストベースの符号化手法を考案した.さらに,この体系的符号化に基づき,バレエ教師がレッスン用の振付を効率的に創作するための支援システムとして,動作連結の自動制御,ランダム選択機能,自動振付機能,蓄積・再利用機能を導入した.創作支援システムの有用性を評価する実験を行い,その結果を考察した.
著者
鈴木 茂樹 山田 雅之 宮崎 慎也 長谷川 純一 安田 孝美 横井 茂樹
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.8-14, 2003 (Released:2008-07-30)
参考文献数
5

運動計算を比較的高速に行える弾性プリミティブ(弾性要素)モデルで構成される仮想弾性物体とのリアルタイムインタラクションを実現する.一般的なボクセルデータ形式の入力形状に対して,大きさの異なる多面体形状の弾性要素を効率良く組み合わせることにより,高速処理に有利な少ない要素数で自由形状の弾性物体モデルを構築する.弾性物体とのインタラクションのための入力デバイスとしてジョイスティックデバイスを用いることにより,フォースフィードバックを伴ったインタラクションが可能である.弾性物体とマニピュレータとの衝突処理においては,幾何学形状をなすマニピュレータと弾性物体の間の物理法則にもとづく衝突処理モデルにより,適切なフィードバックフォースを実現している.
著者
松本 美保 横井 茂樹 安田 孝美
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.125-131, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

In Japan, there are currently more than 600 academic societies and most of these societies do not have their respective websites developed by professional web-masters. In many instances, there is a lack of clearly understandable information architecture and methods of website design are generally weak. In recent years, a number of useful web-developing software applications have been simplified and many complicated tasks cannot be completed without the expertise of system engineers. The authors attempted to conduct a research on many academic societies relative to how these societies deal with information architecture and related design methods. We have developed a model website and have proposed an ideal website prototype so that members of other academic societies may explore the model in the developments of their own websites in accordance with their own needs.
著者
曽我 麻佐子 海野 敏 安田 孝美
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.30-38, 2002 (Released:2008-07-30)
参考文献数
22
被引用文献数
2 2

プロ・ダンサーの実演から採取したモーション•キャプチャ•データを利用して,クラシック•バレエの振付をWeb上で対話的に創作し,3次元CGアニメーションでシミュレーションできるシステムを開発した.ユーザにはバレエ教師を想定し,利用目的には,基本ステップの組み合わせをレッスン用に短時間で多数創作することを想定した.基本ステップのアニメーション情報はVRMLで記述し,Javaアプレットで実装したGUIによりWebにおける逐次的な振付の編集・再生を可能にした.システムには振付を支援する機能として,基本ステップのプレビュー機能,速度変更機能,編集機能を実装し,アニメーション出力を制御する機能として,人体モデルの選択,背景の選択,ユニゾンのシミュレーションができるようにした.バレエ教師などによってシステムの評価を行ったところ,実際に使うことのできるレッスン用の振付が本システムで創作できることを確認した.同時に,実用的なシステムとして公開するために改良すべき点が明らかになった.
著者
安田 孝
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.409-414, 1985-10-25 (Released:2020-09-01)
参考文献数
4

Two thirds of residents living in the owner-occupied flats supplied by private enterprises in the inner area of Osaka moved from their birth place in near area of Osaka City. And in many cases, their occupation is own account. So, the supply of owner-occupied flats in the inner area realized near living of families and their parents.
著者
東海 彰吾 安田 孝美 横井 茂樹 鳥脇 純一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1305-1314, 1995-10-20
被引用文献数
5

近年の世界的な情報ネットワークの発達に伴い, 宇宙現象に関する最新の情報が提供されるようになったが, これらは様々な形式や内容のデータであり, これらを統合し, 理解しやすい形に加工・提供することが望まれている.我々は, 実際に目にすることが困難な宇宙現象に対し, インターネット上で時々刻々と更新されるデータを用い, CGアニメーションによる現象の可視化と, インタラクティブな操作による視点移動や, 時間経過制御による現象の様々な角度から観察可能なシステムを開発した.本システムにより, 世界中に散在する各種データに準拠したCG映像を生成可能であり, さらに, マウス等を用いた対話操作による視点変更などによる現象の多角的理解が期待される.また, 適用例として, 1994年7月の彗星の木星への衝突現象を取上げ, この彗星の挙動を可視化するCG映像を制作し, 本システムの有効性を検証した.
著者
村田 臣徳 片岡 正教 安田 孝志 島 雅人 上田 絵美 片岡 愛美 赤井 友美 奥田 邦晴
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.BdPF2021, 2011

【目的】<BR> 脳性麻痺サッカー(以下、CPサッカー)は、比較的軽度な脳性麻痺者を対象として誕生したスポーツであり、パラリンピックの正式種目にもなっている。2009年10月から日本脳性麻痺7人制サッカー協会に所属するチームにおいてメディカルサポートとして活動を行なってきた。応急処置やコンディショニングに関わる中で、実際のプレー場面での身体の使い方や技術に関しても障害の影響があり、理学療法士として関わる必要性を感じた。本研究の目的は、CPサッカー選手の身体面の特徴とプレーの特徴との関係を選手ごとに考察するとともに、障害像や身体特性を理解する理学療法士がCPサッカー選手の技術力向上に関わる意義を明らかにすることである。<BR>【方法】<BR> CPサッカーチームの一員として、月1~2回の練習参加と地域大会や全日本選手権大会などの試合に帯同して、現段階で行われている練習メニューやウォーミングアップ、クーリングダウンの方法やそれらの内容について調査した。また各々の選手の試合時のプレーと身体面の特性との関係についてチームの代表者や選手個人と意見交換を行なった。選手のプレー上の特徴については試合を撮影したビデオを見ながらキックやドリブル動作を分析、評価した。身体面の特徴は脳性麻痺のタイプ分類や筋緊張、可動域検査で評価し、プレー上の自覚的な問題点の聞き取りも行なった。対象選手はチーム所属の8名でありCP-ISRAのクラス分けによる「両下肢に麻痺があるが走行可能」なC5選手2名(混合型と痙直型)、「四肢に不随的な動きがあるが走行可能」なC6選手2名(アテトーゼと混合型)、「走行可能な片麻痺」であるC7選手2名(左麻痺と右麻痺)、「極めて軽度な麻痺」であるC8選手2名(後天性左麻痺と後天性混合型)である。<BR>【説明と同意】<BR> 本調査内容の研究目的による使用は対象チーム代表者の承認と、選手本人や家族の同意を得た。<BR>【結果】<BR> 練習や試合前後のウォーミングアップ、クーリングダウンでは、障害のタイプやクラスが異なる選手がメンバー全員で同じメニューを行なっていた。また試合でのキックにおいて、C5、C6選手ではパスの成功は少なく、キック動作時の軸足の踏み込みは弱く体幹も前傾位で浮いた弾道のボールを蹴ることは困難であった。C7、C8選手は非麻痺側でのキックでは弾道の調整は可能であり飛距離も長い。しかし、麻痺側でのキックはなかった。ドリブルについて、C5選手ではボールを蹴って走ってしまうことで体から離れてしまう傾向があった。アテトーゼタイプのC6選手は体幹前傾位での直線的な速いドリブルが特徴的であるが、方向変換が困難なだけでなく常にトップスピードになり緩急の変化が非常に困難であった。片麻痺選手のドリブルは非麻痺側でのボールタッチで非麻痺側方向へ進むことが多く、麻痺側へ進むときはスピードを上げにくい特徴があった。試合を通してアテトーゼタイプの選手は終盤での体力消耗があり、ペース調整が困難であった。片麻痺選手は麻痺側の支持力低下から運動量が低下していた。<BR>【考察】<BR> CPサッカー選手の障害のタイプやクラスは多岐に渡っており、障害のタイプに合わせた下肢のストレッチや、リラクゼーションを含んだウォーミングアップ、クーリングダウン等のコンディショニングが必要である。また、試合でのキック、ドリブルの必要性や特徴は各タイプ、クラスにより異なる。障害によりキック動作は軸足の不安定さや体幹コントロール不良による姿勢安定の困難さがあり、ドリブル動作では姿勢を安定させにくいことや重心のスムーズな移動が困難であると考えられる。障害の特性を知る理学療法士の介入で軸足の安定性向上や体幹のバランス能力向上によりプレー技術の向上が図れると考えられる。また速度調整の困難さやドリブル方向などの身体特性からくる個々のプレー特徴を理解できることで、ドリブルを行なうゾーンや場面の指導、体の向きや最初の進行方向のアドバイスを行いプレーの幅が広げられると考えられる。今回は、実際のプレー場面での視覚的調査、考察であるため、今後は三次元解析などを用いたキック動作やドリブル動作の姿勢や重心位置など各タイプの選手による詳細な特徴の分析や、介入し経時的変化を追う必要があると考える。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 走行可能な脳性麻痺者のスポーツへの介入や技術面に関する研究はまだまだ少ない状況である。理学療法研究として今後、職域の拡大も含め障がい者スポーツにおける技術面に関しての介入の可能性を唱える意義のある内容と考える。
著者
延本 尚也 岡野 生也 篠山 潤一 山本 直樹 安田 孝司 代田 琴子 安尾 仁志 相見 真吾 橋本 奈実 太田 徹 深津 陽子 鳥井 千瑛 田村 晃司 山口 達也 陳 隆明
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11247, (Released:2017-05-01)
参考文献数
27

【目的】本研究の目的は在宅脊髄損傷者の退院後の褥瘡発生の有無を調査し,在宅脊髄損傷者の褥瘡発生危険因子を明らかにすることである。【方法】1996 年1 月~2005 年12 月までの10 年間に,当院を退院した脊髄損傷者310 名を対象に,郵送法による自記式アンケートを実施した。アンケート回答結果とカルテ診療録の情報を基に,後方視的に検討した。【結果】アンケート回収率は51.0%であり,約半数の対象者は退院後に褥瘡を経験していた。損傷の程度,入院中の褥瘡既往の有無,調査時の介助量,介助量の変化,外出頻度,自家用車の運転の有無が有意な因子として認められた。【結論】在宅脊髄損傷者において,完全損傷であること,入院中の褥瘡の既往があること,介助量が多いこと,活動性が低いことが褥瘡発生危険因子となることが明らかとなった。一方で,同居人の存在や在宅サービス利用の有無については褥瘡予防に有効に作用していない可能性が示唆された。
著者
鉾館 陸 浦田 真由 遠藤 守 安田 孝美 毛利 勝廣
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.959-960, 2017-03-16

博物館ではさまざまなデータの一般公開を行っているが、実際に効果的な活用がされている例は少ない。天文分野の教育においては実際の星空を見ることが重視されており、これを目的としたデータの活用が求められている。 そこで本研究では名古屋市科学館が運用する星空ライブカメラによって撮影された写真を利用し、ユーザーに星の見えやすさをリアルタイムに通知するシステムを開発した。このシステムでは星がみえやすいかどうかを機械学習によって得られた識別器で検知し、星が見えやすい状態の時に星空観測を勧める通知を行う。この通知はユーザーが外に出て星空を観測すること目的としており、その有効性を確認するために実証実験を行った。
著者
高木 幸子 安田 孝
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.40, 2016 (Released:2016-10-17)

本研究では、楕円の輪郭の傾きを知覚する際に、楕円の内部要素の傾きが及ぼす影響を実験によって検討した。先行研究から、楕円の内部要素が傾いていると楕円の外部輪郭そのものが傾いて知覚され(高木・安田, 2014; 安田・高木, 2015)、内部要素が顔の場合には特異的な効果があること(高木・安田, 2014)が示唆されている。本研究ではさらに、楕円内部の直線成分の存在が及ぼす影響を検討した。実験では、楕円の内部要素を3種類(顔・T字・寄せ鍋)用意し、これら3種類の刺激について内部要素のみを傾きが0°の状態から±15°まで3°ずつ傾けた全11種類の画像を作成し、ターゲット刺激として提示した。結果から、先行研究と同様に楕円の内部要素が傾いていると楕円の外部輪郭そのものが傾いて知覚され、傾き角度によっては内部要素に直線成分がある場合(顔・T字)の方がない場合(寄せ鍋)と比較して錯視量が大きくなる傾向があることが示された。
著者
藤谷 亮 治郎丸 卓三 池谷 雅江 宇於崎 孝 大西 均 川﨑 浩子 鈴木 美香 安田 孝志 分木 ひとみ
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.947-950, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
16

〔目的〕本研究は,脳卒中片麻痺患者の体幹伸展可動域と歩行能力との関連について明らかにすること.〔対象と方法〕維持期脳卒中片麻痺患者12名を対象とした.日整会の方式に乗っ取り体幹伸展の自動・他動可動域を計測し,歩行能力については10 mテストから歩行速度,歩行率,ストライド長を算出し,ピアソンの相関分析を用いて検討を行った.〔結果〕体幹伸展の自動可動域は,歩行速度とストライド長と強い相関関係を認めた.〔結語〕脳卒中片麻痺の体幹伸展可動域は,歩行能力との関連を示す指標であることが示唆された.このことから, 体幹伸展の自動可動域は, 脳卒中片麻痺の歩行と関連する機能の一つであると考える.
著者
村上 智一 深尾 宏矩 吉野 純 安田 孝志 飯塚 聡 下川 信也
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_396-I_400, 2011 (Released:2011-11-09)
参考文献数
8
被引用文献数
2 5

In this study, a climate in September of 2099 based on the SRES A1B scenario was assumed as the future climate affected by the global warming. 50 cases of potential typhoons striking Tokyo Bay under the assumed future climate were estimated by using potential vorticity bogussing scheme of a tropical cyclone. Then, distributions of the possible maximum storm surges and high waves generated by the 50 potential typhoons were predicted by using an atmosphere-ocean-wave coupled model. The results show that the potential storm tide in Tokyo Port reaches 3.4 m and the maximum storm tide of 4.1 m height in Tokyo Bay is caused in Katunan located at the most inner part of Tokyo Bay. The heights of these storm tides remarkably exceed the largest storm tide 2.3 m ever recorded in Tokyo Bay.
著者
安田 孝子 島田 三惠子 大見 サキエ 巽 あさみ 矢野 忠 笹岡 知子
出版者
浜松医科大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

つわり妊婦に対するツボ刺激のつわり症状の改善への有効性を明らかにすることを目的として,県内の病院の妊婦外来で同意の得られた妊娠16週までの妊婦48名(68名配布,回答率77.4%)を対象として,つわり症状尺度,東洋医学健康状態,属性等で構成される質問紙調査を実施した。このうち,同意の得られた妊婦12人を対象として,ツボの指圧を1回10分間連続3日間,実施した。その結果,48名の対象者の属性の年齢は30.5±4.4歳,身長158.2±5.3cm,体重51.4±7.8kgであった。1.つわり症状尺度:北河のEmesis Indexを一部改変し,悪心,嘔吐,食欲不振,唾液分泌,口渇の症状の各項目の0点〜3点を点数化し,合計点が15〜11点は重症,10〜6点は中等度,5〜4点は軽症と分類した。各項目は,悪心2.1±0.9点,嘔吐1.2±1.2点,食欲不振1.6±1.1点,唾液分泌1.2±0.9,口渇1.0±0.9であり,悪心が最も多く,1日に5〜10回感じている状態である。合計点は7.1±3.5点であり,治療を要するほどではないが,中程度の不快な症状を抱えながら日常生活を送っていると考えられた。2.東洋医学的身体の状態:明治鍼灸大学式東洋医学健康調査票による妊婦の身体状態は4つのタイプに分類された。(1)胃虚型(胃腸症状が強い),(2)肝熱型(イライラや胸脇が苦しいなどが強い),(3)痰湿型((1)に不眠多夢などが加わった),(4)は(1)〜(3)以外の型であった。48人中(1)は19人(39.6%),(2)は18人(37.5%),(3)は5人(10.4%),(4)は6人(12.5%)であった。従って,つわりのある妊婦に共通して用いるツボは内関,中?であり,タイプによって,足三里,胃兪,太衝,百会,膈兪,豊隆,太白などを組み合わせることが適切であると考えられた。3.ツボ刺激の効果:ツボ刺激は,腹式呼吸と印堂,内関,全息律つぼ群の3ヶ所のツボの指圧を1回10分間,連続3日間実施した。12人の妊婦のうち,11人の有効データを分析した。つわり症状尺度のスコアは,ツボ刺激の実施前5.0±4.6点,実施3日後3.3±2.8点となり,有意(paird t-test,p<0.01)に低下した。従って,ツボ刺激がつわりのある妊婦の症状改善に効果があることが示唆された。