著者
竹本 正明 浅賀 知也 金 崇豪 宮崎 真奈美 中野 貴明 広海 亮 稲村 宏紀 山本 晃永 伊藤 敏孝
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.516-520, 2017-06-30 (Released:2017-06-30)
参考文献数
7

背景:現在日本では高齢者が増加しており,高齢者の救急搬送数そして高齢者施設からの救急搬送数も年々増加している。目的:高齢者施設からの救急搬送例を検証し,その傾向と問題点を検討した。方法:2014年1月から2015年12月までの24カ月間に高齢者施設から当院救急外来に救急車で搬送された患者を対象として後ろ向きの研究を行った。結果:症例は715例。平均年齢は85.3歳であった。中等症以上の症例は67.0%であった。搬送元としては特別養護老人ホーム,介護老人保健施設,介護付き有料老人ホームが多かった。搬送理由としては心肺停止49件,内因性591件,外因性75件であった。内因性疾患の中等症以上の割合は69.5%であり,外因性では中等症以上が26.7%であった。考察:明らかに緊急度が低い症例も散見され,とくに外傷では念のための受診を目的とした救急要請も多いと考えられた。不要な救急要請を減らすためにも各高齢者施設ではかかりつけ医との連携を深め,患者の緊急性の要否を判断ができる状況をつくる必要があると考えた。
著者
飯田 悠佳子 宮崎 真 関口 浩文 上田 有吾 鳥居 俊 内田 直
出版者
日本発育発達学会
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.45, pp.45_1-45_10, 2010 (Released:2011-01-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

The aim of this study was to investigate the relationships between cognitive functions and daily physical activities in primary school children. Subjects were 153 pupils (Age 6-12 years old), and visual Go/Nogo task for cognitive functions and parents questionnaire for daily physical activities were used.As results, male children exhibited negative correlation between duration of exercise and information processing time, and positive correlation between duration of exercise and the number of false response. Female children exhibited positive correlation between time of indoor play and number of false response. All these correlations were statistically significant. Further in females, those who spent longer time in playing video games exhibited statistically shorter reaction time.These findings suggested that the cognitive functions evaluated from visual Go/Nogo task were related to daily physical activities, especially the exercise and the indoor play. Further these factors and relationships could be different between males and females in preadolescent children.
著者
村元 隆行 宮崎 真緒 手塚 咲
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.87, no.4, pp.389-392, 2016-11-25 (Released:2016-12-15)
参考文献数
16

パイナップル果汁の注入が日本短角種牛肉のテクスチャーおよび保水性に及ぼす影響について検討を行った.6頭の日本短角種去勢牛の半膜様筋から各4個の筋肉サンプル(2cm厚かつ60g)を切り出し,対照区,針刺区(注入なし),塩水区(生理食塩水注入),および果汁区(パイナップル果汁注入)の4つの試験区に分けた.すべての筋肉サンプルは真空包装し,4°Cで24時間の貯蔵を行った後,ドリップロス,クッキングロス,およびテクスチャーを分析した.最大荷重,ガム性荷重,および凝集性は,果汁区が他の試験区に比較して有意に低かった.付着性,破断変形,および破断歪率に試験区間での有意な差は認められなかった.ドリップロスおよびクッキングロスには試験区間での有意な差は認められなかった.これらの結果から,日本短角種牛肉へのパイナップル果汁の注入は保水性を低下させることなく軟化させられる可能性が示された.
著者
陸田 明智 小倉 由佳理 佐藤 愛子 寺井 里沙 鈴木 崇之 升谷 滋行 宮崎 真至 本淨 学 角野 奈津
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.276-282, 2014 (Released:2014-06-30)
参考文献数
25

目的 : レジンペーストの保管温度条件がその硬化物の機械的性質に及ぼす影響について, 曲げ特性および表面硬さを測定するとともに, レーザー顕微鏡を用いてコントラクションギャップの観察を行うことによって検討した.  材料と方法 : 供試したレジンペーストは, ユニバーサルタイプのEstelite Σ Quick, BeautifillⅡ, Filtek Supreme UltraおよびSolareの4製品, インジェクタブルタイプのMI Fillの合計5製品とした. レジンペーストの保管温度条件は, 5℃冷蔵庫保管 (冷蔵条件), 23℃室温保管 (室温条件) およびコンポジットレジン加温器を用いて45℃にした条件 (加温条件) の合計3条件とした. これらの保管温度条件で硬化させた試片について, 曲げ強さ, 曲げ弾性率およびヌープ硬さを測定するとともに, レーザー顕微鏡を用いてウシ抜去歯にレジンペーストを充塡した際のコントラクションギャップの観察を行った.  成績 : レジンペーストの保管温度条件が, 曲げ強さおよび曲げ弾性率に及ぼす影響は, いずれの製品においても, 冷蔵条件と比較して室温および加温条件で有意に高い値を示した. ヌープ硬さについては, いずれの製品においても, 冷蔵条件と比較して室温および加温条件で有意に高い値を示したが, その傾向は製品によって異なるものであった. コントラクションギャップの観察については, いずれの製品においても, 冷蔵条件においては窩洞隅角部にギャップの形成が顕著に観察されたが, 室温条件ではギャップ幅が減少し, さらに加温条件では, ほかの条件と比較してギャップ幅の減少が観察された.  結論 : レジンペーストの保管条件としての環境温度は, その機械的性質および窩壁適合性に影響を及ぼすことが示唆された.
著者
真木 利江 曽田 龍士 宮崎 真吾
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.77, no.676, pp.1499-1506, 2012-06-30 (Released:2012-07-27)
被引用文献数
1 1

This paper intends to shed light on the spatial composition of Claremont Garden, one of the most representative English landscape gardens in 18th century. We focused on the garden's creation by Charles Bridgeman with Sir John Vanbrugh and later development by William Kent, and reproduced the original plans based principally on 3 maps. The spatial composition was analyzed by axis, geometrical composition and landform. In conclusion, Bridgeman and Vanbrugh designed the garden based on some axes abstracted from the landform, but some geometrical relationships between them were hidden. Kent disposed of some axes and emphasized both ends of the ridge.
著者
竹内 義真 紙本 篤 古地 美佳 関 啓介 髙見澤 俊 宮崎 真至
出版者
日本歯科医学教育学会
雑誌
日本歯科医学教育学会雑誌 (ISSN:09145133)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.42-49, 2020 (Released:2020-04-20)
参考文献数
7

抄録 日本大学歯学部付属歯科病院 (以下, 当院) は, 島しょ地区の各診療所 (以下, 離島歯科研修施設とする) を研修協力施設に設定し, 離島歯科研修を地域歯科医療分野の歯科医師臨床研修プログラムに導入している. 各離島歯科研修施設では, 当院の指導歯科医および研修歯科医が2人1組を編成して, 島民のニーズに応じた地域歯科保健や歯科医療を目的に1週間の研修を実施している. 研修歯科医の研修では, 離島歯科研修終了後にポートフォリオ作成の一環として研修体験シート, 総括的自己評価シート, 研修歯科医診療・介補記録, 離島歯科診療における自己評価チェックリストを作成する. また, 指導歯科医も研修歯科医に対する評価チェックシートを作成する. 離島歯科研修が歯科医師臨床研修に有益であることは, 2007年に日本歯科医学教育学会雑誌で報告している. 今回は, 2009年から2018年の研修歯科医138名の既存データをもとに, 離島歯科診療における診療内容, 研修歯科医の自己評価と指導歯科医の評価の比較および研修体験シートと総括的自己評価シートの自由記載を, テキストマイニングツールにてテキストマイニングを行い分析した. その結果, 離島歯科研修は研修歯科医が地域社会における歯科の役割を理解し, 医療人としての人格を育てる機会となり, 生涯研修の第一歩となることが示唆された.
著者
大崎 雄介 樺山 繁 山本 多恵 宮崎 真理子 中山 昌明
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.429-438, 2020 (Released:2020-08-28)
参考文献数
32

【背景・目的】2018年の厚生労働省・腎疾患対策の主目標に透析患者を含む慢性腎臓病患者のquality of life (QOL) 向上が掲げられたが, 具体的なQOL内容やその評価法は示されていない. そこで, 本邦の研究実態を確認するために, 透析患者QOLに係る研究内容について文献的調査を行った. 【方法】医中誌にて血液透析, QOL, 生活の質のキーワードで過去10年間の検索を行った. 該当489件のうちQOL研究77論文の内容を確認した. 【結果】QOL研究対象は包括的 (53件) と症状特異的 (疲労感, 掻痒感, 睡眠障害, 消化器症状, 心理等) なものが含まれ, 評価尺度は前者で8種類, 後者で42種類の尺度が単独あるいは複合で使用されていた. 【結論】本邦の透析患者QOL研究対象は広く, また研究目的に沿ってさまざまな評価尺度が使用されていた. 今後, 研究間の結果比較のために使用尺度の標準化が必要と考えられる.
著者
大津留 晶 宮崎 真
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.132-137, 2013-04

福島第一原発事故による健康リスク環境汚染核種,I-131, Cs-134, Cs-137において,初期のI-131の吸入による甲状腺内部被ばくと,慢性的経口摂取のCs-134, Cs-137による内部被ばくいずれも,低いレベルで抑えられている.事故前と比べると土壌の汚染により空間線量率の高い地域はあり,これらによる推計あるいは実測された外部被ばくと内部被ばくの実効線量は合わせて1mSvを越えることはあるが,大多数でよく低減されている.チェルノブイリ原発事故と比較し,個人の被ばく線量が低く抑えられたのは,災害当初よりの食品・水の検査,出荷制限,その後の土壌改良,除染などの継続した取り組みの総合的な成果であろう.原子力災害を乗りこえて,住民のいっそうの健康の増進をめざして,地域においてより多角的で双方向性の新たな取り組みが開始されている.
著者
辻本 暁正 鈴木 崇之 佐藤 愛子 寺井 里沙 高橋 史典 川本 諒 坪田 圭司 高見澤 俊樹 宮崎 真至
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.162-169, 2014 (Released:2014-05-07)
参考文献数
26

目的 : 光重合型コンポジットレジン (光重合型レジン) 修復の臨床応用範囲の拡大に伴って, 大型窩洞に対して一括で充塡できるバルクフィルコンポジットレジンが開発され, 臨床応用されている. しかし, このカテゴリーに属するコンポジットレジンの市販から間もないこともあり, これらの機械的諸性質に関する情報は少ないのが現状である. そこで, バルクフィルコンポジットレジンの機械的諸性質について, 市販されているコンポジットレジンと比較, 検討した. 材料と方法 : 供試した光重合型レジンは, バルクフィルレジンとしてTetric N-Ceram Bulk Fill (Ivoclar Vivadent) およびSDR (Dentsply DeTrey), ユニバーサルコンポジットレジンとしてTetric N-Ceram (Ivoclar Vivadent) およびEsthet・X HD (Dentsply DeTrey), フロアブルコンポジットレジンとしてTetric N-Flow (Ivoclar Vivadent) の合計5製品を用いた. これらの光重合型レジンについて, 硬化深さ, 無機フィラー含有量, 曲げ強さおよび曲げ弾性率および体積重合収縮率を, 通法に従って測定した. また, 供試した光重合型レジンのフィラー性状について, フィールドエミッション型SEMを用いて加速電圧10kVの条件で観察した. 成績 : バルクフィルレジンの硬化深さは, 3.42~4.27mmであり, その値は製品により異なるものの, 市販の光重合型レジンと比較して有意に高い値を示した. 供試した光重合型レジンの無機質フィラー含有量は60.3~77.5wt%であり, ペーストタイプの光重合型レジンがフロアブルタイプのものと比較して有意に高い値を示した. バルクフィルレジンの曲げ強さは123.3~127.5MPaおよび曲げ弾性率は7.0~8.0GPaであり, その値は製品により異なるものであった. バルクフィルコンポジットレジンの照射開始180秒後の体積重合収縮率は, 2.12~2.23vol%であり, ユニバーサルコンポジットレジンより大きく, フロアブルコンポジットレジンより小さい値を示した. 結論 : 本実験の結果から, バルクフィルコンポジットレジンは, 市販の光重合型レジンと比較して, その硬化深さの値が大きくなっているとともに機械的強度も同等あるいはそれ以上であった. したがって, これらのバルクフィルコンポジットレジンは, 今後の光重合型レジン開発の一つの方向性になるものと考えられた.
著者
宮崎 真
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.63-72, 2015-12-31 (Released:2016-02-04)
参考文献数
44
被引用文献数
1

ワクチンのファーマコビジランスは,他の医薬品とは異なる留意点がある.本稿では,ワクチンのファーマコビジランスにおいて自発報告データベース・医療情報データベース(レセプトデータベース,診療情報データベース)が果たす役割について,その現状・可能性を考察する.自発報告データベースにおいては,社内データベース・医薬品副作用データベース(JADER)等既にワクチンのファーマコビジランス活動に利活用可能なデータベースが構築されており,予防接種の効果不良やワクチンの質に由来する問題の検出・統計的シグナル検出に対し一定の活用が可能である.今後,自発報告データベースへの症例の更なる集積によるシグナル検出力の増加,更に予防接種時事故報告制度とのデータ共有,副反応検討部会情報のデータベース化,予防接種副反応分析事業の開始等により自発報告のデータを用いたファーマコビジランス活動がより強固なものになることを期待する.医療情報データベースにおいては,ワクチン接種情報が捕捉できないというクリティカルな限界が現状あるものの,注目すべき特定事象の背景発生率や感染症の発生動向の把握等,現段階において既に利用可能な点も認められる.また医療情報データベースにおける検討が,感染症発生動向調査や定期予防接種の接種率の把握等現行の各制度の代替手段となる可能性がある.電子的に管理された予防接種履歴と他の医療情報とのデータリンケージを介して構築されるデータベース,一次データを収集する必要性等各制度の見直し,電子カルテ上のワクチンコードの標準化,母子健康手帳情報のデータベース化等,医療情報データを中心にワクチンのファーマコビジランスの更なる変革が訪れることを期待する.
著者
黒田 剛士 吉岡 大貴 宮崎 真
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.88.16403, (Released:2017-09-30)
参考文献数
65

The tau and kappa effects are perceptual illusions involved with spatiotemporal interactions. In the tau (kappa) effect, the spatial distance (duration) between two stimuli is perceived as longer when the duration (spatial distance) between these stimuli is made physically longer. The occurrence of these effects is explained by two hypotheses, both assuming the perception of motion between locations in which the stimuli are presented. Additionally, the first hypothesis posits that the motion speed is kept constant, whereas the second hypothesis is based on a Bayesian model with prior knowledge that the speed is slow. Perceived spatial distance and duration are estimated from the predicted motion velocity, resulting in the tau and kappa effects. This article aims to discuss the validity of each hypothesis, as well as future avenues, through a review of recent studies related to the tau and kappa effects.
著者
長手 尊俊 杉田 和彦 宮地 純子 宮崎 真奈美 竹市 千恵 小野 武夫 大竹 盾夫 大村 貞文
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Supplement3, pp.170-191, 1988-07-30 (Released:2011-08-04)
参考文献数
11

新規マクロライド系抗生物質TE-031の体液内濃度測定法について検討した。検定菌としてMicrococcus lutescs ATCC 9341, 検定培地としてHeart infusion agar (栄研; pH8.0) を用いたペーパーディスク法が最適であった。血中濃度測定には, その標準液としてヒトプール血清 (Consera) を, 尿中濃度測定には, メタノール・リン酸塩緩衝液 (メタノール: 0.02Mリン酸塩緩衝液, pH7.4=4:1) と一部には1/15Mリン酸塩緩衝液を, 組織内濃度測定にはメタノール・リン酸塩緩衝液を用いTE-031の定量が可能であった。各サンプルの調製は各々のサンプルに応じた希釈液を用いて行った。また, TE-031ヒト主要代謝物で最も強い抗菌力を有するM-5も上記と同様の方法にてその定量が可能であり, TE-031とほぼ同様の検量線が得られた。TE-031の測定範囲は0.025~100μg/ml (但し1/15Mリン酸塩緩衝液; 0.2~100μg/ml) であった。また, これらbioassay法は高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いるchemical assay法と良好な相関性を示した。
著者
福島 大輝 山田 朋人 宮崎 真
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_1759-I_1764, 2013 (Released:2014-03-31)
参考文献数
9

This paper discussed the land and sea breeze circulation (LSBC)between Ishikari and Yuhutsu areas in Hokkaido. The diurnal variation of LSBC during boreal summer(July and August) of 1985-2009 was mainly investigated by using various data. LSBC was observed between Ishikari and Sapporo up to 13km from coastal zones of the Japan Sea. Tomakomai to Atsuma area also showed LSBC around16km from coastal zones of the Pacific Ocean. For inland region that area from Chitose to Naganuma, southerly wind was observed all day long. The reason is related to a fact that this inland region has strong southerly wind associated with the meridional temperature gradient between Ishikari and Yuhutsu area. Thermal balance between SST and temperature of land could be important to control the horizontal scale of LSBC. In the La-Nina years, SST over the Japan Sea at the vicinity of Sapporo area was higher than the climatology, and LSBC was enhanced and expanded its spatial scale.
著者
島村 穣 高橋 史典 竹中 宏隆 吉田 ふみ 池田 昌彦 森 健太郎 黒川 弘康 安藤 進 宮崎 真至
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.333-339, 2012
参考文献数
26

目的:OCTイメージへの影響因子として,歯質の乾燥状態がOCTイメージおよび信号強度に及ぼす影響について検討した.材料と方法:実験には,光源に中心波長1,310nmのSuper Luminescent Diodeを用いたTime-Domain型OCT装置(モリタ東京製作所)を用いた.測定においては,ヒト抜去歯を精製水から取り出し,サンプルステージに静置直後の歯質表面が湿潤している条件,エアブローを10秒間行うことによって歯質表面の水分を除去した条件,エアブロー後1,5分あるいは10分間放置した条件の合計5条件を設定した.以上の条件で得られたOCTイメージおよび信号強度を比較検討した.成績:いずれのOCTイメージにおいても,内部断層構造の観察が可能であり,エナメル質および象牙質が色調の違いとして識別できた.湿潤条件においては歯質表面付近に2本の高輝度のラインが観察されたのに対して,ほかの条件のいずれにおいても高輝度のラインは1本のみ観察された.また,湿潤条件においてはエアブロー条件と比較して得られたOCTイメージが不明瞭であったのに対し,放置条件では放置時間の経過とともに歯質表面の信号強度が強くなる傾向を示した.結論:歯質の乾燥状態は,OCTによって得られる画像に影響を及ぼすことが明らかとなった.臨床的には,観察部表面に対してエアブローを10秒間行うことによって可及的に水分を除去することで,より鮮明なOCTイメージが得られることが示唆された.