著者
小嶌 慶太 青木 真彦 石井 智 田村 光 小島 正夫
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.625-629, 2013-03-31 (Released:2013-06-07)
参考文献数
18

巨大な直腸異物の2例を経験したので報告する。症例1は65歳,男性。肛門痛,腹痛を主訴に近医を受診し腹部単純X線写真上,約30cmの針金を腹部に認め当院に紹介された。腹膜刺激徴候は認めず,CTでは腹腔内遊離ガス像およびS状結腸内に靴べらとS状結腸壁を貫通する針金を認めた。同日緊急手術を施行したところ,針金はS状結腸壁を貫通しS状結腸間膜内に迷入していた。靴べらはS状結腸内に認めた。靴べらと針金は経肛門的に摘出した。穿孔部位を含め腸管切除を施行した。術後13日目に退院となった。症例2は58歳,男性。主訴は直腸異物の摘出困難。CTで直腸からS状結腸に棒状異物を認めた。穿孔所見もなく,腰椎麻酔下に異物を鉗子で摘出した。術後1日目に退院した。直腸異物では腹部症状も軽度にあらわれる可能性があり,治療方針決定においては詳細な病歴聴取,理学所見,そして画像診断も重要であることが認識された。
著者
林 良雄 今野 翔 ⼩林 清孝 神⾕ 亘 千⽥ 俊哉 千⽥ 美紀 ⼩島 正樹 ⽩坂 善之
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、パンデミックを引き起こし、世界中に感染が拡大している。この克服には、原因ウイルスであるSARS-CoV-2を標的とする治療薬の開発が不可欠である。ウイルスプロテアーゼ阻害剤は、エイズやC型肝炎の特効薬となっているが、SARS-CoV-2も感染細胞でのウイルス複製に不可欠な3CLプロテアーゼ(3CL-ProまたはM-Pro)を有している。したがって、当該酵素を標的とする選択的阻害剤は、明確な作用機序に基づいたCOVID-19治療薬の候補になると思われる。 我々は、 2002年のSARSの発生を機にSARS-CoVが有する3CL-Proの阻害剤開発を進めてきた。1-6 その結果、 アリールケトン型阻害剤4-Methoxyindole-2-carbonyl-Leu-Ala((S)-2-oxopyrrolidin-3-yl)-2-benzothiazole(YH-53、 Ki = 6 nM against SARS-CoV 3CL-Pro)の創製に至った。本阻害剤は、当該システインプロテアーゼの活性中心にあるSH基に対して、アリールケトン部が可逆的な化学反応を起こし、強力な競合型阻害を示す。 SARS-CoVとSARS-CoV-2における3CL-Proのアミノ酸配列相同性が非常に高いことから、我々はSARS-CoV-2に対するYH-53の効果を現在検討している。最新のデータではYH-53はSARS-CoV-2の3CL-Proに対し、強力な酵素阻害活性を示す。更に細胞ベースの抗ウイルス評価においてSARS-CoV-2の感染を良好に抑制することを確認した。シンポジウムではYH-53の開発経緯と共に評価結果を報告したい。References: 1) Sydnes, O. M., Kiso, Y., et al., Tetrahedron, 2006, 62, 8601-8609. 2) Regnier, T., Kiso, Y., et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2009, 19, 2722-2727. 3) Konno, S., Hayashi, Y., et al., Bioorg. Med. Chem., 2013, 21, 412-424. 4) Thanigaimalai, P., Hayashi, Y., et al., Eur. J. Med. Chem., 2013, 65, 436-447. 5) Thanigaimalai, P., Hayashi, Y., et al., Eur. J. Med. Chem., 2013, 68, 372-384. 6) Thanigaimalai, P., et al., J. Med. Chem., 2016, 59, 6595-6628 (総説).
著者
小島 正美 川添 良幸 木村 正行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.263-264, 1996-09-04

インド仏教は、1200年近くに亘ってチベット文化の主流を形成し、チベット人固有の文化に大きな影響を及ぼしてきた.この間に蓄積されたチベット文献資料は、膨大な量の遣産として今日我々に残されている.これらの文献の一部は既に活字化されて再出版されており、その自動認識もインド原典、チベット訳文献、漢訳文献などの研究者の注目を集めている.活字版チベット文字認識において、誤認識の多くは類似文字間で起きている.この問題を解決するために、我々は文字認識の大分類にヒストグラムによる文字構造情報を適用し、次に本稿で提案する「差分重み付きユークリッド距離法」を用いて文字認識実験を行なった.本手法は、コンピュータにより類似文字を自動判別し、さらに類似文字同士がお互いに文字間の特徴を捉えて判別する.これらの認識システムを現在オブジェクト指向設計法でデザインしており、原理的にチベット類似文字以外の他の類似文字の認識にも適応可能である.本認識手法は、特に「含む含まれるパターン」による類似文字に対して有効であることを確認したので報告する.
著者
柴田 昇 神田 和重 久田 俊記 磯部 克明 佐藤 学 清水 有威 清水 孝洋 杉本 貴宏 小林 智浩 犬塚 和子 金川 直晃 梶谷 泰之 小川 武志 中井 潤 岩佐 清明 小島 正嗣 鈴木 俊宏 鈴木 裕也 境 新太郎 藤村 朋史 宇都宮 裕子 橋本 寿文 御明 誠 小林 直樹 稲垣 泉貴 松本 勇輝 井上 諭 鈴木 良尚 何 東 本多 泰彦 武者 淳二 中川 道雄 本間 充祥 安彦 尚文 小柳 勝 吉原 正浩 井納 和美 野口 充宏 亀井 輝彦 加藤 洋介 財津 真吾 那須 弘明 有木 卓弥 Chibvongodze Hardwell 渡邉 光恭 丁 虹 大熊 直樹 山下 竜二 Liang Guirong Hemink Gertjan Moogat Farookh Trinh Cuong 東谷 政昭 Pham Tuan 金澤 一久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.15, pp.1-5, 2012-04-16

世界最小の19nmのデザインルールを用いて64Gb多値(2bit/cell)NANDフラッシュメモリを開発した。片側All-bit-Line S/A構成、1plane構成によりチップサイズは112.8mm^2。ビット線バイアスアクセラレーション及び"BC"State-First書込みアルゴリズムにより、書き込みパフォーマンスは15MB/sを実現。プログラムサスペンド機能とイレーズサスペンド機能により、リードレイテンシー時間は大幅に短縮。400Mb/s/pin 1.8Vの高速Toggle mode InterfaceをNANDフラッシュメモリとしては初めて搭載した。
著者
小島 正美
出版者
金沢医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

後方から眼鏡、サングラスレンズ裏面で反射して眼内に侵入する紫外線は多くないが、後方から侵入する紫外線を眼鏡やサングラスのフレームで防御することは不可能であった。レンズ裏面に紫外線反射防止コートを行うことにより、これらのレンズ裏面から反射する紫外線の80%を低減できることが明らかとなった。
著者
野老 美紀子 大野 浩史 青栁 奈央 立木 都 園原 めぐみ 小島 正愛 浅野 恵美子 福永 憲隆 浅田 義正
出版者
公益社団法人 日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第109回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.P-46, 2016 (Released:2016-09-16)

【目的】抗セントロメア抗体(ACA)は抗核抗体(ANA)の1つであり,細胞核のセントロメアに対する自己抗体である。近年,不妊患者の一部にACAを高値で持つ患者が存在し,その胚では高頻度に多前核が形成されることが報告されている。しかしながら,ACA陽性者において多前核形成率が高くなる原因は明らかになっていない。そこで本検討では,ACA陽性者から得られた多前核胚および未成熟卵子を蛍光免疫染色によって解析し多前核形成の原因を検討した。【材料および方法】当院において抗核抗体検査を行った1290症例を対象とし,ACAが陽性(ACA(+)群),ACAを除くANAが陽性(ANA(+)群),ANAが陰性(ANA(–)群)の3群に分け,各実験群における多前核形成率を比較した。さらにACA(+)群の多前核胚およびMI期卵子は,雌性染色体を認識するH3K9me3抗体を用いて蛍光免疫染色を行った。【結果】抗核抗体検査の結果,当院におけるACA(+)群は全体の0.9%(12/1290)存在していた。採卵周期あたりの多前核形成率は,ACA(+)群51.3%,ANA(+)群3.3%,ANA(–)群4.2%であり,ACA(+)群で有意に高い結果が得られた。ACA(+)群の多前核胚を蛍光免疫染色した結果,ICSI由来のすべての胚(52/52)およびC-IVF由来の85.7%(12/14)において,雄性前核が1個と雌性前核が2個以上存在していた。さらに,MI期卵子62個を染色した結果,75.8%(47/62)の卵子で雌性由来の染色体が卵子細胞質に散在している状態が観察された。【考察】通常,IVF由来の多前核胚は多精子受精が原因と考えられるが,ACA(+)群では雌性前核が複数存在していたことから,この多前核形成は卵子側に原因があることが示唆された。さらにACA(+)群ではMI期卵子で染色体の散在がみられたことから,この異常が媒精後の高頻度な多前核形成に関与していると考えられる。
著者
Ohta Asuka Yamamoto Yuuki Kamihata Hidenobu Lee Young Hoon Ichikawa Fusao Ohta Kazuchika Abe Yuriko Hoshino Naomi Kojima Masaaki Hayami Shinya オオタ アスカ ヤマモト ユウキ カミハタ ヒデノブ イチカワ フサオ オオタ カズチカ アベ ユリコ ホシノ ナオミ コジマ マサアキ ハヤミ シンヤ 太田 明日香 山本 裕貴 上畠 秀允 市川 聡夫 太田 和親 阿部 百合子 星野 直美 小島 正明 速水 真也
出版者
Elsevier
雑誌
Inorganic Chemistry Communications (ISSN:13877003)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.89-91, 2012-02
被引用文献数
12

The chiral and racemic oxovanadium(IV)salmmencomplexes, [VO(X)-(C16-salmmen)] (X =R(1),S(2), and rac(3); C16-salmmen = N,N'-monomethylenebis(5-hexadecyloxysalicylideneimine))containing 5-substituted alkoxy chains on aromaticrings were synthesized, and their mesomorphicbehaviorsand ferroelectric properties were alsoinvestigated. All complexes exhibited bothsmectic Aand chiral smectic C mesophasesabove 360 K, andtheyshowed ferroelectric properties in the chiral smectic Cmesophase.
著者
小島 正明
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.5, pp.294-299, 2010 (Released:2012-02-24)
参考文献数
24
被引用文献数
1

味噌は塩分が多いという固定概念から,味噌と高血圧に関する十分なデータがないのにも拘わらず味噌の消費が減少している。そこで,著者らは味噌の消費拡大を目的として,食塩を添加しなくても腐敗することのない大豆発酵物(無塩味噌粉末)の安定した製造方法を確立している。今回はこの無塩味噌粉末のデザート,チーズ製品,総菜への応用と,生理学的機能性としてアレルギーやアトピー症状の軽減や抗肥満効果が期待できることを解説いただいた。
著者
堤 直行 長田 秀夫 荒井 伸彦 小島 正三 氏家 新生
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.385-391, 1993
被引用文献数
1

ラット胎仔大腿骨を用いてタンパク質分解酵素阻害剤あるいはタンパク質合成阻害剤の骨吸収におよぼす作用を検討した.システインプロテアーゼ,アスパルティックプロテアーゼ,金属プロテアーゼの代表的な阻害剤であるE-64(10<SUP>-6</SUP>~10<SUP>-4</SUP>M),ペプスタチンA(10<SUP>-7</SUP>~10<SUP>-5</SUP>M),ホスホラミドン(10<SUP>-6</SUP>~10<SUP>-4</SUP>M),アマスタチン(10<SUP>-6</SUP>~10<SUP>-4</SUP>M),ベスタチン(10<SUP>-6</SUP>~10<SUP>-4</SUP>M),foroxymithine(10<SUP>-6</SUP>~10<SUP>-4</SUP>M)は明らかな骨吸収におよぼす作用を示さなかった.しかし,セリンプロテアーゼの阻害剤であるフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF),1-クロロ-3-トシルアミノ-7-アミノ-2-ヘプタン(TLCK),L-1-トシルアミノ-2-フェニルエチルクロロメチルケトン(TPCK),エラスタチナールは10<SUP>-5</SUP>~10<SUP>-4</SUP>Mで骨吸収を抑制した.TPCK(10<SUP>-4</SUP>M)を添加してラット胎仔大腿骨の軟骨組織を培養し,そこからTPCKを除去した培養上清は骨吸収促進作用を示した.タンパク質合成阻害剤のシクロヘキシミド(0.1~10μg/ml),ピュロマイシン(0.3~30μg/ml)は軟骨組織による骨吸収の促進現象を濃度依存的に抑制した.シクロヘキシミド(3μg/ml)による骨吸収の抑制作用は薬物が存在しないと次第に消失した.また,シクロヘキシミド(3μg/ml)を添加して軟骨組織を培養し,そこからシクロヘキシミドを除去した培養上清は骨吸収の促進作用を示さなかった.これらの結果から,ラット胎仔大腿骨の軟骨組織はタンパク質を一成分とする骨吸収促進物質を産生しているが,この物質は,(1)骨吸収促進作用を有するセリンプロテアーゼの一種である,あるいは,(2)始めは生理的に不活性な物質として産生され,更にある種のセリンプロテアーゼによって骨吸収促進作用を有する物質に変換されてその生理作用を示している可能性が示唆された.
著者
佐藤 伸一 井本 精一 小島 正明 神 勝紀 唐澤 豊
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.227-233, 1994-06-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
19

10および20%寒天飼料と20%セルロース飼料をラットに3カ月間自由摂取させ, 食品としての寒天の栄養生理効果を検討し, 以下の結果を得た。1) 10および20%寒天群で飼料摂取量の増加がみられたが (10%p<0.05, 20%p<0.01), 飼料効率およびエネルギー消化率には低下がみられ (10%p<0.05, 20%p<0.01), 20%寒天群では体重増加に抑制傾向が認められた。また, 20%寒天群では摂水量の増加が認められた (p<0.01)。2) 10および20%寒天群で盲腸を除く全腸管の湿重量に増加傾向が認められた。3) 10および20%寒天群で排糞重量に増加がみられ (p<0.01), とくに20%寒天群では顕著であった。また, 10および20%寒天群では盲腸内のアンモニア濃度に減少が認められた (10%p<0.05, 20%p<0.01)。4) 20%寒天群で血漿中のグルコースおよび尿素窒素に減少がみられ (p<0.05), 中性脂肪にも減少傾向が認められた。5) 動物の外観, 行動および呼吸などの一般状態, 血液学的検査, 盲腸内容物のpH, 揮発性脂肪酸濃度および腸内細菌叢, 腸管の長さ, 解剖ならびに肝臓, 腎臓, 食道, 胃, 十二指腸, 空腸, 回腸, 盲腸, 結腸および直腸の病理組織学的検査には寒天の影響は認められなかった。6) 20%セルロース群では, 以上の点について20%寒天群とほぼ同様の変化がみられたが, 摂水量, アンモニア濃度, 尿素窒素には変化は認められず, 排糞重量の増加も20%寒天群ほど顕著ではなかった。
著者
石井 歓 竹沢 裕之 小島 正 児玉 広幸 浜本 誠 形浦 昭克
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.Supplement84, pp.30-35, 1995-10-15 (Released:2012-11-27)
参考文献数
11
被引用文献数
1

Thirty-two handicapped children with hearing impairment were fitted with hearing aids. Hearing aids were effective in 28 of these caces, but were effective for all children less than 1 year old. Hearing aids could not be fitted in 4 caces.The results of this study showed the importance of early diagnosis of hearing impairment and early fitting of hearing aids in handicapped children.
著者
小島 正美
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.5, pp.555-559, 2012

A lot of healthcare professionals experienced annoyance with biased mass media news regarding medical and health issues. In this paper, I propose "news profiling method" and "media guideline" to improve the medical and health journalism.<br>