著者
道信 龍平 小川 健 原 友紀 吉井 雄一 十時 靖和 柘植 弘光 山崎 正志
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.102-104, 2021 (Released:2021-11-26)
参考文献数
9

目的:大学野球選手における投球側上腕骨内側上顆下端の異常所見と学齢期練習量との関係を調査すること.対象と方法:大学硬式野球部に所属する選手59名を対象とし,全選手に超音波検査を行い,投球側上腕骨内側上顆下端に不整または裂離を認めるものを異常所見あり(A群),認めないものを異常所見なし(N群)とした.アンケート調査より小学生,中学生,高校生での週平均練習時間と週平均投球数,競技開始年齢および初発肘痛時期を取得し,両群を比較検討した.結果:A群40名,N群19名だった.中学生での週平均練習時間がA群で有意に長かった.A群の中にも肘痛歴のない選手が15名(37.5%)いた.考察:大学野球選手における内側上顆下端の異常所見は主に骨端線閉鎖前の骨端症を反映していると考えられ,中学生での練習量の急激な増加が影響した可能性が示唆された.また,無症候性に異常所見をきたす選手が少なくないと推測された.
著者
今井 史 小川 健二
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<p>物の動きを描く動的視覚イメージには,身体運動の結果を心的に予測するための運動シミュレーションが関わるといわれている。しかし,たとえば機械を操作するとボールが飛ぶという身体的要素の少ない内容や,ボールが空の彼方まで飛ぶという身体運動では実現できない内容のイメージにも運動シミュレーションが関わるかは,定かではない。そこで本研究では,運動シミュレーションの妨害課題の有無を参加者間要因,イメージ内容の身体的要素の多寡,身体運動による実現可能性の二つを参加者内要因として参加者に飛翔するボールをイメージさせ,その鮮明性を調べた。実験の結果,運動シミュレーションの妨害との交互作用は身体的要素の多寡についてのみ検出され,妨害のない群では身体的要素の多い内容のイメージがより鮮明化したが,妨害のある群ではその効果はなかった。これは動的視覚イメージの身体的要素に運動シミュレーションが関わっていることを示唆する。</p>
著者
小川 健
出版者
専修大学社会科学研究所
雑誌
専修大学社会科学研究所月報 = The Monthly Bulletin of Social Science (ISSN:0286312X)
巻号頁・発行日
vol.646, pp.1-14, 2017-04-20

本稿では関数電卓なしでの実効為替レートの近似計算公式を裏付けるために、加重相乗平均を加重相加平均で近似計算許容可能かどうかを検証する。本手法が成立すればGDP の平均成長率など経済学の多くで必要となる(加重の)相乗平均に対し通常の電卓で計算可能な(加重の)相加平均で近似計算が可能になり、殆ど関数電卓を持っていない中堅私大以下の低学年においても経済学の通常の小テスト及び定期試験での座学による計算問題の可能性が広がる。近似では自然対数のテイラー展開を利用した線形近似、つまり x≒1 のとき ln(x)≒x-1 の適用範囲に落とし込んで計算を行う。なおこの近似は本来、1次同次のコブ=ダグラス型関数に相当する加重相乗平均を、多変数関数と見なした時のテイラー展開を利用した線形近似で直ちに導出できるものである。検証の結果、この近似公式による誤差はかなり大きく見積もっても、1から最大で小数第n 位以内のずれに対しおよそ小数第2n 位までの誤差に収められることが分かった。これは高々数%以内のずれが多い数値例に対し、少なくとも教育上は加重相乗平均が加重相加平均で近似計算可能であることを意味する。
著者
浅井 玲央 辰村 正紀 小川 健 万本 健生 平野 篤 山崎 正志
出版者
一般社団法人 日本整形外科スポーツ医学会
雑誌
日本整形外科スポーツ医学会雑誌 (ISSN:13408577)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.55-60, 2021 (Released:2021-04-03)
参考文献数
19

腰椎分離症症例の男女における相違点を見出すことを目的とし,当院で腰椎分離症と診断された高校生以下の症例60例104ヵ所について解析した.性別の内訳は男性44例,女性16例で,罹患高位は男性でL5分離が多く(p=0.060),治療自己中断率は男性で高かった(p=0.095).保存療法が完遂できない男性症例を減らすための対策を検討する必要がある.平均受診年齢や骨年齢,SBO保有率,第5腰椎前弯角,初診時罹患部の末期例割合,骨癒合率,治療期間などは男女で相違がなかった.今後,調査項目を追加し前向き研究を行なうなどして,より詳細に男女の相違点やその原因を明らかにしていく必要がある.
著者
小川 健
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.331-335, 2019-08-10

いわゆる「アクティブラーニング」の推奨に伴い,将来の反転授業を想定した予習・事前学習用の動画・音声資料の重要性が高まりつつあり,多くの実践事例が報告されつつある.その一方で,せっかく動画・音声資料を準備しても,予習として音声・動画資料の視聴を強制されることに対する拒否感も学生には少なくなく,それによる受講拒否も出つつある.本報告では,動画・音声資料の導入に学生が拒否をした事例,及び動画・音声資料を用意したが故に講義に殆どの学生が来なくなった事例を報告する.
著者
小川 健
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.399-400, 2019-02-28

本報告はFIT2018報告の改訂版となる。2018年5月のMONA騒動に始まる各種Proof of Work(PoW)型ブロックチェーン・分散型台帳技術へのBlock Withholding Attack攻撃を受けて、PoW型は時代遅れとされ、各種他の認証方法へ移行しつつある。しかし、Nakamoto(2009)自身が提唱しているこのPoW型は分散型・非中央集権型の仕組みづくりの鍵であり、現在提唱されているProof of Stakeを始め各種代替認証方法の仕組みは、少なくとも事後的には中央集権的となる仕組みを基にした認証方法となっていて、非中央集権的な仕組みとは程遠い。そこで、本報告では仮想通貨の非中央集権化のために、PoW型のブロックチェーンの長寿命化に関する提言を行う。
著者
小川 健司 富塚 大輔 吉池 美紀 野澤 資亜利 中澤 龍斗 佐藤 陽子 森川 康英 岩本 晃明 大西 公平
出版者
一般社団法人 日本コンピュータ外科学会
雑誌
日本コンピュータ外科学会誌 (ISSN:13449486)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.33-41, 2018 (Released:2018-08-08)
参考文献数
14

Background and Aims : Non-obstructive azoospermia (NOA) is one of the most serious causes of male infertility. Microdissection testicular sperm extraction (MD-TESE) is a first-line therapy of NOA ; however, sperm retrieval rate from MD-TESE differs substantially between surgeons and is generally insufficient. To develop a new accessible method to identify seminiferous tubules with sperm in real time during MD-TESE, we have made a hypothesis that the hardness of seminiferous tubule wall is available as a quantitative index for the presence of sperm. In this study, as a first step, we determined the stiffness of the testis from an animal model of NOA using a measuring system that we designed.Methods : Male Syrian hamster with bilateral experimental cryptorchidism was used as a NOA model. Stiffness of the testis was evaluated with two different indices of stiffness value : Kj (the stiffness value in a small interval) and K (the mean of Kj values) by using an indentation instrument with a micro force sensor.Results : Hamster testis was confirmed to be valid as a dynamic model for physical measurements by checking the dependency of stiffness and viscosity on the reaction force generated in indentation procedure. Both stiffness values of the testis with cryptorchidism were significantly decreased compared with those of the control testis.Conclusion : The results suggest that our system is useful for quantitative evaluation of testis stiffness. Testis hardness has promise for a new index for spermatogenesis. As the next step, we need this approach to permit measurement for seminiferous tubules.
著者
小川 健比子
出版者
医学書院
雑誌
病院 (ISSN:03852377)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.63-68, 1971-10-01

管内状況 通称茨城県医療連というのは,いわゆる厚生連と内容は同義である.ただし,‘協同病院’というのは茨城県独自のもので,水戸市に茨城県協同病院があって,県北農協の医療センターとなり,一方この新治協同病院が県南の基幹病院となっている.筑波学園都市25万の門戸として将来の発展を約束されている‘土浦’市に,名称を代替する案もあったが,‘新治’の市民や農民に対するイメージはきわめて強く,さたやみとなった. 設計中であった昭和43年6月現在の管内市町村人口および病院数および利川者調査の結果は,表1のとおりであるが,数量的に土浦市諸医療機関の中心的存在は決定的である.ただし土浦地区では,表2のように,新治協同病院が必ずしも中心的医療機関ではなく,他に国立霞ケ浦,東京医大霞ケ浦,東京医歯大付属霞ケ浦などの諸病院がある.それにもかかわらず,旧協同病院の位置が土浦駅の直前にあって,地域住民に親しまれていたが,特に病室などの老朽がはなはだしく,県南農民の基幹病院としての機の熟したのをみて,構想を新たにし,新敷地に一気に新築をみたものである.
著者
小川 健二
出版者
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

ヒトは,自らの身体状態のイメージ(身体像)を脳内で動的に推定しており,さらに自己の身体像は他者認知の基盤ともなっていると考えられる(ミラーニューロンシステム仮説).また身体像は,日々変化する環境,あるいは身体や道具の特性に適応する必要があり,このためには運動指令や環境変化を予測可能な脳内の内部モデルの学習が不可欠である.そこで本研究は,このような身体像の基盤となる内部モデルの神経表象を明らかにするため,ヒトが2種類の感覚運動変換に適応した後の脳活動を機能的磁気共鳴画像法(functional MRI)で計測し,それぞれの変換条件を表象する脳部位の特定を試みた.先行研究から,ヒトは複数の運動スキルを同時並行的に学習可能な点が示されているが,これは個々のスキルに対応した複数の内部モデルが脳内に獲得されているものと考えられる.実験ではジョイスティックを使った視覚トラッキングを用い,実験参加者は2種類の相反する回転変換(+90度または-90度)に同時適応した.そして,運動中のfMRI活動に対してマルチボクセルパターン分析(MVPA)を用い,変換条件が識別可能か検討した.また回転変換条件と,低次の運動キネマティクスとの違いを明示的に区別するため,2種類のターゲット軌跡パターンを設け,異なる変換条件と軌跡パターンの組合せに対する識別器の汎化精度を調べた.結果から,感覚運動野,補足運動野,および小脳前部の活動パターンを使って回転変換の識別が可能であった.本研究から,感覚運動関連野および小脳で異なる感覚運動マッピングが表象されていることが明らかとなった.
著者
神谷 卓郎 小川 健次郎
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.373-377, 1962-02-01 (Released:2010-10-07)

Two methods are prevalent for the recovery of acetone in an acetate dry-spinning plant. One of them is the absorption process and the other, the adsorption one. The latter, having higher recovery efficiency and less steam consumption when employed in rectifying acetone, has come to be more widely used than the former, especially with the improvement in the properties of activated charcoal. But the absorption process has such merits as safety from explosion and possibility of perfectly continuous operation. The lower recovery efficiency, which is one of its drawbacks, can be improved by the circulation of the air laden with vapour. The circulation of the air, together with the use of the multi-stage turboblower and turbine pump helps to increase the thermal efficiency of this process. From this view point, the economical evalution has been made of the absorption process into which several improvements are put by the authors.By the application of a multistage turbine pump, higher coefficient of heat transfer is obtainable between the feed and the wast of the rectifying column.Furthermore, judging from the characteristics of the equilibrium curve of rectification, there is little difference between the two methods with regard to their construction costs of equipment and their consumption amount of calorific power, when the density of the feed is kept over 2.5% in weight, although, in this case, cool water at the temperature of 5°C or so is required for absorption use.The construction cost of the equipment can be much more reduced and the power required in the operation, much more saved, when the said cool water is supplied directly refrigerated with liquid ammonia.As to the circulating air, the power of the blower will be used effectively both for promoting the efficiency of the heat exchanger and for heating the air by increasing the compression ratio.Table 1 shows the comparison between the old and the new absorption processes with respect to the utility and the construction cost, and Table 3, the results of the actual operation carried out in the authors' plant.
著者
小川 健太 小川 恭孝 大鐘 武雄 西村 寿彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.555, pp.65-68, 2007-02-28
被引用文献数
10

高い周波数帯を使用する無線通信では,バッテリー等により上り回線の送信電力が制限される.そこで,異なる複数の端末が互いに協力し,仮想的な1組のアンテナアレーを構成することで通信容量の向上を図る仮想アンテナアレーによる協調無線が近年注目を浴びている.しかし,仮想アンテナアレーにおいて送信ビーム形成を行う場令,各端末では正確なキャリア周波数の同期をとることが困難であるため,位相オフセット,及び,周波数オフセットの影響を無視することができない可能性がある.本稿では計算機シミュレーションにより各端末で生じるオフセット,及び,チャネル推定誤差が通信特性に及ぼす影響について評価した.結果から,オフセットを含む等価的なチャネルを用いて受信処理を行うことにより伝送特性の劣化を抑えることができること,また,シングルビーム伝送に比べて,マルチビーム伝送はオフセットに対する耐性が低いことが明らかとなった.
著者
遠藤 貢 成高 義彦 五十畑 則之 浅香 晋一 山口 健太郎 村山 実 勝部 隆男 小川 健治 布田 伸一 大塚 邦明
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.1066-1070, 2009 (Released:2010-12-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

今回われわれは,心臓移植14年後に発症した悪性リンパ腫による腸閉塞の1例を経験したので報告する. 症例は37歳の男性.23歳時に拡張型心筋症で心臓移植の既往がある.2008年2月より,下血で発症した悪性リンパ腫に対し化学療法を2クール施行したが,腸閉塞を発症した.イレウス管造影で空腸に高度な狭窄像を認め,外科的治療を施行した.病理組織所見では悪性リンパ腫による腸管狭窄であった.周術期は免疫抑制剤の投与量を調節しながら,厳重な術後管理により良好に経過した. 心臓移植後に消化管手術を施行した報告は少なく,周術期における免疫抑制剤の投与法や術後管理に関する知見も極めて少ない.本症例は貴重な経験と考え報告した.
著者
野口 友義 榊原 宣 鈴木 博孝 木下 祐宏 川田 彰得 小川 健治 三上 直文 矢川 裕一 菊池 友允 恩田 光憲 橋本 忠美 大谷 洋一 朝戸 末男
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.390-390, 1977-03-25

東京女子医科大学学会第208回例会 昭和51年11月26日 東京女子医科大学本部講堂
著者
松崎 達 中澤 敦 大塚 征爾 前田 憲男 米井 嘉一 稲垣 恭孝 鈴木 修 桐生 恭好 水野 嘉夫 小川 健二
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.98, no.3, pp.300-306, 2001 (Released:2008-02-26)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

症例は47歳男性,直腸炎型の潰瘍性大腸炎(以下UC)で通院中に突然,右下肢腫脹・疼痛を認めて入院,ドプラエコーで下大静脈から膝窩静脈におよぶ広汎な静脈血栓症と診断.本邦のUC患者ではこれまで18例の深部静脈血栓症合併例が報告されているが,検索しえた限りでは直腸炎型での合併は初めてであった.抗凝固療法と血栓溶解療法の併用により深部静脈血栓症にともなう症状のみならず,UCの臨床症状の改善を認めた.
著者
渡辺 俊明 小川 健治 勝部 隆男 平井 雅倫 矢川 裕一 梶原 哲郎
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.1092-1092, 1991-12-25

第11回学内免疫談話会 平成3年7月6日 東京女子医科大学臨床講堂I