著者
小林 大祐
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.19-38, 2015

階層帰属意識の分布は, 自記式に比べ他記式の調査でより高くなることが報告されているが, その要因については, これまで厳密に検証されてきたわけではなかった. この理由としては, モード間の傾向差のなかに混在するさまざまな要因を弁別できるようなデータセットがなかったことが大きい. 本稿は, 個別面接法と郵送法という異なる調査モードで実施されているが, 同じ階層帰属意識項目をもち, 同一年に実施された2つの調査データを比較することで, 調査モードが階層帰属意識にどのような影響を与えているか検証するものである. 分析の結果, 回答者の属性をコントロールしても, 個別面接法において階層帰属意識を高く回答する傾向が見られ, 調査モードの違いが, 何らかの測定誤差を生み出していることが示唆された. 続いて, 確認された傾向差が, 調査員の存在に由来するものかどうか, そうであれば階層帰属意識を答える際に働くバイアスとはどのようなものなのかを検討した. その結果, 男性サンプルでは中位に, 女性サンプルではより高く偏る傾向が観察された. これらの結果は, どのような階層的位置が「社会的に望ましい」, もしくは調査員に対して抵抗なく回答できるのかという, 価値規範の側面が, 所属階層を測定する際に無視できないことを示すものである.

2 0 0 0 OA 生かしあふ道

著者
小林正盛 著
出版者
大同出版社
巻号頁・発行日
1937
著者
小林 文治
出版者
早稲田大学史学会
雑誌
史觀 (ISSN:03869350)
巻号頁・発行日
no.170, pp.57-79, 2014-03-25
著者
宮崎 晃亘 小林 淳一 山本 崇 道振 義貴 佐々木 敬則 仲盛 健治 廣橋 良彦 鳥越 俊彦 佐藤 昇志 平塚 博義
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.117-122, 2011-12-15 (Released:2012-01-24)
参考文献数
7

Survivinはinhibitor of apoptosis protein(IAP)ファミリーに属する分子で,各種悪性腫瘍において強い発現を認めるが,成人正常臓器ではほとんど発現を認めない。われわれはサバイビンが理想的がん抗原であり,survivin由来のHLA-A24拘束性survivin-2B80-88(AYACNTSTL)がcytotoxic T lymphocyte(CTL)応答を誘導することを以前に報告した。この研究結果をもとに,2003年9月に進行・再発口腔がん患者に対してsurvivin-2Bペプチドを用いた臨床試験を開始し,安全性と抗腫瘍効果を評価した。survivin-2Bペプチドは14日間隔で計6回接種した。その結果,口腔がん患者に対するペプチド単剤投与の安全性が確認されるとともに,その有効性が示唆された。さらに,2006年9月にsurvivin-2Bペプチドに不完全フロイントアジュバント(IFA)とinterferon(IFN)-αを併用した臨床試験を開始した。survivin-2BペプチドとIFAの混合液を14日間隔で計4回接種し,IFN-αは週2回あるいは1回皮下投与した。現在のところ,重篤な有害事象は出現していない。IFAとIFN-αを併用した臨床試験では,単剤投与と比較してペプチド特異的CTLを効率良く誘導し,安全性も容認されることが示唆された。本療法は口腔がん患者に対する新たな治療法の一つとして有用と考えられた。
著者
小林 猛久 淺間 正通 小林 稔 杉本 昌昭 西岡 久充 田中 美和
出版者
和光大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

地元中小企業がその機動力を以て大学教育に積極的に関与し、同時に学生達もそれらの中小企業から定期的なフィードバックを得て商品の企画開発、ビジネスコミュニケーションの実用的具現など、欧米的なインターンシップの実質を担保しながら実効を得られるシステムを構築できた。そしてこの実践により、多くの学生が地元の中小企業への就職を考えるようになり、実際に複数の学生が就職を果たすという具体的成果が出た。
著者
永山 敏廣 小林 麻紀 伊藤 正子 田村 康宏 塩田 寛子 友松 俊夫
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.464-469_1, 1997-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
14

無農薬あるいは減農薬栽培農産物として東京都で市販されていた野菜類23品種114作物及び果実類7品種9作物について, 農薬の残留実態 (1988~1994年度) を調査した. 野菜類では9品種23作物からEPN, プロチオホスなどの有機リン系殺虫剤やTPN, プロシミドンなどの有機塩素系殺菌剤など, 13種類の農薬が検出された. また, 果実類では2種3作物から4種類の農薬が検出された. 食品衛生法の食品規格を超える検出例はなかった. 慣行栽培品に比較し, なす科作物で検出率及び検出量が低い傾向が認あられた. その他の作物では, 検出量はやや低かったが, 特に大きな差異は認められなかった.
著者
瀧口 吉郎 大川 裕司 宮川 和典 小杉 美津男 鈴木 四郎 久保田 節 加藤 務 設楽 圭一 谷岡 健吉 Park Wug-Dong 小林 昭 平井 忠明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.57, pp.13-18, 1998-10-22
被引用文献数
1

高感度固体撮像素子を目指して、a-Seのアバランシェ増倍現象を利用したHARP光電変換膜とMOS型トランジスタからなる固体走査部とを多数のInの柱で接合した固体HARP撮像素子の研究が進められている。この固体撮像素子では走査回路の耐圧が60Vであることから、HARP膜の印加電圧が60V以下に、すなわち使用できる膜の厚さが制限される。そこで、この条件下においてもっとも良好な特性の得られるHARP膜の膜厚についての検討を行った。その結果、0.4μmの膜厚とすることで、印加電圧60Vにおいて目標とする4倍の増倍率を暗電流が抑制された状態で実現できることが明らかになった。また、HARP膜のさらなる感度向上を目的として、Te添加による光電変換効率の改善を検討し、シミュレーションと試作の両面からTe添加により緑色光に対する光電変換効率を従来の2倍以上に向上できることを確認した。
著者
小林 拓夢 鈴木 浩 服部 哲 速水 治夫
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.16, pp.1-5, 2013-03-11

ライフログとは,毎日の出来事などをデジタルデータに記録することであり,ログを見直すことで,これからの行動に役立てることもできる.Twitter は,日々何か思ったことや,出来事などをつぶやくサービスであり,筆者は,先行研究において Ttwitter のツイートを利用したライフログシステムを試作した.このシステムは,システム利用者に関連のあるツイートを自動取得し,ライフログとして見やすい形で表示することができるものである.評価は良好であったが,ツイートのタグ付けを自動で行ってほしいという意見が多かった.また,Twitter に関連する分類は盛んに行われているが,Twitter ユーザの分類であったり,ハッシュタグの分類であったり,ユーザ個人が利用するタグ付け手法は提案されていない.そこで,本研究では Twitter のツイートの自動タグ付けできる 「ツイートの自動タグ付け」 を提案する.本研究では,Twitter のツイートを形態素解析し,はてなキーワードと,はてなキーワードカテゴリデータベースを使用することで,ツイートの自動タグ付けを実現した.タグ付けされるカテゴリは,食・コンピュータ・スポーツ・映画など17種類で,ユーザはカテゴリ別に過去のツイートを検索し,一覧で表示することもできる.評価実験からツイートを自動タグ付けすることができ,検索方法を変更することでライフログとして有用なツイートを容易に検索することができることが分かった.また,本システムの課題や改善点も見つかった.Life-log is a memory of daily happenings. It is kept in digital data. When you review the life-log you can help you to action in the future. Twitter is service of tweets that are full of daily happenings, thinking and places. Authors have developed a life-log system using the tweets Twitter in previous studies. That system can Automatically obtain the tweets and can easy-to-see twitter's tweet. Many opinions on the evaluation were good but some opinions said want to automatically tagging tweets. In addition, related to Twitter classification has been done, but that are classification of Twitter user or hash tag. Tagging for tweet has not been proposed. In this paper, we propose "automatic tagging of Twitter's tweet". In this study was achieved. This study has morphological analysis of Twitter tweets and use "Hatena keyword" and "Hatena keyword category database" tags are 17 types, such as movies, sports, computer, food categories and user can also search past tweets by categories, displayed in a list. The evaluation shows This system can be tagged automatically tweets and be able to easily search for tweets. In addition, we also found issues and improvement of this system.
著者
藏澄 美仁 濱中 香也子 小林 和幸
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.99, pp.31-41, 2005-06-05
参考文献数
39
被引用文献数
5

本研究の目的は,床冷房条件の違いが人体に及ぼす影響を被験者実験により明らかにし,床冷房時の至適域を提案することである.実験は,気温と床表面温を組み合わせた条件に,被験者6名を用いておこなった.その結果,以下の知見を得た.1)熱放射と熱伝導の影響を組込んだ伝導修正作用温度は,熱放射と熱伝導の効果を気温換算して的確に表現し得る温熱環境指標であることを示した.2)床冷房の冷却の効果により,全身の温冷感申告値が中立温冷感よりも暑い側を好む傾向を明らかにした.3)投げ足位姿勢での床冷房の至適温熱環境条件は,伝導修正作用温度が25.3〜30.5℃の範囲となることを提案した.
著者
高橋 朝英 田口 元貴 小林 良太郎 加藤 雅彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.12, pp.2058-2068, 2011-12-01

現在,ウェブサービスは広く一般に利用され,日常生活を行う上で欠かせないものとなっている.それに伴い,ウェブサービスが停止した際の社会的影響も大きくなっている.一方,攻撃対象のシステムのサービス提供を不能にするサービス妨害(DoS)攻撃が存在し,問題となっている.手動によるDoS攻撃では,サーバ側で攻撃と思われる通信を単純にブロックしていることが攻撃者に気づかれると,攻撃者は攻撃を別の手段に切り換えて対策を回避し攻撃を行ってくる場合がある.本研究ではこの点に着目し,DoS攻撃の一種であるHTTP-GET Flood攻撃に焦点を当て,この攻撃に対して一般利用者の通信をできるだけ生かしつつ,対策を行っていることが攻撃者に気づかれにくくなるようウェブサービス提供側で可能な対策の提案を行う.本対策手法では,仮想マシンを複数台使用することで資源の分離を行い,攻撃者と通常利用者の使用する資源を分ける.また,攻撃者が利用する資源の操作を行うことで,攻撃が成功しつつあるかのように見せる.更に,提案手法の実装を行い,実験を行うことで本提案手法の有効性を確認する.
著者
小林 龍 谷口 亮央 古泉 景子 土屋 総之 多田 知弘 佐藤 雄樹 柴波 明男 妻木 良二
出版者
Japanese Society for Infection Prevention and Control
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.280-284, 2008-09-25
被引用文献数
2 2

今回,手荒れの予防効果が高いと言われているアルコールゲル擦式消毒剤(ゲル剤)を用い,皮膚に対する影響について,当院看護師82名を対象として2週間使用後の手掌と手背,指先の肌水分量を測定した.<br>   各薬剤とも調査前後の手指消毒回数に変化はなかった.種類による差はあるものの,3種類のゲル剤全てにおいて,手掌と指先の肌水分量が増加した.<br>   今回の結果より,ゲル剤の保湿効果が擦式消毒用アルコール製剤に比べ高いことが示された.この成績は,ゲル剤使用により手荒れ防止および手指消毒回数の減少防止に繋がり,医療関連感染の低下にも有効であると考えられる.<br>
著者
小林 伸一
出版者
日本法政学会
雑誌
法政論叢 (ISSN:03865266)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.98-131, 2006-05-15

There is a large academic literature on overall values served by the First Amendment, U.S. Const. Amendment. I is Free Speech and Press Glaus e. The marketplace, self-government and autonomy are most frequently invoked. Principle-based theories on First Amendment theory argue these values as basis for justifications for the special protection afforded freedom of expression. Each of these theories makes some claim to provide a foundational basis for the First Amendment. Recently, The Supreme Court gives some measure of protection to hate speech as cross-burning and organizational forms and activities having expressed their antihomosexual views. Do any of the principle-based theories apply to cross-burning or activity to a discriminate homosexual conduct? Do these activities subserve the values that hold up in those theoies? Taking this opportunity, Non principle-based theories come to the front. This article traces comparatively three representative theorists in the non principle-based theory. The following assertions are presented by them. Stanly Fish exhibits perspectives from literary theory applied to First Amendment jurisprundence. He insists that any theory of free speech must reflect a substantive political content. Thus, the abstraction at the center of First Amendment jurisprudence- marketplace, self-government, autonomy-do not in themselves point us to the appropriate distinctions. Richard Posner has his root in "Law and Economics". And his philosophy is pragmatism. Posner argues that because the legal concept of freedom of speech is plastic, mutable, and contestable it may appropriately take its shape from the practical considerations the instrumental approach bring into view. He employs cost-benefit analysis to explore when government can regulate expression which has a public good. Frederick Schauer relies on analytic philosophy modified by traditional common law theories. He claims the importance of seeing rules as crude probablistic generalizations. And Schauer distinguishes between conversational and entrenchment models of generalization, but he doesn't grasp each models as an exclusional reason. He argues that the legal system takes freedom of speech as a given, devoting little if any attention to the philosophical foundation of the principle it seeks to enforce. Schauer focuses on less various values served by the First Amendment than on the special reason to distruct government in the realm of speech regulation.
著者
石川 りみ子 小林 臻
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-9, 2005-03

研究目的:当大学の過去2年間の保健室での利用状況をみてみると、頭痛・腹痛・体調不良など内科的な主訴で保健室を訪れる学生は少なくなく、これらの不定愁訴は食習慣のみでなく睡眠を含めた生活習慣との関連も否定できない。将来、保健医療の立場から健康教育に携わるであろう看護大学生が、既習した専門知識を自己の生活行動にどう反映しているかを把握することは、専門知識を持つ看護大学生への健康教育を行う上で重要である。そこで、本研究は健康知識を習得した学生の生活行動を睡眠と食生活の視点から実態を調査し、適切な健康教育を行うための示唆を得ることを目的とする。研究方法:対象者は、本学の4年次の女子学生で特別の場合を除く過去一ヶ月間の睡眠状態と食習慣について、質問紙への自己記入法によるアンケート調査を行った。対照群は先行研究での調査対象者であった県内の看護学校(全日制)2校の3年次女子である。調査内容は、年齢、BMI(Body Mass Index)、睡眠習慣と食習慣に関する項目である。結果及び結論:1)看護大学生の睡眠習慣を看護学生と比較すると、平目は有意に看護大学生は就寝・起床時刻が遅く、「朝目覚めたとき気分が悪い」、「昼間我慢できない程眠い」と回答した学生の比率が高かったことから、就寝の習慣を早めに改善する必要性が示唆された。2)家族と同居している看護大学生は、一人暮らしと比較して睡眠量が有意に少なかったことから、十分な睡眠量の確保の指導的関わりの必要性が示唆された。3)食習慣について、看護大学生は看護学生と比較して有意に各食事とも欠食の傾向を示し、食事のとり方の改善の必要性が示唆された。4)朝食については、一人暮らし群が有意に欠食する学生の比率が高く、夜食をとる傾向があり、朝食の欠食は夜食との関連が示唆された。5) BMI分類による食習慣の傾向については、やや肥満以上群に昼食の欠食の傾向がみられ、食品の摂り方についての工夫の必要性が示唆された。