著者
小野 文子 廣畑 まゆ美
出版者
中国学園大学/中国短期大学
雑誌
中国学園紀要 = Journal of Chugokugakuen (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
no.13, pp.177-182, 2013-06-16

2013年3月に執筆した「芸術と社会の関わりを強めるために-地域の音楽活動を実例に-」の調査では,地域の音楽活動や先人の音楽活動の実例をもとに,現代における音楽と社会の関わりの希薄さを述べた。比較対象として山田耕筰の調査を行っていたが,山田の音楽の発展の陰には,彼の「すぐれた時代を読む力」があったことがわかった。明治から大正にかけて,列強諸国に追いつこうと必死の政府,企業の方針が文化にまで及んだことが,芸術家にとっては追い風となっていた。複雑化する中で,近年の音楽はどのような時代背景とともに今の姿になったのか?また今後,音楽文化が発展していく中でどのようなことが課題になるのか?明治,大正,昭和の日本における音楽と社会の動きを考察しながら,近年の音楽を社会的な視点を交えて考察する。
著者
斉藤 匡昭 宮川 孝子 佐々木 こず恵 山崎 とみ子 高橋 明美 小野 文徳 秋山 博実 小野地 章一
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.331, 2007

〈緒言〉<BR>平成19年4月よりがん対策基本法が施行され、がん疼痛における対策が明文化された。当院では、平成18年7月に緩和ケアチームが発足した。それに伴い、薬剤科でも、緩和ケアにおける取り組みを行ってきた。当院は平成19年1月にがん診療連携拠点病院に指定された。<BR>これまでの当院の緩和ケアチームの活動と緩和ケアにおける薬剤科の取り組みについて報告する。<BR>〈概要〉<BR>1)緩和ケアチームの業務は、依頼された患者の緩和ケア実施計画書の作成と主治医への助言・協力、退院後の緩和ケア体制の調整、月2回の病棟回診およびチームカンファレンスである。 構成員はチーム本体が医師2名、薬剤師2名、看護師4名。チーム活動に協力する支援ナースが病棟看護師12名と外来看護師1名となっている。<BR>2)薬剤科での取り組みは全職員対象の緩和ケア勉強会では薬剤師が今まで2回に渡って講演を行った。<BR> 月に1度、支援ナース単独の勉強会では薬剤師が薬剤について解説している。勉強会後に補足が必要な場合は院内LANで資料を配布している。平成19年4月に疼痛治療マニュアルを作成し各病棟に配布した。また医師が携帯出来るような縮小版も作成した。原案は薬剤科で検討した。その他、オピオイドの薬物動態表や換算表をポケット携帯版にしてチームメンバーに配布した。<BR>〈症例〉<BR>主病名は胃がん、すい臓がん。<BR>心窩部痛にて近医を受診し胃カメラ検査を受けたところ精査が必要と言われ、総合病院を紹介され、胃がん、膵がん、癌性腹膜炎、肝転移と診断され予後は1~2ヶ月と告知された。その後、本人が希望して当院を受診、疼痛緩和を目的に入院となった。<BR>痛みへの不安と告知による精神的な落ち込みが強いためチームでは在宅へ向けた精神的ケアと十分な鎮痛を緩和ケアの目標とした。<BR>疼痛は腹部が著名であった。依頼時はデュロテップパッチ2.5mgを貼付されていたが鎮痛不十分で、モルヒネ筋注によるレスキューをしばしば使用、他、嘔気を伴っていた。そこで、チームではデュロテップパッチの5mgへの増量と嘔気予防としてノバミンの内服、レスキューとしてオプソ内服液の使用を助言した。<BR> その後、疼痛コントロールは良好となり、嘔気も消失した。入院当初は「家に帰ることは考えられない」と話していたが、徐々に精神的動揺も減り、年末年始には自宅に外泊も可能となった。<BR>〈今後の課題〉<BR>緩和ケアチームとしては、主治医との連携を強化し、医師会、薬剤師会等に働きかけ、在宅緩和ケアに向けた地域医療連携体制を構築できるよう努めていきたい。<BR>薬剤科としては、病棟薬剤師とチーム薬剤師間で患者情報の共有を図り、連携の強化や医師の処方に積極的に支援できるよう個々のレベルを上げていきたいと思う。<BR>
著者
小野 文
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要. フランス語フランス文学 (ISSN:09117199)
巻号頁・発行日
no.60, pp.231-235, 2015

Mélanges offerts au professeur Suzuki Junji et au professeur Hayashi Emiko = 鈴木順二教授・林栄美子教授退職記念論文集歴史の語り「私たち」を引き受ける文体
著者
小野 文生
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
pp.13-32, 2010-10-20

教育目的論は、「何のために、何に向かって教えるのか」という教育の目的・目標を基礎づけ構想する。それは教育学の発生当初から原理的要素であり続けてきた。それゆえにこそ、教育思想史研究が教育学の歴史的出自としての<近代>を批判的考察の対象と定めたとき、教育学の思考様式の相対化作業のなかで教育目的論のあり方-<教育目的論の近代>-も問いに付された。普遍妥当的基礎づけを疑うポストモダニズムも、その動向に関与していたのだろう。本章は、教育思想史学会の前身である「近代教育思想史研究会」の創設期に展開された「教育目的論論争」(特に創刊号と第2号)を取り上げ、提出された問い、反論、疑義、課題、展望などを整理し、際立たせる。教育目的の基礎づけ、近代教育学、教育思想史研究という三幅対が、ポストモダニズムの思潮の只中でどのような照応を見せたか、その痕跡を辿る。そして、その<残照>にある現在にあってなお、教育思想史研究の継承すべき<批判の未来>を展望する。
著者
小野 文一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.2, pp.90-97, 2009 (Released:2016-01-18)
参考文献数
24

酵母におけるアミノ酸代謝のうち,特に含硫アミノ酸の生合成は,細胞増殖をはじめ醸造においては好気成分等の生産に深く関連している。近年の研究でその生合成の制御には,多様な要因が関連していることがわかってきた。これらの含硫アミノ酸代謝に関与する遺伝子の発現制御メカニズムに関する研究は,醸造酵母における硫黄代謝の制御,さらには実用株の育種にとって重要な基礎的知識をもたらすことが期待される。ここでは,著者の長年にわたる研究成果を中心に,出芽酵母の含硫アミノ酸合成について最近の成果も含め解説していただいた。
著者
柿島 佑一 金 ミンジ ティン シーホー 小野 文枝 阪口 啓 荒木 純道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.188, pp.43-49, 2006-07-20

筆者らはMIMOシステムの研究開発を目的とした5GHz帯MIMOソフトウェア無線機を開発した.本無線機はFPGA, DSPといったプログラマブルロジックやCPUを搭載しており,内部プログラムの書き換えにより任意のMIMOシステムの構築が可能である.本稿では,このハードウェアを用いてIEEE802.11nとIEEE802.16eダウンリンク(DL)PUSC(Partial Usage of subchannels)にそれぞれ準拠したMIMO-OFDM固有モード伝送システムのデモンストレータを構築したので報告する.受信機では受信ビームフォーミングの後にZF, MMSE干渉キャンセラを導入することにより,フィードバック遅延に対する伝送特性の改善を実現した.
著者
小野 文
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶應義塾大学日吉紀要 言語・文化・コミュニケーション (ISSN:09117229)
巻号頁・発行日
no.40, pp.213-228, 2008

はじめに世紀末のソシュール書簡恐怖火星と東洋のトポスまとめに代えて : f の不在
著者
小野 文徳 小野地 章一 吉田 節朗 内山 哲之
出版者
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.63-67, 2004
被引用文献数
1

症例は71歳の男性. 約20年前に背部打撲により脾損傷と診断され, 保存的に加療されたことがある. その後は特に外傷の既往はない. また, 3年前頃から心房細動のためアスピリンを服用しており, 半年前に脳梗塞を発症している. 脳梗塞後のリハビリにて近医入院中, 腹部CT検査にて脾 胞を指摘された. その1週間後, 突然の左側腹部痛とショック症状を呈したため当院に搬送された. 腹部CT検査および腹腔穿刺にて脾破裂による腹腔内出血と診断し, 緊急手術を施行した. 腹腔内に多量の凝血塊と血性腹水を認めるとともに, 脾には仮性襄胞とその破裂が認められ,外側は横隔膜,大網と強固に癒着していた. 病理組織検査では, 外傷性変化とともに, 新旧の壊死巣・出血巣が混在した脾梗塞の所見を認めた. 本症例の脾破裂の直接原因は脾梗塞と考えられたが, 外傷性変化, 抗凝固薬の服用も影響したものと考えられた.
著者
小野 文子
出版者
中国学園大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.125-129, 2006-06-16

音楽の原点は,言葉を話すのと同じように自分の思いを音にのせ,人と人が繋がることであろう。人は「聴く」ことから音楽体験を始め,聴いた曲を「歌う」ことを試みる。「歌う」ことは音楽活動の基本である。
著者
三浦 龍 井上 真杉 浜口 清 大和田 泰伯 滝沢 賢一 小野 文枝 鈴木 幹雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.406, pp.51-56, 2013-01-17

災害に強い情報通信ネットワークの研究開発促進に寄与するため,分散メッシュ型アーキテクチャをベースとした自営系ワイヤレスネットワークテストベッドを東北大学キャンパス内に構築している.このネットワークは,各ノードが互いに同期して利用者情報や経路情報を保持するデータベース機能を備えた5.6GHz帯無線LANによるメッシュネットワーク,およびそれに付随した利用者端末収容のための2.4GHz帯無線LANアクセスポイントを中心に構成され,基幹網やインターネットへの接続を失われてもローカルに災害時用を中心とした通信サービスを維持する機能とそのアプリケーション群を有する.また,距離の離れたノード間や道路や回線の被災により孤立した地域との通信を確保するための地域WiMAX回線や車載ITS回線,さらに小型無人航空機や衛星回線による中継経路も提供する.利用者端末としては市販のICカード読み取り機能付き無線LAN対応タブレット端末の他,920MHz帯アクティブ無線タグを活用したGPS受信機内蔵小型端末,屋外に設置可能な小型サイネージ端末等を用意している.各ノードへ電力供給が可能なソーラー蓄電池も提供しており,停電時における運用性などの評価も可能である.
著者
井上 真杉 大和田 泰伯 浜口 清 滝沢 賢一 小野 文枝 鈴木 幹雄 三浦 龍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.37, pp.25-30, 2013-05-09

災害に強い情報通信ネットワークの研究開発促進に寄与するため,分散メッシュ型アーキテクチャをベースとした自営系ワイヤレスネットワークテストベッドを東北大学キャンパス内に構築した.このネットワークは,各ノードが互いに同期して利用者情報や経路情報を保持するデータベース機能を備えた5.6GHz帯無線LANによるメッシュネットワーク,およびそれに付随した利用者端末収容のための2.4GHz帯無線LANアクセスポイントを中心に構成され,基幹網やインターネットへの接続を失われてもローカルに災害時用を中心とした通信サービスを維持する機能とそのアプリケーション群を有する.また、距離の離れたノード間や道路や回線の被災により孤立した地域との通信を確保するための地域WiMAX回線や車載ITS回線,さらに小型無人航空機や衛星回線による中継経路も提供する.利用者端末としては市販のICカード読み取り機能付き無線LAN対応タブレット端末の他,920MHz帯アクティブ無線タグを活用したGPS受信機内蔵小型端末,屋外に設置可能な小型サイネージ端末等を用意している.各ノードへ電力供給が可能なソーラー蓄電池も提供しており,停電時における運用性などの評価も可能である.
著者
梅林 健太 藤井 威生 ザカン タン 小野 文枝 阪口 啓 鈴木 康夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.246, pp.65-72, 2009-10-15
被引用文献数
1

本稿では,プライマリシステム(無線LANシステム)と周波数共用を行うセカンダリシステム(Cognitive MIMO Mesh Network:CMN)の評価用シミュレータの紹介を行う.筆者らは,周波数共用を行うセカンダリシステムとして高速高信頼な無線分散ネットワークとしてCMNの検討を行ってきた.CMNは時間,空間軸で既存の無線LANシステムと高効率な周波数共用を実現する.このとき,環境認識技術として協調センシング法,占有率推定法を用い,効率的な周波数共有のためにダイナミックMACプロトコルとダイナミックルーティング法をCMNは備えている.さらに,CMNは,双方向MIMOやネットワークコーディング技術をとりいれることで,より高い周波数利用効率を達成できる.本稿では,特に環境認識技術である協調センシング法,占有率推定法と,周波数共用技術であるダイナミックMACプロトコル,ダイナミックルーティング法の紹介を行う.さらに,それらを統合したCMNの紹介と,トータルパフォーマンスを評価するために評価用シミュレータを開発したのでそれを紹介する.
著者
羽渕 裕真 大内 浩司 小野 文枝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.374, pp.11-14, 2004-10-18
参考文献数
1

2004年8月30日(月)から2004年9月2日(木)まで、8th IEEE International Symposium on Spread Spectrum Techniques and Applications, ISSSTA2004(第8回スペクトル拡散技術と応用に関する国際シンポジウム)がオーストラリア、シドニーのソフィテルウエントワースホテルにて開催された。発表件数は196件、プレナリ講演は5件であった。本橋では、本国際会議の参加報告と本国際会議の近年の動向についての報告がなされている。
著者
小野 文枝
出版者
横浜国立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、利用者が意識せずに構成可能なパーソナルネットワークの構成を検討している。通常、地震に関する情報は様々なネットワークを経て伝達される。しかしながら、様々な経路による遅延やネットワークの完全性が保証されていないなどの問題が存在している。そこで、本研究では、様々な経路を介さずに震度情報を取得するパーソナルネットワークを提案した。また、取得した情報を共有するために、省電力伝送可能な通信法を検討した。これらの結果、従来のネットワークを介さずともその場所の震度情報が取得可能となり、小電力で高効率な通信法を用いて情報共有が実現できる可能性があることを明らかにした。
著者
小野 文生
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、ドイツ・ロマン主義、W・ベンヤミン、J・デリダという3つの定点を設定し、これらの視角から人間の生成・変容のメカニズムとしての「ミメーシス概念」を分析すること、そして、このミメーシスという技法にかかわる思想を軸とした教育思想史を再構成しながら、新たな学習論・伝承技法を構想していくための思想的・哲学的基盤を提示することであった。当初の予定に従い、本年度は特にドイツ・ロマン主義とユダヤ思想の関連に着目しながら文献の蒐集・読解・分析を行い、神秘主義、聖書学、世紀転換期の政治神学にかかわる研究に重点をおいて進めた。具体的には、ドイツ・ロマン主義の中のユダヤ思想の影響に関して思想史的観点から文献調査し、またベンヤミンとデリダ哲学的試みに見られる神学的問題やミメーシス概念の読解・分析や彼らとかかわりのある思想(ショーレムとブーバー)について分析を加えた。また、ミメーシスの多様な側面について分析を加えるために、人類学など学際的領域における象徴や儀礼に関する研究到達点を調査・分析し、整理した。さらにドイツ短期滞在により、ドイツでの受入予定研究者だったCh・ヴルフ教授(ベルリン自由大学)と意見交換・指導を受けた。また、ヴルフ教授の共同プロジェクト「パフォーマティヴなものの諸文化」の研究員と意見交換し、国際シンポジウムに参加することで学際的・国際的なミメーシス研究の最前線を調査した。なお、年度途中での就職により以後の研究を辞退したため、全体の研究は計画通り完遂しなかった。特に18世紀のロマン主義に関する分析が比較的手薄になってしまったこと、またベンヤミンやデリダの思想が生まれてきた背景について、ミメーシスの認知科学的・心理学的側面における知の布置の変容にかんする分析は必ずしも十分に検討することができなかったことなどが課題として残された。個人的に研究自体は継続し、別の機会に論じたい。