著者
山岸 明彦
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2017年度日本地球化学会第64回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.160, 2017 (Released:2017-11-09)

国際宇宙ステーションきぼう曝露部を利用した「たんぽぽ計画」は、エアロゲルを用いた微粒子の採集と微生物及び有機物の曝露実験を行うことから、生命の起原に関わる二つの仮説、パンスペルミア仮説と有機物宇宙飛来説の検証を目的としている。宇宙実験は2015年5月に開始され,2016年8月に初年度試料が地球に帰還した。現在,約1年間宇宙環境に曝露された試料を曝露プレートから回収し,分析する作業が進行中である。本発表では全体像と曝露サンプル初期解析結果を報告する。
著者
山岸 明子
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.285-294, 2007

The purpose of this study was to reexamine the developmental feature of considering others' feelings and not considering one's duty to a group, based on Yamagishi's article which analyzed the promise concept in contemporary schoolchildren in Tokyo. The investigation was conducted in Nagano prefecture. A questionnaire was used to ask children in second, fourth and sixth grades whether they would keep or break promises in 4 scenarios in which various contextual factors against keeping these promises were included, adding 2 new situations to clarify the developmental feature. The fourth and sixth grade respondents were also asked to state reasons. The results were as follows: 1) the same tendency was found in both new situations and former ones. 2) the same tendency was found in Nagano, as in Tokyo, indicating no regional difference, 3) when stating reasons, there were many who stated concern for other's feeling (especially in fourth grade), and while many fourth graders felt a sense of duty to a group, there were many sixth graders who responded to promise situations flexibly, coordinating both positions. The findings are discussed with reference to Kohlberg's stage 3 and contextual relativism.
著者
山岸 明浩 奥原 由真
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.49-57, 2016 (Released:2018-01-10)
参考文献数
8
被引用文献数
3

本研究では,松本市内の小学校を対象に,教室内の掲示物の実態と掲示物に対する児童の意識について検討した。調査の結果,1教室当たりの平均で38件の掲示がなされており,掲示の種類については生活面の掲示物が71%と多くなっていた。掲示位置と掲示内容の関係については,生活面の掲示では教室の前側には「目標」や「決まり事」の掲示が多く,教室の後側には,「取り組み」や「メッセージ」の掲示が多くなっていた。学習面の掲示では,教室の前側には「学習の心がけ」,後側には「学習の作品」,窓側・廊下側には「学習の振り返り」が多く掲示されていた。学年による違いについては,掲示物の件数は低学年で多い傾向となり,内容は高学年になると生活面の掲示物の割合が多くなった。掲示物と児童の意識の関係については,掲示物の種類が児童の意識に強く影響しており,「予定」や「取り組み」,「学習の作品」の認知の度合いが高い結果となった。
著者
山岸 明子
出版者
順天堂大学
雑誌
医療看護研究 (ISSN:13498630)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.8-15, 2005-03-19

発達心理学が明らかにしてきた知見を参照しながら,思春期の心の危機を描いた文学作品-村上春樹氏の「海辺のカフカ」-について分析を行った。まず思春期とはどのような時期であり,思春期危機に関与している要因は何か,また危機を乗り越えるためには何が必要なのかに関する発達心理学の見解について述べ,それらと関連させながら,15才の主人公がどのような問題をかかえ,にもかかわらずなぜ危機を乗り越えることができたのかについて分析した。危機的状況を乗り越えることを可能にした要因として,1)情緒的及び実際的に支えてくれる人との支持的で暖かい関係,2)自分が必要とされている価値ある存在であることの実感と,「母親の過去」の事情を理解し許す気持ちになったこと,3)自立して生活する能力や,自己を内省したりコントロールする力-自我の強さをもっていること,が抽出された。それらは発達心理学が明らかにしてきたこととほぼ対応するものであった。
著者
橋本 博文 今井 栄一 矢野 創 渡辺 英幸 横堀 伸一 山岸 明彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
2016
被引用文献数
1

The mechanical thermometer using a bimetallic strip coil was developed for the Tanpopo mission. The Tanpopo mission is a multi-year passive exposure experiment for astrobiology exposure and micrometeoroid capture onboard the Exposed Experiment Handrail Attachment Mechanism (ExHAM) at the Japanese Experiment Module 'Kibo' (JEM) Exposed Facility (EF) on the International Space Station (ISS). The Tanpopo mission apparatuses were launched by the SpaceX-6 Dragon CRS-6 on April 14 2015, from the Cape Canaveral Air Force Station in the U.S.A. Since its microbial exposure experiment requires recording the maximum temperature that the Tanpopo exposure panel experiences, we have developed a mechanical thermometer with no electric power supplied from the ExHAM. At a given time and orbital position of the ISS, the thermometer indicator was video-imaged by the extravehicular video camera attached to the Kibo-EF and controlled from the ground. With these images analyzed, we were able to derive the maximum temperature of the Tanpopo exposure panels on the space pointing face of the ExHAM as 23.9±5 °C. Now this passive and mechanical thermometer is available to other space missions with no electric supplies required and thus highly expands the possibility of new extravehicular experiments and explorations for both human and robotic missions.
著者
山岸 明彦
出版者
日本宇宙生物科学会
雑誌
Biological Sciences in Space (ISSN:09149201)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.268-275, 2005 (Released:2006-09-06)
被引用文献数
1

Several aspects of early evolution of life has been studied in several different research fields including planetary science, earth physics, geology, chemical evolution, environmental microbiology and molecular evolution. In this review I have summarized the recent results of geology, environmental microbiology on deep-sea hydrothermal area, and our recent studies on the common ancestor of all the living organisms on the earth (Commonote). The possible scenario on the origin and early evolution of life is also discussed.
著者
山岸 明浩 吉沢 愛美
出版者
人間‐生活環境系学会
雑誌
人間‐生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.103-106, 2020

本研究は,信濃毎日新聞に掲載されている「あんずちゃん」を研究対象とし,住生活空間と家庭科教育について検討することを目的とする。研究対象は,2014 年 1 月 1 日から 2016 年 12 月 31 日に掲載されたものとし,住生活空間と人物,および家庭教育の学習領域との対応について着目してデータの抽出を行った。本研究により得られた知見は次の通りである。1)描かれる住生活空間では,住宅内部の割合が約 70%と最も高い。具体的な空間としては居間の出現頻度が非常に高い。2)住生活空間の場面進行では,同一の空間種類において物語が進行される割合が 84.4%と高い。3)居間と他の住生活空間の関係性では,居間と関係させて台所が物語の舞台として扱われることが多い。4)家庭科の学習内容の関係性では,全体の約 3 割で家庭科の学習内容が扱われており,家庭経営学 7.9%,被服学 4,0%,食物学 11.8%,住居学 7.1%,である。
著者
山岸明子
雑誌
日本教育心理学会第57回総会
巻号頁・発行日
2015-08-07

目 的 Montgomery, L. M. 著「赤毛のアン」(1908)は,孤児として不遇な子ども時代を過ごし,発達心理学的に不利な状況にあったにもかかわらず,賢く愛情豊かな女性に成長する様子を描いた児童文学である。幼少期の愛着形成において問題がある者の回復の過程が描かれていると考えられるが,その成長の過程は,発達心理学の知見と一致しているか,発達心理学の観点から無理はないかを検討することが本研究の目的である。幼少期に孤児となり,誰からも愛されたことがなかったアンは11才の時にクスバート家に来るが,「赤毛のアン」に書かれている記述から,1.それまでのアンの育ち,2.クスバート家に来た当初のアンの様子,3.その後のアンの変化に関して愛着の観点から検討を行う。そしてフィクションの小説ではあるが,幼少期の愛着形成において問題がある者の回復の過程やそこに寄与する要因についても考察する。結果と考察1.アンの育ち アンの語りによれば,生後3ヶ月で母親,次いで父親も熱病で死去(父母は共に高校教師)。親戚もなく引き取り手がいなかったため,近所に住む一家に引き取られる。貧しく酒飲み亭主のいる家庭で,子守り兼小間使いとしてこき使われ,つらい思いをしながら,二軒の家で過ごし(大勢の子の面倒をみるため,学校へもほとんど行けなかった),その後4ヶ月孤児院で暮してから,独身の老兄妹マシューとマリラの家にくる。「誰も私をほしがる人はいなかったのよ。それが私の運命らしいわ」とアンは言っているが,愛着対象をもつことなく,誰からも愛されたことがない少女である(唯一何でも話せる相手は想像上の友人であった)。2.クスバート家に来た当初のアンの様子 愛着対象をもたず,誰からも愛されなかったため,愛着に関する障害があることが予想される。著者は必ずしも否定的なものとして書いていない場合もあるが,グリーン・ゲーブルスに来た頃のアンには行動的・心理的に様々な問題がある。1)感情のコントロールができず 特に怒りのコントロールができない。2)よく知らない人に対するなれなれしい態度がみられる。これはDSM-Ⅳの愛着障害の診断基準の「拡散された愛着」に該当すると思われる。3)大げさな表現-アンのおしゃべりは想像も加わっていて大げさだし,喜び方や謝り方も演技的と言える位大げさである。4)自己評価が極めて低い。強い劣等感をもち 誰にも愛されない,誰からも望まれない,自分は哀れな孤児だと何度も言っている。5)嘘をつく。 そのような問題が見られる一方,他者と関係を持とうとしない,あるいはそれがむずかしいというDSM-Ⅳの愛着障害の診断基準の「回避性」の傾向はもっておらず,他者との関係性は基本的にうまくいっている。対人的な自信がないにもかかわらず,よい関係を作る力をもっていることと,はじめから学業優秀な点は,育ちから導くことはむずかしいと思われる。3.その後のアンの成長 アンは11才まで愛情を受けずしつけも満足に受けていなかったが,優しいマシュウと厳しいが愛情をもって育ててくれるマリラのもとで,安全基地と安全感を得て,また荒れた気持ちを宥め慰めてくれる他者を得て徐々にかんしゃくをおこすこともなく穏やかな少女になっていく。 近隣の人も友人も,孤児であり,かんしゃくもちで変わったところのあるアンを受入れてくれ,学校でもアンはのびのびと個性を発揮して友人との生活を楽しむ。 そして「私は自分のほか,誰にもなりたくないわ」と今の自分を肯定するようになる。強い劣等感をもち,誰にも愛されない,哀れな孤児という自己概念は大きく変わっている。4.アンの変化に寄与したもの アンの変化に寄与した要因として,1)暖かくしっかりとした養育 2)学習の機会と動機づけの提供 3)よい友人関係 4)地域の大人とのかかわりがあげられる。これらは,山岸(2008)の被虐待児の立ち直りについての検討や,レジリエンスの促進要因としてあげられていることと共通しているといえる。 アンが当初からもっていた対人的能力や学業上の能力に関しては,語られた育ち方では少々無理があるが,クスバート家そしてアボンリーで生活する中でのアンの変化に関しては,発達心理学の見解と一致するものであることが示された。
著者
山岸 明子
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医療短期大学紀要 (ISSN:09156933)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.41-50, 2000-03-29

本研究の目的は,内的作業モデル尺度の構造を明らかにするために,対人的関係性(親密性,依存性,援助の拒否)や自己への信頼感(無力感,孤独感,適応感)との関係を検討することと,縦断的データによってそれらの変数の変化を検討することである。被験者は95名の看護短大生で,1年時の4月,6月,3年時の4月,9月の4時点で同一の質問紙調査に答えてもらった。主な結果は次の通り。1.因子分析の結果,アンビバレントは対人的不安と一般的な自信のなさの2つに分かれ,回避は自力志向と情緒的関係の回避の2つに分かれた。それぞれの2要因間の相関は弱く,また対人的関係性や自己への信頼感との相関関係も異なる部分が見られた。これらのことはアンビバレントと回避の尺度は1つの要因ではなく,異なった複数の要因から成っていることを示している。2.時期による得点の違いに関しては,対人的不安とIWMの安定性,親密性が有意だった。対人的不安は学年の進行と共に減少する傾向が見られ,安定性は2ケ月半の病院実習の後で増えていた。4時期間の相関は2年半の間隔の場合も含めて比較的高く,これらの変数に関して大きな変動は少ないことが示された。
著者
山岸 明子
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医療短期大学紀要 (ISSN:09156933)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.44-53, 1992-03-25
被引用文献数
1

学業-職業志向が異なる女子青年においては,性役割に関する自己認知の様相が異なるだろうという仮説のもとに,性役割と関連する特性について看護学生と社会科学専攻の女子大生を比較検討した。その結果次のことが示された。1)理想自己については,看護学生の方が女性性に該当する特性をもちたいとしていた。2)現実の自己に関しては両群間にほとんど差はなかった。しかし3)自己を認知する時の中心的な軸,及び4)自我同一性と性役割特性との関連の仕方において相違が見られた。社会科学系専攻の女子大生においては,外界に積極的能動的にかかわり一人でやっていく力-男性性-をもつかどうかが,自己認知の中心的な枠組みで,個の力をもつ者は全体的に好ましい特性をもつし,「確かな自分」をもつこととの関連も非常に強かった。それに対し看護学生においては,共同性や関係性-女性性-の方が自己認知の枠組みとして重要であり,他者とのかかわりに関する肯定的な特性をもつことが,個の力をもつことと同様に「自分の確かさ」と関連することが示された。
著者
山岸 明彦
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.108-116, 2011-06-25
被引用文献数
3

火星の環境は過酷であるが,地球の微生物の中には火星環境で生存可能な物も存在する.火星での大気中メタンの発見は,火星においてメタンを酸化する菌の存在可能性を検討課題として提起してきた.著者ら(MELOS生命探査サブグループ)はメタン発生地域やその近傍では,火星表面下数cmで微生物が現在も存在しているのではないかという可能性を提起している.我々は蛍光顕微鏡とアミノ酸分析による火星生命探査を提案している.蛍光顕微鏡を用いることによって,DNAやRNAを持たない生物の細胞を極めて高感度で検出できる.アミノ酸の種類と鏡像異性(DL)を解析することによって,その生物の由来に関する情報を得ることができる.
著者
山岸 明子
出版者
順天堂大学
雑誌
医療看護研究 (ISSN:13498630)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.130-135, 2006-03

本稿では,高等養護学校でおこった2人の少年の思いがけない変化を描いた山田洋次監督の映画「学校II」をとりあげ,何が2人の少年を変えたのか,そこに教師の働きかけ・教育はどう関与していたのかを教育心理学の観点から分析し,それに基づいて大人は子供にどのようにかかわったらいいのかについての考察を行った。教師の熱心な働きかけによっても変わらなかった2人の少年が立ち直った要因として,1)教師ではなく仲間からの思いがけない働きかけ 2)少年たちの気持を理解しようとし,共感的にかかわる教師の対応 3)自分にも何かができるということの経験,4)教師による学習や自己統制への指導,が抽出された。以上の分析に基づき,子どもの発達的変化を促すものとして,大人との暖かく支持的な関係,親密な仲間や様々な他者との交流(子どもが他者をケアするような関係も含めて)が重要であり,そこで受容感や自分が有効性をもち必要とされている存在なのだという自己効力感を経験することが子どもを変えることが指摘され,更に子どもの能動性・自発性にもとづく教育だけでなく,時には大人が主導的にやらせて子どもに基本的な力をもたせて,自発的にやろうとした時にできるように準備を整えておくことの必要性が論じられた。
著者
山岸 明彦
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.112, no.2, pp.197-207, 2003-04-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
24
被引用文献数
1

The results of an experimental test for verifying the hypothesis that the common ancestor of all living organisms (universal ancestor, commonote) was a hyperthermophile (Miyazaki, et al., 2001), are explained. In the experiment, mutant enzymes with ancestral aminoacids were made using a gene engineering technique. The mutant enzymes were purified and tested for thermostability. The mutant enzymes with ancestral aminoacids showed higher thermostability than the contemporary hyperthermophile enzyme. The results suggest that the common ancestor of all living organisms was a hyperthermophile. The argument related to the hyperthermophilic common ancestor hypothesis was reviewed with respect to the experimental test.
著者
山岸 明彦 矢野 創 小林 憲正 横堀 伸一 橋本 博文 山下 雅道 田端 誠 河合 秀幸
出版者
生命の起原および進化学会
雑誌
Viva Origino (ISSN:09104003)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.72-76, 2008 (Released:2022-01-18)
参考文献数
23

たんぽぽ(蒲公英,dandelion)は綿毛のついた種子を風に乗せて頒布し,その生息域を広げる多年草である.我々は,この名前のもと,国際宇宙ステーション-JEM(日本実験棟)上での微生物と生命材料となり得る有機化合物の天体間の移動の可能性の検討と微小隕石の検出および解析実験を提案する.我々は,超低密度エアロゲルを用いることで,微小隕石やその他の微粒子を捕集することが可能であると考えている.低軌道上で超低密度エアロゲルを一定期間曝露することで宇宙空間で微粒子を捕集する.エアロゲル表面と衝突トラックの顕微観察の後,エアロゲルの様々な解析を行う.衝突トラックの詳細な検討により,国際宇宙ステーション周辺のデブリのサイズと速度が明らかにできると期待される.エアロゲル中に残存した粒子に関して,鉱物学的,有機化学的,及び微生物学的な検討を行う.一方,宇宙環境下での微生物の生存可能性について検討するため,微生物を直接宇宙空間に曝露する実験も行う.同様に,宇宙環境下での有機化合物の変性の可能性を検討するため,有機化合物の宇宙空間への直接曝露実験も行う.これらの実験を行うための装置はすべて受動的な装置であり,そのための装置の基本構造,装置回収後の解析法も,既に確立されている.
著者
山岸 明彦
出版者
生命の起原および進化学会
雑誌
Viva Origino (ISSN:09104003)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.6, 2021 (Released:2021-11-25)
参考文献数
87

In my college age, I read the Japanese translation of “The Origin of Life” written by Oparin, though understood a little. During graduate school and postdoctoral position in Japan and USA, I started the research experience in the field of photosynthesis. After returning back to Japan, I started the research career in Tokyo Institute of Technology, where I started the research on the structure of genomic DNA of archaebacteria. We analyzed the characteristics of the last universal common ancestor, which we named Commonote commonote, and found that the species was hyper-thermophilic, based on the experimental results obtained by reproducing an enzyme possessed by C. commonote, in Tokyo University of Pharmacy and Life Sciences. Then, we started the research on microbiota in deep see hydrothermal system as well as high atmosphere. Later, we started the space experiment Tanpopo on the International Space Station. The research field is now called Astrobiology.   There are ample of research results related to the RNA-origin of life. The ribonucleotides were produced nonbiologically in aqueous media by a reaction process with drying steps. The ribonucleotides were polymerized without biological catalyst. RNA-replicating ribozyme with the length of 200 nucleotides capable of replicating 200-nucleotide-long template has been reported. The process from the protocell containing self-replicating ribozyme surrounded by lipid membrane to the last universal common ancestor Commonote commonote is proposed.