著者
山岸 明彦 河口 優子 横堀 伸一 橋本 博文 矢野 創 今井 栄一 田端 誠 小林 憲正 三田 肇
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.173-179, 2018-06-05 (Released:2018-06-05)
参考文献数
27
被引用文献数
1

「たんぽぽ計画」では国際宇宙ステーション(ISS)曝露部で微生物を採集することによって,この高度での微生物の存在可能性を検討する.また,微生物が宇宙空間で,どの程度の時間生存できるのかを,微生物を宇宙環境に曝露することによって調べる.生命の起原以前に,宇宙空間で合成された有機物が宇宙塵とともに地球に飛来した可能性がある.そこで,ISS上で宇宙塵の採集を行い,有機物を解析する.地球周辺には,スペースデブリが多量に蓄積している.本計画ではそのモニターも行う.これらの実験のために0.01g/cm3という超低密度のエアロゲルを開発した.これは今後の宇宙における様々な高速衝突微粒子採集に利用可能である.曝露試料は1年間,2年間,3年間曝露の後に地上に持ち帰り解析する.すでに,1年目と2年目の試料が地上に帰還して分析が行われている.1年間曝露した微生物の生存が確認された.
著者
山岸 明彦
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.117-124, 2011-06-25 (Released:2017-08-25)
参考文献数
22

「たんぽぽ計画」では国際宇宙ステーション(ISS)曝露部で微生物を採集することによって,この高度での微生物の存在可能性を検討する.また,微生物が宇宙空間で,どの程度の時間生存できるのかを,微生物を宇宙環境に曝露する事によって調べる.生命の起原以前に,宇宙空間で合成された有機物が宇宙塵とともに地球に飛来した可能性がある.そこで,ISS上で宇宙塵の採集を行い,有機物を解析する.地球周辺には,スペースデブリが多量に蓄積している.本計画ではそのモニターも行う.これらの実験のために0.01g/cm^3という超低密度のエアロゲルを開発した.これは今後の宇宙における様々な微粒子採集に利用可能である.
著者
山岸 明彦
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2010年度日本地球化学会第57回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.172, 2010 (Released:2010-08-30)

一般に生命の起原は地球と考えられているが、古くから生命は宇宙を移動するという仮説が提案されている。この仮説は「パンスペルミア仮説」とよばれている。この仮説は、それでは地球外でどのように生命が誕生したのかという点には答えないため、その意義については疑問も多かった。また、長らくその検証手段が無かった。しかし最近、この仮説の検証するための実験が欧米を中心に進んでいる。すなわち、生物が惑星間を移動する過程で生存可能かどうかを試す実験が行われている。日本のアストロバイオロジーの研究者グループでは「たんぽぽ計画」という計画を計画している。この計画では、国際宇宙ステーションで微粒子を採集し、その中に微生物がいるかどうかを調査する。また、微生物を宇宙環境に曝露して生存の可能性を探査する。さらに、火星の研究が進み、火星には今も水(氷)が大量に残されていることが明らかになっている。さらに、メタンの発生が検出されている。現在計画中の火星探査計画MELOSの一部として生命探査を検討している。これらの現状を紹介する。
著者
浅間 英樹 赤林 伸一 山岸 明浩 坂口 淳 渋谷 典宏 石山 洋平
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.47, pp.196-199, 2004-07-17

本報では,前報に引き続き北陸地域における住宅の用途別エネルギー消費量の調査結果から,各種家電機器のエネルギー消費量の検討結果について報告する。照明機器は,夏季に比べ冬季は使用時間が長く,また電力消費量も多い。厨房機器は使用時のピークファクターが高い。冷蔵庫の電力消費量と室温には高い正の相関が見られる。娯楽情報機器は使用時に安定した電力消費量を示す。家事衛生機器も使用時のピークファクターが高い。また,温水便座の電力消費量と水温には高い負の相関が見られる。
著者
木村 淳 山岸 明彦
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.111-120, 2017

<p>「地球外生命は存在するだろうか.」この問いは,「生命とは何か」というもうひとつの問いに対して宇宙で普遍的に通用する答えを得ることに繋がる.このふたつの問いに答える最も直接的な手段が,太陽系における地球外生命探査である.地球外生命の証拠はまだ見出されてはいないが,近年の様々な探査を通して,生命探査の対象となる天体,すなわちエネルギーや物質の観点で生命を育み得る環境を持つ天体の候補がいくつか見つかってきている.本稿では,火星,木星衛星エウロパ,土星衛星エンセラダスおよびタイタンを具体的な対象に,それらの天体がなぜ地球外生命の存在可能性を有するのかについて現状の知見をまとめる.</p>
著者
山岸 明子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.163-172, 1998-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
29
被引用文献数
1

本研究の目的はセルマン理論に基づいて対人交渉方略 (INS) の質問紙を作成し, その発達的変化, 及びINSと学校での適応感との関連を, 性差からの観点を中心に検討することである。172名の小学4年生, 273名の6年生, 117名の中学3年生, 67名の大学生に対し質問紙調査が行われ, 対人的葛藤を解決するのに9種類のINSをどの位使うか, また学校での生活についてどう感じているかについて回答を求めた。主な結果は次の通り。1) INSのレベルに関しては, 女子の方が男子より進んでいた。2) 低レベルにおいては, 男子は他者変化志向, 女子は自己変化志向の得点が高かった。3) 男子ではINSレベルと学校での適応感との間に正の相関が見られ, セルマン理論に合致していた。その傾向は特に6年生で顕著だった。4) 女子では小6から中3にかけて, 他者変化志向の減少と自己変化志向の上昇が見られた。またINSレベルと適応感との関連は, 小6では男子と同様な関連が見られたのに対し, 中3では全く異なっていた。
著者
山岸 明彦 三田 肇 田端 誠 小林 憲正 横堀 伸一 東出 真澄
出版者
東京薬科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

国際宇宙ステーションで実施した曝露実験試料および超高速微粒子捕集実験試料の解析を行い、生命の起源に関する二つの仮説を検証する結果を得た。エアロゲルの表面に0.1mm以上の衝突痕を合計200個以上発見した。捕集粒子および曝露パネルの分析から以下の結果を得た。1.微生物密度の上限を決定した。2.曝露微生物生存率を推定し、宇宙での死滅が指数関数的であることを確認した。3. 複雑態アミノ酸前駆体がヒダントインのような単純な前駆体よりも安定であることを確認した。4. 捕集超高速衝突粒子の無機鉱物分析を行い宇宙塵を確認した。 5. 世界最高性能エアロゲルを実証した。 6. 微小デブリの衝突頻度を得た。
著者
山岸 明子
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂大学スポーツ健康科学研究 (ISSN:13430327)
巻号頁・発行日
no.11, pp.37-48, 2007-03

The purpose of this study was to examine the condition of solidarity in childhood by analyzing typical examples where children either could form solidarity or couldn't. We analyzed two contrasting novels describing boys' solidarity, William Golding's ``Lord of the flies'' and Kenzaburo Oe's ``Nip the buds, shoot the kids''. Results showed that the following six conditions had effects on forming solidarity; as to tasks which boys worked on, 1) cognitive adequacy of tasks, 2) degree of task sharing, 3) clarity of results, 4) degree of necessity for cooperation, and as to boys' endowments, 5) ego maturity of group members, especially their leader, and 6) experience of independence and strength of orientation toward it. It was also considered how adults can support them to form solidarity in difficult conditions.
著者
橋本 博文 今井 栄一 矢野 創 渡辺 英幸 横堀 伸一 山岸 明彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集
巻号頁・発行日
vol.82, no.835, pp.15-00538-15-00538, 2016
被引用文献数
1

The mechanical thermometer using a bimetallic strip coil was developed for the Tanpopo mission. The Tanpopo mission is a multi-year passive exposure experiment for astrobiology exposure and micrometeoroid capture onboard the Exposed Experiment Handrail Attachment Mechanism (ExHAM) at the Japanese Experiment Module 'Kibo' (JEM) Exposed Facility (EF) on the International Space Station (ISS). The Tanpopo mission apparatuses were launched by the SpaceX-6 Dragon CRS-6 on April 14 2015, from the Cape Canaveral Air Force Station in the U.S.A. Since its microbial exposure experiment requires recording the maximum temperature that the Tanpopo exposure panel experiences, we have developed a mechanical thermometer with no electric power supplied from the ExHAM. At a given time and orbital position of the ISS, the thermometer indicator was video-imaged by the extravehicular video camera attached to the Kibo-EF and controlled from the ground. With these images analyzed, we were able to derive the maximum temperature of the Tanpopo exposure panels on the space pointing face of the ExHAM as 23.9±5 °C. Now this passive and mechanical thermometer is available to other space missions with no electric supplies required and thus highly expands the possibility of new extravehicular experiments and explorations for both human and robotic missions.
著者
山岸 明子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.97-106, 1976-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
14
被引用文献数
6 3

The purpose of this study is to investigate moral judgement in children and youth based on the theory and the method of Kohlberg, L., and to examine the availability of his method and the validity of stage sequences in Japan whose culture is different from the U. S. A..In this study, moral judgement was analysed from how children and youth understood various moral norms which were imposed on them by adults or society, and what their standards of right-wrong were.Four of the Kohlberg's stories involving moral dilemmas, translated and slightly modified, were given to 19 5 th-, 20 8 th-, 20 11 th-graders and 16 college students. They were asked to answer in writing what one of the characters of each story should do and why, and later, to respond in an interview to additional clarifying questions. Their responses were analysed in detail by issue scoring method which examined what their basic orientation to moral issues was, and classified into one of 5 stages,(stage 5 and 6 were not distinguished). Two scorers' rating 40 Ss independently were in close agreement.The results were as follows;1) Distributions of stages among the subjects were as shown in TABLE 5. It showed age-dependent development of moral judgement and supported the Kohlberg's theory.2) As to sex differences, such tendency was found. that in girls there were more who had stage 3 orien tation (but not statistically sighificant).3) In Japan there were more who belonged to stage 3 than in U. S. A., overall age except among college students.
著者
伊藤 綾 竹内 浩二 高木 章雄 櫻井 文隆 渋澤 英城 菅谷 悦子 栄森 弘己 山岸 明
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.53, pp.153-156, 2006-12-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
6

近年, 東京都の江東地域においてエダマメの葉の黄化や生育不良, 収穫減少などの生育障害が発生している。そこで2005年に都内のエダマメ圃場63カ所を調査した結果, 江東地域では20圃場で生育障害が発生していた。そのうち19圃場では根部にダイズシストセンチュウのシストの寄生と, 土壌中に高密度の本種のシストと卵を認め, ダイズシストセンチュウが生育障害の原因となっている可能性が高いと考えられた。なお, 多摩地域においても初めて本種の分布を確認した。
著者
緒方 雄一朗 薮田 ひかる 中嶋 悟 奥平 恭子 森脇 太郎 池本 夕佳 長谷川 直 田端 誠 横堀 伸一 今井 栄一 橋本 博文 三田 肇 小林 憲正 矢野 創 山下 雅道 山岸 明彦 たんぽぽ ワーキンググループ
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.175-175, 2011

始原小天体有機物は、太陽系および生命原材料物質の起源と進化を理解するための重要な情報を記録している。「たんぽぽ計画」では、大気圏突入時の熱変成や地上での汚染を受けていない宇宙塵を、国際宇宙ステーション上に超低密度シリカエアロゲルを設置して回収を試みる予定である。しかし、この方法では、宇宙塵のエアロゲルへの衝突により変成する可能性を考慮する必要がある。そこで本研究では、宇宙科学研究所・スペースプラズマ実験施設の二段式高速ガス銃を用いて、隕石微粒子の高速衝突模擬実験を行い、マーチソン隕石微粒子をシリカエアロゲルに撃ち込んだものを取り出し、2枚のアルミ板にはさみハンドプレスして圧着された隕石微粒子を、片方のアルミ板に載せた状態で、赤外顕微分光装置と顕微ラマン分光装置で測定を行った。また、SPring-8, BL43IRの高輝度赤外顕微分光装置IFS120HRでイメージング測定を行い、衝突前後の隕石有機物の分子構造の変化を見出すことを目的とした。
著者
大谷 栄治 倉本 圭 今村 剛 寺田 直樹 渡部 重十 荒川 政彦 伊藤 孝士 圦本 尚義 渡部 潤一 木村 淳 高橋 幸弘 中島 健介 中本 泰史 三好 由純 小林 憲正 山岸 明彦 並木 則行 小林 直樹 出村 裕英 大槻 圭史
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.349-365, 2011-12-25
被引用文献数
1

「月惑星探査の来たる10年」検討では第一段階で5つのパネルの各分野に於ける第一級の科学について議論した.そのとりまとめを報告する.地球型惑星固体探査パネルでは,月惑星内部構造の解明,年代学・物質科学の展開による月惑星進化の解明,固体部分と結合した表層環境の変動性の解明,が挙げられた.地球型惑星大気・磁気圏探査パネルは複数学会に跨がる学際性を考慮して,提案内容に学会間で齟齬が生じないように現在も摺り合わせを進めている.本稿では主たる対象天体を火星にしぼって第一級の科学を論じる.小天体パネルでは始原的・より未分化な天体への段階的な探査と,発見段階から理解段階へ進むための同一小天体の再探査が提案された.木星型惑星・氷衛星・系外惑星パネルは広範な科学テーマの中から,木星の大気と磁気圏探査,氷衛星でのハビタブル環境の探査,系外惑星でも生命存在可能環境と生命兆候の発見について具体的な議論を行った.アストロバイオロジーパネルでは現実的な近未来の目標として火星生命探査を,長期的な目標として氷衛星・小天体生命探査を目指した観測装置開発が検討された.これらのまとめを元に「月惑星探査の来たる10年」検討は2011年7月より第二段階に移行し,ミッション提案・観測機器提案の応募を受け付けた.
著者
山岸 明子
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医療短期大学紀要 (ISSN:09156933)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.48-56, 1990-03-25

本稿は,我々がそれぞれもっている「正しさ」の枠組み-何が正しいこと,よいことなのか-が,どのような経験の中で何によって作られていくのかを考察するものである.コールバーグは「公正さの道徳性」の発達段階論を提唱し,その発達には他者との相互作用の中で自分とは異なった他者の視点をとる経験(役割取得)が重要だとした.それに対しギリガンは,コールバーグの発達理論は男性の発達を描いたものにすぎないと批判し,女性はそれとは異なった「配慮と責任の道徳性」をもち異なった発達過程をたどること,その違いは他者-世界との関係の仕方が男女で異なることに由来すると指摘した.本稿では,日本における道徳判断の発達を実証的に検討した研究と関連させて,二つの道徳性が,我々が経験する二つの基本的な対人関係に基づいて構成されるという仮説が提起される.二つの対人関係とは(1)自他が明確に分化された関係と,(2)自他を明確に分化しないままにかかわる関係であり,それぞれ父親,母親との関係に原型があると考えられる.父親的関係,母親的関係の中でいかに「正しさ」が構成されるのかの考察がなされ,更に日本のしつけ-対・子供関係-の特徴が二つの対人関係との関連で論じられる.
著者
山岸 明浩 堀越 哲美 石井 仁
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.23-34, 1997-07
被引用文献数
1

本研究は連続した上下気温分布が,人体の皮膚温および温冷感に与える影響について明らかにすることを目的とし,裸体・椅座・安静状態で実験を行い検討した。実験は,床上0.7mの気温25℃,28℃と床上0.1mと1.1mの上下気温差0℃, 4℃, 8℃との組合せ条件下で,青年男子5名を用いて行った。人体各部位の皮膚温は,前額から足背へと部位の位置が低くなるにつれ低い値となり,上下の気温差とともに気温条件との組合せにより人体各部位の皮膚温への影響が変化する。各部位の温冷感申告は,他の部位に比べ頭部は暑い側,足部は寒い側の申告を示した。上下気温差は,人体の上半身よりも下半身に与える影響が大きい。人体の上下方向の皮膚温と温冷感申告の差は,上下気温差が大きくなるに従い増加する傾向であった。実験条件暴露60分間の皮膚温の変化は,気温28℃の実験条件では下腿,気温25℃条件では平均皮膚温,下腿,足背の皮膚温が低下する傾向にあった。
著者
志村 欣一 堀越 哲美 山岸 明浩
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.480, pp.15-24, 1996
参考文献数
19
被引用文献数
23 4

The objectives of this paper is to propose thermal comfort zone based on the experimental data of the optimum air temperature and humidity conditions for Japanese. Experiments were conducted on 650 Japanese young men and wemen in the summer season under 16 kinds of the following combined conditions : air temperature of 22℃, 24℃, 26℃ and 28℃, and absolute humidity of 7g/kg', 10g/kg', 13g/kg' and 16g/kg' under still air in which mean radiant temperature is nearly equal to air temperature. The following results were obtained : 1) The Comfort Zone for slightly clothed (0.45clo), sedentary young Japanese is represented in the envelope in which operative temperature range extents 24.7℃ to 27.6℃ on the 6g/kg' absolute humidity line, and 24.1℃ to 26℃ on the 80% relative humidity curve. 2) The mean skin temperature stands between 33℃ and 34℃ in the thermal comfort conditions.
著者
山岸 明子
出版者
順天堂大学
雑誌
医療看護研究 (ISSN:13498630)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.102-108, 2007-03

本研究の目的は,「生産性」に関して逆方向の発達課題を担っている児童期と老年期にある者が交流をもつことによりもたらされるものについて,発達心理学の観点から考察を行うことである。考察の対象としたのは,偶然交流をもつようになった孤独な老人と寂しさや問題をもつ少年が,交流を通して独特な形で支え合い,老人の死後も少年の心を支え続けるようになる過程を描いた2つの小説,「博士が愛した数式」と「夏の庭」である。なぜそのようなことが可能になったのかの分析を行い,1)老人のもつ能力や特質が少年達の発達課題の取り組みに合っていて,そのサポートができたこと,2)少年たちは他の大人から道具的・情緒的サポートを受けたり,存在を認めてもらうことが少ない少年だったという2つの要因が抽出され,そのことが双方が相手の「役に立っている」という気持や,自分が相手から必要とされ大切にされているという気持をもたらし,Eriksonの相互性が成立したことが示された。老人と少年との間にこのような交流がいつもおこるわけではなく,老人の状況,少年側の状況,交流の中味,それらの条件が整った時のみに,相互性の体験がもたれることが論じられた。
著者
山下 恭弘 山岸 明浩
出版者
信州大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究は,長野市に位置する一戸建て住宅について,築後年数の経た住宅(I分類)と新築住宅(II分類)において経時的な室内温熱環境と居住者意識およびエネルギー消費量に関する調査をおこなった。本研究により得られた成果の概要は,以下の通りである。1.住宅の室内環境の測定結果より,室内温熱環境では,外界条件の影響もあり,冬季のみ他の季節とは異なる結果となった。室内環境に対する居住者意識では温熱環境に関わる項目で季節による違いが認められた。2.環境条件の測定値と居住者の評点について検定を行うことにより差を明らかにし,各々の温熱環境条件と居住者意識の季節変化および移転による変化について考察を行った結果,I,II分類の住宅とも室内温熱環境測定値および居住者意識において季節による有為な差が認められた。3.判別分析を用い季節変化が居住者の意識に与える影響について考察を行った。その結果,季節変化は室内温熱環境に関わる居住者意識への寄与が高く,他の環境に対する寄与は低いことが明らかとなった。4.温熱環境の物理環境測定値と居住者意識の対応について検討した結果,季節による変化は明確に捉えられた。5.筆者らの冬季における既往データとの比較を行った結果,気温の絶対値のみならず,気温の空間における分布性状や放射熱が温冷感に影響を与えていることが推察された。6.住宅の暖房器具については,I分類の住宅では,ストーブ,ファンヒ-タ,およびこたつを使用しており,II分類の住宅では,エアコンを使用しこたつの使用が減少傾向にあることが推測された。7.電気とガスの消費量についてみると,電気の消費量は1月に最も大きくなり,消費量で500〜600kwh程度,料金で13,000円前後となった。5月や10月の中間期では約6,000円程度の電気料金であった。