著者
一宮 一夫 佐川 康貴 山本 武志 藤山 知加子 千々和 伸浩
出版者
大分工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2022-04-01

石灰石を主原料とするセメントは,製造時のCO2の大量排出,天然資源の消費抑制の点で課題がある。一方,セメントと同等以上の性能を有し,国内外で研究開発が進行中のアルカリ活性材料(AAMs)は,石炭火力発電が縮小・廃止されると,主要材料のフライアッシュ(石炭灰)の確保が困難になる。本研究では,火山堆積物や木質バイオマス灰などの各種未利用資源をAAMsへ適用するための,材料調整方法や施工法を開発する。
著者
山本 武人 樋坂 章博 鈴木 洋史
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-19, 2014 (Released:2018-04-02)
参考文献数
24
被引用文献数
3

持続的腎代替療法(CRRT)は、主に急性期病棟において循環動態が不安定な患者に導入されるが、CRRTにより治療上必要な薬物も除去され、血中濃度コントロールに難渋することも多い。そのため、CRRT導入患者に対しては慎重な投与設計が必要であるが、ガイドラインで推奨されている投与量は、限られたCRRT実施条件における検討に基づくものがほとんどである。そのため、施設毎・患者毎に実施条件が異なるCRRT導入患者に対して適切な投与設計を行うためには、CRRTによる薬物のクリアランス(CLCRRT)とCRRT実施条件の関連性を理解し、CRRT導入による全身クリアランス(CLtot)の変化を定量的に評価する必要がある。まず、CRRTによる小分子薬物の除去メカニズムは基本的には濾過と拡散であるが、アルブミンと結合した薬物は透析膜を透過できないことから、血漿中の非結合型薬物のみが除去の対象となる。従って、CLCRRTは薬物のタンパク非結合型分率とCRRT実施条件により理論的に推定可能であり、通常の実施条件(透析液流量と濾過量の合計が10~35 mL/min程度)であればクレアチニンクリアランス(CLcr)として10~35 mL/minに相当する。一方で、CRRT導入時の投与設計を行う上では薬物の未変化体尿中排泄率(Ae)も重要なパラメーターであると考えられる。すなわち、CRRT導入時の投与量としては、各種文献に示されているCLcrが10~50 mL/min相当の投与量を目安とするが、Aeの大きい腎排泄型薬物では、患者の腎機能が廃絶している場合にはCRRT実施条件の個人差がCRRT導入時のCLtotに与える影響が大きく、CRRT実施条件を考慮した投与設計が必要となる可能性がある。さらに、CRRT導入患者であっても初回投与量は腎機能正常者と同量とすること、CRRTは尿細管分泌や再吸収を代替できないため、それらの寄与の大きい薬物では予想外の薬物動態変化を示す可能性があることなどにも注意が必要である。本稿ではCRRT施行時のクリアランスの考え方について理論的背景を紹介した後、抗菌薬を例に臨床における投与設計への応用について解説する。
著者
山本 武 林 周作
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

食物アレルギーの患者数は急増しているが、未だ有効な治療方法がない疾患である。申請者は、病態モデルマウスを用いた検討により、漢方薬の葛根湯が食物アレルギーの発症を抑制することを明らかにしている。近年、腸管粘膜免疫系が食物アレルギーの発症に関与することが明らかになってきた。そこで本研究では、葛根湯による腸管粘膜免疫系に対する効果の検討を行い、葛根湯が腸管に制御性T細胞を誘導し、腸管粘膜免疫系を制御することにより治療効果を示すことを明らかにした。
著者
山本 武志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00054, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
19

燃料炭の品質変動に伴う多様な物理・化学特性を示すフライアッシュに対してAPI法を適用できるよう反応時間と反応温度の最適化検討を行った.フライアッシュ:セメント:水を質量比1:1:40で混合した懸濁液に対して80℃下で18時間~48時間反応させた場合にポゾラン反応は収束しない状態ではあるが,80℃-28時間の反応条件で得られるAPI値が材齢28日ならびに91日における活性度指に対して良好な相関を示した.反応性の異なる3種類のフライアッシュを用い,繰返し数3として5機関によるクロスチェック試験を行った.各機関における繰返し数3における繰返し性と5機関の間での評価値の再現性が良好であったことから,API法は誤差要因が比較的少ない手法であることを明らかにした.
著者
鵜飼 渉 辻野 華子 杉村 政樹 木川 昌康 田山 真矢 石井 貴男 古瀬 研吾 廣瀬 奨真 橋本 恵理 澤田 いずみ 山本 武志 白鳥 正典 河西 千秋 相馬 仁
出版者
札幌医科大学医療人育成センター
雑誌
札幌医科大学医療人育成センター紀要 = Journal of center for medical education Sapporo Medical University = Journal of center for medical education Sapporo Medical University
巻号頁・発行日
vol.9, pp.35-43, 2018-03-31

精神科教室セミナーを終えた懇親会で,演者としてお招きした大学教授のA 先生から,突然,“先生も扁桃体クラブの会員なのですね(笑)。”と,言われ驚いたことがある。若くて優秀なその先生に,大変やさしい笑顔で話しかけられ,固く握手までしてもらったと記憶している。“扁桃体クラブ”という“人の集まり”が存在するのかどうか私は知らない。しかし,それがもし“会員制”であったなら,私はぜひ会員の皆様との集いに参加してみたいと思う。私たちはこれまで,精神疾患における,対人コミュニケーション能力をはじめ,種々の社会的な認知機能障害の脳病態の解明を目指す研究を進めてきたが,その観点からは,“扁桃体クラブ”という言葉にはとても魅力的な響きがある。ここでは,近年,家庭,学校,職場で起きている,いわゆる“コミュ障”(コミュニケーション障害の略語とされている)問題を越えていくためにも,本題の“ディープコミュニケーション”の脳機能に関連する知見を集めてみた。
著者
山本 武史
出版者
広島女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

音節とは母音を中心とした音のまとまりであり、音韻論的に有用な単位である。この音節を分類する視点に音節量、もしくは音節の重さというものがあり、この概念を用いて例えば英語の語強勢(語アクセント)の位置が説明される。一般的に音節量は母音の長さ(短母音か長母音・二重母音か)と尾子音(母音の後に来る子音)の数によって決まるとされるが、尾子音の種類や頭子音(母音の前に来る子音)も少なからず影響することが分かった。
著者
西元 勝也 戸田 義郎 山本 武彦
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.99-105, 1975 (Released:2008-11-21)
参考文献数
13

1. 鶏卵黄をRhizopus属糸状菌より得られた酸性proteinase, lipaseを含む酵素剤(“Samprose”)とともにインキュベートすることにより,イソプロパノールにより抽出される脂質の収量は増加した. 2. 酵素処理した卵黄は,酸度,ホルモール滴定値は増加するが,その増加のある時点以後では卵黄は遠心分離のみにより上,中,下の3層に分離することがわかった. 3. 分離した上層は中性脂質と若干のそれの分解物,中層は主としてリン脂質と若干のそれらの分解物,下層は脂質をほとんど含まない卵黄蛋白の分解物であることがわかった.

1 0 0 0 OA 検閲と日本人

著者
山本 武利
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

GHQは1945年9月1日から1949年11月31日まで検閲を行った。CCDとCIEを使って巧みに日本人を統治した。郵便など通信やメディアの検閲で日本人の諜報活動を把握した。CCDの雇用者は日本人であったが、検閲の存在の公表を許さなかった。そうしながら、日本では新憲法で言論の自由が保証されているといった巧みな戦術・戦略を実行した。左翼メディアや少数の右翼メディアは巧妙な検閲体制に批判しが、多くのメディアは軍事裁判、発行禁止、没収、、パージ、用紙統制のしたがった。こうして日本人とメディアを使った日本のアメリカ化が促された。
著者
山本 武利
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

CCDはコミュニケーションの監視とインテリジェンスにつながる情報の獲得を目的としていた。監視の目的は、軍事的な安全の確保と治安を乱すコミュニケーションの排除であった。日本政府の降伏条件への服従の度合いを探る工作を行った。とくに日本の民主化に注視していた。そのために郵便、電信、メディアの検閲に力を入れた。そのために多数の日本人を採用して検閲者にした。能力のある日本人を現場で教育し、役に立つものは抜擢し、能力がないと見た者は整理した。日本人は次第に協力的になり、検閲者として重宝されるようになった。とくに日本人女性の能力を評価し、管理職DACに採用した。日本での検閲は成功したとGHQは判断した。
著者
佐鹿 雅敏 柴山 善一郎 山本 武 今安 清光
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.114, pp.283, 2003

林業上重要である樹幹の曲がりや傾きを簡単に測定できるようにするためにポケットコンパスに着目して簡便な測定法を提案した.方法はつぎのとおりである.立木の曲がりや傾きが良く見える場所にコンパスを水平に設置して、測定対象木とコンパスとの水平距離を測った.樹幹のある高さの中央部を視準して、コンパスの黒針が指し示す方位角を0.25°刻みで読み取った. 測定高は,仰角が最大44°までとし,俯角は木の根元までで,それぞれ2°刻みで読み取った.測定対象木は高知大学農学部内の造園木であるアベマキ、ラカンマキ、クス、ナギなどの計28本と愛媛県久万町のヒノキさし木品種である東山1号桧、東山3号桧の親木などの計38本である.コンパスでの測定結果として、造園木では特徴のある樹幹の曲がりや傾きをみた目に近い形で的確に表現することができた.ヒノキ植林木については,みた目では極めて通直に見える立木でも樹幹にゆれや傾きが観察された.この測定法の長所と短所について簡潔にまとめた.コンパスを使った簡便な方法でも,眼では確認しにくい立木の曲がりや傾きを表現できた.今回測定した造園木や植林木の中には,根元から梢端に至るまで真直ぐで水平面に垂直に立っているような樹木は1本もないことが明らかになった.コンパスを使った測定精度は必ずしも高くはないが、現場の人誰でもが立木の曲がりや傾きを簡便に測定できるので有益である.
著者
増田 朋美 青山 和宏 森永 敦樹 山本 武寿 天羽 康
出版者
愛知教育大学附属高等学校
雑誌
研究紀要 (ISSN:09132155)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.53-67, 2016-03-31

現在、「データの分析」は、知識の伝達だけに偏らず、学ぶことと社会とのつながりをより意識した指導が期待されている。一方、高等学校教育課程としては約40年ぶりに導入された本単元には、現場からの戸惑いの声も多く、まだまだ課題が山積している。そこで本研究では、基礎的な知識・技能の習得することとともに実社会や実生活の中でいきる統計的思考力を育成することを目標に、テクノロジー活用を前提とした多変数のデータセットからなる教材を開発し、実践した。本教材を生徒たちがどう学習したか、その様相を明らかにすることを通して、「学ぶ統計」から「使う統計」へ、学習の転換を提案したい。
著者
山本武利著
出版者
法政大学出版局
巻号頁・発行日
1981
著者
山本 武
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

食物アレルギーを安全にかつ効率良く治療を行うために、抗原摂取によりアレルギー性消化器症状を発症する食物アレルギー病態モデルマウスに対して経口免疫療法を行う経口免疫療法モデルを作製し、葛根湯を併用した治療法の効果とその機序の検討を行った。経口免疫療法のみの治療よりも、葛根湯を併用した治療が腸管でFoxp3+制御性T細胞を増加させ、腸管粘膜免疫系のTh2免疫応答の過剰な亢進を改善し、食物アレルギーを有意に改善することを明らかにした。また、経口免疫療法や葛根湯併用療法によりアレルギー症状発症に関与する粘膜型マスト細胞が腸管で増加したが、葛根湯併用療法では粘膜型マスト細胞の脱顆粒によって増加する血漿中mouse mast cell protease-1量が減少した。このことから、葛根湯併用療法により粘膜型マスト細胞の脱顆粒が抑制され、食物アレルギー症状の発症が抑制されたことを明らかにした。葛根湯併用療法の治療効率改善の作用を示す葛根湯の有効成分を検討するために、葛根湯を構成する生薬の各単味エキスを経口免疫療法と併用して検討を行った。しかし、葛根湯併用療法と同様のアレルギー症状発症抑制効果は得られなかったため、葛根湯併用療法による治療効果は単独の生薬や成分による作用ではなく、複数の生薬エキスによる複数の機序を介した作用によることが示唆された。さらに、葛根湯併用療法による治療効果が長期間維持されるかを明らかにするため、治療後に抗原除去期間を経た後に抗原の投与を行いアレルギー症状の発症率について検討を行った。経口免疫療法のみでは抗原除去期間後に再びアレルギー症状を発症したが、葛根湯併用療法では治療効果が維持されアレルギー症状発症率は低かった。従って、経口免疫療法と葛根湯の併用療法による原因抗原に対する耐性獲得の可能性が示唆された。
著者
山本 武史 山本 和宜 木村 福男 吉田 哲也 山崎 富士子 西村 篤弘 中原 優 内田 豊 石本 敬三 神谷 晃
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.406-413, 2001-08-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
8

According to the guidelines of Japanese Society of Hospital Pharmacists, pharmacists should prepare medicine bags or labels for dispensing injectable medicines. However, it is not easy to establish a new system for printing these bags and labels quickly and efficiently all hospitals. At the moment many hospitals seem to let nurses write the information by hand directly on the transfusion bottles. This involved the risk of serious accidents due to miscommunication between pharmacists and nurses. Because we established a successful advanced system to achieve a maximum output with a minimum effort, its effectiveness is herein reported. We prepared labels using the data of our audit manual for the dispensing of injectable medicines. These labels included essential comments and information for both doctors and nurses. It takes 60-120 minutes to creating labels for 60 to 90 inpatients, while some additional time is needed to double check of the labels. As a result, this system has increased our workload by one and half times. In contrast to our increased workload, clear printed letters and useful comments and information has contributed to a decrease in the workload of the nurses in the ward. This cost effective, efficient system has received high acclaim from the staff members of other departments, and strongly confirms the role of pharmacists as risk managers. We now intend to further improve this system for proper dispensation of injectable medicines more properly and efficiently in the future.