著者
伊藤裕一朗 山田 雅之 宮崎 剛 世木 博久 伊藤 英則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.249-258, 1996-02-15
被引用文献数
6

本論文では 編物の紐状態を3次元紐図形としてとらえ これを表現し 紐図形の模様表示を支援するためのシステムについて述べる. このシステムは編み手順を表す記号列から編物のできあがり模様の3次元イメージを計算機を用いて生成し これを表示する. この紐図形生成の過程では ライデマイスター移動処理と力学的移動処理に基づく変形処理を逐次的に紐の交差点に対して施す. また 複数の交差点移動を効率的に行うために適応型移動係数を提案し その効率を評価した. さらに いくつかの例を通してこのシステムで提案した方法の有用性 および生成される図形の妥当性を示す.In this paper, string states of knitting patterns are represented by three-dimensional string diagrams, and a system for supporting knitting pattern displaying is described. This system generates and displays a three-dimensional knitting pattern from a table of notations which represents a knitting process. To generate a string diagram, this system repeatedly performs a transformation processing based on both Reidemeister movements and a string-tension movement, to crossing points of the string diagram. Also, an adaptive move coefficient is presented to execute the string-tension movement efficiently, and its effect is evaluated. The usefulness of the proposed methods and the validity of generated diagrams are verified by some examples.
著者
吉田 千文 山田 雅子 伊藤 隆子 雨宮 有子 亀井 縁
出版者
聖路加国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ソフトシステム方法論に基づくアクションリサーチ(内山2007)を用いて、人々が最期まで望む地域で安心して暮らし続けられるための新しい看護管理学の中核概念を探索し記述した。中核概念は以下の5つ。看護すること:自身や他者を気遣い世話すること。人は皆元来看護する力を有する。地域:人々の重層的関係が存在する複雑な場。元来看護する力が備わる。看護専門職:人々や地域への信頼を基に其々の世界間を行き来でき、状況に合わせて柔軟に役割を変化させて支え続ける存在。専門職連携:目的ではなくより良い実践の結果。地域包括的視点に基づく看護管理:統制ではなく看護力発揮にむけ人々を力づけ共に学習しその仕組みを創ること。
著者
山田 雅子 齋藤 美穂
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.183-194, 2007-09-01
被引用文献数
1

顔からその人の性別を判断する際、肌色という要素も手がかりとして作用する。そして、その作用は専ら肌色が持つジェンダーステレオタイプに沿ったもの、すなわち、男性は色黒、女性は色白という方向性を持つものであることが報告されている(山田・齋藤、2004)。本研究では更に顔の形態パタンの変化に着目し、肌色と形態の両要素の連関を検討した。種々の実験の結果、特に男女の顔合成率が拮抗する場合には、肌の色がステレオタイプ的に作用することが分かった。逆に、顔の形態が男女の何れかに近い場合は、肌の色の作用は消失する傾向にあった。つまり、肌色が作用するためには顔の形態的要素における条件があるといえる。また、観察条件や課題の種類が既述の2要素の連関に影響する可能性も得られた。
著者
野津 厚 山田 雅行 長尾 毅
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A (ISSN:18806023)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.891-905, 2006 (Released:2006-10-20)
参考文献数
38

地下構造の情報が十分でなく,差分法等による地震動の評価が困難な地域において,周期数秒の帯域での強震動評価の精度向上を図ることは重要な課題である.本研究は,既往の研究で短周期地震動への適用性が示されている経験的サイト増幅・位相特性を考慮した強震動評価手法について,周期数秒の盆地生成表面波への適用性を検討したものである.まず,九州地方の強震観測点における経験的サイト増幅特性を評価し,これを利用して,1997年3月26日鹿児島県北西部地震に対し,同手法による強震動シミュレーションを実施した.その結果,カルデラ内で卓越する周期数秒の盆地生成表面波を良好に再現できることがわかり,周期数秒の帯域における強震動評価手法としての同手法の有用性を示すことができた.
著者
山田 雅子
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.109-120, 2015-05-01

肌の記憶色は,実際よりも高明度であるとの研究があるが(児玉, 1975),自分自身の肌の場合も同様に,より明るい色がイメージされることが報告された(山田, 2010).本研究では特に自己の肌のイメージと実際との差異における個人差に注目し,当該ずれのパタンの抽出とその背景要因の分析を試みた.日本人女子学生82名を対象として実験調査を行った結果,化粧肌,素肌の何れの場合も,色相のずれの方向性と明度のずれの大小において個人差が抽出され,また,これらのずれの特徴は自身の理想や他者としての男女の肌のイメージの傾向としてもほぼ一貫して現れることが判明した.更に,こうした個人差が生じる背景要因を探ったところ,化粧時間や肌の悩みとの関係は不明瞭であったが,予想と実測の明度差が比較的小さい対象者は,ジェンダーに対して伝統的な価値観を持つことが明らかとなり,視覚的な接触時間以上に肌という対象の中心性の影響が推察された.
著者
岩瀬 亮 鈴木 茂樹 中 貴俊 山田 雅之 遠藤 守 宮崎 慎也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.242, pp.59-62, 2007-09-27

著者らの研究グループではこれまでに解経路探索に基づく知恵の輪の難易度の定量的評価を行ってきた.この研究では知恵の輪の解経路から特徴量を算出し難易度を求め,さらに被験者実験との比較を行い妥当性を検証した.既存の知恵の輪のデザイン手法の多くは試作を重ねるという方法で経験や勘によるところが大きい.そこで,解経路と難易度の関連性に基づく難易度を考慮した知恵の輪デザイン手法を提案する.これは一方の知恵の輪と難易度を考慮した解経路を作成し,その解経路を辿ることにより求められる軌跡からもう一方の知恵の輪を作成するという手法である.
著者
岩田康宏 浦正広 中貴俊 遠藤守 山田雅之 宮崎慎也 田村浩一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.667-669, 2012-03-06

動画の評価基準の1つとして,物語の展開が挙げられる.しかしこれは一般に視聴後に抱く印象であり,既存の動画検索やレコメンドにおいては考慮されていない.そこで本研究では,視聴者が気に入った物語の展開と類似した展開の動画をレコメンドするサービスを提案する.タイムラインでコメント投稿が可能な動画共有サイトを対象として,動画に対して寄せられたコメントを解析する事で,動画の盛り上がりと感情の推移を抽出する.これにより物語の展開を導出する.これを様々な動画に適用する事で,同じ特徴を持つ動画同士を結びつけ,視聴者が指定した動画に類似する展開の動画をレコメンドする.
著者
野津 厚 宮島 正悟 中西 豪 山田 雅行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A (ISSN:18806023)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.877-890, 2006 (Released:2006-10-20)
参考文献数
35

想定東海地震のような,陸地の極近傍で発生する海溝型の巨大地震による震源近傍の強震動については,強震記録が存在しないため,不明な点が多い.本研究では,経験的サイト増幅・位相特性を考慮した統計的グリーン関数法により,想定東海地震の震源近傍における強震動の評価を実施している.強震動の評価に必要なサイト増幅特性はスペクトルインバージョンにより推定し,2001年4月3日静岡県中部の地震(MJ5.3)の強震記録を利用して強震動評価手法の妥当性を検証した上で,想定東海地震に対する強震動評価を実施している.その結果,震源近傍における地震動はサイト増幅特性に大きく依存し,サイト増幅特性の特に大きい場所では,1995年兵庫県南部地震の観測波を上回る地震動も想定されることがわかった.
著者
米田 力生 中路 貴彦 山本 隆範 山田 雅博 瀬戸 道生
出版者
小樽商科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

一般的な空間である荷重付きディリクレ空間上の作用素、テープリッツ作用素、合成作用素がいつ閉値域を持つのかを特徴付けを行った。ベルグマン空間上での掛け算作用素に関しては勿論、一般的な空間である荷重付きディリクレ空間上の掛け算作用素が閉値域を持つ必要条件に関する必要十分条件に関しては知られているが、テープリッツ作用素、ハンケル作用素がいつ閉値域を持つのかに関しては殆ど知られていない。そこで、シンボルを解析函数に限定して、サンプリング集合の特徴付けを行い、その解析結果を利用して、テープリッツ作用素及びハンケル作用素がいつ閉値域を持つかに関する結果を得た。
著者
久野友 貴人 山本 圭一 上野 修平 山田 雅也 山崎 敏正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.479, pp.75-78, 2013-03-06

本研究のサイレントスピーチBCIは、Learning phase とDecoding phase で構成される。 Learning phase では、被験者(健常者10名)は画面上に提示された「グー」「チョキ」「パー」の線画を手掛かりに「グー」「チョキ」「パー」のいずれかを発話した。その際、計測された脳波データに対してICAとダイポール推定を行い、ダイポールが運動野、運動前野、補足運動野あるいはブローカ野に推定された脳波データを抽出した。同時に計測された音声データと抽出された脳波データからKalman Filterモデルを構築した。Decoding phaseでは、同様のタスクをサイレントスピーチで行い、その時の脳波を測定した。その後、Decoding phase時に測定された脳波を、Learning phaseで構築された「グー」「チョキ」「パー」それぞれのKalman Filterに入力することで、サイレントスピーチ時の音声データを予測した。予測された音声データの第一および第二ホルマント周波数から母音の予測をし、サイレントジャンケンの予測および識別を試みた。サイレントジャンケン分類器の性能はconfusion matrix によって評価された。
著者
山田 雅之 Rahmat Budiarto 世木 博久 伊藤 英則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.1573-1582, 1997-08-15
被引用文献数
1

本論文では点を含む紐図形のトポロジカルな性質について述ベる.点を含む図形の表示方法としてネットハンドル表示を定義し,この表示の任意の変形が制限のあるライデマイスター移動と,新たにここで定義する3種類の変形の組合せで表現できることを示す.この変形をアヤトリ図形の処理に利用し,その効果を示す.また,紐図形の位相不変量(特性量)となる多項式を定義し,これを用いてアヤトリの紐状態の特性量を抽出する.さらに,ある多項式変換がアヤトリ動作に対応することを示す.In this paper,we describe topological characteristics of string diagrams including some dots.We represent the string diagrams by Net-Handle representation and show that any deformation of Net-Handle diagrams is equivalent to a combination of restricted Reidemeister moves and new three deformations which are defined in this paper.We apply these deformations to a cat's cradle diagram processing and show their usefulness.Furthermore,we describe a characterizing method of string states of cat's cradle.This method uses a knot polynomial.Then,it is shown that a polynomial transformation can be corresponded to a cat's cradle action.
著者
山田 雅子 齋藤 美穂
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.233-244, 2004-12-01
参考文献数
20
被引用文献数
3

ジエンダーステレオタイプとして、「女性は色白」「男性は色黒」という意識が依然根付いている。本研究では形態情報と色彩情報に着目し、各情報と性別判断との関係性、性別判断方略の発達的な変化を検討した。顔パタン2種(男性平均顔/男女平均顔)、肌色2種(色白肌/色黒肌)、唇色2種(唇色なし/薄紅)によって構成された計8刺激を設け、それぞれに対し男女の判断を行なわせた。対象者は、幼児、小学生及び大学生の男女とした。一般的に結び付けられるように、色白肌は女性、色黒肌は男性としての判断を促進する傾向が見られた。しかし、形態情報と色彩情報とは互いに作用の前提条件として影響していることが窺われ、例えぼ形態が男性的で唇に色みがない場合には前述の肌色の作用が見られないなど、条件毎の傾向も捉えられた。また、発達的には就学前後より色彩情報の参照が先んじてみられ、形態による性別判断の変化は8歳以降の段階でより安定する傾向が見られた。更に判断傾向の発達的変化は女性の方がより明確であり、発達と共に色白の肌、女性的な形態と女性判断との繋がりが強まることが示唆された。これらの傾向より、顔に対する視覚経験の質が男女で不均等であることが推測される。
著者
山田 雅保 内海 恭三 湯原 正高
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.39-47, 1978

幼若ラット過排卵卵を用いて,排卵卵母細胞をヒアルロニダーゼ・低温処理により,第2極体放出を抑制することによって,2倍体胚へ発育しうる活性卵を作出することを目的とし,さらにそれらの着床前における発育性を卵管in-vivo培養に続くin-vitro培養によって検討した. 卵令20-23時間卵において卵をヒアルロニダーゼ30-60分処理後5℃又は8℃のいずれかの低温にさらすことにより高率に第2極体放出抑制活性卵が得られ,そのほとんどは,"2前核"卵であった. 次に第2極体放出抑制活性卵作出に及ぼす卵令の影響について検討した結果,最適卵令20-23時間の結果とは異なり,卵令18時間では,活性化は誘起されなかった. 卵令26-27時間卵では,fragmentation卵と多核を有した卵が非常に多く観察された. この結果より卵令は活性化誘起に対し,Critical factorであることが示された. 本実験で得られた. "第2極体+1前核"卵は,2細胞期あたりで発育を停止したが,しかし,"2前核"卵は,桑実胚あるいは胚盤胞へ発育することがわかった. また,得られた単為発生胚盤胞の倍数性は40の染色体を持つ2倍体と判定された. 以上の結果より,ラット単為発生胚の着床前発育にとって,2倍体胚の重要性が示された。
著者
山田 雅子
出版者
Waseda University
巻号頁・発行日
2005-01

制度:新 ; 文部省報告番号:甲1978号 ; 学位の種類:博士(人間科学) ; 授与年月日:2005/3/15 ; 早大学位記番号:新3905
著者
山田 雅之 栗林 賢 諏訪 正樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

スポーツフィッシングにおいて,勝敗の行方を左右する大きな要因の一つにポイント移動が挙げられる.ポイント移動は「なぜ移動するのか?どこへ移動するのか?」といった問題に対し,状況を総合的に考慮し決断される.このような過程は暗黙的であり,その決断は極めて身体的な感覚によってなされている.本研究では,元プロの湖上での振る舞いを記録し,身体知獲得を支援するツールのデザインを実施した.
著者
岩田 康宏 浦 正広 中 貴俊 後藤 昌人 遠藤 守 山田 雅之 宮崎 慎也 田村 浩一郎
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.13, pp.1-2, 2011-05-06

動画コンテンツ投稿者は,投稿コンテンツが視聴者に与えた印象等の情報を必要としているが,それが得られるかは視聴者の自発性に依存するところが大きい.そこで本研究では,動画共有コミュニティにおけるユーザのアクテイピティに着目し,ユーザ間のコミュニケーションを活用する事で自発性を促す手法を提案する.In video-sharing sites, video content contributors need information such as influence that gave to viewers. However, whether that information is obtained depends on viewers' initiative. In this study, we present a method for urging unprompted evaluation using communications between users based on users' activities in video-sharing community.
著者
山田 雅之 諏訪 正樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

コーチングは非常に複雑なスキルである.本発表は大学アイスホッケー部コーチである筆者が,プレーヤーの夏休みを利用し,ミーティングを実施した実践報告である.具体的には,プレーヤーが映像を集めることにより,テーマへの理解や関心が高まるようなミーティングをデザインした.また,その過程でのコーチおよびプレーヤーのメタ認知をもとに,ミーティングという学習環境をデザインする「コーチング方法論」について検討した.