著者
山田 雅巳
出版者
日本環境変異原学会
雑誌
環境変異原研究 (ISSN:09100865)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.87-92, 2003 (Released:2005-08-19)
参考文献数
8

Gene disruption methods are useful to construct bacteria lacking a specific gene especially when a gene’s function is unknown. In the 1980s, complementation techniques were used as the first step in cloning a gene. With the advances made through genome projects, gene identification and cloning have allowed easier construction of deficient bacterial strains with cloned genes. In this report, I describe three methods of disrupting specific genes on chromosomes in a strain of interest, namely linear transformation, preligation and the ‘one-step’ method. Moreover, several genetic techniques which are necessary for conducting these methods are also reviewed.
著者
大町 達夫 井上 修作 水野 剣一 山田 雅人
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1_32-1_47, 2011 (Released:2011-12-05)
参考文献数
17
被引用文献数
4 12

2008年岩手・宮城内陸地震の際,KiK-net一関西観測点では上下動の最大加速度が4G(Gは重力加速度)に近い驚異的な強震記録が得られた.この加速度時刻歴には自由地盤表面での強震記録とは思えない特徴が認められることから,強震観測点の現地調査や振動台模型実験,数値解析などによって,この驚異的な上下動加速度の成因を調べた.その結果,この強震記録には強大な地震動入力によって地震観測小屋がロッキング振動で浮き上がり,地面と再接触した際の衝撃力の影響が強く反映している可能性が高いことが見出された.またこの影響がなければ,本震時の4Gに近い上下動最大加速度は1.6G程度であることも導かれた.
著者
山田 雅子 齋藤 美穂
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.73-85, 2004-06-01
参考文献数
9
被引用文献数
8

顔から性別を判断する際、最も有用な手がかりとなるのは形態的情報である(Bruce et al.,1993)。本研究は肌色や唇色といった色彩にも同様にその判断を左右する効果があるということを明らかにした。第一実験においては性別が曖昧な2種の線画(男性平均顔・男女平均顔)を用い、各々2タイプの肌色(色白・色黒)、2タイプの唇色(唇色なし・薄紅)を設けた。139名の被験者には各刺激に対する性別判断と丸みの判断を課した。その結束、男女平均顔においては色白肌が女性判断を促し、更に、肌色が明るい場合には有意に丸みの判断が高まることが分かった。更に第二実験ではコンピュータで合成された顔3種を素材とし、男性-女性、色黒-色白の2軸について0から100の数字による評定を課した。各パタンにっき5段階の明度レベル、2段階の唇色パタンを設け刺激として準備した。肌の色が明るく感知された場合には、同じ造作であってもより女性的に捉えられる傾向が得られた。また女性的形態が伴う場合には肌色の評価が明るい方向に有意に偏る傾向が得られた。つまり、主観的に判断される性別と明度とは不可分の関係にあり、物理的に等価であっても付帯する色情報及び形態情報によって両者は強く支配されていると言い得る。
著者
清田 勝 井上 伸一 山田 雅彦
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究では子供達が自動車とすれ違ったり追い越されたりするときに、どの程度危険を感じるかを行動学的および生理学的に評価する手法の開発を試みた。その結果、自動車とすれ違う歩行者の危険回避行動調査と心拍実験から、30km/hの制限速度は歩行者にとって安全ではなく、20km/h程度に抑制する必要があることが明らかになった。この結果を踏まえて、通過交通の削減と走行速度の抑制を目的とした二つの安全対策を検討した。一つは対象地区(佐賀市日新・新栄地区)のほとんどの道路に20km/h速度規制を掛けるとともに、速度抑制デバイスの一種である高さ8cmのハンプを設置する対策である。二つ目は、対象地区への4箇所の流入部に通学時間帯(7:00-8:30)に限って指定方向外進行禁止(進入規制)を掛ける対策である。前者は主に車の走行速度を低減させるための対策であり、後者は通過交通を排除するための対策である。これらの安全対策がどの程度対象地区の交通環境の改善に有効であるかを検証するために社会実験を実施した。その結果、高さ8cmのハンプは車の走行速度を6.5〜20km/h減速させる効果があることが分った。特に、高速の車を排除するのに有効である。しかしながら、通過交通の排除にはほとんど機能しなかった。また、指定方向外進行禁止が掛かった流入部では流入交通量が激減し、対象道路の交通環境は改善されたが、他の道路では迂回した自動車の増加によってかえって環境が悪化する事態を招いた。指定方向外進行禁止は部分的には通過交通の進入を抑えることが可能であるが、経路を変更して進入して来る車を防止することはできないことが明らかになった。児童はもちろんのこと、地区住民や保護者もハンプの継続を強く要望していたにもかかわらず、騒音や振動の被害に悩まされている沿道住民の強い反対で22基のハンプのうち14基が撤去された。騒音や振動の問題を解決しない限り、本格実施に結びつけるのは難しい。騒音・振動が発生しにくいハンプの開発や狭さくなどの他の速度抑制デバイスとの組み合わせを検討する必要がある。
著者
野津 厚 山田 雅行 長尾 毅 入倉 孝次郎
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.4_209-4_228, 2012 (Released:2012-09-28)
参考文献数
40
被引用文献数
1

2011年東北地方太平洋沖地震の際、震源断層に比較的近い宮城県から茨城県にかけての多くの地点で観測された0.2-1Hzの帯域の速度波形は明瞭なパルスによって特徴付けられている。これらの強震動パルスは、構造物に対して影響を及ぼしやすい周波数帯域に現れているという点で、内陸地殻内地震による強震動パルスと共通の特徴を有していると言える。海溝型巨大地震がもたらす強震動パルスも構造物に大きな影響を及ぼす可能性があり、今後、海溝型巨大地震に対する強震動予測、特に耐震設計を目的とする強震動予測を行う場合には、強震動パルスの生成を意識した震源のモデル化を行うことが重要と考えられる。本稿においては、まず、海溝型巨大地震による強震動パルスの生成事例を示す。次に、それらの再現を目的として構築された既往の震源モデルを整理し、強震動パルスを生じたと考えられる領域(強震動パルス生成域)の諸特性と地震規模との関係を調べる。
著者
山田 雅行 伊藤 佳洋 長尾 毅 野津 厚 長坂 陽介 大岩根 尚
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.I_691-I_699, 2016 (Released:2016-05-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1

比較的小さな盆地構造(カルデラ)を有する薩摩硫黄島において,臨時地震観測によってサイト増幅特性の算定を行い,一方で,常時微動観測(単点H/Vおよびアレイ観測)を行い,地盤モデルの推定を行った.硫黄島港および薩摩硫黄島飛行場において算定したサイト増幅特性と,常時微動に基づく地盤モデルに対して一次元重複反射を用いて算定した伝達関数の比較を行った.港湾および飛行場の伝達関数は,0.2~0.3Hz付近にピークは見られるものの,それほど明瞭なピークは見られず,サイト増幅特性には盆地構造による3次元的な効果や,地震波の入射方向の効果が含まれているものと考えられる.また,港湾と飛行場のサイト増幅特性の0.2~0.3Hz付近の共通の特徴から,両地点は深い構造を共有していると推察され,実際のカルデラ構造が従来の解釈より複雑である可能性が示唆された.
著者
井藤 雄一 カール ストーン 山田 雅之 宮崎 慎也
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.J413-J416, 2013 (Released:2013-10-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Art making use of digital noise and errors has been exhibited in recent years. Many of these works have been classified as “glitch” and are forming a new trend in multimedia art. “Datamoshing”, using noise or errors in video imagery, is a technique in the field of glitch art. While one can produce a video that is a unique representation of datamoshing, real-time datamoshing using input from web cameras has not been achieved. Software is proposed for using a web camera to extemporarily datamosh video.
著者
山田 雅弘
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.712-718, 1987-12-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
26
被引用文献数
1
著者
山口 健太郎 齋藤 芳徳 山田 雅之 三浦 研 高田 光雄
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.69, no.582, pp.33-40, 2004-08-30 (Released:2017-02-09)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

The purpose of this study is to clarify the circumstances in which the residents' postures are changed in a nursing home. The residents' behavior tracking survey and the interviews with the staff were performed for this study. The results are as follows. 1)As the body functional capacity declines, the ratio of staying in a common space decreases. Some with akathisia or with dysphagia were observed bedridden for the whole day. 2)As the body functional capacity declines, the variation and the number of the residents' postures decreases. 3)Among the postures observed of those who are unable to transfer or with akathisia and dysphagia. "sitting on a wheelchair" holds 100% of the data in the common spaces. And some were observed staying seated for quite a long time in one day
著者
山田 雅之 Rahmat Budiarto 伊藤 英則 世木 博久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.497-504, 1994-03-15
被引用文献数
8

アヤトリはひもを指に絡めて、その変形を繰り返すことによってさまざまな形を作り出すことができる。本論文では、アヤトリのひもの変形遇程の表現の方法と、この表現に基づくひも図形処理の方法について述べる。まず、指の動作によってひもが変形してゆく過程を表現する方法として、いくつかの基本動作を定義し、これ参に対応する図形をそれそれ重ね合わせる方法を提案する。次に、アヤトリの出来上がり形をこの重ね含わせ図形から生成するアルゴリズムについて述ぺる。最後に、この生成アルゴリズムの有効性をプログラムを作成して確認する。
著者
田宮 資己 山田 雅司 番場 桃子 井瀬 智之 佐古 亮 古澤 成博
出版者
一般社団法人 日本歯内療法学会
雑誌
日本歯内療法学会雑誌 (ISSN:13478672)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.37-40, 2022 (Released:2022-02-15)
参考文献数
9

Abstract : There are different classifications of external root resorption. As Heithersay GS reported, treatment for invasive cervical resorption becomes difficult once the resorption reaches the apical portion. In the present case report, root resorption that continued from the root area of the lower right canine into the root canal was observed by CBCT. It was diagnosed as invasive resorption accompanying periodontitis. Regular root canal treatment, with rubber-dam and sufficient irrigation followed by obturation, was performed. After root canal obturation, a flap was opened under a microscope, followed by curettage of the granulation tissue of the resorption area from the periodontal ligament side. Then, MTA was used to seal the resorption area. At one-year follow-up, there was no tenderness, pus from periodontal pockets or any other symptoms. It is considered that the removal of granulation tissue and separation of the root canal from the periodontal pocket with MTA filling is effective for the treatment of invasive resorption.
著者
藤川 太郎 白倉 聡 畑中 章生 岡野 渉 得丸 貴夫 山田 雅人 齊藤 吉弘 別府 武
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.8, pp.1046-1052, 2015-08-20 (Released:2015-09-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

癌治療において低ナトリウム血症はしばしば遭遇する電解質異常である. 今回われわれは, 中咽頭癌進行症例に対してシスプラチン (CDDP) 同時併用放射線治療を行い, 計3回の grade 4 の低ナトリウム血症を経験したので報告する. 初回および2回目の低ナトリウム血症は CDDP 投与後に出現し, 脱水と多尿を伴い, 輸液と塩分の補充により1週間程度で改善した. ナトリウムの排泄過剰の所見から塩類喪失性腎症が原因であると考えられた. 3回目の低ナトリウム血症の原因であった抗利尿ホルモン不適合分泌との比較から, 細胞外液量とナトリウムバランスの評価が低ナトリウム血症の鑑別と適切な治療において極めて重要であると考えられた.
著者
井藤 雄一 ストーン カール 浦 正広 山田 雅之 宮崎 慎也
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.39-42, 2013
参考文献数
7

近年,ノイズやエラーをアート表現に利用した作品が多く発表されている.それらはグリッチ作品と呼ばれ,メディアアートの一つの新しい流れを形成しつつある.その中で,動画に対しノイズやエラーを起こすデータモッシングという手法を用いたグリッチ作品がある.データモッシングにより独特の表現を持つ動画を制作できるが,この手法によりどのような効果が生成可能か詳細には明らかにされていない.そこで,本論文ではデータモッシングの手法に基づき,生成される効果やその制御手法を明らかにする.また,データモッシングを動画に適用するためのソフトウェアを作成し,著者らの作品制作を通して,データモッシングがメディアアートの表現を拡張できる可能性について論じる.
著者
橋本 敏夫 山田 雅之 笠井 英史
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Special_Issue, pp.S19-S31, 2015-06-30 (Released:2015-09-08)
参考文献数
14
被引用文献数
3

This paper reviews the statistical aspects in pharmacokinetic analysis of clinical Phase 1 trials. Based on the understanding that most pharmacokinetic parameters follow a lognormal distribution, it is considered to be appropriate to summarize them by the geometric mean, geometric CV or geometric SD. Then we conducted simulation studies of a pharmacokinetic model to investigate whether pharmacokinetic parameters follow a lognormal distribution. Using numerical examples obtained by the simulation, we described in detail how to display the summary statistics of pharmacokinetic parameters. We also indicated that geometric mean is also useful to summarize the plasma concentration, and that the concetration below the lower limit of quantification shoud be carefully handled.
著者
山田 雅行 山田 真澄 羽田 浩二 藤野 義範 Jim MORI 坂上 啓 林田 拓己 深津 宗祐 西原 栄子 大内 徹 藤井 章男
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_216-I_224, 2017 (Released:2017-09-21)
参考文献数
9
被引用文献数
2 5

平成28年熊本地震によって被災した益城町の倒壊建物が集中している地域を対象とした悉皆調査から,狭い範囲における被害分布の急変が見られた.この説明のために,常時微動を用いた地盤調査に基づいて地表面での揺れの推定を試みた. 常時微動は極小アレイ+1点の5点を基本とし,約62.5mメッシュごとに108箇所の観測を行った.各箇所でインバージョンを行い,地盤モデルを作成した. 治水地形分布図に氾濫平野または旧河道と記された比較的被害の小さい地区は,非常に軟弱な堆積層が5m程度以上存在することがわかった.非線形地震応答解析を行った結果として,本震時の地表面の揺れにおいて,低周波数成分が卓越し,1-2Hz(周期0.5~1 秒)の応答倍率が小さかったことが,比較的被害が小さいことの一因である可能性が考えられる.
著者
鶴島 博和 櫻木 晋一 亀谷 学 菊池 雄太 城戸 照子 西村 道也 新井 由紀夫 徳橋 曜 安木 新一郎 図師 宣忠 阿部 俊大 西岡 健司 名城 邦夫 山田 雅彦 向井 伸哉
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1. 2018年5月20日日本西洋史学会(広島大学)でDr David Roffeを招聘してDomesday Moneyersと題する研究報告、5月24日熊本大学においてThe Domesday Text Projectという講義を行った。2. 9月2日から8日までは、熊本大学と同志社大学においてThe International and symposium workshop on Money and its Circulation in the Pre-Modern Western Eurasian World in 2018を開催した。報告者は地中海世界のイスラーム貨幣に関してはスペインの大学からProf. F. M.atima Escudero, Prof. Alberto Canto, Carolina Domenech Belda 、Prof. W. Schultz、と科研メンバーの亀谷学が、世界のキリスト教世界に関してはイギリスからDr William Day , Dr Adrian Popescuが、スペインからはProf. D.Carvajal de laと Vega Dr Albert Estrada-Riusが、そして科研メンバーの阿部俊大が行った。議論は、多岐にわたり、とくに少額銀貨の流通に関して有意義な知見をえた。スペイン貨幣史研究の指導的研究者である Prof. Alberto Cantoからはこれまで経験したシンポジウムの中で最良のものの一つであるという評価を得ている。これらの報告内容に関しては報告書(2029 for 2018)に収録する予定。3.熊本地震で出土した益城町出土の古銭を地元の協力を得て分析し報告書を出版した。研究を地域に貢献することができた。4.2019年1月23日から2月10日まで鶴島がイタリアでProf. Andrea Saccocci, Prof. Monica Baldassariと研究打ち合わせを行い本年度のシンポジムに関する意見交換を行った。オックスフォード大学でZomiaに関する研究会に招待されて貨幣史から見たイングランドの無統治地域についての報告を行った。3月28日は今年度まとめの研究集会を行い、29日にドイツとバルト海の交易と貨幣についてProf. Michael Northと研究打ち合わせを行った。