著者
佐々木 善浩 山田 真希 寺島 崇 王 剣鋒 橋詰 峰雄 范 聖第 菊池 純一
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.541-546, 2004-10-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
18
被引用文献数
14 17 2

生体膜モデルとしての有機-無機ハイブリッドベシクル「セラソーム」を用いて, シグナル伝達機能を有する分子間コミュニケーションシステムを構築した. 頭部にトリエトキシシリル基と四級アンモニウム基をもつ二本鎖型のペプチド脂質から作製したセラソームは, 従来型の脂質二分子膜ベシクルよりも著しく高い構造安定性を有することが, 界面活性剤に対する耐性評価から明らかになった. このセラソームを基板に用いて, 人工受容体による化学シグナル認識の応答が, メディエータとしての金属イオンを介して酵素に伝達され, 酵素活性のオン・オフを制御できる分子デバイスを作製し, その機能を明らかにした. 人工受容体にアミノ基を有するステロイド誘導体, シグナルとしてピリドキサール5'-リン酸, メディエータに銅 (II) イオン, 化学信号増幅器として乳酸脱水素酵素を用いたセラソーム系において, 顕著なシグナル伝達機能が発現した.
著者
山田 剛史 森 朋子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.13-21, 2010
参考文献数
26
被引用文献数
7

本研究では,大学生の汎用的技能獲得における正課と正課外が果たす役割について学生の視点から検討することを目的として,卒業を目前に控えた大学生657名に調査を行った.主な結果は次の通りである.(1)大学生の汎用的技能を捉えるために精選した項目群に関する因子分析の結果,35項目8因子(F1批判的思考・問題解決力,F2社会的関係形成力,F3持続的学習・社会参画力,F4知識の体系的理解力,F5情報リテラシー,F6外国語運用力,F7母国語運用力,F8自己表現力)が抽出された.(2)正課・正課外の差異に関するt検定の結果,正課は正課外に比してF5とF6が,正課外は正課に比してF2,F3,F4,F8が有意に高い値を示した.(3)学部系統別の正課・正課外による差異に関する分散分析の結果,正課と正課外は汎用的技能獲得において異なる役割を果たしていることが示され,目的養成学部やGPプログラム取得による効果が示唆された.
著者
本村 哲朗 近藤 雄樹 山田 哲也 高田 雅士 仁藤 拓実 野尻 徹 十山 圭介 斎藤 靖彦 西 博史 佐藤 未来子 並木 美太郎
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.28, pp.1-6, 2013-03-06

今日の組込みシステムは,リアルタイム制御と情報処理のような独立の複数の機能を扱う必要があり,マルチコア上への搭載が有効である.この時,リソース保護のため,仮想化の一技術であるリソースパーティショニングが必要となる.我々は,リアルタイム性の実現に向けリソースパーティショニングのオーバヘッドを削減する,ハードウェア支援技術ExVisor/XVSを開発した.その主要技術は物理アドレス管理モジュールPAM*で,組込みシステムのメモリ利用方法の特徴を活かした階層のないページテーブルによるダイレクトなアドレス変換で高速化を図る.RTLシミュレーションとFPGA実装で評価を行った結果,シングルコアと比較してリソースアクセス時のオーバヘッドは高々5.6%であることを確認した.*PAM : Physical Address Management module
著者
山田 寛康 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.44, pp.57-64, 2002-05-23
参考文献数
10
被引用文献数
3

本稿では 機械学習アルゴリズム Support Vector Machine を用いた英語構文解析法を提案する. 高精度な構文解析を行うには 句のラベルだけでなく 句の主辞がもつ語彙情報をも考慮する必要がある. しかし従来の統計的構文解析モデルは データスパースネスの問題から 主辞の語彙情報を素性として大量に使用することは 逆に精度低下の要因となっていた. 機械学習アルゴリズム Support Vector Machine は 素性空間の次元数に依存しない高い汎化性能と Kernel 関数によって素性の組合せまでも考慮した学習が可能である. そのため主辞の語彙情報を含めた多くの素性とその組合わせを考慮した学習が行える. しかし SVM は 確率を推定するのではなく 2つのクラスを識別する分類器であり 従来多くの統計的構文解析モデルが採用している確率モデルへの直接的な適用が困難である.本稿では 上昇型解析アルゴリズムを用い 構文解析の各段階を 文脈に適切な解析木構築手続きへの分類問題とみなすことでSVMを適用し 解析木構築規則の学習を行う. 解析木は SVMが分類器であることから 決定的に構築される. 本手法を Penn Treebank コーパスを用いて評価した結果 labeledrecall/precision で 88.2/89.0%という高い精度を得ることができた.In this paper, we propose a parsing method for English sentences with machine learning algorithm called Support Vector Machines (SVMs). The performance of statistical parsing strongly depends on how to deal with lexical information and incorporate them into the statistics for parsing. Data sparseness problem arises when using large number of features like head words. As a result, we cannot estimate correct statistics for construction of parse trees. SVMs not only have high generalization performance in sparse data using a large number of features like head words, but also can take into account the combinations of features by virtue of polynomial kernel functions. However, SVMs are classifiers, not probabilistic estimator. Thus, it is difficult to apply SVMs to the probabilistic parsing model directly. Our parser constructs a parse tree for an input sentence with a deterministic bottom-up algorithm. Each parsing process is regarded as a classification task which classifies the context into a procedure for constructing parsed trees. We evaluated our parser using the Penn Treebank corpus, and the result attained over the 88.2/89.0% labeled recall/precision.
著者
崎元 尚土 島田 荘平 大賀 光太郎 熊谷 治夫 山田 理 海保 守 安田 肇
出版者
The Mining and Materials Processing Institute of Japan
雑誌
Journal of MMIJ : journal of the Mining and Materials Processing Institute of Japan (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.126, no.10, pp.608-613, 2010-09-25
被引用文献数
1

CO<SUB>2</SUB> sorption on coal was estimated by two experiments, one is heat of sorption measurement and the other is <SUP>1</SUP>H-NMR measurement. In the heat of sorption measurement, differential heat of sorption (<I>q<SUB>d</SUB></I>) was compared with the calculated one. Measured <I>q<SUB>d</SUB></I> was same value with calculated one at low pressure. It decreased gradually with pressure and became lower than the calculated one. Since it couldn't be explained by the theory based on physisorption, it is estimated that the coal-CO<SUB>2</SUB> system could not be explained by only simple physisorption.<BR>In <SUP>1</SUP>H-NMR measurement, spin-spin relaxation time (<I>T</I><SUB>2</SUB>) and composition fractions of L<SUB>1</SUB>, L<SUB>2</SUB> and G were measured. Composition fractions and <I>T</I><SUB>2</SUB> of L<SUB>1</SUB> increased with CO<SUB>2</SUB> gas pressure. Furthermore, the correlation was observed between volume increments and dissolution amount at over 10 atm. It indicates that part of CO<SUB>2</SUB> sorption capacity was used to coal relaxation.
著者
武内 恵美子 山田 奨治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.9, pp.73-80, 2007-01-27

本研究は、江戸時代の上方歌舞伎における演奏者の活動傾向を、主成分分析を行うことによって解明しようとする試みである。安政5(1858)年から慶応3(1867)年までの10年間に発行された上方の役割番付511点を基礎データとし、演奏者の劇場への出演傾向を調査した。さらに主成分分析を行うことによってそこに一定の要素すなわち「角」「中」「天満」の各劇場への主成分が検出できることがわかった。このことから、演奏者の歌舞伎への出演傾向は劇場の「格」と関係があり、ある程度の劇場に固定して出演する傾向を示す演奏者が存在すること、したがって「格」が演奏者にも適用される可能性があることを解明することができた。In this study, I attempted to analyze the casting pattern of Kabuki musicians in the Kyoto and Osaka area by using the Principal Component Analysis. I constructed a data from 511 Kabuki "yakuwari Bandukd\ casting programs of the Kyoto and Osaka area in the Edo period, from which I extracted some casting patterns of the musicians. The analysis of the data shows that there had been several principles of each theater such as "Kadd\ "NaJca" and "Tenma". The analysis also enables to illuminate that the casting pattern of musicians is determined by "kakii\ these principles of each theater which are considered as a rank. Moreover, the analysis of data implies that the rank of theater is applied to the rank of groups of musicians.

2 0 0 0 OA 日本文法論

著者
山田孝雄 著
出版者
宝文館
巻号頁・発行日
1929
著者
山田 哲子
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.245-254, 2012-03-10

The purpose of this paper is to find explanations to the research questions; "what are the experiences of the elderly mothers before making children be residential institutes unexpectedly and after?" 2 mothers of children with mental retardation have participated. The process of making children be out-of-home consists of 3 stages: &lt;1.the emergency phase&gt;, &lt;2.the complicated phase of residential placement utilization&gt;, &lt;3.the stable phase&gt;. The promotional thought for the mothers to use of their children- living away from home is giving up for taking care of children any more. After starting utilization of residential placement, the mothers felt guilty strongly. To feel trust toward stuffs of residential institutes is important for mothers and related to positive evaluations toward the residential institutes. To support these mothers, information provision and attentive hearing is needed.
著者
山田栄造 著
出版者
玄堂
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1894
著者
本郷 研太 小山田 隆行 川添 良幸 安原 洋
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.799-803, 2005-10-05
被引用文献数
1

フント則の交換エネルギーによる解釈は誤りである.2電子系, 軽分子の低励起状態についてこの事実が指摘されて以来, 既に20年以上経つ.スピン最多重度状態の安定性は, 運動エネルギーはもちろん電子間斥力エネルギーをも増加させる代償として得られる原子核電子間引力エネルギーの低下に起因する.本稿は, 炭素, 窒素, 酸素原子の基底状態について同結論を拡散量子モンテカルロ法によって初めて検証し, 相関の役割を解析した.
著者
山田 千佳子 岩崎 泰史 吉田 企世子
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.167-173, 2003-06-10
被引用文献数
4 6

ホウレンソウ7品種 (パレード, 豊葉, 次郎丸, オーライ, おかめ, オリオン, オラクル) を栽培時期 (秋播き) および施肥を同一条件で栽培し, 還元糖, アスコルビン酸, シュウ酸, 硝酸の違いについて比較した。収穫は, 播種後41日目 (すべての品種), 48日目 (豊葉, 次郎丸, オーライ), 60日目 (オラクル, おかめ, オリオン) である。生育の早いパレードはアスコルビン酸, 還元糖の含有量が少なかった。豊葉, 次郎丸, オーライは生育途上から収穫適期までの生育でアスコルビン酸が増加したが, 豊葉は硝酸含量も増加した。オラクル, おかめ, オリオンは生育途上でもアスコルビン酸含量は多かったが, 収穫適期まで生育させても成分は増加しなかった。