著者
山田 智也
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.127, no.3, pp.481-490, 2007-03-01
被引用文献数
2

The potential carcinogenic hazard of chemical agents to humans is presently based primarily on the results of long-term animal bioassays. The validity of this toxicologic approach to human risk assessment depends on two fundamental assumptions. First, the results of an animal bioassay are directly applicable to humans (interspecies extrapolation). Second, the doses used in an animal bioassay are relevant for estimating risk at known or expected human exposure levels (dose extrapolation). Although progress has been made over the past four decades in understanding the mode of action of chemical carcinogens, it is increasingly important to determine mechanistically the relevance of these modes of action in humans. There is now evidence that M6P/IGF2R functions as a novel tumor-suppressor gene in a variety of human and rodent cancers. M6p/Igf2r is imprinted in rodents and expressed only from the maternal allele after embryonic implantation. In contrast, both alleles are functional in humans. This marked species difference in M6P/IGF2R imprinting has important implications for human carcinogen risk assessment since only one rather than two alleles needs to be mutated in rodents to completely inactivate the function of this tumor suppressor gene. This striking species difference in the imprint status of M6P/IGF2R clearly demonstrates that we need to understand better variations in epigenetic mechanisms of gene regulation between rodents and humans to perform accurately chemical safety assessments.
著者
山田 武士 中野 良平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.597-604, 1996-04-15
被引用文献数
7

ジョブショップスケジューリング問題(JSSP)はNP-困難な組合せ最適化問題の中でも特に難しい問題のひとつとされている. 本論文では 確率的な局所探索法であるシミュレーテッドアニーリング(SA)法を用い これに確定的(deterministic)な局所探索法であるshifting bottkeneck(SB)法を組み合わせることによってJSSPの効率的な近似解法を提案する.現在のスケジュールに対して新たなスケジュールがクリティカルパス上の作業順序の入れ換えと Giffer and Thompsonのアクテイブスケジュール生成法を用いて生成され SAによって確率的に受理される. さらに 受理されなかったスケジュールに対して 本方法のために変更を加えたSB法が適用され スケジュールは修正される. 修正されたスケジュールは改善が見られた場合に限って受理される. 本方法をよく知られたいくつかのべンチマーク問題に適用した結果 解の品質において従来の近似解法を上回る結果を得ることができた.The Job-Shop Scheduling Problem (JSSP) is one of the most difficult NP-hard combinatorial optimization problems. This paper proposes a new method for solving JSSPs based on simulated annealing (SA), a stochastic local search, enhanced by shifting bottleneck (SB), a problem specific deterministic local search. In our method new schedules are generated by a variant of Giffler and Thompson's active scheduler with operation permutations on the critical path. SA selects a new schedule and probabilistically accepts or rejects it. The modified SB is applied to repair the rejected schedule; the new schedule is accepted if an improvement is made. Experimental results showed the proposed method found near optimal schedules for the difficult benchmark problems and outperformed other existing local search algorithms.
著者
青木 政勝 瀬古 俊一 西野 正彬 山田 智広 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.156, pp.7-12, 2008-07-17
被引用文献数
11

近年,GPSなどの位置計測が身近なものになり,個人の位置情報を記録することが容易になった.ユーザが移動した軌跡となる位置情報のログデータはライフログにおいて,最も基本的なデータであり,購買履歴や視聴履歴,写真などの様々なデータと位置情報を組み合わせて蓄積し,ライフログとして活用するサービスが検討されている.一方,ユーザの位置情報に基づく様々な情報の提供が実用化されてきている.現状は現在位置だけであるが,その背後にあるユーザの過去の情報,すなわちライフログと結びつけることで,ユーザの行動特性やライフスタイルを反映した情報の提供が行えるようになる.本研究では基本的なデータである位置情報をライフログとして蓄積することにより,ユーザ状況やプロファイルを推定することを目的としている.ユーザがおかれた状況として,まず位置履歴から移動中と滞在中といった行動モードを切り分ける手法を検討する.
著者
山田 光穂 福田 忠彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.714-722, 1989-07-20
被引用文献数
6 1

広視野大画面画像から受ける画面効果の基礎データを得ることを目的として, 静止した視標間を注視点が移動するときに生じる視線の動きと頭の動きの機能の分担の関係を求めた.実験は, ±60°, ±16゜の大小2つの視標ボードを用い, あらかじめ指定した角度差毎に視標を順に注視させる場合と, ランダムに次に見る視標を指示する場合のそれぞれ2種類の実験を行った.大画角に順に提示される視標を注視する場合, 視標間の角度差が大きくなると頭の動く割合が大きくなり, 10°以上でその割合が65%前後で飽和するが, ランダム提示では, 飽和して一定値となるのは60°以上の大きな角度差からである.また, 小画角で順に注視させた場合にも, 視標の角度差とともに頭の動く割合に最小値の生じる角度差があり, 大画角の場合と見方に違いのあることが示唆された.
著者
鄭 雄鉉 山田 吉英 道下 尚文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.90, no.9, pp.906-910, 2007-09-01
被引用文献数
5

UHF帯のRFIDタグアンテナとして,アンテナ長が0.035波長の超小形ノーマルモードヘリカルアンテナが研究されている.本論文では,更なる小形化における利得低下を救済する手段として,折返しアンテナ構成の導入法を明確にしたものである.まず,電波放射の必須条件である自己共振構造を求めるとともに,折返し構成として必要となる基本電気性能の確認を行った.次に,折返し構成の機能を明確に表す量である放射抵抗と導体抵抗のステップアップ比の違いを確認するとともに,放射特性や実用時に必須となるインピーダンス整合法を明らかにした.最後に,電磁界シミュレーションにより求めた値の妥当性と超小形折返しアンテナの実現性を検証するため,アンテナを製作し電気性能の測定を行った.測定での工失点は,放射抵抗と導体抵抗を測定により切り分けるため,アンテナを窒素冷却して測定する方法を用いた点である.測定と計算値は,入カインピーダンス,主偏波放射特性で良い一致が得られるとともに,放射抵抗と導体抵抗の値でも良い対応関係が得られたため,計算結果の妥当性を確認できた.
著者
鄭 雄鉉 道下 尚文 山田 吉英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.561, pp.101-104, 2006-01-19
被引用文献数
2

RFIDタグ用の超小形アンテナとして、筆者等は超小型ノーマルモードヘリカルアンテナ(NMHA)の開発を行ってきた。本報告では、タップ給電によりインピーダンス整合を行う方法について述べる。検討周波数は、アンテナ製作に都合の良い300MHzとした。まず、単体のNMHAにおいて、入力インピーダンスを50Ωの給電線に整合し得るタップ構造を設計した。また、アンテナを製作し、実現性を確認した。さらに、折り返し構造のNMHAについても、タップ構造の設計と実測による確認を行った。
著者
山田 孝行 成瀬 央
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.1063-1070, 2001-06-01
被引用文献数
2

光ファイバ中に発生する後方散乱光の一つであるブリルアン散乱光の中心周波数と入射光周波数との差が, 光ファイバのびずみに依存することに着目した光ファイバひずみ計測器が開発されている.このブリルアン散乱光の中心周波数の計測には, ブリルアン散乱光のパワースペクトル分布の推定が必要であり, 分布推定精度の向上により中心周波数計測並びにひずみ計測精度の向上を期待することができる.本論文は, このブリルアン散乱光のパワースペクトル分布推定問題に着目し, 推定のための重み付き最小2乗法の繰返しアルゴリズムを提案した.また, 提案した繰返しアルゴリズムの安定性について検討するとともに, シミュレーションにより提案手法の有効性を明らかにした.
著者
竹元 義美 福島 俊一 山田 洋志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1580-1591, 2001-06-15
被引用文献数
5

日本語テキストからの情報抽出の基盤技術として,組織名・人名・地名・固有物名・日付・時刻・金額・割合表現を高精度で分類抽出する,固有表現抽出システムを開発した.本システムは,形態素解析を利用して入力文を単語分割し,固有表現辞書とパターンマッチルールとを適用することでテキスト中の固有表現を判定するというベーシックなアプローチをとっている.辞書の充実とルールの整備を基本方針として抽出精度の改善を進め,辞書の増強と辞書情報の詳細化,人手によるルール作成を行った.また,辞書を充実させても生じる課題として,複合語の一部となる固有名詞判定と未知語・多義語の固有名詞判定とに工夫を加えた.前者は,複合語を分割して複合語中の固有名詞を判定することにより,固有名詞の抽出洩れを救済する.後者は,ルールで判定した固有名詞で信頼度の高いものをもとに,未知語・多義語となった固有名詞の省略表現を判定する.IREX-NEコーパス(トピックを限定しない一般的な内容の記事)を用いた精度評価を実施し,F値で83.86という精度を得た.また,導入したルール・処理の効果も分析し,有効性を確認した.We have developed a Named Entity extraction system from Japanese text.``Named Entities'', i.e.,proper names and temporal/numerical expressions are considered as the essential elements for extracting information.The system employs a conventional method that it divides input Japanese text into words and parts of speech by morphological analysis and extracts each Named Entity by referencing dictionaries and applying pattern-matching rules.In order to improve the system's accuracy,we aim to build a large-scale and high-quality dictionary and rules.Both the dictionary and rules have been produced manually,because we believe that a hand-made dictionary or rules have better quality than those that are made automatically.We also focused our attention on two points for cases that cannot be covered by the dictionary.One is to extract proper names from compound words,and the other is to designate unknown or vague words as proper names.For the first point, our system divides compound words and determines proper names within them.Thus, omissions of proper names in compound words can be eliminated.For the second point, our system recognizes abbreviations of proper names,which tend to be unknown or vague, using reliable proper names.For the IREX-NE corpus, our system has accomplished 83.86 as F-measure score.