著者
板崎 輝 塩津真一 稲野 聡 井谷茂寛 山田 勇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.329-332, 2006-02-17

PCなどのコンピューティング環境を持ち歩く現在のような使い方だけではなく 行く先々のコンピュータ上に各自の環境を移動させ 利用するシーンが今後広まっていくと筆者らは考えている.このような利用シーンにおいては 位置情報を基に各自の利用環境を行く先々のコンピュータ上で安全かつ迅速に復元する機能が必要となる. これを実現するためには位置検出技術が必要となり 筆者らが開発したセミパッシブ型セキュアタグシステムを適用することにした.これは通常のRFIDタグに比べ 必要な時以外は電波を発しないセキュリティやプライバシーに配慮したタグシステムである.本論文では 我々の目指すサービスの実現例と それを実現するために使用したセキュアなタグシステムを中心に報告する.We are carrying about mobile PC now. It will be expected that each one's PC environment is moved to the PC placed at destination without mobile PC. In such a use scene, we will need the functions that restore user's PC environment safely and promptly on various PCs. To achieve such functions, we started this research. Because the system required the positional detection technology, we decided to apply the secure semi-passive RFID system that authors had developed to it. This tag system doesn't emit electric waves to keep security and privacy compared with usual RFID tag system. In this thesis, it reports the example of achieving the service at which we aim and the RFID system that uses it to achieve it.
著者
山田 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.290, pp.1-6, 1996-10-08

戻り光に強い半導体レーザとして自励振動半導体レーザが開発されている。自励振動を強化する為、可飽和吸収領域を層厚方向に設ける構造が多くなってきているが、この構造では量子雑音が増加しやすくなっている。また一般的に、リッジストライプ構造のレーザでは、クラッド層を層面内に流れる漏れ電流が生ずる可能性があり、この漏れ電流によっても量子雑音が増大する。本報告では、自励振動半導体レーザにおいて、これらの要因を含め、光出力強度、自励振動強度、量子雑音、横モードプロファイルなどの理論計算結果を示す。
著者
山田 久勝
出版者
京都府立医科大学
雑誌
京都府立医科大学雑誌 (ISSN:00236012)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1645-1662, 1937

著者ハ植物ノ發育ノ際ニ於ケル諸種成分ノ消長ヲ逐時的ニ檢索シ,植物ノ發育生理ニ寄與スル所アラントシテ,其材料ヲ順川大豆ニ採リ,先ヅ風乾大豆ノ分析ヲ行ヒ,次デ發芽第5日目ノKeim及ビKotyledon並ニ大豆發育過程ニ伴ヒ,諸時期ニ於テ,諸成分ヲ定量シ,互ニ比較研究セリ.即チ水分,總窒素,あんもにや窒素,あみの窒素,尿素窒素,蛋白窒素,含水炭素,乳酸あせとあるでひーど,あせとん及ビ諸種燐化合物等ニ就テ其ノ消長ヲ研究セリ.其ノ實驗成績ヲ總括スレバ次ノ如シ.1)水分:風乾大豆ハ18.40%ノ水分ヲ有シ,發芽第5日目ノKeimハ89.55%,Kotyledoneハ65.20%ノ水分ヲ有ス,尚成熟ニ伴フ水分ノ變化ハ播種後59日目ニシテ緑色軟柔未熟ノ大豆ハ77.85%ノ水分ヲ含有シ,以後日數ノ經過ト共ニ漸次減少シ遂ニ106日目,即チ完熟シ採收時期ニ到達セル大豆ニ於テハ31.90%ニナリ,實ニ約1/2以下ニ減少スルヲ見ル.2)總窒素:風乾大豆ノ總窒素量ハ7.084%ニシテ,發芽第5日目ノKeim及ビKotyledoneニ於テハ總窒素ハ夫々7.050%及ビ6.911%ナリ.成熟ニ伴フ總窒素量ノ變化ハ播種後60日目,80日目,94日目,106日目ニハ夫々6.698%,7.325%,7.445%,7.228%ヲ示ス.即チ94日目迄ハ多少増加スルヲ見ルモ完熟採收時期ニハ却ツテ少シク減少ノ傾向ヲ示ス.3)あんもにや窒素:風乾大豆ノあんもにや窒素量ハ7.48mg%ニシテ,發芽第5日目ノKeimハ129.9mg%,Kotyledoneハ15.39mg%ノあんもにや窒素ヲ含有セリ.成熟中ノあんもにや窒素量ハ漸次減少シ,播種後60日目ニ於テハ28.0mg%ニシテ106日目ニハ8.6mg%ニ低下ス.即チ約1/3以下ニ低下ス.4)あみの窒素:風乾大豆ノあみの窒素量ハ261.6mg%ニシテ,發芽第5日目ノKeimハ2209.9mg%,Kotyledoneハ339.1mg%ノあみの窒素ヲ含有セリ.成熟過程中ノあみの窒素ノ變化ハ播種後60日目ニ於テハ181.4mg%ニシテ以後日數ノ經過ト共ニ多少減少スルラ見ルモ106日目ノ完熟採收時期ニ至レバ再ビ上昇シテ187.7mg%ヲ示ス.5)尿素窒素:風乾大豆ノ尿素窒素量ハ3.03mg%ニシテ,發芽第5日目ノKeimハ6.1mg%,Kotyledoneハ8.54mg%ノ尿素窒素ヲ含有セリ.成熟過程中ノ尿素窒素ノ變化ハ其ノ日數ノ經過ト共ニ逐次減少ス.即チ播種後60日目ニ於テ19.1mg%ナルモノガ106日目ノ完熟採收時期ニハ6.3mg%ニ低下ス.即チ約1/3ニ低下ス.6)蛋白窒素:風乾大豆ノ蛋白窒素量ハ6.811%ニシテ,發芽第5日目ノKeimハ4.704%,Kotyledoneハ6.548%ノ蛋白窒素ヲ含有ス.成熟中ノ蛋白窒素ハ播種後60日目,80日目,94日目,106日目ニハ夫々6.379%,7.131%,7.246%7.014%ヲ示ス.即チ94日目迄ハ多少増加スルヲ見ルモ完熟採收時期ニハ却ツテ少シク減少ノ傾向ヲ示ス.7)總糖:風乾大豆ノ總糖量ハ23.40%ニシテ,發芽第5日目ノKeimハ27.81%,Kotyledoneハ23.35%ノ總糖量ヲ含有ス.成熟過程中ノ總糖ハ,播種後66日目,80日目,94日目,106日自ニハ夫々23.82%,21.09%,22.14%,22.66%ヲ示ス.即チ80日目迄ハ稍々減少ヲ見ルモ爾後再ビ上昇スル傾向ヲ有ス.8)遊離糠:風乾大豆ノ遊離糖ハ10.86%ニシテ,發芽第5日目ノKeimハ11.26%,Kotyledoneハ8.31%ノ遊離糖ヲ含有ス.成熟過程ニ於テハ,遊離糖ハ播種後66日目,80日目,94日目,106日目ニハ夫々9.95%,11.67%,11.82%,10.41%ヲ示ス.即チ94日目迄ハ増加スルヲ見ルモ106日目ニハ却ツテ少シク減少ス.而シテ成熟過程ニ伴フ遊離糖量ノ増減ノ傾向ハ總糖量ノ増減ノ場合ト正反對ナル事ヲ知ル.9)乳酸:風乾大豆ハ0.965mg%ノ乳酸ヲ有ス.發芽第5日目ノKeimハ2.806mg%,Kotyledoneハ0.765mg%ノ乳酸量ヲ示ス.成熟中ノ乳酸ノ變化ハ播種後63日目,65日目,77日目,88日目,106日目ニハ夫々1.548mg%,1.246mg%,1.106mg%,1.262mg%,1.164mg%ヲ示ス.即チ77日目マデハ逐次減少ノ傾向ヲ見ルモ88日目ニハ一時増加スルモ完熟採取時期ニ到レバ再ビ減少ス.10)あせとあるでひーど:風乾大豆ノあせとあるでひーどハ12.86mg%ニシテ,發芽第5日目ノKeimハ54.84mg%,Kotyledoneハ12.75mg%ノあせとあるでひーどヲ含有ス.成成熟中ノあせとあるでひーどハ一般ニ其ノ日數ノ經過ト共ニ逐次其ノ含有量ハ減少ス.11)あせとん:風乾大豆ノあせとんハ5.59mg%ヲ有シ,發芽第5日目ノKeimハ16.93mg%,Kotyledoneハ2.61mg%ノあせとんヲ含有ス.成熟中ノあせとんハ播種後63日目,65日目,77日目,88日目,106日目ニハ夫々7.30mg%,8.02mg%,8.09mg%,9.46mg%ヲ示ス.即チタダ88日目ニハ一時減少スルモ完熟採取時期ニハ再ビ増加スルヲ見ル.12)諸種燐化合物:風乾大豆ニ於テハ總燐ハ747.3mg%ヲ示ジ,酸可溶性總燐ハ596.2mg%ヲ示シ,總燐酸量ノ大部分ヲ占ム.又類脂體燐ハ99.41mg%ヲ示シ總燐量ノ約1/7ヲ占ムルニ過ギズ.無機燐ハ62.69mg%,Laktaidogenpbosphorハ5.78mg%ヲ示ス.而シテ酸可溶性總燐ノ大部分ハ所謂蛋白燐ヨリ組成セラルルモノノ如シ.發芽第5日目ノKeimニ於テハ總燐ハ847.5mg%,酸可溶性總燐ハ542.1mg%,無機燐ハ149.9mg%,類脂體燐ハ1386mg%,Laktazidogenephosphorハ3.7mg%ヲ夫々含有ス.Kotyledoneニ於テハ總燐ハ693.5mg%,酸可溶性總燐ハ512.7mg%,無機燐ハ93.26mg%,類脂體燐ハ84.33mg%,Laktazidogenphophorハ1.4mg%ヲ夫々含有ス.而シテ無機燐ノミテ就テ見ル時ニハKotyledoneヨリモKeimノ方ガ明ニ増加スルラ認ム.成熟ニ伴フ各種燐量ニ就テ播種59日目,65日目,80日目,88日目,106日目ト逐時的ニハ總燐ハ603.7mg%,577.6mg%,6566mg%,748.9mg%,816.8mg%ヲ示シ,酸可溶性燐酸ハ夫々337.2mg%,385.5mg%,480.2mg%,574.0mg%,632.9mg%ヲ示シ共ニ著明ナル増加ヲ示ス.尚,酸可溶性總燐ノ増加ハ大豆ノ所謂蛋白燐ノ増加ヲ意味スルモノナラン.此ニ反シテ無機燐ハ逐次的ニハ180.4mg%,189.6mg%,7591mg%,41.20mg%,32.90mg%ヲ含有シ,類脂體燐ハ180.2mg%,178.7mg%,93.07mg%,103.7mg%,108.0mg%ヲ含有シ,Laktazidogenphosphorモ亦19.7mg%,9.2mg%,0.63mg%,0.52mg%,1.79mg%ヲ含有ス.即チ此等三者ハ何レモ一般ニ逐時的ニハ減少スルヲ見ル.
著者
栃原 きみえ 斉藤 一枝 坂倉 園江 今井 康世 柴村 恵子 岡島 文子 山田 由利子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.29-40, 1970-03-15

スカート製作の場合のスカート幅やダーツの問題に関する研究をするために女子の腰部におけるウエストおよびウエスト〜腸骨棘1/2,腸骨棘,腸骨棘〜ヒップ1/2,ヒップ,最大(腹部や太ももの出張り分を含む)の6つの位置の横切断面図について,幅径および厚径,更に周径の比率について検討したが次のようなことが明らかになった.1.腰部各位置の前対後厚径の比率(ウエスト基準線を基点)ウエスト(W)では基準線を1/2に定めたので,もちろん前後同径であるが,ウエスト(W)〜腸骨棘1/2の位置では,後厚径より前厚径が大であり,腸骨棘では逆に前厚径より後厚径の方が大の者が多い.ヒップ(H)の位置でも平均値で42対58%と前厚径より後厚径が大の傾向がみられ,更に最大の位置でも同様に後厚径が大の者が多かった.2.腰部各位置の前対後周径の比率 腰部のウエスト,ヒップ,最大の前対後周径についで検討した結果,ウエスト(W)では前後同周径の者は32%で,前より後周径が大の者が多い.ヒップ(H)では前後同周径の者は28%でほとんどの者が後周径が大であり,最大の場合でも同様の結果が得られた.以上のように厚径,周径ともにヒップの位置および最大では後が大であるが,これはでん部の出張りのためである.スカート製作において,一般には前後の幅を同一にした製図法が多いが,前よりも後幅の分量を多くする必要があることを明らかにすることができた.3.腰部各位置の左対右幅径の比率(ウエスト基準線を基点)4.腰部各位置の左対右周径の比率 腰部各位置の左対右幅径の比率と周径の比率について検討した結果,ウエストでは左右間厚径の者は36%であるが,同周径では61%の者がおり,厚径の場合よりも周径の場合の方がはるかに多数を占めていた.またウエスト位置では幅径の場合は左が大の者が多いが周径では逆に右が大の者が多いという結果が得られた.このことにつき各被験者のウエスト位置の横切断面図で検討した結果,右ウエストに筋肉の発達した者が多く,左より右ウエスト廻りのカーブが強い傾向がみられた.ヒップ(H)では左右同幅径の者は,29%であったが周径の場合は57%とはるかに多数を占めている.なお幅径,周径ともに左に比較して右が大の者が多かった.最大では左右同幅径の者は,43%で左右同周の者は64%と周径の場合の方が多数であった.なお幅径,周径ともに右が大の者が多い傾向がみられた.このことは生理学的に何かの原因があると推察される.これらのアンバランスの体型の者はスカートの前後中心線が体型大の方向に傾くのでスカート幅の設定については,左右差をつけなければならないであろう.5.腰部各位置の前対後厚径の比率(ウエスト廻り線を基点)腰部各位置の前対後厚径の比率,つまりウエスト廻り線から前後への出張り分量の比率について検討したが,ウエスト(W)〜腸骨棘1/2位置では後厚径より前厚径が大の傾向がみられた.これは腹部に近い位置にあるからで,他の位置ではいずれも前厚径より後厚径が大の傾向がみられた.これはでん部の出張りを意味するものである.以上の結果から言えることは,スカート製作においでダーツの分量は前よりも後を多くするべきだと考える.6.腰部各位置の左対右厚径の比率(ウエスト廻り線を基点) 腰部各位置の左対右幅径の比率,つまりウエスト廻り線から左右両側面への出張り分量の比率について検討したがヒップの位置ではわずかながら右幅径が大の傾向がみられ,最大の位置では左右同径の傾向がみられた.このことは脇ダーツの左右の分量の設定においてほとんどの者は同じ分量でよいが,アンバランスの体型の者は,左右差をつけるべきであると考える.以上女子の腰部の体型は種々様々であり,同一体型は本被験者の中には全くなく,被服製作における困難な事実を裏付けるものであることが明らかになった.終りに本実験に御協力下さった本学服飾コースの学生に厚く感謝する.
著者
相馬 幸作 増子 孝義 清水 千尋 山田 和典 蔡 義民
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.495-500, 2006-11-25
被引用文献数
4 3

北海道の基幹草種であるチモシーを対象に,地域,生育ステージ,刈取り時刻および品種などの要因を設定し,可溶性炭水化物(WSC)含量および糖組成に及ぼす影響を調べた.地域において,1番草のWSC含量は最大2.67%(乾物中),2番草では2.37%の差があった.生育ステージでは,6月30日(出穂期)にWSC含量がピークに達した.しかし,グルコース,フルクトースおよびスクロース含量は増加しなかった.刈取り時刻では,7時からWSC含量が増加し始め,17時に最大値に達し,その差は3.00%(乾物中)になった.グルコースおよびフルクトース含量は13時に最大値に達した.品種では,1番草はクンプウ(極早生)とノサップ(早生),2番草はノサップがそれぞれWSC,グルコースおよびフルクトース含量が高かった.ただし,グルコースおよびフルクトース含量の増加はわずかであった.以上の結果から,チモシーのWSC含量と糖組成は,地域,生育ステージ,刈取り時刻および品種などの要因により著しく変動することが明らかになった.
著者
越仲 孝文 西脇 大輔 山田 敬嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27
被引用文献数
1

漢数字"一","二","三"およびセパレータ"|","ノ"などからなる文字列は住所文字列において出現頻度が高く,ストロークの位置関係を考慮しない通常の方式で切り出し認識は困難である.この問題を解決するために,ストロークの線分特徴を用いて、文字列を認識ペースで切り出す方法について検討したので報告する.
著者
山田 省吾
出版者
神戸市看護大学短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:13428209)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.157-166, 2002-03-06

ハーマン・メルヴィル(1819-91)は,人生の道半ばにして,作家から詩人と変貌をとげた。1856年から57年にかけての地中海・パレスチナ・ヨーロッパヘの長旅で,彼は,ユダヤ・キリスト教や西洋の芸術の伝統に,あらためて目を見開かされていた。それが,この転向に大きく影響しただろうことは,想像に難くない。文学の話にかぎっていえば,ギリシャ・ローマの古典から近代ロマン派にいたるまで,その伝統は,詩によって連綿とになわれてきた。小説家としては,ほとんど不遇なあつかいしか受けてこなかった彼が,王道の命脈を今なおたもっていた詩に,その後半生を賭けてみようとしたのには,こうして長い歴史を負ってきた詩的言語に磨きをかけ,詩的霊感(ポエジー)を媒体にして,世界の根軸にまでいたりたいという強い内的衝迫があったためと思われる。『戦闘詩篇と戦争の相貌』(1866)は,出版された彼の四冊の詩集のうちのひとつで,「南北戦争」(the Civil War, 1861-65)に材を取っている。黒人の奴隷解放をめぐって,同国人同士が戦火を交えざるをえなかったこの戦争では,合州国の建国の理念や,バックボーンとしてそれをささえてきたキリスト教が,大きくきしみ揺れた。ここでは,その揺れを,詩人として,どのように感受し,どのように表現しているかを,メルヴィルに特有な詩的形象や韻律をたどりながら検討してみた。詩にあっても,小説同様,構造として,繰り返し表れる「顔」に焦点をあてて。
著者
山田 博司 長坂 保典 鈴村 宣夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.608, pp.65-72, 1999-02-18
被引用文献数
2

本研究では手話の認識を目的として、人の上半身を撮影した動画像より手の動きを認識することを検討した。青い手袋をして三角や丸などの図形を手の動きにより描き、アフィン変換による圧縮や色情報などを用いて手の位置を特定する。その図形に対して手の移動量を登録パターンとして記録しておく。次に任意の図形を描いている動画像と登録パターンの手の位置を比較する。そのユークリッド距離より連続DPマッチングを用いて入力された動作を認識する。動作は全て単純な動きの組み合わせとして表現し、複雑な動きはその連続として考えて認識を行う。また、実時間での認識が可能な装置を作成しその評価実験により、動作の登録者以外の人物であっても動作の認識が可能であることを示した。
著者
川前 徳章 山田 武士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.51, pp.19-24, 2009-05-15

本稿では文書間及びそれらの著者間各々の類似性を評価する為に,著者の興味と文書の内容の依存関係を反映した潜在変数モデルを提案する.提案モデルの特徴は,通常のトピックモデルを拡張し,文書間及び著者間各々に潜在変数を導入している点である.文書毎に導入される変数(文書クラス)は,文書のトピックを選択するための確率分布を持ち,類似した内容の文書間で共有されるものとする.同様に著者毎に導入される変数(著者クラス)は,文書クラス選択の確率分布を持ち,類似した興味を持つ著者間で共有されるものとする.それ故,文書生成を著者クラス,文書クラス及びトピックとその依存関係を用いてモデル化し,そのクラスを用いて著者間及び文書間の類似性を評価できる.論文著者データを用いた実験により,提案手法が著者クラス及び文書クラスを推定し,その結果,文書と著者の関係データを内容と興味の低次元の空間に射影できること,及びテキスト生成モデルとしての有効性を確認できた.