著者
福島 智子
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
松本大学研究紀要 = The journal of Matsumoto University (ISSN:13480618)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.81-89, 2020-03

本稿では、社会学的視点から、家庭で毎日の献立を考える人びと(多くは女性)の選択に影響を与える「家庭料理」規範を分析する。諸外国における「家庭料理」研究を参照しながら、現代日本におけるジェンダー化されたフードワーク(献立の作成や食材の調達、調理など)のあり方を明らかにする。
著者
中島 智子
出版者
兵庫県立大学大学院
巻号頁・発行日
2021

元資料の権利情報 : CC BY-NC-ND
著者
西村 文宏 牛島 智子 三嶋 あかね 杉野 由起子 柳 茂樹 宮村 重幸 鬼木 健太郎 猿渡 淳二
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.438-444, 2019-11-01 (Released:2019-11-01)
参考文献数
35

【目的】心臓血管外科手術患者における術後せん妄発症のリスク因子を抽出し,せん妄チェックシートを作成する。【方法】心臓血管外科手術を施行した患者267例を対象に,せん妄のリスク因子をロジスティック回帰分析により抽出し,術前に確認可能な因子をもとにせん妄チェックシートを作成した。さらに,2017年度の心臓血管外科で手術を施行した患者131例に本チェックシートを適用し,検証した。【結果】緊急手術,ICU入室期間の延長,高齢,ヒドロキシジンの単剤投与が有意なリスク因子であった。ヒドロキシジン未使用患者を対象としたサブ解析では多剤併用,低体重がリスク因子であった。せん妄を発症した患者の2例に1例はせん妄チェックシートでせん妄高リスクに該当し,本チェックシートの有用性が示唆された。【結論】本研究で作成したせん妄チェックシートを用いることで,術前にせん妄高リスク患者を効率的に把握できることが示唆された。
著者
服部 和裕 山本 明美 笹井 みさ 谷内 昇一郎 小島 崇嗣 小林 陽之助 岩本 洋 難波 恭子 八重島 智子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.20-30, 2003
被引用文献数
1

腸内にBifidobacteriumが少ないアトピー性皮膚炎患児15例を予備的な菌叢の検索から選択し,うち投与群8例に対してビフィズス菌凍結乾燥末(Bifidobacterium breve M-16V株)を経口投与した.腸内細菌叢の変動とアレルギー症状の推移を観察し,対照群7例と比較した.投与群では,ビフィズス菌末投与1カ月目の時点で,腸内のBifidobacterium占有割合の有意(P=0.0173)な上昇と,総好気性菌占有割合の有意(P=0.0499)な低下を認め,さらにアレルギー症状も有意(皮膚スコアでP=0.0176,総合スコアでP=0.0117)に改善した.一方,ビフィズス菌末の投与はアトピー性皮膚炎の症状改善を対照群に比較して有意に促進したが,自然排泄便を検体とした腸内細菌叢の変動と,アレルギー症状の推移の間には,明確な相関を認めなかった.
著者
松本 慎平 加島 智子 山岸 秀一
出版者
日本情報教育学会
雑誌
情報教育 (ISSN:24343463)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.31-40, 2020 (Released:2020-05-01)
参考文献数
34

プログラミング教育に関するいくつかの論文では,プログラミング学習後の理解度はプログラミング学習以前の何らかの適性によって決定付けられると述べている.そこで本論文では,プログラミングの適性をその学習以前に行われるプログラミングゲームの理解度で定義し,それとプログラミング学習後の理解度との関係を調査することを目的とする.すなわち,プログラミング学習前に動機付けの目的で利用されたプログラミングゲームの理解度の状況を個々のみならず全体の傾向も含め事前状態として把握するばかりでなく,事前状態と事後状態であるプログラミング学習後の成績とを対応付けて分析することを課題とする.本論文では,事前状態を把握するためのプログラミングゲームとしてアルゴリズム思考の体験を目的とした「アルゴロジック」を利用した.アルゴロジックは,プレイヤが予め設定した命令ブロックでロボットを自動的に動作させ間接的に問題解決を行わせるプログラミング未経験者向けのパズルゲームである.本論文では,学習者がプログラミングの学習を始める前にアルゴロジックを用いた演習を行い,演習後その理解度を確かめるためのアルゴロジックテストを実施した.学習者は,アルゴロジックテストの後,プログラミングの基本を約10か月間かけて学習し,プログラミング学習の理解度を都度テストで確認した.本論文では,これらテストの結果をアルゴロジックテストの得点と関連付けて分析した.分析の結果,アルゴロジックテストの結果とプログラミングの理解度との間には正の関係が示唆された.
著者
福島 智子
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.13-30, 2003-10-05 (Released:2018-02-01)

The purpose of. this paper is to reconsider the ethics of truth-telling through analyzing the theory of Catholic bioethics and its practice in the in-home palliative care provided by the Association Romanini in Rome. Catholic bioethical theory obliges doctors to tell the truth only to the extent that their patients demonstrate the willingness and ability to accept it. Following Catholic ethics, medical staff of the Association Romanini first tell the truth to their patients' families, and then in discussion with these families decide whether or not it is preferable to tell the patients. In practice, however, they tend to refrain from telling the truth to their patients. This is primarily because they wish to avoid negative effects, such as the patient's 'loss of hope', and secondarily because establishing a relationship of trust between the medical staff, family, and patient is considered more important than the act of truth-telling itself. Family participation in decision-making is common in Japan as well. It has sometimes been criticized as a result of Japan's socio-cultural tendencies to emphasize group decision-making. Indeed, family decision-making may infringe paternalistically on the patient's autonomy. However, the case of the Association Romanini illustrates the importance of human relationships of trust - not only between the medical staff and their patients but also including their families - that cannot be reduced simply to contractual, clinical or 'provider-consumer' relationships.
著者
八島 智子
出版者
関西大学外国語教育研究機構
雑誌
関西大学外国語教育研究 (ISSN:13467689)
巻号頁・発行日
no.12, pp.43-58, 2006-10

This paper reviews research on the emotional experiences of bilingual speakers from a cultural psychological perspective, using the framework of emotional scripts that are socially shared and acquired as cultural models. The experience of bilinguals tells us that they switch from one language to another depending on numerous factors including relative proficiency in the two languages and the history of acquisition, perceived emotionality as well as the affective resources offered by the languages. Secondly, the possibility of acquisition of emotional scripts by L2 learners through intercultural contact experiences is considered based on past research. Finally, educational implications are discussed.
著者
田島 智子
出版者
四天王寺国際仏教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

平安時代中期における屏風詩歌資料集を作成した。勅撰集・私撰集・私家集・日記などに散在している屏風詩歌を集成し、整理を行ったのである。ただし、詩の資料はごくわずかであるので、ほとんどが屏風歌である。また、屏風詩歌ではないが、歌絵などの絵に詠み合わされた歌もできるだけ集成した。この資料集は今後の屏風歌研究に大きく寄与するものとなろう。その内訳は、古今集時代については、成立年代や成立事情が判明するものが74種類あり、その総詩歌数は709首であった。成立年代や成立事情が不明であるものは、10種類35首であった。後撰集時代については、判明するものが41種類684首、不明であるものは39種254首である。拾遺集時代については、判明するものが7種類176首、不明であるものは37種類106首である。以上のような状況の三つの時代を通覧した結果、おおまかに以下のことが指摘できる。これらは、屏風歌の歴史を考える上で、今後重要な指標となるだろう。1、屏風に歌を押すことがもっとも頻繁に行われたのは、古今集時代である。2、一つの屏風について歌を推す場面数が増えたのは、後撰集時代である。3、一つの屏風について複数の歌人に詠歌させることが増えたのも、やはり後撰集時代である。つまり、後撰集時代に屏風の大規模化が進んだのである。4、屏風に歌を押すことが激減したのは、拾遺集時代である。5、拾遺集時代の屏風は、大規模なものが多い。つまり、拾遺集時代には大規模な屏風がごく少数、制作されたのである。6、拾遺集時代の屏風のほとんどに、藤原道長が関わっており、道長が目的をもって積極的に屏風歌に関わったものと思われる。
著者
酒井 祐輔 井上 勝雄 加島 智子 酒井 正幸
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.5_61-5_68, 2013

今日,視覚的に使いやすく見える製品はデザインだけでなくマーケティング的にも求められている。そこで,本研究の目的は,電気製品の機能が多くなることが,製品の視覚的使いやすさ感に与える相違と共通要因を解明する,さらに,多機能な製品で操作が本体でなくリモコンの場合の視覚的使いやすさ感の要因も解明する。研究の方法は,前者は,アイロンやラジカセ,ミニコンポ,携帯電話を対象として,区間回帰分析を用いてインタフェースの階層関係(上位から感性的IF,認知的IF,物理的IF)から視覚的使いやすさ感の要因を解明した。一方,後者のリモコンに関しては,エアコン用リモコンと携帯電話のテンキーを対象として,区間AHP法とラフ集合を用いて視覚的使いやすさ感の要因を解明した。前者の結果では,ユーザーが製品デザインに対して操作が具体的にイメージしやすいかが関係し,後者では,ボタンや表示文字などの大きさや配置や形状の内容が寄与していることが示された。リモコンの結果はわかりやすさであり,前者の操作がイメージしやすいかとの関係が高い。
著者
山口 晴保 中島 智子 内田 成香 松本 美江 甘利 雅邦 池田 将樹 山口 智晴 高玉 真光
出版者
社会福祉法人 認知症介護研究・研修東京センター
雑誌
認知症ケア研究誌 (ISSN:24334995)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.3-10, 2017 (Released:2018-11-06)
参考文献数
17

【目的】適切な医療を提供するため、認知症疾患医療センター外来受診者のBPSDの特性 をNeuropsychiatric inventory (NPI)を用いて検討した。 【方法】対象はMCI群16例と認知症群163例の計179例(80.2±6.9歳)。NPIと認知機能 (HDS-R)や年齢、病型との関係や各質問項目の出現頻度などを検討した。 【結果】MCI群ではNPI 13.3±20.6点、認知症群ではNPI 22.7±22.8点で、MCI群が低かっ た(有意差無し)。介護負担(distress)を表すNPI-DはMCI群10.5±10.9点、認知症群 10.1±9.8点で同等だった。病型別ではDLB群20例がADD群75例よりも有意に高かった (p=0.005)。相関を調べると、全体ではNPIがHDS-Rと有意な負の相関を示した(r=0.188, p=0.021)。認知症群では、NPI-DがHDS-Rと有意な負の相関を示した(r=-0.212, p=0.037)。NPIとNPI-Dは高い相関を示した(r=0.800, p<0.001)。出現頻度が高い項目 は無関心57.5%、興奮54.2%、易刺激性44.7%、不安39.7%、妄想36.9%の順であった。平 均点が高い項目は、興奮3.51、無関心3.12、易刺激性3.0、妄想2.63の順だった。NPI-Dを NPIで割って負担率を検討すると、興奮(0.6)や妄想(0.56)が負担になりやすく、多幸 (0.12)や無関心(0.3)は負担になりにくかった。 【考察】BPSDはMCIの段階からみられ、進行とともにBPSDが強まり、介護負担が増大 する傾向が示された。興奮や妄想は介護者の負担になりやすく、認知症疾患医療センター ではこれらのBPSDへの適切な対応を用意する必要がある。
著者
井上 勝雄 広川 美津雄 岩城 達也 加島 智子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.40, 2015 (Released:2015-06-11)

今日、スマートフォンなどに代表される多機能な情報通信機器の普及により、誰でも直感的に使用することのできるインタフェースデザインが求められている。 そこで、報告者らは数年前から直感的なインタフェースデザインの設計論について研究を行ってきている。アンケート調査や心理実験、心理学に関する文献調査の結果から、直感的なインタフェースデザインは「知覚と行為の円滑な結合」であることが明らかになった[1]。そのためには心理学の「体制化」と「親近性」を拡張した考え方を設計論に応用することができると考え、その考え方をもとに、直感的なインタフェースデザインの10原則を提案した。
著者
岩淵 紀介 蛭田 直幸 清水 金忠 八重島 智子 岩附 慧二 保井 久子
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.129-133, 2009 (Released:2014-03-15)
参考文献数
13

Bifidobacterium longum BB536の鼻腔内投与によるマウスの気道の粘膜免疫とインフルエンザウイルス感染に対する影響を調べた。マウスにリン酸緩衝生理食塩水(コントロール群)または BB536加熱死菌体(BB536投与群)を 3 日間鼻腔内に投与した後に,インフルエンザウイルス(PR8 株)を鼻腔内に接種した。3 日後にリン酸緩衝生理食塩水で下気道に押し流し,累積発症率および生存率を14日間観察した。BB536投与群では,累積発症率と生存率の有意な改善が認められた。また,3 日間のリン酸緩衝生理食塩水または BB536菌体の鼻腔内投与の後に,肺縦隔リンパ節と鼻関連リンパ組織から細胞を調製した。調製した細胞をコンカナバリン A 存在下で 3 日間培養し,培養上清中のサイトカインを測定した。BB536投与群で肺縦隔リンパ節からの IL-12p40産生と鼻関連リンパ組織からの IFN-γ 産生が増加した。これらの結果から,BB536の鼻腔内投与は肺縦隔リンパ節や鼻関連リンパ組織の細胞性免疫を賦活し,インフルエンザ感染を防御したと考えられた。
著者
靜 哲人 竹内 理 八島 智子 吉澤 清美
出版者
Edward Arnold
雑誌
Language Testing
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.35-57, 2006
被引用文献数
22

The present study investigated the effects of reducing the number of options per item on psychometric characteristics of a Japanese EFL university entrance examination. A four-option multiple-choice reading test used for entrance screening at a university in Japan was later converted to a threeoption version by eliminating the least frequently endorsed option in each item, and was given to a separate group. Responses to the two tests indicated that using three options instead of four did not significantly change the mean item facility or the mean item discrimination. Distractor analyses revealed that whether four or three options were provided, the actual test-takers'responses spread, on the average, over about 2.6 options per item, that the mean number of functioning distractors was much lower than 2, and that reducing the least popular option had only a minimal effect on the performance of the remaining options. These results suggested that three-option items performed nearly as well as their four-option counterparts.
著者
加島 智子 石井 博昭
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第24回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.59, 2008 (Released:2008-12-06)

近年の食生活の変化に伴う生活習慣病に対して,その予防策の構築と日本古来より受け継がれてきた食に対する知恵の伝承目指し,本研究では,最適な献立を作成する仕組みを提案する.学校給食の現場と同様に,必要な栄養のことを考え,様々な食材の組み合わせ方法を考えていく.そのため,代表的な組み合わせ最適化問題でありNP困難であることが知られている集合被覆(セット・カバリング)問題とする.その後,個人の嗜好などを取り入れるためラフ集合によりルール抽出を行い,栄養バランスの優れた献立を作成する.