著者
菅野 三郎 和田 裕 川名 清子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.371-375_1, 1969
被引用文献数
1

食パン中のプロピオン酸は水蒸気蒸留で分離後, 熱検出液体クロマトグラフィーにより定量可能である.<br>食パン中にプロピオン酸を添加した場合回収率は90%以上であるが, パン製造時に添加した場合回収率は約70%に低下した. このような回収率の低下は焼き上げ時の加熱によるプロピオン酸の揮散によるものであることがわかった. またカビの発生とともにパン中のプロピオン酸は急速に減少した.
著者
川名 雄一郎
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.103-118, 2006-03-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
35

This essay discusses John Stuart Mill and John Austin on the utilitarian doctrine in the 1830s. In spite of his disenchantment with Jeremy Bentham, Mill remained to be a utilitarian after the so-called Mental Crisis (1826-7). I first explain why and how Mill advocated the utilitarian doctrine, rejecting the alternatives. Second, the presumable source of his ‘new’ utilitarian theory, i.e. the argument of Austin, is examined, pointing out in what ways Mill's argument had similarities to that of Austin. It is from Austin that Mill learnt a mode in which the utilitarian principle could be coupled with reliance on moral rules.
著者
斉藤 智子 川名 光子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.258-264, 1977-12-20

変遷途上にある我が国の食生活の位置と動向について知ることを目的として,現代の女子大学生の食生活の実態を調査し,食生活に対する意識調査・並びに食品とその料理における嗜好の調査を行って次のような結果が得られた。1)食事の摂取状況について:朝食においては夏期スクーリング受講生が通学課程の女子大学生より良好な摂取状況である。昼食・夕食においては全体的に極めて良い摂取状況である。間食においては通学課程の女子大学生が夏期スクーリング受講生より頻度高く摂取している。2)主食について:朝食においては夏期スクーリング受講生の米飯食者が通学課程の女子大学生より多い。朝食にパンを食する者も昼食・夕食には米飯食をする者が多くなっている。要するに米を土台として米飯食とパン食の混食が行われている。3)朝食について:パン食には甘味のものが好まれ,米飯食には塩味のものが好まれるという従来からの代表的な組合せが減少して,ジャム・佃煮類に代って栄養価の高い牛乳・野菜・果物・卵などの摂取が多くなっている。4)摂食意識について:Sグループにみられるように年齢が高い方が食生活に対して積極的意識が認められる。5)食品と料理の嗜好について:食品の嗜好とその料理の嗜好関係については有意差の検定を行い,それを第1図のような表現を用いて一目で解るものとしたが,このような方法を用いることによって食品と料理の嗜好の関係を明らかにすることが出来ると思われる。一般に各料理食品について,調理法が洋風化している料理の方が好まれる傾向にある。調査結果から女子大学生の給食献立として好まれる料理は,魚の塩焼き・魚の照焼き・ハンバーグ・豚生姜焼き・ぎょうざ・とりのから揚げ・野菜サラダ・グラタン・クリームシチューなどがあげられる。また好まれない料理としては,魚の酢の物・煮魚・魚の干物・しめ鯖・かきフライ・ソーセージ・麻婆豆腐・いり豆腐・生揚油揚の煮物・和風野菜料理・煮昆布・ひじきの煮つけなどがあげられる。本調査において現代の女子大学生の食生活の実態を把握し,その嗜好傾向に基づいて豊かな食生活実現の方向づげとし,あわせて今後の食生活の動向を知る資料としたい。おわりに本研究にあたり御懇篤な御指導を賜りました日本女子大学,武藤静子先生,中浜信子先生に厚く御礼申し上げます。なお統計的計算には日本女子大学計算研究所のTOSBAC3400を使用し,御指導,御協力をいただいた同研究所二宮玲子先生に感謝申し上げます。
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学部
雑誌
立正大学心理学研究年報 (ISSN:21851069)
巻号頁・発行日
no.3, pp.19-32, 2012-03-31

College students in Tokyo urban area( 100 women and 128 men) participated in the survey experiments. As stimulus woman faces, 4 different pictures of faces of the same young woman were depicted at the top of the survey sheet. Pictures were either makeup face or non- makeup face and they were either smiling or non-smiling face. The experimental design was 2(sex)× 2(makeup)× 2(smile) independent variable model. The dependent variables were various attractiveness items( 50 physical and mental attractiveness items) and the degree of desired relationship as a friend and a lover. Factor analysis of attractiveness items showed 3 physical attractiveness factors( beauty, sensuality and healthiness)and 3 mental attractiveness factors (sociability, competence and nervousness). Makeup had very strong effects on physical attractiveness and the desired degree of friend and love relationships for males and even for females. Smile had positive effects on sociability and sensuality by males, negative effect on beauty. Males re strongly influenced by the physical attractiveness of the stimulus woman. Sociability seemed not as important for friend relationship as for love relationship by males.
著者
長嵜 彰 川名 隆司 住友 健三 生野 猛
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.1242-1247, 1990-12-20 (Released:2017-01-01)

直腸内に生理食塩水を注入しつつ, 直腸肛門内圧を測定した.正常児では生理食塩水注入後3分以内で肛門内圧が下降し, 直腸と同じ波形を示すか, 小さな収縮波を示した.便意は87%に認められた.生理食塩水を500ml保持できたのは38%であった.一方, 特発性便秘症では生理食塩水注入後3分以内に肛門内圧が下降したのは1例のみで, 他は8分以後に下降するか, 全く下降しなかった.肛門内圧の波形も大半は弛緩を示した.便意を示したのは25%で, 生理食塩水500ml保持できたのは76%であった.以上のことより, 特発性便秘症では直腸は容積が大きく, 感受性に乏しいとともに, 直腸と肛門の協調機能にも問題があることが示唆された.
著者
白土 宏之 伊藤 景子 今須 宏美 大平 陽一 川名 義明
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.89, no.3, pp.185-194, 2020

<p>水稲の無コーティング種子代かき同時浅層土中播種栽培に適した播種後水管理を明らかにするために,耐倒伏性の強い水稲品種「萌えみのり」を用いて,播種後水管理が苗立ちや収量等に与える影響を検討した.秋田県にある東北農業研究センター大仙研究拠点圃場において,2013〜2017年に水管理処理として,湛水区,湛水後落水区 (7日湛水後5〜7日落水),短期落水区 (播種後7〜8日落水),長期落水区 (播種後12〜13日落水) の4水準を設け,苗立ちや収量等を調べた.苗立率は長期落水区が湛水区と湛水後落水区より多い傾向が見られた.生育や収量,品質は処理間で大きな違いはなかったが,倒伏程度は湛水区が短期落水区より大きかった.2014〜2016年に秋田県内の現地圃場2箇所で,水管理処理として,湛水後落水区 (8日湛水後3〜12日落水) と落水区 (8〜15日落水) の2水準と,対照として鉄コーティング直播区を設け (2014年を除く),苗立ちや収量等を調べた.同じ白化茎長で比較すると,所内試験と同様に落水区が湛水後落水区より苗立率が高い傾向が見られ,生育,倒伏程度,収量,品質は落水区と湛水後落水区に大きな違いは見られなかった.本栽培法は鉄コーティング直播より初期の葉齢が大きく,苗立率や収量等は同程度であった.以上より,本栽培法では播種後12日間程度落水するのがよいと考えられた.また本栽培法は鉄コーティング直播と同程度の実用性が認められた.</p>
著者
棚橋 雄平 河本 道次 川名 洋美 橘川 真弓 大岡 良子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.541-547, 1975-05-15

緒言 気象の人体に与える影響については,紀元前より気付かれており古くはヒポクラテスも季節や天候が健康や疾病に影響をおよぼすことをのべている。その後も多くの気象学的考察がなされたが,真に科学的な気象と人間の関係の追究は19世紀の終り頃から始まり,とくに前線と特定疾患との関係を大規模に調査し近代気象医学研究の先駆をなしたのは,1929年De-Rudder B.1〜2)であつた。彼は多くの気象病が不連続線の通過に関連して誘発されることを示して注目され,リュウマチ,疼痛,心臓循環器障害,急性緑内障等を分類している。また最近の研究では,気管支喘息,蕁麻疹,腸重積症,ベーシエット病等が,その発症増悪と前線通過との関連において気象病としての性格をもつことが立証されている。一方,多発性硬化症(以下MSとす)については,本邦では3)1951年桑島により急性球後視神経炎とMSとの関連が追究され,また内科的には1954年冲中4)〜5)により本症の存在が確認されたが,いまだその原因の不明な点において,今後の研究の余地を残している。 先にわれわれ6)は,MSの眼症状を中心とした統計的観察を行ない,その臨床像の一端をあきらかにしたが,今回MSの再発因子の追究の一つとして特に気象病にもつとも関係があるとみなされている前線の通過との関連を検討し,MSが気象病的要素を持つと思われる若干の知見をえたので報告する。
著者
松本 一郎 川名 林治
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.319-326, 1992-03-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

小児急性呼吸器感染症の病原ウイルス学的サーベイランスにおいて, 5株のヒト呼吸器コロナウイルス (HRCV) が, L132細胞で, 分離された. これらの5株中3株は, 1979年3月29日に久慈市で採取されたインフルエンザ様疾患患者の鼻咽頭ぬぐい液から分離され, HRCVがインフルエンザ様疾患の一因となっている可能性を示した.他の2株は同年3月16日と4月27日に盛岡市で採取した無熱性上気道炎患者の鼻咽頭ぬぐい液から分離された.これらの5株は, 形態, BUDR耐性, chloroform感受性, またL132細胞での電顕的増殖像など, 典型的なHRCVの性状を示した. また抗HRCV (229E) 血清を用いた蛍光抗体法により, これらを229E関連HRCVと同定した. これらは, 本邦初の, HRCV分離例と思われる.各株に対する抗血清の中和抗体価を50%plaquereductiontestで比較した. 分離株に対する抗HRCV (229E) 血清の中和抗体価は, HRCV (229E) に対する値よりも40~100倍低値であった. 分離株間には著しい抗原性の差は見られなかった. またplaque形成能においても, 5株の分離株はHRCV (229E) と異なっており, HRCV (229E) 関連ウイルスは, 抗原性においても, plaque形成能においても, 多様な株が侵襲していることを示した.
著者
川名 俊
出版者
地方史研究協議会
雑誌
地方史研究 (ISSN:05777542)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.38-55, 2019-12