著者
川名 敬
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.257-260, 2019-08-01 (Released:2019-09-20)
参考文献数
9

子宮頸癌の原因因子が,ほぼすべてでヒトパピ ローマウイルス (HPV) であることから,HPV を標的と した治療ストラテジーが期待される.子宮頸癌は,婦人 科腫瘍において,最も特定の標的を定めることができる 癌である.本稿では,我々が開発している HPV 標的治 療の可能性と,若年の浸潤性子宮頸癌 I 期に対する子宮 温存手術(生命の再建術)について紹介したい.
著者
柴田 滋子 藤井 広美 川名 ヤヨ子 佐藤 みつ子
出版者
了德寺大学
雑誌
了徳寺大学研究紀要 (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.8, pp.41-46, 2014

高齢化やコミュニティの希薄化が進む中,大学として地域に貢献できることがないかと模索する中で,有志学生からなる地域保健活動グループRUNPを結成した.高齢化が進行するA市Bマンションとの協働により活動を定期的に行い,約2年が経過した.この活動を通して学生は世代を越えた交流を体験し,地域住民への理解を深めるとともに自らの気づきへとつながり成長がみられている.今後も継続することで学生の気づきの促進と地域との協働からコミュニティの活性化に貢献したいと考える.The residents of the apartment B in the city A are aging rapidly. Trying to find out what contribution we can make to the local community, we organized a community health activity group of volunteer students named RUNP(Ryotokuji-Urayasu, Nurse, Project). RUNP has periodically collaborated with the residents over period of two years and through the cross-generational exchanges, the students better understood the local inhabitants, also providing opportunities for student self-reflection. We want to continue the collaboration and contribute to the area, and give students opportunities for self-reflection as a result of such interaction.
著者
川名 優孝 刑部 真弘 平沼 賢次 丸野 文弥 木船 弘康 本田 裕一 市ケ谷 公正 西田 一成
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
動力・エネルギー技術の最前線講演論文集 : シンポジウム
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.231-232, 2013

This paper describes on the energy saving using ocean, and power management using ship at time of the disaster. Yokohama Green Valley is a concept for purpose of CO2 reduction and revitalization of the economy, using the city coastal area as a model In order to realize this concept model, we performed experiment at Yokohama Hakkeijima. Experiments were performed following concretely 1 Introduction of seawater heat pump. 2. Power supply from the ship in emergency. 3. Visualization of power. The seawater heat pump, we have energy-saving 20% cut off of power. We found that the power of ship to land is an effective method in emergency. In energy saving by smart meters, we found that there is an economic benefit to reduce the basic charge of power.
著者
川名 はつ子 菊地 潤 中村 泉
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.31-40, 2000

出生前診断について、大学生を含む20歳以上の一般市民1,130人を対象にアンケート調査を行った。596人(52.7%)から出生前診断という言葉の認知・理解度や出生前診断をめぐる生命倫理についての回答を得た。それを性・年齢(20代、30代、40代以上)、既婚・未婚、子の有無別に検討した。結果は以下の通りである。(1)6割以上の人が出生前診断という言葉を知っていたが、理解度は曖昧だった。(2)男性より女性、若者より年長者、未婚者より既婚者、子無しより子有りの人が出生前診断について関心が深かった。(3)多数の女性が、出生前診断を受けるか否かは自分で決めるが、胎児に異常があると告げられた場合は、誰かに相談すると答えている。(4)男性は、出生前診断を受けるか否かや、異常が指摘された場合どうするかは、概ね相手の女性の意向次第と答えている。(5)若い独身女性は、あまり知識がないのに出生前診断に受容的である。(6)しかし全体では出生前診断について、よく知っている人の方が受容的という結果も出ている。(7)情報はテレビ、新聞などのマスコミから得ることが多いが、今後この問題の当事者となる20代の独身女性では、新関から情報を得ている人は少ない。
著者
川名 尚
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 = Stomato-pharyngology (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.237-242, 2002-06-01
参考文献数
8

単純ヘルペスウイルス (Herpes Simplex Virus, HSV) の感染部位は皮膚粘膜であり口腔咽頭もその主なものの一つである.特にHSVの1型は口腔内の感染が自然感染部位であり, 口腔咽頭のHSV感染は耳鼻咽喉科の日常診療でしばしば見られると思われ改めて産婦人科医の私が論述するまでもないと思う.しかし, 最近はgenital-oralという性行動様式が頻繁に行なわれるようになり, 性器に感染しているHSVが口腔咽頭にも感染することがあり本シンポジウムに単純ヘルペスウイルス感染という課題がとりあげられたものと思う.筆者は性器ヘルペスの臨床研究を行なってきたが, 口腔咽頭についての検討を行なってこなかったので直接本学会の会員の方にお役に立てることは出来ない.そこで性器ヘルペスの臨床を述べてgenital-oral transmissionの背景をご紹介することで責めて果たしたいと思う.
著者
川名 敬
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.35-42, 2014

ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち発癌性HPVでは,持続感染によって子宮頸癌をはじめとする癌を発症することがある.HPVを標的とした子宮頸癌治療には,E6, E7が標的分子として期待される.HPVを標的した分子標的治療として我々は2つ考えた.・ウイルス癌遺伝子の発現をsiRNAで抑える核酸医学と,・ウイルス癌蛋白質を癌抗原とした癌免疫療法,である.・ウイルス癌遺伝子の発現を抑える核酸医学は多く検討されてきたが,そのdrug-delivery system(DDS)が問題であった.我々は高分子ナノミセルを用いたDDSをE6/E7 siRNAに組み合わせた創薬基礎研究を行った.・HPV分子に対する細胞性免疫を誘導することによって免疫学的排除を目指した癌免疫療法(HPV治療ワクチンとも言う)は子宮頸癌やその前癌病変に対する臨床試験も多く実施されてきた.しかし,いずれも実用化されていない.我々はHPV16型E7に対する粘膜免疫を誘導する癌免疫療法としてE7発現乳酸菌を製剤化し,経口投与することを考えた.子宮頸癌前癌病変(CIN3)患者を対象とした臨床試験では,腸管粘膜で誘導された抗E7-IFN-gamma産生細胞が子宮頸部粘膜にホーミングし,CIN3を退縮させることを見いだした.HPV発癌を逆手に取ったHPV分子標的治療について,新しい戦略を用いた創薬とその臨床応用の可能性が示唆された.
著者
高橋 良輔 芝崎 厚士 山崎 望 大庭 弘継 川名 晋史 今井 宏平 伊藤 丈人 佐藤 史郎 中内 政貴
出版者
青山学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

当初の研究計画では最終年度となる平成29年度は、総括的研究を実施した。そのため共同研究の焦点は、”政治的資源としての時間”の位相の解明/時政学の構築に置かれている。研究推進の具体的方法としては、基礎的研究段階で各研究者が提示した研究構想に沿って課題を追究する個別研究と、その研究の進捗状況について報告・討議を行う研究会という二つの側面から実施された。まず平成29年8月24日(木)13:00-18:00 青山学院大学で開催された第5回研究会では、前半で研究アプローチについて検討したうえで、個別の研究状況を報告・討議を行い、時政学研究の成果公開の方法について協議をしている。当日のプログラムは以下の通り。1.前回までの研究会の振り返り&時政学研究のアプローチについての確認、2.個別研究(事例班)からのご報告:大庭先生/今井先生/八木先生(各自20分程度で個別の時政学研究についてご報告いただき、20分程度の議論)、3.時政学研究の成果についての検討、4.共著書刊行の検討、5.今後のスケジュールについて、6.その他。また平成30年1月28日(日)13:00―18:00に青山学院大学で開催された第6回研究会では、個別研究の報告を踏まえて、共著書企画案の共有・執筆者アンケートの共有、研究アプローチの類型化を行っている。当日のプログラムは以下の通り。1.個別研究からのご報告と討論(佐藤先生、伊藤先生 各20分報告+質疑応答)、2.共著書企画案のご説明、3.執筆者アンケ―トの共有、4.共著書構成および研究アプローチの検討、5.その他(今後のスケジュール・研究会開催など)。上記2回の研究会の結果、共同研究の成果を4つの類型に整理したうえで、ミネルヴァ書房からの共著書刊行を目指すことが合意された。
著者
川名 優孝
出版者
Japan Society for Intellectual Production
雑誌
産学連携学 (ISSN:13496913)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.2_35-2_39, 2013

本稿では,江戸っ子1号プロジェクトを通じて,金融機関と企業,大学との連携についてその経緯と課題等について述べる.本プロジェクトは,金融機関の顧客中小企業および大学,国の研究機関が連携して推進するプロジェクトである.これは,関西で推進された「まいど1号プロジェクト」に刺激されたもので,西が宇宙なら東は深海を目指し,深海探査機の開発と商用化を目的としている.この探査機の特長は,動力を必要としない簡便かつ安価なもので,海底資源探査に貢献するとともに,新たな市場を創造する可能性がある.金融機関は危機感を持ち,地域の活性化を図るため大学や究機関と協力してソリューションを企業に提供する新たな取組みを開始した.本プロジェクトはその一例となる. <br>
著者
川名登著
出版者
新人物往来社
巻号頁・発行日
2008
著者
早川 喜郎 川名 隆広 神谷 勇一郎
出版者
日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.215-220, 2008-12

野菜・果実加工において、濃縮プロセスは、最も重要な技術の1つであり、品質・コストに大きく影響を与えている。本研究においては、多くの食品に適用が可能で、かつ多品種少量生産に適する新規の凍結濃縮技術を開発することを目的とした。この凍結濃縮技術は、界面前進凍結濃縮を原理としており、氷の生産、分離が同一容器内で可能であり、装置構成、操作が非常に簡単なシステムである。濃縮条件の最適化、製氷器の最適設計、氷に含まれる溶質成分の回収と自動化、装置の自動化などの開発を行い、小規模の界面前進凍結濃縮システムを開発した。このシステムを使用してトマトジュースの凍結濃縮試験を行った結果、Brix40%程度の高濃度濃縮が可能であり、香味に優れた濃縮品を得ることが可能であった。また、トマトジュースのように他の果汁に比較するとバルブ質を多く含んでいるジュースでも凍結濃縮が行えることが確認できた。
著者
今井 弥生 高野 美栄 片井 やよ江 川名 真理枝
出版者
東京家政学院大学
雑誌
東京家政学院大学紀要 (ISSN:02866277)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.9-14, 1979-05-01

今の母親たちが乳児ウェアについて,どう感じ,どう考えているかを知るために,1978年5月15日,月曜の午前11時から午後3時までの問に"柏そごう"ベビー休憩室・育児相談ルームヘ乳児を連れて訪れた母親55名を対象に,乳児ウェアの着用状況,カラー・イメージについて調査した。当日の気象状況は平均気温18℃,最高23.7℃,相対湿度61%,日照時間10.8hで快晴であった。色彩の試料はJISの標準色票142色を用い,JIS Z 8723に従って視感判定をし,JIS Z 8102に準じて表示した。外出用乳児服のイメージは10尺度5段階で評定させ,その評点平均から相互間の相関係数を算出し,相関行列をもとに成分負荷量を抽出して,各成分の内容を検討する。次に個人値を求め,その値に色彩を照合し,イメージと対応させ,それぞれの位置関係について解釈を加えた。
著者
小豆畑 康児 川名 秀忠 東 守洋 東 和彦 若新 英史 大矢 佳寛 佐野 文子 亀井 克彦 張ケ谷 健一
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 第49回 日本医真菌学会総会 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
pp.176, 2005 (Released:2005-09-07)

症例は 70 歳の米国人男性。来日前から中耳炎と難聴があり、来日後は咳、発熱が続いていた。某院に通院、その後、入院していたが、症状が悪化し、千葉大学医学部付属病院に転院した。血尿・蛋白尿が出現し、C-ANCA も陽性だったことから Wegener 肉芽腫症の診断がなされ Cyclophosphamide 及びステロイドによる治療が行われた。治療開始から約一ヵ月後、胸水の出現とその増加があり、上肺野には斑状影を認めた。胸水培養より特定できない真菌が検出されたため、千葉大学真菌医学研究センターにおいて精査したところ、血清抗体価、PCR、DNA シークエンスなどから Coccidioides immitis と判明した。これに対し、抗真菌薬による治療を行ったが、肺症状の悪化と低酸素血症が続いた。その後、全身状態も悪化し、胸水の出現から約一ヶ月半で死亡した。千葉大学において病理解剖が実施され、検索の結果、肺・肝臓・脾臓に内生胞子を充満したコクシジオイデスの球状体が見られた。