著者
川名 のん 長沼 健 吉野 雅之 太田原 千秋 冨樫 由美子 笹 晋也 山本 恭平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.1F2GS10a02, 2021 (Released:2021-06-14)

e-KYCとは、インターネット越しの画像/映像で本人確認を行い、金融機関の口座開設の手続きを非対面で行なう仕組みのことである。本稿では、Deepfakeを用いて他人の顔になりすますことで、e-KYCなどの顔画像/映像を用いた本人確認に対してなりすまし攻撃ができるかの実験を行った。本稿の実験では、実システムに対してではなく、OSSをベースに独自に作成したe-KYCシステムに対して、運転免許証の写真とDeepfakeでなりすました人物の顔画像/映像が同一人物かの判定を行うものとした。より具体的には、システム側からe-KYC対象者に対して、顔を傾けるなどのランダムな動作を指示し、顔画像とこれら動作の認証を行い、本人性を確認する。実験の結果、なりすまし攻撃が成功し、これによりDeepfakeによるe-KYCへの攻撃が現実的な脅威であることが判明した。また本稿では、この攻撃に対していくつかの対策技術を検討した結果をまとめる。
著者
桑田 真澄 川名 光太郎 間仁田 康祐 平田 竹男
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.91-95, 2010 (Released:2010-06-07)
被引用文献数
1

The purpose of this study was to reveal how professional baseball players were trained while they were amateur baseball players, and to examine ways to improve the problems faced by amateur baseball players. A survey of 300 professional baseball players was conducted.    There were a lot of problems revealed in amateur baseball: “overwork and injury because of irrational, inefficient, and too long training” , “manner of the instructors” , “balance among baseball, studying, and playing” , and “violence to the players” . These results suggested that most professional baseball players wanted it to be done in a different way from their own experience, and that they had a strong awareness of the problems of traditional training.
著者
川名 敬
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.35-42, 2014-06-25 (Released:2015-03-10)
参考文献数
21

ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち発癌性HPVでは,持続感染によって子宮頸癌をはじめとする癌を発症することがある.HPVを標的とした子宮頸癌治療には,E6, E7が標的分子として期待される.HPVを標的した分子標的治療として我々は2つ考えた.・ウイルス癌遺伝子の発現をsiRNAで抑える核酸医学と,・ウイルス癌蛋白質を癌抗原とした癌免疫療法,である.・ウイルス癌遺伝子の発現を抑える核酸医学は多く検討されてきたが,そのdrug-delivery system(DDS)が問題であった.我々は高分子ナノミセルを用いたDDSをE6/E7 siRNAに組み合わせた創薬基礎研究を行った.・HPV分子に対する細胞性免疫を誘導することによって免疫学的排除を目指した癌免疫療法(HPV治療ワクチンとも言う)は子宮頸癌やその前癌病変に対する臨床試験も多く実施されてきた.しかし,いずれも実用化されていない.我々はHPV16型E7に対する粘膜免疫を誘導する癌免疫療法としてE7発現乳酸菌を製剤化し,経口投与することを考えた.子宮頸癌前癌病変(CIN3)患者を対象とした臨床試験では,腸管粘膜で誘導された抗E7-IFN-gamma産生細胞が子宮頸部粘膜にホーミングし,CIN3を退縮させることを見いだした.HPV発癌を逆手に取ったHPV分子標的治療について,新しい戦略を用いた創薬とその臨床応用の可能性が示唆された.
著者
川名 好裕
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.9, pp.89-101, 2011

Three hundred forty-four young female students rated the interpersonal attraction of 40 different various male pictures. They also rated the degree of desires to be the friend, the lover, the sex partner and the marriage partner. Factor analysis extracted 4 different kind of attraction, which are the beauty attraction, the healthy attraction, the interpersonal attraction, and the social attraction. Making these 4 different attraction factors as independent variables, and the degrees of desired relationships with the male picture stimuli as the dependent variables, the stepwise multiple regression analysis were conducted.The standardized multiple regression coefficients showed the importance of the kind of attraction determining the degree of desired relationships (Friend, lover, sexual partner, marriage partner). The beauty attraction is most valued in love and sexual relationships. The social attraction is most valued in the marriage relationship. The interpersonal attraction is valued most in the friend relationship. The kinds of attraction are valued differentlyaccording to the kind of desired relationships.
著者
西島 花音 川名 典人 布施 泉 曽我 聡起
出版者
日本デジタル教科書学会
雑誌
日本デジタル教科書学会発表予稿集 日本デジタル教科書学会第8回年次大会 (ISSN:24326127)
巻号頁・発行日
pp.81-82, 2019 (Released:2019-10-16)
参考文献数
6

本研究では,講義内容に関するデジタル漫画教材を,授業中,タブレット端末を使って リアルタイムで作成し,学習におけるモチベーションの向上について調査した。漫画教材 が学習者の授業のモチベーションに繋がるという結果が得られた。また,テキストのみの 教材がわかりやすいという学習者が自由に漫画表現と文字表現を選択可能な学習教材の提 供をiBooks Authorを使用して,デジタル教材によって実現することを検討する。
著者
桑田 真澄 川名 光太郎 間仁田 康祐 平田 竹男
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.91-95, 2010

The purpose of this study was to reveal how professional baseball players were trained while they were amateur baseball players, and to examine ways to improve the problems faced by amateur baseball players. A survey of 300 professional baseball players was conducted.<BR>    There were a lot of problems revealed in amateur baseball: "overwork and injury because of irrational, inefficient, and too long training" , "manner of the instructors" , "balance among baseball, studying, and playing" , and "violence to the players" . These results suggested that most professional baseball players wanted it to be done in a different way from their own experience, and that they had a strong awareness of the problems of traditional training.

10 0 0 0 OA HPVワクチン

著者
川名 敬
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.79-86, 2012-06-25 (Released:2013-05-09)
参考文献数
26

ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸癌や尖圭コンジローマの原因となりうるウイルスである.この10年の間にHPV感染を予防できるHPVワクチンが開発され,大規模臨床試験によって多くのHPV関連疾患に対する予防効果が全世界的に証明された.HPV関連疾患で最も重要なものは子宮頸癌である.子宮頸癌の罹患率のピークは20年間で20才近く若年化し現在は2545才がピークである.がんを予防できるワクチンという観点から極めて重要な意義を持つ.ただし子宮頸癌予防に関してはその限界も理解しておく必要がある.一方,尖圭コンジローマの予防については,海外では既にpopulation impactが現れてきている.尖圭コンジローマが近い将来社会から撲滅されることも夢ではない.本稿ではHPVワクチンをレビューしたい.
著者
阿部 誠也 川名 真理子 舟越 亮寛
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.169-176, 2021-02-28 (Released:2021-03-20)
参考文献数
17

Objective: Sodium valproate granules (VPA granules) are extremely hygroscopic, deliquesce slowly in the air, and aggregate depending on temperature and humidity conditions. Although pharmacists are required to maintain drug storage conditions until the time of dispensing, they cannot keep track of the actual storage conditions maintained by the patients thereafter. Therefore, we investigated the actual temperature and humidity of the storage conditions maintained by the patients after delivery of the VPA granules.Methods: We conducted a prospective observational study at Kameda Medical Center on pediatric outpatients who were prescribed VPA granules from July 5, 2018 to February 20, 2019. A portable data logger capable of measuring temperature and humidity for 24 h was delivered at the time of dispensation. At the following visit, the data logger was collected, and data about temperature and humidity were obtained. We defined the suitable temperature as 1.0-30.0℃ and suitable humidity as 75.0% or less.Results: In this study, 13 patients were included. In total, 18 data loggers were distributed, and the return rate was 100.0%. The storage temperature was outside the suitable range in 0.8% of the total observation time whereas the humidity exceeded 75.0% in 1.7% of the total observation time.Conclusion: Storage of medications after dispensation was evaluated, and certain temperature and humidity deviations were observed. As storing a drug in an inappropriate environment changes the nature of the drug, affecting its efficacy and safety, it is necessary to educate patients on the proper methods to store oral medications.
著者
川名 はつ子 吉宇田 和泉
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.31-39, 2014-03-20

目的 本研究では、成人知的障害者の肥満の現状を把握し、課題を検討することを目的とした。方法 首都圏の知的障害者入所5施設の利用者217名(男性143名、女性74名)と、都内の通所5施設の167名(男性100名、女性67名)計384名を対象とした。2007年8月に運営主体が様々で所在地も分散しているこれら10か所の施設を巡回し、身長・体重・体脂肪率(タニタ社製TBF-310)・ウエスト周囲径・血圧の測定を行なった。一部の施設では障害の程度・内容も調査し、SPSS(Ver.17.0)を用いて統計処理した。結果 1.平均年齢は男性38.1±11.1歳(入所41.1±10.3歳、通所33.8±10.8歳)、女性39.5±11.9歳(入所43.1±11.0歳、通所35.6±11.7歳)で男女別の差はなかったが、入所群が通所群より有意に高かった(p<0.001)。2.男性では、体重、体脂肪率、ウエスト周囲径、BMIのすべてにおいて、通所群のほうが高かったが、女性では差は認められなかった。3.血圧は、男女とも通所群のほうが高かった。4.入所群・通所群をそれぞれ障害の程度(療育手帳=障害者手帳の度数)別にさらに重度と中・軽度の2群に分けて比較してみたが、全体と同様の結果であった。結論 知的障害をもつ人は健常者より肥満しやすく、なかでも自宅から作業所などに通っている者は入所者と比較して、肥満がより深刻であることが明らかとなった。この違いは、主として入所者は3食給食で栄養管理が行き届いていることが考えられる。全体的に運動・食事の改善を図ることはもちろんだが、特に通所の男性は食行動や食事内容の改善を図ることで減量の効果が期待できると考えられた。一方、女性では入所者でも肥満が多いことから、入所女性ではさらに活動量を増やす必要が示唆された。
著者
川名 明彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.93, no.11, pp.2309-2315, 2004-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
8

SARSは新型コロナウイルスによっておこる全身性の感染症である. 2002~2003年の流行では世界で774人が死亡した.本症は主に気道由来の飛沫によって感染し, 2~10日の潜伏期間の後インフルエンザ様症状で発症する.大部分は肺炎を合併し,死亡率は約10%である.有効性の確認された治療法は無い.本症は医療スタッフに感染しやすい特徴があり,その蔓延を阻止するためにも十分な院内感染対策が必要である.
著者
杉橋 陽一 石光 泰夫 川名子 義勝 長木 誠司 田中 純 一條 麻美子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究においては次のような成果を得た。1.中世の伝説・説話が伝承されてゆく過程における語り手と聞き手の相互作用、および文字による記録がそこに与えた変化の考察、および、中世からルネサンスにいたるポリフォニックな教会音楽における聴取経験と歌唱法の分析をおこなった。そのうえで、宗教による社会統合との協同ないし葛藤のプロセスを明らかにした。2.ルネサンスからバロック時代にかけての、ページェントや祝祭における観衆の役割と「見せ物」の社会的効果の考察、および、オーケストラによるコンサートという聴取形態の成立過程と、そこにおける作曲者、演奏者、聴衆の関係性の変化をめぐる歴史的分析をおこなった。3.ヨーロッパ18世紀の市民文化成立期において、異なる書き手による手紙や日記、文学作品が相互に引用し関係しあってかたちづくっていた、異種混淆した言説空間の双方向的様態を究明した。また、19世紀後半以降のインテリア(私的空間)のデザインをめぐる住文化における建築家と居住者との対立・協調プロセスを、とくにウィーンの動向を中心に分析した。このような西洋の芸術の動向と比較しながら、日本における集団的な競技としての文芸の伝統(連歌、俳句)や茶の湯を、インタラクティヴィティの観点から考察した。4.マルセル・デュシャンやジョン・ケージをはじめとする芸術家たちによる営為が、いかに「芸術」概念の再検討をうながし、鑑賞者の位置にどのような変容をもたらしたかを、その後の現在にいたるインタラクティヴ・アートの動向との関係を視野に収めながら分析した。
著者
川名 真理子 小堀 裕果 中崎 允人 鈴木 正論 永井 淳子 佐々木 忠徳
出版者
一般社団法人日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.105-110, 2013 (Released:2013-12-27)
参考文献数
7

Objective: There are only a few studies evaluating the effects of drug information services on pharmacotherapy.  We, therefore, studied the effects of providing drug information such as the effectiveness and safety of aliskiren on its pharmacotherapeutic efficacy by comparing before versus after drug information provision.Methods: Pharmacists provided drug information such as the effectiveness and safety of aliskiren coadministered with either ACE-I (angiotensin converting enzyme inhibitor) or ARB (angiotensin receptor blocker) to physicians and other healthcare professionals.  We compared the number of patients for whom aliskiren was prescribed, the proportion of diabetic patients taking both aliskiren and ACE-I (or ARB), the proportion of patients with low eGFR (estimated glomerular filtration rate), and the proportion of patients with hyperkalemia and related conditions, before versus after providing the drug information to the healthcare professionals.Results: The number of patients for whom aliskiren was prescribed decreased.  The proportion of patients taking both aliskiren and ACE-I (or ARB) decreased significantly after providing the drug information (p=0.007).  The proportion of diabetic patients taking both aliskiren and ACE-I (or ARB), the proportion of patients with low eGFR, and the proportion of patients with hyperkalemia also decreased, after providing the drug information.Conclusion: This study showed the drug information service to be clinically beneficial, achieving better pharmacotherapy.  Pharmacists should evaluate and provide information on the effectiveness and safety of drugs announced by authorities in a timely manner to achieve optimal patient care.
著者
川名 雄一郎 KAWANA Yuichiro
出版者
名古屋大学大学院経済学研究科
雑誌
経済科学 (ISSN:00229725)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.41-52, 2020-03

The remarkable flourishing of phrenology, a morphological study of brain initially conceived by a German neuroanatomist, Franz Joseph Gall in the 1790s, became the subject of much scholarly attention in early nineteenth-century Britain, and especially in Edinburgh, where the dispute about phrenology commenced with Thomas Brown's attack on Gall which appeared as early as 1803, and was followed by a number of other criticisms, including John Gordon's severe critique of Johann Gaspar Spurzheim in 1815, Francis Jeffrey's scathing article on George Combe's work in 1826, and William Hamilton's series of criticisms in the 1820s levelled against anatomical knowledge on which phrenology was founded. This article examines the nature of these anti-phrenological arguments, pointing out the intellectual milieu of Edinburgh at the turn of the nineteenth century, in which two learning and teaching traditions, namely mental philosophy (common sense philosophy originated in the works of Thomas Reid and developed by Dugald Stewart and Thomas Brown) and anatomy (thanks to the Monro family and those involved in the Royal College of Surgeons of Edinburgh), were established.