著者
ヤーッコラ伊勢井 敏子 広瀬 啓吉 堀田 典生 板井 陽俊 越智 景子
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

言語差は発話時の呼吸の制御や腹筋・胸筋と切り離せないことや下腹部の筋肉は呼吸筋とは異なる動きをすることが明らかになった。発話時の呼吸回数に差はほぼないが,呼気量の制御に言語差が見られた。さらに,男女差は言語によるが腹筋・胸筋の使い方に出る。ポーズ制御に言語差が大きく出る。文法的単位や韻律単位になり,文・節・句以外に複合語や単語レベルにも及ぶ。また,母語と学習外国語の差は,母語で使う呼吸方法や腹筋・胸筋の使い方の影響が出る。加えて,喉頭制御は腹筋・胸筋の動きとは必ずしも連動しないことや,肺活量に基づく年齢(肺年齢)と実年齢では大きな不一致があり喫煙との相関はほぼないということも確認できた。
著者
浅野 紘臣 寺澤 輝雄 広瀬 昌平
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.88-92, 1980

窒素施肥量 (10a当たり0, 10, 50および100kg)がメヒシバおよびスベリヒユの生育と種子生産構造に及ぼす影響を調べた。<br>1) 窒素レベルの増加につれて2草種の生長量は一般に増大するが, 栄養生長期の調査で, スベリヒユは茎長, 葉数, 全乾物重およびがい果数がN-50区で最高値を示し, メヒシバでは稈長および全乾物重だけがN-50区で最高値を示した。<br>2) 一方, 成熟期の調査で, スベリヒユは千粒重を除いたすべての形質がN-50区で最高値を示したが, メヒシバでは穂当たりの種子粒数, 種子重および千粒重がN-10区で最高値を示し, 個体当たり穂数はN-50区に最高値がみられた。<br>3) 多数の形質について表現型可変性変異を調べたが, メヒシバはスベリヒユに比べて一般に大きく, 特に個体当たり穂数および種子粒数で顕著であった。そして, 両草種の千粒重はいずれも低い変異を示した。<br>4) 再生産効率については, 2草種とも窒素レベルの増加に伴い増加する傾向にあるが, メヒシバではN-50区, スベリヒユではN-100区で最高となり, その値は25.3%と28.2%であった。<br>5) 処理区内の個体変動を求めたが, メヒシバではN-0区, スベリヒユではN-0, N-100区で個体変動が増加した。すなわち, 一般の圃場条件とは異なる無窒素と窒素過多の条件下で個体間の反応に差が生じ, 生育が不均一になることが観察された。<br>6) 以上の結果をもとにして, 雑草の環境適応上の問題を考察した。
著者
寺澤 輝雄 浅野 紘臣 広瀬 昌平
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.10-16, 1980

雑草の環境適応のメカニズムを明らかにする一環として, 本実験ではメヒシバ, スベリヒユを供試し, 密度条件の差異がこれら2草種の生育と種子生産構造に及ぼす影響を調べた。密度条件はa/2,000ワグネルポットにメヒシバで5, 20, 50および100個体, スベリヒユで5, 20, 45および65個体のそれぞれ4条件とした。<br>1) 密度の増加によってスベリヒユは栄養生長期, 成熟期を通して, 10%前後の枯死個体が認められたが, メヒシバでは全く認められなかった。<br>2) 2草種とも, 個体当たりの生長量は密度の増加に伴って減少し, 最高・最低密度間の差異は栄養生長期より成熟期で増大した。<br>3) 種子生産量およびその構成要素のうち個体当たりの穂数 (メヒシバ) あるいははがい果数 (スベリヒユ), 種子重, 種子粒数は密度の増加に伴って減少したが, 1穂あるいは1がい果当たりの種子粒数, 種子重はメヒシバでは20個体区, スベリヒユは5個体区に最高値があった。<br>4) 各形質の表現型可変性の変異を密度に対する回帰係数によって比較したが, スベリヒユがメヒシバに比較して表現型可変性が大であった。<br>5) 2草種の再生産効率を求めたが, メヒシバがスベリヒユに比較して高く, スベリヒユで密度の増加によって減少する傾向が認められた。<br>6) 2草種の生長量について各密度区内の個体変動を調査したが, 密度の増加に従い個体変動は増大する傾向が認められた。<br>7) メヒシバは密度の増加に対し, 区内の個体変動は少なく, 平均的な個体と個体数を確保し, 一方, スベリヒユは個体間の競合によって生き残った個体の再生産力によって, それぞれ単位面積当たりほぼ一定の生産を維持しているのが認められた。
著者
寺澤 輝雄 浅野 紘臣 広瀬 昌平
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.14-18, 1981
被引用文献数
1

メヒシバ, スベリヒユを土壌の最大容水量に対して12, 25, 50, 100%の4条件下で全生育期間を通してa/2,000ポットで栽培し, 土壌水分の差異が両草種の生育と種子生産構造に及ぼす影響を調査した。<br>1) 栄養生長期, 成熟期を通して, 過湿と過乾に対する両草種の反応は異なっており, メヒシバは過乾条件で, スベリヒユは過湿条件で生長がより大きく抑制された。<br>2) 栄養生長期の地上部乾物重で最大生長を示す最適水分条件はメヒシバでは50%区であり, スベリヒユでは25%区であった。<br>3) 両草種の穂あるいはがい果当たりの稔実種子生産量は4処理条件下で, ほぼ一定であり, 土壌水分の変化による個体当たりの種子生産量の差異は個体当たり, 穂数あるいはがい果数の増減によるものであった。<br>4) 土壌水分の差異によるCREの変化は, メヒシバで3~4%の範囲にあり, 一方, スベリヒユでは15~20%であって, スベリヒユはメヒシバに比べCREが高かった。<br>5) 両草種の形質の土壌水分に対する表現型可変性は生長量の形質に関しては, スベリヒユの分枝数を除いて, 一般にメヒシバがスベリヒユに比べて高く, 成熟期の種子生産形質については, メヒシバの穂数を除いて, 一般に, スベリヒユがメヒシバに比べて高かった。<br>6) 最適水分条件下でメヒシバは穂数, スベリヒユはがい果の増加によって個体当たり種子数の拡大生産を確保し, 不適当な条件下でも, 両種は得られた穂あるいはがい果に稔実した種子を確実に着生し, 最低限の生存を確保していることが明らかにされた。
著者
広瀬 雅一 松田 幸久 小川 圭太 太田 愛子 山下 広之 髙橋 伸明 五郎丸 剛 佐藤 英治 長崎 信浩 吉冨 博則
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.183-195, 2020-04-10 (Released:2021-04-10)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

The role of medication history at pharmacies has increased as a means to realize improved pharmaceutical care. Furthermore, the education guidelines of clinical clerkship for pharmaceutical education were revised in 2013 to provide better clinical training. The principal aim of the new guidelines was to allow the students to experience medication management, such as medication counseling and the recording of medication histories, frequently. In these circumstances, pharmacy students should acquire, to some degree, the cardinal skills of medication management by the initiation of their clinical clerkship. In this study, we established methods to quantitively evaluate the ability of the medication management at pharmacies. Additionally, we conducted the same practice with pharmacists engaged in pharmacies for less than three years to compare their ability with that of the students. In the practice, the participants presumed the patient characteristics and disease state from a scenario and created the medication counseling phrases from a simulated prescription. Subsequently, they recorded a medication history electronically following the SOAP format. The results showed the scores of the pharmacists regarding medication counseling phrases and medication history descriptions were much higher than those of the students. In contrast, the scores of presumption skills in terms of patient characteristics and state were equivalent. To enhance clinical skills, education programs should include problem-oriented system exercises to integrate various factors of patients’ characteristics as well as to build up student knowledge. This study also suggests that the modification of an electronic medication history system might be efficacious for pharmaceutical education.
著者
広瀬清 著
出版者
目黒書店
巻号頁・発行日
1927
著者
岩永 知秋 横田 欣児 岸川 禮子 池田 東吾 鶴谷 秀人 広瀬 隆士 西間 三馨
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.9-13, 1997-01-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
10

A 53-year-old man with multidrug resistant tuberculosis (MDR-TB) had been persistently positive for acid-fast bacilli (AFB) both on sputum smear and also on culture with the Ogawa egg medium for 30 years since 1951. The case had been treated previously with isoniazid, rifampin, streptomycin, ethambutol, kanamycin, ethionamide, paraaminosalicylate and cycloserine; however, M. tuberculosis strains isolated from this patient acquired a high resistance to all of these agents. Then, a new regimen of chemotherapy, INH combined with ofloxacin (OFLX) and amoxicillin-clavulanic acid (AMPC/CVA), was applied to the case. He was successfully treated with this regimen, and a marked decrease in the amount of AFB on smear as well as on culture was observed during the course of chemotherapy. No adverse effects were seen meanwhile. These data suggest that it is worth while to try a regimen containing AMPC/CVA and OFLX in the treatment of MDR-TB.
著者
井上 薫 重田 善之 梅村 隆志 西浦 博 広瀬 明彦
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.56-64, 2021-04-25 (Released:2021-04-22)
参考文献数
19

本研究では,5種の毒性試験事例から得たさまざまな病理組織学的所見の発生頻度データに実際にベンチマークドーズ(BMD)法を適用し,本法を発生頻度データに適用する際の留意点をまとめた.事例検討の結果,重要な所見について,毒性学的意義や用量相関性等が担保できれば,病変の程度毎に発生頻度データがある場合はある程度以上の発生頻度に対して,あるいは重症度が高い続発性病変ではなく,より毒性学的意義があると判断された前段階の病変の発生頻度データに対して,BMD法を適用することは妥当であることが確認された.また,BMD法を適用する必要性が高く,入手した個別所見の発生頻度データでは毒性学的にも統計学的にも妥当な計算結果を得られない場合は,可能であれば個体別の病理組織学的検査データまで遡り,新たに求めた総括的な所見名(診断名)に対する発生頻度データに基づきBMD法適用を試みることを提言した.BMD法適用の際は,必ず毒性病理学,毒性学,統計学の専門家が本法適用の対象となる所見やその発生頻度と計算結果を分析し,可能な限り統計学的にも毒性学的にも妥当な適用となるよう議論する必要がある.
著者
田中 崇裕 広瀬 茂男
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp._1A1-D28_1-_1A1-D28_4, 2006

In this paper we explain the design of leg-wheeled hybrid jumping robot. First, we developed a light-weight and compact actuator, piston-wire mechanism. Using this mechanism, we achieved the high-speed movement of the leg. Then, the relationship between the jumping height and the motor position is considerd, and the effective design of leg-wheeled mechanism for jumping emerged. In addition, we developed a transmission mechanism inside of the leg frame. Finally, using the light-weight leg-wheeled mechanism, we experiment in wheel drive jumping.
著者
広瀬 昌平 ブシドウ B. H.
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.135-144, 1976

インドネシア東部ジャワ州ではべと病とSeedling flyによる被害がとうもろこしの栽植本数の減少或は株立本数の不均一性をもたらす大きな要因となっているが, この報告ではべと病およびSeedling flyの罹病および被害消長の調査結果と, 更に人為的に得られた株立本数の不均一性が収量にどのような影響をおよぼすかを調査した結果を報告した.<BR>1. べと病によるとうもろこしの罹病は雨期開始後大凡2~3週間目に播種した区で最高を示し, この期のHarapan種で約90%, Kretek種でも年により約50%の罹病率を示した.しかし罹病率はその後減少し, 2或は3月播種区でまた若干増加傾向を示す.一方Seedling flyの被害はべと病と異なりべと病の罹病が最低を示す時期に最高を示し, 明らかにその被害時期のピークにずれが見られる.<BR>2. 1株本数の異なる均一株および不均一株区をもうけ, 子実重, 不稔個体率および株当100粒重について比較した.<BR>3. 単位面積当り収量の比較では, 1株2本均一区で最高を示し, 1株3本均一区は若干2本区に比して低いが, その差異は明らかでなかった.一方不均一区では1株1, 3本交互区と1, 2, 3本交互区は単位面積当り栽植本数は同一になるが, 共に均一2本区より低い収量を示した.<BR>4. 不均一区の収量が均一区の収量に比して (平均株当り2本区) 低いのは株相互間で補償作用が働かず, その要因として開花時前後における, 一時的ではあるが, 極度の乾ばつが関与したものと考えられる.<BR>5. 株別に見た場合, 不稔個体率は2本株で, それに隣接する株本数が増加する程不稔個体が増加したが, 1, 3本株では隣接株の影響は認められなかった.<BR>6. 1, 2本株当り子実重は隣接株の本数が増加する程減少し, 一方3, 2本株当る子実重は隣接株の本数が減少する程増加した.この傾向は100粒重についても認められた.<BR>7. 株別個体子実重の変異は3本株が他株より大きく, このことは株内個体間での相互補償が働き, それによって株当りの子実重を確保しているものと考えられる.
著者
小越 康宏 日名田 明 広瀬 貞樹 木村 春彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.397-400, 2003-02-15

コンピュータシステムの個人認証においては,従来よりユーザ名,パスワードの情報を用いて本人かどうかの認証を行っているが,これらの情報が漏れた場合に不正利用される恐れがある.そこで,ユーザ名,パスワードを入力するときの打鍵間時間(あるキーが打たれてから次のキーが打たれるまでに要する時間)の特徴を参考にして個人認証を行うシステムがいくつか提案されている.しかし,打鍵の熟練者においては打鍵間時間に差異が現れにくく,どのシステムにおいても本人かどうかの認証が困難となる問題点があった.本研究では,このような打鍵間時間を基にした認証システムにおいては,認証時に意図的なリズムを持たせて打鍵するリズム打鍵が有効で,認証精度を大幅に改善できることを示す.
著者
広瀬 三夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1244-1247, 1956-11-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
39
著者
広瀬 隆則 山田 順子 山本 洋介 佐野 暢哉 日野 明子 古本 博孝 山田 正代 佐野 壽昭
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.233-237, 1997-03-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
10
被引用文献数
4 4

子宮頸部にはまれに神経内分泌癌が発生することが知られている. 30歳, 妊娠29週の女性の子宮頸部に発生した小細胞性神経内分泌癌の1例を経験したので, 細胞所見を中心に報告した. 患者は不正性器出血を主訴として来院し, 頸部前唇にピンポン玉大の腫瘍が見出されたため, 広範子宮全摘出手術が行われた. 術後, 大量化学療法と末梢血幹細胞移植が施行されたが, 合併症のため約7ヵ月後に死亡した. 擦過細胞診では, 小型で裸核状の腫瘍細胞が壊死物質を背景に孤立散在性ないし結合性の弱い小集塊として認められ, 肺小細胞癌の細胞所見に類似していた. 組織学的に腫瘍細胞は, 胞巣状, 索状ないしリボン状に配列し, 多くの細胞でGrimelius法により好銀顆粒が証明された. 免疫組織化学的に, Chromogranin A, neuron specific enolase, synaptophysinなどの神経性マーカーが陽性を呈しており, 小細胞性神経内分泌癌と診断された. 本腫瘍は, 小細胞性扁平上皮癌や低分化腺癌との鑑別が難しいが, これらの腫瘍より進行が早く悪性度が高いので, 早期に診断し強力な治療を開始することが大切である. 診断上, 細胞診のはたす役割は大きいと考えられた.