著者
鴨下 隆志 広瀬 武範 中村 哲夫 矢野 宏
出版者
一般社団法人 品質工学会
雑誌
品質工学 (ISSN:2189633X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.49-57, 1996-04-01 (Released:2016-03-24)
参考文献数
7
被引用文献数
2

In order to study the calibrating method and the error after calibration for a measuring system, the method to determine the dimensional measuring error of a component part through experimentation was discussed. The procedures of this method followed the guidelines described in JIS Z9090, measurement-General rules for calibration system, a standard established based on the concepts of quality engineering. The calibration was conducted by such new concepts. Up to present, the determination of measurement error has been ambiguous. But from this study, it was concluded that error can be rationally determined by one of the three practical cases of picking up the sources of error. lt is also stated in this paper that quality engineering approaches can be applied to determine the expanded uncertainty which is included in ISO Guide of the Expression of Uncertainty in Measurement.
著者
西田 修三 中谷 祐介 広瀬 太芽
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_1039-I_1044, 2019 (Released:2019-10-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1

港湾など高い閉鎖性を有する都市沿岸海域の水環境再生には,流入負荷の削減だけでなく,浚渫・覆砂などの底質改善や人為的な流動制御による水交換の促進が必要と考えられる.本研究では,高閉鎖性海域である堺旧港を対象に,水質・底質特性の把握と外部擾乱による水質変動の解析を行った. 港内では夏季には密度成層が形成され,表層で過飽和,底層で貧酸素化が生じていた.表層ではCSOの影響により高濃度の有機態窒素・リンが,底層では底泥からの溶出の影響による高濃度の無機態栄養塩が検出された.台風21号来襲時には港内容量に相当する港外水の流入が生じ,暴風と高潮に襲われたにも拘わらず,港内水質の完全混合には至らなかった.この港域の水環境は底質に強く依存しており,水質改善には浚渫や覆砂などの底質改善が最も効果的であると考えられた.
著者
広瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, pp.449-450, 1997-03-06

バーチャル・リアリティという言葉が世の中に紹介されたのは、1989年のことである。それから7年、この技術は着実な進歩を遂げつつある。とりわけ最近、注目を集めているのがミックスト・リアリティの技術である。狭義のバーチャル・リアリティが計算機の内部に閉じたものであるのに対し、現実の世界とも関連を持つようにしたのがミックスト・リアリティである。現実の世界と仮想現実の世界が融合したものが、ミックスト・リアリティすなわち複合現実の世界である。
著者
武田 立守 吉田 滋 織田 佳代子 広瀬 信吾
出版者
日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.643-648, 1983
被引用文献数
2

窒素レーザーを励起光源とする高感度な蛍光検出器を作製し,フローインジェクション分析法に応用した.このレーザーの光のエネルギーはピーク出力10kWの大きさを持っているため,盲蛍光も大きくなると考えられ,その影響を少なくする手段を考察した.盲蛍光の大きな試料として無処理の血清を,目的とする発蛍光物質としてジヒドロニコチンアミド-アデニンジヌクレオチド(NADH)を選んだ.盲蛍光は主としてたん白質に起因すると考えられるため,O-(ジエチルアミノエチル)-[セルロース](DEAE)-セファロースを充てんしたカラムをフロー系に組み込み,たん白質は保持するがNADHは溶出してくる条件として30mM塩化ナトリウムを含有するグリシン緩衝液をキャリヤー液とした.その結果,血清の約5μを直接注入したとき盲蛍光の80%を除くことができ,残りの20%は反応試薬などで血清を17倍に希釈した液の約5μをフロー系に注入するとこで無視しうる程度の大きさとした.分析対象の一例として血清中の乳酸や乳酸脱水素酵素の測定などに応用した.
著者
島田 義之 広瀬 盛行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.457-462, 1983-10-25 (Released:2020-09-01)

This study proposes an estimating model of work trips to the metro center by an easy method. This also analyses how the changing patterns of urban structure (population and job distribution) affect the number of work trips to metro center, taking Tokyo metropolitan region as an example.
著者
佐々木 栄作 中谷 武嗣 穴井 博文 広瀬 一 高野 久輝
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.1444-1449, 1992
被引用文献数
1

IABPは簡便な補助循環法として広く用いられ, 種々の機種が市販されているが, バルーンや駆動装置の特性はあまり検討されていない. われわれは, 電気インピーダンス(Z)計測を利用したバルーン容量のリアルタイム測定法を開発した. 本法は導管内にバルーンを留置し, バルーンの前後に設置した電極間のZを計測するものである. バルーン容量(V<sub>B</sub>)は, V<sub>B</sub>=[(R<sub>I</sub>-R<sub>D</sub>)/R<sub>I</sub>]V<sub>0</sub>, (<sub>0</sub>:電極間導管容量, . R<sub>D</sub>, R<sub>I</sub>:バルーン収縮時, 膨張時のZ値)で計算される. 本法により, 市販駆動装置4機種とバルーン4機種6種の駆動圧-容量曲線, 応答速度, 外部負荷圧の影響を検討した. バルーンはそれぞれ圧-容量特性が異なり, また駆動装置も駆動圧, 駆動圧波形に差を認めた. したがって異機種組み合わせて使用する場合, 安全で適切なIABP駆動を行うために, その特性を理解することが重要であると考えられた.
著者
山田 明夫 佐藤 基佳 宮原 和郎 広瀬 恒夫
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.37, no.12, pp.783-787, 1984
被引用文献数
1

1981年1月から1982年11月までに, 北海道北部および東部で実施した大動物用X線診療車によって臨床的に一見健康な乳牛2,037頭の集団検診を行いその所見のうち, 第四胃が明視できた1,976頭における第四胃内異物の存在率とその性状について検索した.<BR>1) 第四胃内に全属異物が1,976頭中697頭 (35.3%), 砂粒状物が1,907頭 (96.5%), 磁石が9頭 (0.5%), 塊状陰影物が4頭 (0.2%) に認められた. この成績は, 一般酪農家に飼養されている乳牛の多くが, 金属異物や砂粒状物にもとつく胃粘膜への損傷ないし刺激が原因の一つと考えられている第四胃炎や第四胃潰瘍の危険に曝されていることが示唆された. また, 第四胃に金属異物が到達することはあっても, その可能性はきわめてまれであるという従来の見解を否定する成績であった.<BR>2) 第四胃内金属異物の存在率は, 第二胃内磁石存在群で25.7%, 第二胃内磁石非存在群で42.2%であり, そのうち5cm以上の金属異物は, 前者で2頭, 後者で43頭に認められた. したがって, 第二胃内の磁石は金属異物, とくに5cm以上の長い金属異物の前胃から第四胃への移動を阻止するのに効果のあることが示唆された.
著者
堀江 憲吾 亀山 紘司 水谷 晃輔 菅原 崇 清家 健作 土屋 朋大 安田 満 横井 繁明 仲野 正博 出口 隆 酒々井 夏子 広瀬 善信
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 = Acta urologica Japonica (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.517-521, 2014-10

A 72-year-old Japanese man was referred to a hospital because of urinary retention. Digital rectal examination revealed a stony, hard nodule in the prostate. A high level of serum PSA was not detected. Prostatic biopsy was performed, and pathological examination indicated adenocarcinoma of the prostate. He was referred to our hospital for treatment. Imaging examinations revealed no metastases (T4N0M0), so we re-evaluated the biopsy specimens. Immunohistochemical examination revealed prostatic small cell carcinoma. His levels of neuron-specific enolase (NSE) and pro-gastrin-releasing peptide (Pro-GRP) were high. We treated him with combination chemotherapy comprising irinotecan and cisplatin, and the treatment waseffective. After four coursesof the chemotherapy, levelsof NSE and Pro-GRP had decreased, and the prostatic mass had decreased in size. Needle rebiopsy of the prostate demonstrated no evidence of malignancy. Adjuvant external beam radiation therapy wasals o performed. The patient iss till alive at 18 month after diagnosis with no evidence of relapse or metastasis of the disease.
著者
常盤 俊之 広瀬 大 野中 健一
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.111-117, 2021-11-01 (Released:2021-12-28)
参考文献数
37

日本産イグチ類子実体に寄生するSepedonium属菌を調査した結果,日本新産種であるS. chalciporiとS. laevigatumを発見した.S. chalciporiはコショウイグチを寄主とし,輪生状に発達したフィアライドと表面構造が樽状の疣状突起となる厚壁胞子が特徴的である.また,S. laevigatumは,顕著に長いフィアライドと表面構造が緻密な結節状の厚壁胞子により特徴づけられる.
著者
吉村 拓馬 大西 紀子 惠良 美津子 松田 裕之 小橋川 晶子 広瀬 宏之 大六 一志
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.144-153, 2019 (Released:2020-12-03)
参考文献数
34

【目的】療育手帳制度は知的障害児者に対する主要な施策の一つだが,全国で統一された制度ではなく,各自治体が規定・運用している。従来,制度自体の不備や自治体間の判定基準の違いは指摘されてきたが,判定に際して児童相談所で実施される知能検査や発達検査に言及した研究は皆無である。判定に関わる検査の扱いについて,各自治体の現状の把握を目的に調査を行った。【方法】全国の児童相談所を対象に質問紙調査を行い,60自治体161カ所から回答を得た。【結果】集計の結果,認められる検査の規定,実際に用いられる検査の割合,検査結果の説明,他機関での検査結果の活用等について,自治体間で大きく異なることが明らかとなった。【考察】手帳判定の指標としての検査が自治体によってさまざまに扱われていることは,制度の公平性や知能検査・発達検査の本来の役割という点で憂慮すべきことである。制度自体の抜本的な見直しが必要であると考えられる。
著者
広瀬 明彦 西浦 博
出版者
公益財団法人 産業医学振興財団
雑誌
産業医学レビュー (ISSN:13436805)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-16, 2021 (Released:2021-05-13)

近年、許容値などを設定するための参照値あるいはPODとして、NOAELを用いる手法に変わって、ベンチマークドース法が適用される事例が増えてきている。特に食品関連の化学物質の許容値設定において、欧州食品庁やWHO・FAOの合同専門家会議での用量反応評価ガイドラインでは、ベンチマークドース法の適用がデフォルトとなることが示されている。ベンチマークドース法によりBMDLを算定する手法については、従来は実験データに最も適合する統計モデルを各評価機関が設定したモデル選択規準に従って選定してBMDLを算出していたが、近年は二値データおよび連続値データをモデル化するのに適した標準的な数種の数理モデルを平均化してBMDLを算出することが主流になってきている。さらに実験データに数理モデルを適合させる手法は、従来の頻度論的手法からベイズ推定を用いた手法に代わりつつある。
著者
桑原 正貴 広瀬 昶 土井 邦雄 菅野 茂
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.p637-642, 1992-08
被引用文献数
1

高脂質血症と高血圧は, 動脈硬化発症における重要な危険因子として知られている. そして, 心臓血管系機能は自律神経系によって調節されているが, 過度の交感神経系の刺激は血圧の上昇を誘発すると考えられている. 高脂質血症と心臓血管系機能の変化は密接に関わっていると考えられるが, アドレナリン作働薬の心臓血管系反応に及ぼす高脂質血症の影響についてはあまり知られていない. そこで, 本研究では高脂質血症を誘発したブタを使用し, ノルエピネフリンとイソプロテレノールに対する心臓血管系の反応に関して, 対照群と高脂質血症群とを比較した. 対照群と高脂質血症群の薬物投与前における心血行動態パラメーターのコントロール値に, 有意な差は認められなかった. しかしながら, 高脂質血症群は対照群に比べて, ノルエピネフリンの血圧上昇作用は有意に高く, ノルエピネフリンとイソプロテレノールに対する心臓の収縮力は有意に高かった. そして, 血圧上昇に対する反射性徐脈は起こらなかった. これらの結果から, 高脂質血症が, 心臓血管系に対するアドレナリン作働薬の反応を増強していること, 心臓血管系の反射性調節に何等かの影響を及ぼしていることが明らかとなり, 動脈硬化発症の機序において高脂質血症と高血圧の連関が重要な一因を担っているものと考えられた.
著者
谷川 安孝 広瀬 和彦
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.744-749, 1973

これまでに多くの人たちによって、素粒子の"ひも"モデルの力学的基礎づけがなされてきた。例えば、1次元な"ひも"が4次元空間に抜きかす2次元曲面の面積を極小にするという変分原理などが提案されている。ところで,そのときに使われる"ひも"上の1点を指定する座標X^μ(τ,σ)の時間的パラメーターτの物理的意味や、変分に対して付加する付加条件の力学的な意味が必ずしも明瞭にされていない。この論文では、相対論的弾性体理論から、直接に"ひも"や3次元的弾性体≡"こんにやく"の運動方程式を導くことにする。この方法では、使われる物理量は、最初からよく定義されているものだけであるから、"ひも"や"こんにやく"の力学的構造がはっきり解明される。
著者
広瀬 訓
出版者
長崎大学多文化社会学部
雑誌
多文化社会研究 = Journal of global humanities and social sciences, Nagasaki University (ISSN:21891486)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.37-49, 2021

ローマ教皇が国際政治、とりわけ核軍縮の分野においてどのようなメッセージを発してきたかやその変遷については、すでに先行研究も存在しているが、それらのメッセージが具体的にどのような国際情勢の文脈において発せられ、現実の国際政治の中でどのように位置づけられるべきなのかについてはあまり取り上げられてこなかった。これはローマ教皇がまず「宗教指導者」とみなされてきたからであろう。しかし、ローマ教皇はカトリック教の宗教指導者として倫理、道徳的な観点から核軍縮を進めようしてきただけではなく、バチカン市国の元首として、客観的、科学的な根拠に基づき、核軍縮の促進において先駆的な役割を果たしてきたと言うべきである。その中でも広島・長崎を実際に訪問したヨハネ・パウロⅡ世およびフランシスコ教皇による核兵器に対する明確な否定の方針が持つ国際的な影響は無視すべきではない。It is rather well known what kind of messages the Popes have been delivered on International Relations, particularly on the problem of Nuclear Weapons. However, not many studies have been conducted on the question of what kind of role the Popes have been playing in the real negotiations for nuclear disarmament. Unlike the image of religious leader who put much importance on morals and ethics, the Popes, as a political leader of the Holy See, have been taking important initiatives based on objective, scientific and persuasive assessments in international negotiation for nuclear disarmament. Particularly, the Pope John Paul Ⅱ and the Pope Francis, who visited Hiroshima and Nagasaki by themselves, play very important role by expressing their clear oppositions against nuclear weapons.
著者
広瀬 茂男 袁 建軍 小沼 洋介
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.330-336, 2005-04-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8
被引用文献数
3 6

A development of stair climbing mobile vehicle to be the base for stair climbing wheelchairs and/or inspection robots is greatly demanded. Several types of the vehicles using crawlers, wheels and legs have been proposed to perform such a stable stair climbing motion. However, conventional vehicles are limited by their mobility, safety, and mechanical size and weight. We propose a new stair climbing leg-wheel hybrid vehicle coined as“Zero Carrier”. The Zero Carrier composed of unified eight prismatic-joint legs, four of which attached active wheels and other four attached passive casters. Proposing Zero Carrier can be designed lightweight and powerful. It can also maintain high stability on stair climbing motion and perform slip-less turning motion. Design of driving mechanisms, sensors, and motion control of the Zero Carrier are then performed and demonstrated its motion by the mechanical model Zero Carrier I.
著者
広瀬 健一郎 丸谷 知己
出版者
[九州大學農學部附属演習林]
雑誌
九州大学農学部演習林報告 (ISSN:04530284)
巻号頁・発行日
no.68, pp.p73-84, 1993-03

山地河川においてヤマメ(Oncorhynchus masou masou)が生存システムを確立するためには,産卵空間を備えていることがきわめて重要な条件である.しかし,山地河川では,河床が急勾配であることに起因して時間的にも空間的にも流れが細かく変化し,それに応じて多様なスケールで河床変動が生じている.本研究の目的は,多様な河床地形の位置的な変化と産卵空間との関係を物理的に明らかにすることを目的とする.そのために瀬と淵とが連続して河床地形をつくる堆積作用の卓越した区間において,水深変化,流速変化および淵における底質の砂礫についての粒径変化を分析した.その結果,ヤマメの産卵床は,フルード数が1の常流域と射流域の間に位置し,しかも一定の粒径組成をもつ粗砂,細礫,礫で満たされていることが必要なことがわかった.河川地形学でいうプール―ステップが小規模な河床変動によって形成されており,このような空間はそのプール下端郡に見られること,さらにそのプールは中規模の河床変動によって形成される体積の大きいプールの連続区間において見られることがわかった.