著者
田原 海 栗原 直人 松田 英士 佐々木 康裕 木村 裕子 大野 昌利 筒井 りな 松浦 芳文 飯田 修平
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.90, no.1, pp.138-139, 2017-06-09 (Released:2017-07-19)
参考文献数
4

An 81-year-old man who had been diagnosed as having situs inversus totalis and had suffered from repeated episodes of sigmoid volvulus was admitted with a history of right upper quadrant abdominal pain. Physical examination showed no evidence of peritoneal irritation. A plain radiograph of the abdomen showed a markedly dilated sigmoid colon with an inverted U-shaped appearance. Abdominal CT showed situs inversus totalis, no free air, no ascites, and a whorled appearance of the sigmoid mesentery, with dilated bowel loops. Based on these findings, the patient was diagnosed as having recurrence of sigmoid volvulus. Colonoscopy performed for repositioning showed converging mucosa signifying the distal point of the torsional obstruction, and a dilated section of the bowel with gas and feces proximal to the obstruction in the sigmoid colon. After endoscopic decompression, colonoscopy showed no evidence of mucosal ischemia. We treated this case successfully as we would have a case of sigmoid volvulus without situs inversus.
著者
大竹 哲也 堀口 勇 家島 仁史 堤 哲也 木村 裕明 岡田 多雅
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.449-455, 1998-11-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

骨粗鬆症に対しては疼痛管理とともに, 骨量の減少を抑えることが重要となる。疼痛に関して漢方薬投与群 (48例) と非ステロイド系消炎鎮痛剤投与群 (18例) の比較を行った。両群間の比較では4週までは差はないものの, 8週・12週では, 漢方薬投与群の方が有意に疼痛の改善を示した。次いで, 長期にわたって漢方薬を投与された症例の中で, 症例数の多かった桂枝加朮附湯と牛車腎気丸の2剤に関して骨量を検討した。桂枝加朮附湯投与群は20例, 牛車腎気丸投与群は12例となった。骨量は DIP (Digital Image Processing) 法で初診時, 3, 6, 9ヶ月後に測定した。また比較・対照として, 約10ヶ月の間治療を受けなかった症例を無治療群 (11例) とした。対照群では約10ヶ月の間で骨量は有意な減少を認めた。桂枝加朮附湯投与群のMCIは全期間を通じて初診時との有意な差は認められなかった。m-BMDの初診時との比較では3, 9ヶ月後において有意な増加を認めた。牛車腎気丸投与群のMCIおよびm-BMD値はどちらも全期間を通じて初診時との比較で有意差は認められなかった。桂枝加朮附湯は骨粗鬆症患者の骨量の減少を抑制し, むしろ改善効果が示された。牛車腎気丸も初診時の骨量を維持した。
著者
木村 裕介
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

超弦理論に関する研究を進めました。数学の分野である代数幾何学の手法を用いて超弦理論のモデルを調べました。超弦理論は素粒子が点ではなくひも状の物体であるとする理論です。ひも状の粒子は9次元の空間にしか存在できないことが分かっています。私たちの普段目にする空間は3次元ですので、残りの6次元は小さくなり観測を逃れていると考えられています。この6次元空間は数学的に複雑な構造をしており、その上での物理を調べるには高度な数学の手法が必要と考えられます。このような理由から、超弦理論では高次元空間の物理を調べる必要があります。私は代数幾何学の手法を用いて、高次元空間上の物理を調べました。また、超弦理論に関する研究会に参加し、超弦理論への知見を広めることが出来ました。超弦理論の一分野であるF理論で最近、セクションのないモデルに興味が持たれています。セクションのないF理論のモデルは低エネルギー有効理論のゲージ群にU(1)部分を持ちません。私は、K3曲面と呼ばれる複素曲面の直積上の、セクションを持たないF理論のモデルを研究しました。代数幾何学の手法を用いて、調べたセクションを持たないF理論のモデルに現れるゲージ群や物質場を決定しました。これらのモデルを研究をするに当たり、代数幾何学の手法は有効でした。研究結果は論文として発表しました。査読の終了した論文は雑誌 Journal of High Energy Physicsに掲載されました。
著者
古賀 佳代子 木村 裕美 西尾 美登里 久木原 博子 池田 智
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.104-113, 2021 (Released:2021-09-16)
参考文献数
30

熊本地震の震災関連死に認定された者のうち3割が車中泊を行なっていたことが報告されている。車中泊による影響は,身体のみならず精神的負担も大きく,車中泊が及ぼす影響についての報告は少ない。そこで,本研究は被災就労者を対象に,熊本地震1年後の車中泊者の特性と精神的健康に影響を及ぼす要因を検討する。対象者は,熊本県上益城郡にある工業団地13社の被災就業者460名を対象者とし,車中泊あり群,車中泊なし群の2群に分類し分析した。結果,車中泊あり群は181名(72.7%)を占めていた。車中泊なし群に比べて,アテネ不眠尺度(Athene Insomnia Scale以下AIS),PTSDスクリーニング尺度(Impact of Event Scale-Revised以下IES-R),精神的健康調査票(General Health Questionnaire 以下GHQ 28)が有意に高いことが明らかになった。次に,精神的健康(①IES-R,②GHQ 28)の関連について重回帰分析を行なった結果,IES-R得点には,「身体機能(PF)」,「社会生活機能(SF)」,「不安と不眠」,「車中泊の有無」が,GHQ 28得点には,「活力(VT)」,「回避症状」,「車中泊の有無」,「自覚症状の有無」が影響を及ぼす要因として明らかになった。災害時の就労者の精神的負担は,累積された業務負担の上に課されている。長引く精神的負担は,改善されない可能性が指摘されており,早急に支援対策の在り方について検討する必要性が高いことが示唆された。
著者
西尾 美登里 坂梨 左織 木村 裕美 久木原 博子 緒方 久美子 古賀 佳代子
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.23-28, 2018-05-19 (Released:2021-03-15)

福岡市の高齢者における地域の災害避難場所の認知について, 実態調査を行い, 独居高齢者への災害支援のありかたについて検討した. 地域包括ケアシステムと介護の啓発を目的とした集会の参加者258 名を分析対象とし, 基本属性, フォーマルな相談窓口の認知と活用の有無, 活用している相談窓口数, 地域の避難場所の認知, 楽しみの有無, 情緒的支援, 自尊感情尺度について調査した. 分析は同居群と独居群の2群の差のカテゴリ変数にはχ2 検定, 連続変数にはMann–Whitney U 検定行い群間差を検定した. その結果, 独居高齢者は同居者がいる高齢者より有意に高齢で, 公の相談窓口を知らず, 相談談窓口数が少なく, 避難場所を知らず, 楽しみを有さず, 情的支援を受けていなかった. 都市部における高齢者への災害支援を充実させるためには, 特に独居高齢者が情的な交流のある生活の中で, 楽しみながら社会活動ができる場づくりを行う必要がある. また, 災害支援の情報提供は,社会活動ができる場で行うことが有益であることが示唆された.
著者
横山 雅子 堀 進悟 青木 克憲 藤島 清太郎 木村 裕之 鈴木 昌 相川 直樹
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.11, pp.711-717, 2002-11-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
17
被引用文献数
6 5

目的:救急外来患者におけるアルコール性ケトアシドーシス(AKA)とアルコール性ケトーシス(AK)の実態を把握することを目的に,救急搬送されたアルコール関連患者のケトン体検索を積極的に行い,AKAとAKの実態を前向き(prospective)に調査し,さらに後ろ向き(retrospective)にもAKAのデータ解析を行った。対象と方法:研究1) 1999年11月から2000年1月までに慶應義塾大学病院救急部に搬送された患者のうち,すべてのアルコール関連疾患において,血液ガス分析,血中ケトン体分画の測定,尿ケトン体検査を行った。研究2) 1988年8月から1999年12月に搬送された全患者のデータベースより,飲酒に関連した患者と大酒家を抽出し,血中ケトン体の上昇または尿中ケトン体陽性を確認し得たアシドーシス症例(pH 7.35未満)をAKAとして,その臨床像を検討した。結果:研究1) 3か月の調査期間のアルコール関連疾患の数は,救急搬送患者940人のうち16人であり,AKAは2人であった。AKを5人に認めた。ケトン体比の低下は75%で認めた。研究2)搬送患者27,952人中,飲酒に関連した患者と大酒家として登録されていた患者は210人であり,このうちAKAは9人であった。研究1)と2)を合わせたAKAの臨床像は,全例男性,主訴は意識障害が多く,低体温4人(36%),低血糖8人(73%)であった。尿ケトン体検査は,血中ケトン体上昇で診断されたAKA 9人のうち55%で陰性,11%で±であった。ケトン体比は全例で著明に低下していた。結語:救急搬送患者においてAKAとAKは,アルコール関連患者の43%と著しく高頻度で認められた。AKAは意識障害,低体温,低血糖,ケトン体比の低下を随伴し,大酒家突然死症候群の病態と多くの共通点がみられた。AKAでは尿ケトン体検査の偽陰性が多く,大酒家のアシドーシスでは救急医はAKAとAKを念頭に診察に当たるべきである。
著者
木村 裕美 西尾 美登里 古賀 佳代子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.325-333, 2021 (Released:2021-12-25)
参考文献数
30

地域で生活する元気高齢者の抑うつの実態を明らかにし,生きがい感などとの関連要因を検討した。対象はA大学で行なわれた市民公開講座の参加高齢者213名に,基本属性,高齢者うつ尺度(Geriatric Depression Scale:以下GDS),高齢者向け生きがい感スケール(K-1式)(以下,生きがい感スケール),高齢者ソーシャルサポート尺度(以下,ソーシャルサポート尺度),基本チェックリスト(以下,フレイル尺度)について自記式質問紙調査を実施した。統計処理は,GDSで4点/5点をカットオフ値とし,4点以下をA群,5点以上をB群として比較した。結果,対象者は回答に欠損が1つ以上あった者を除く185名が有効回答であった。A群80名(男性35名,女性45名),B群は52名(男性14名,女性38名),平均年齢で有意な差が認められた。トータルサポート,生きがい感スケール下位尺度の自己実現と意欲,生活充実感,生きる意味,存在感でA群が有意に高かった。重回帰分析による抑うつに影響をおよぼす因子として,生活充実感(β=-0.36),健康状態(β=0.24),生きる意欲(β=-0.17),年齢(β=0.24),ネガティブサポート(β=0.18),健康習慣(β=0.12)が認められた。決定係数R2乗は0.52,調整済みR2乗は0.49であった。地域高齢者の抑うつ状態は,自己実現や生活充実感,生きる意欲,存在感が関連することが示唆された。
著者
本明 寛 織田 正美 木村 裕
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.113-124, 1972-08-10 (Released:2010-07-16)
参考文献数
13

The purpose of this study was to investigate the effect of personality traits of car salesman on the sales performancesJust prior to engaging in practical business, 106 car salesmen underwent the Salesman Test which consisted of 10 personality scales (Adaptability, Creative attitude, Motivation, Alignment, Circumspectness, Sense of responsibility, Self-confidence, Version, Magnanimity and Comprehensibility).Results obtained from the analyses of relationships between the total number of cars sold over a fourteen-month peirod and the scores of the Salesman Test were as follows:1. The upper third of all subjects in respect of their sales performances had scored significantly higher than the lower third of them in Creative attitude, Motivation, Circumspectness and Self-confidence.2. Personality traits which had positive and significant correlation to the sales performances were Adaptability, Creative attitude, Motivation and Self-confidence.3. Personality traits which had positive and significant partial correlation to the sales performances were Creative attitude, Motivation, Alignment, Circumspectness and Sense of responsibility.4. Through Multiple Regression Analysis, partial regression coefficients of sales performances to the personality traits were computed. The partial regression coefficients to Creative attitude, Motivation, Alignment, Circumspectness and Sense of responsibility were positive and significant.From the above-mentioned results, it could be concluded that personality traits which had effect on the sales performances and, therefore, were useful to predict their performances were Creative attitude, Motivation and, Circumspectness. Furthermore, since the significant multiple regression coefficient was larger than any one of the correlation coefficients, the multiple prediction could be more valid than the prediction by some of the personality traits described above.
著者
山田 嘉重 木村 裕一 高橋 昌宏 車田 文雄 菊井 徹哉 橋本 昌典 大木 英俊
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.237-247, 2021

<p> 目的 : SARS-CoV-2感染予防は, COVID-19流行を阻止するために非常に重要である. そのため, 手指の消毒と個人防護器具 (PPE) の装着に加えて新たな予防対策を講じる必要性がある. その予防策の候補の一つとして, エピガロカテキンガレート (EGCG) を代表とするカテキンの使用が挙げられる. 分子ドッキング法により, 選択的にSARS-CoV-2スパイクタンパク質とEGCGが結合することで, スパイクタンパク質とACE2受容体との結合を抑制する可能性が報告されている. 本研究では, SARS-CoV-2スパイクタンパク質に対してEGCG単独, 4種混合カテキンおよび緑茶が実際にスパイクタンパク質とACE2との結合抑制に効果を有するのかを調べることを目的とした.</p><p> 材料と方法 : 本研究では, 異なる状態のカテキン (EGCG, 4種混合カテキン, 粉末緑茶) を使用した. 溶液の濃度はEGCG溶液 (EGCG) と4種混合カテキン溶液 (4KC) で1, 10, 100mg/m<i>l</i>, 2種類の緑茶溶液Ⅰ (PWA) と緑茶溶液Ⅱ (PWB) では1, 10mg/m<i>l</i>とした. SARS-CoV-2スパイクタンパク質抑制スクリーニングキットを使用し, TMB基質で発色後の撮影とELISAによる検討を行った.</p><p> 結果および考察 : 各種抑制溶液において100mg/m<i>l</i>の濃度が最もSARS-CoV-2スパイクタンパク質とACE2との結合抑制効果が強く, 濃度の減少に比例して抑制効果が減少するのが観察された. それぞれの結合抑制率の割合は, EGCGでは12~89%, 4KCは11~88%, PWAでは10~47%, PWBでは11~47%であった. 本研究結果において, EGCGだけでなく4KCやPWA, PWBでもスパイクタンパク質とACE2との結合抑制効果を有することおよび, その結合はカテキンの濃度に依存することが判明した.</p><p> 結論 : 本研究によりEGCG単独だけではなく, 4種カテキン混合状態および粉末緑茶溶液においてもSARS-CoV-2スパイクタンパク質とACE2との結合に対して濃度依存的に抑制効果を有することが確認された. カテキン配合溶液は, SARS-CoV-2感染に対する新たな予防法の一つとなることが期待される.</p>
著者
杉町 勝 木村 裕一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.Supplement, pp.S285-S286, 2015 (Released:2016-06-18)

原稿を投稿して論文を出版することは,世界中に研究成果を発信する最も強力な方法のひとつである.その一方で,著者は投稿に際しガイドラインやルールに緻密に従う必要がある.これらのルールは,投稿原稿が科学的なものでなければならないことから生じる満たすべき構成条件,すなわち新規性・重要性・信頼性と密接に関係している.本講演では引用,著作権,多重投稿,研究・出版倫理,動物やヒトを用いた研究についての倫理,利益相反開示などについて情報を提供し,会員の皆様の投稿や査読応答の際に役立てていただくことを目的とする.
著者
伊藤 英師 松本 陽一 松岡 敏生 木村 裕和 福嶋 一成
出版者
一般社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
Journal of textile engineering (ISSN:13468235)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.15-21, 2008-02-15

In order to reduce the irregularities of sliver made from fine denier fibers, a method of pin-drafting utilizing a moving gill-faller bar was investigated. In the pin-drafting system, both the pin count and the pitch of the gill-faller bar are crucial in the control of staple fibers: the faller bar pitch affects the longitudinal direction of the sliver and the pin count affects it in terms of the width and thickness of the sliver. The effect of fiber control can be estimated by considering the number of fibers in/out of contact with the pins of gill-faller and the size of the group of moving fibers.<BR> The experimental result for fine denier fibers showed that it is necessary to decrease the number of fibers out of contact with the pins of gill-faller and/or the size of the group of moving fibers by controlling the fiber density of the sliver.
著者
木村 裕毅 竹山 豊 横山 隆 福井 理雄 伊東 明彦 磯野 道夫 細井 裕司 村田 清高
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.391-397, 1996-08-10 (Released:2010-10-20)
参考文献数
20
被引用文献数
3 7

Two cases of fish-bone foreign body were reported. Case 1 was a 75-year-old female who suffered from cervical pains after eating bonito. No foreign bodies were found by indirect laryngoscopical nor esophagoscopical examination. The foreign body was found embedded in the posterior wall of the pharyx on X-ray and CT scan. Case 2 was a 77-year-old female who had pains after eating bonito. Neither indirect laryngoscopical nor esophagoscopical examination revealed any foreign bodies in the pharyngoesophageal space. X-ray and CT scan revealed an extra-esophageal foreign body with a surrounding periesophageal abscess and cervical subcutaneous emphysema. By an extra cervical incision, the foreign body was found penetrating the esophagus and reaching carotid artery. These two cases suggest the importance of conducting X-rays and CT scans even if no foreign bodies are found under laryngo-esophagoscopical examination.
著者
木村 裕一
出版者
学習院大学
雑誌
学習院大学人文科学論集 (ISSN:09190791)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.183-200, 2008

1904年に最初の稿(いわゆる「A 稿」)が成立したフランツ・カフカの『ある戦いの記録』は、他の代表的な作品と比べそれほど注意を払われてこなかった。分析されたとしても、もっぱら注目されてきたのは、枠物語として展開されている「太った男」および「祈る男」の部分のみであった。その際この枠物語は、同時代の「言語危機」現象を背景とした現実に対する認識論的批判や、あるいは「書かれたもの(エクリチュール)」の自律的運動性と結び付けられることで、物語の文脈から切り離されて読まれてきた。本論で試みるのは、このようにして一部が切り離されて読まれてきたこの作品を、全体的なコンテクストを考慮に入れながら読み直していく作業である。とりわけ注目しているのは、この作品の最後のシーンで繰り広げられる自傷行為である。作中で展開される枠物語において、言語とその指示対象とのあいだの関係は、恣意的に変更可能なものとして撹乱される。身体は確固とした実体的存在としてではなく、知覚を前提とした記録行為によって構成されるものとして現れてくる。また、事物や世界は名づけによって(再)構成可能なものとして描かれている。そして、枠物語をはさんで本筋の物語の登場人物である「私」と「知人」のあいだの関係は変化する。枠物語以前の「私」による言語行為は、「知人」による直接的な身体行為によって阻害されてしまう。しかし枠物語を通じて、「私」の言語行為は「知人」の身体的行為と同等の確実さを持つように描かれている。この関係を再度撹乱してしまうのが「知人」による自傷行為である。自傷行為は言語によらない行為であり、言語行為が決して到達することのできない限界点を提示する。言語行為によって展開されてきたはずのテクストが、最終的には言語によらない行為によって破綻し、終焉するという構造は、この作品における最も重要な特徴である。しかしこのような構造は、決して単純に同時代的なコンテクスト、すなわち「言語危機」と結び付けられるものではない。「言語危機」現象の例として挙げられる数々の言説において、「危機」は最終的には、芸術的表現という言語行為によって克服される、あるいはそれを前提とした演出にとどまっている。それに対し、カフカのこの作品において「危機」は言語と行為のあいだの架橋不可能な断絶を、危機の表現の(不)可能性を指し示しているのではないか。その意味で、『ある戦いの記録』はカフカ研究においてのみならず、文化的現象としての「言語危機」を分析する際の新たな視点を用意してくれるテクストとして、非常に重要であるということができる。
著者
木村 裕司 大塚 眞哉 濱野 亮輔 岩川 和秀 稲垣 優 岩垣 博巳
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.916-920, 2012 (Released:2012-10-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1

症例は既往歴のない36歳の女性.平成20年5月,月経初日の夕食後に腹痛が出現,翌日に腹痛の増悪と嘔吐を認めたために近医を受診.腹部CTにて血性腹水と小腸の拡張を認め,当院婦人科紹介となる.子宮・付属器に異常なしとのことで,回盲部の炎症による小腸イレウスとして外科紹介となった.右下腹部に反跳痛を認めたため,緊急手術を施行した.手術所見では,回腸末端部が相互の強固な癒着性変化にて一塊となっており,潰瘍穿通による瘻孔形成によるものと判断した.病変部口側にも線維化病変を数カ所認めたため,Crohn病と診断,回盲部切除を施行した.術後病理組織検査にて腸管子宮内膜症と診断され,本症例のイレウスは異所性子宮内膜症による回腸狭窄と考えられた.回腸子宮内膜症によるイレウスはまれな病態ではあるが,成人の女性のイレウスでは鑑別すべき疾患であると思われる.
著者
趙 善英 松本 芳之 木村 裕
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-12, 2011-08-25 (Released:2017-02-22)
被引用文献数
1

The purpose of this study was to investigate the effects of recalled parental childrearing behaviors on self-esteem in Japanese and South Korean undergraduate students from the viewpoints of behavior analysis. The participants were 201 Japanese students and 206 Korean students. The results showed that the more they recalled that their parents spoke positively about their relatives to others and the more they recalled that they were praised by their parents when they spoke positively about their relatives to others of childhood, the more they were likely in both countries to speak positively about their relatives to others. Furthermore, they were more likely to have high self-esteem. The results also showed that the larger the difference between present self-evaluation and self-evaluation spoken to others, the lower the self-esteem in Japan. On the other hand, the more they had experience of being praised and the more they recalled that they were praised by their parents when they spoke positively about their relatives to others of childhood, the higher the self-esteem in Korea.