著者
南 裕樹 池田 智裕 石川 将人
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.425-431, 2020 (Released:2020-09-12)
参考文献数
13

This paper focuses on the quantization problem of connection weights of neural networks. Our previous work proposed a class of quantizers, called noise-shaping quantizer, for the quantization of neural networks. The performance of the proposed quantizer depends on the error diffusion filter. This paper proposes a systematic design method of error diffusion filters based on features of learning data, which is used for the learning of neural networks. In the proposed design method, satisfactory error diffusion filters are given by solving a kind of traveling salesman problems.
著者
池田 智恵
出版者
関西大学
雑誌
東アジア文化交渉研究 (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.225-237, 2012-02-01

At the end of the Qing period, there was a boom in the translation of mystery novels; however, the writing of mystery novels by Chinese authors did not become popular until the 1920s. Beginning in the late 1910s, mystery-writing contests were announced in the newspaper readers' columns, and many of the submissions resemble the earlier translated works all being set in overseas locations. At the same time, Chinesenewspapers were overfl owing with reader submissions, known as "black curtain" articles, that disclosed the darker side of society, that were extremely popular. With the appearance of mystery novels, it was believed that imagination was necessary for the appreciation of the newspaper article as a form of entertainment. In the 1910s, however, the writing of mysteries and "black curtain" articles had yet to fuse, but in analyzing the works of the 1920s, it is possible to discern that they were written based on the imagination used for the "black curtain" articles. From this point, "black curtain" article and mysteries fuse, and mystery novels that problematise China begin to be produced.
著者
池田 智恵
出版者
関西大学大学院東アジア文化研究科
雑誌
東アジア文化交渉研究 = Journal of East Asian cultural interaction studies (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.3-17, 2023-03-31

Lin Shuhua (林淑華) is best known as the author of "Shengsilian (生死恋)" (1948). It is an autobiographical work by Lin and was serialized in the magazine "Kangli Monthly" at the end of the 1940s and was quite popular at that time. This article considers the creative activity of Lin Shuhua in relation to the magazine "Kangli Monthly" and its readers. In "Kangli Monthly", Lin Shuhua first appeared as a contributor, then as the author of "Shengsilian", and then as the host of "Kangli Xinxiang (伉儷信箱)", a column of readers' contributions, in which she sincerely answered the serious problems of life of the readers. This mutual relationship with readers also influenced Lin's creative activities. In the "Shengsilian" and "Zhufu zhi you (主婦之友)" she uses for example a letter style and a "call to someone", which are common in "Kangli Monthly," and this gave them a structure that facilitated the sympathy of readers.
著者
池田 智子
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Special_Issue, pp.59-66, 2013-10-01 (Released:2013-10-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

1972年に職業病予防を目的に制定された労働安全衛生法は,時代とともに私傷病(作業関連疾患)への配慮も含む内容に変わり,近年では労使の参加・協力の枠組みも示されるようになった.今後は,拡充された労働安衛衛生法の目的達成のために,労使主体による予防活動のさらなる推進が重要になるが,それには全ての労働者に対して,自主的活動を行える力をエンパワーメントする必要がある.看護とは,対象者の潜在能力を引き出し最大限に発揮できるようエンパワーメントすることであり,環境改善やポピュレーションアプローチを含む活動であることを,既に1850年代にナイチンゲールが説いた.また保健師とは,当事者が自らの健康課題を解決するプロセスへの援助を核とし,コミュニティを基盤に健康問題をとらえ,予防につながる組織的な取り組みを担い,公的責任を志向する公衆衛生専門職である.保健師や看護師(両者を総称して「看護職」)の活動基盤は「エンパワーメント」の理論と技術であり,今後,労使自主対応型の労働安全衛生を推進するにあたり,重要な役割を担える専門職である.
著者
江左 篤宣 永井 信夫 井口 正典 池田 智明 大鶴 栄史 井手 辰夫
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.1215-1219, 1987-07-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
15

妊娠により水腎症が出現することは200年以上前から知られている. 我々は妊婦30例に対し腎の形態学的変化を無侵襲かつ簡便な超音波断層法を用いて経時的に観察し, また同時に尿化学的検査を行ない, 妊娠が腎に及ぼす影響についても検討した.1) 妊娠中の腎の計測値では健康成人に比べ厚径が増加していた.2) 妊娠中の水腎症の出現は妊娠中期から後期にかけて著明となり, その出現率は71%と高率であった.3) 妊娠中の水腎症の出現は左腎に比べ右腎に程度, 率ともに有意に高かった.4) 水腎症の程度と尿中BMG・NAG値との間に相関性を認めなかった.5) 水腎症の程度と妊娠中毒症の症状の間に関連性はなかった.6) 妊娠により出現した水腎症は分娩後約1カ月で正常に復すると考えられた.超音波断層法によって妊娠により水腎症が高率に出現することが証明された. しかし分娩後の回復は著明であり, 妊娠, 分娩という女性における生理学的環境の変化は腎の形態に一時的に水腎症を招来するものの妊娠中, 分娩後には機能的に影響を及ぼすことは少ないと考えられた.
著者
池田 智子
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.52-60, 2003-07-31

従来,相互行為における笑いは主に会話分析の枠組みの中で研究されてきた.本稿では日本語の二者対面状況の中で笑いという行為がいかになされ,どのような結果をもたらすかを,あるインタビューの事例を通して具体的に検証する.分析の対象としたのは,フェミニスト刊行物の編集者が読者ボランティアに対して行ったインタビューである.基本的な価値観を共有する二者間のやりとりを子細に検討した結果,以下の現象が観察された.(1)デリケートな内容に関する質問は笑いと共に発せられ,受け手の笑いをも引き起こす.(2)話者自身のトラブルを披露する発話の終了地点付近では,必ずと言ってよいほど笑いが発せられ,受け手も笑いで応じる.相互行為における笑いは偶発的なものではなく,組織的に産出され,またコミュニケーションの次の展開に影響を及ぼすリソースとなる.本データでは,笑いが参加者の一体感を高めつつ,インタビューの目的達成に貢献している様子が観察された.
著者
高安 浩平 村井 妙 安野 恭平 小林 亮介 池田 智武 上家 潤一 代田 欣二
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.105-111, 2016 (Released:2016-07-09)
参考文献数
19
被引用文献数
1

8歳,未去勢雄の右側大腿部皮膚に発生した小腫瘤を骨外性粘液性軟骨肉腫と診断した。組織学的に腫瘍は小葉構造を示し,血管に乏しく粘液性基質に富んでおり,腫瘍細胞は多形性で特徴的細胞索を形成していた。免疫染色で腫瘍細胞はvimentin,S-100a,neuron-specific enolaseおよび synaptophysin に陽性を示した。切除手術6ヵ月後には再発や転移を認めなかったが,15ヵ月後には右大腿部から腹部に亘る大きな再発腫瘍と多発性肺腫瘍を認め,剖検により,これらの腫瘍が原発腫瘍と同様であり,軟骨や骨を侵襲していない事が確認された。
著者
渡辺 啓 大村 孝之 池田 智子 三木 絢子 勅使河原 喬史
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.185-191, 2009
被引用文献数
3

W/O乳化は油性の成分を皮膚に展開しやすく,高いエモリエント性などの特徴がある重要な基剤である。このような機能性の一方で,W/O乳化には技術的に改善すべき課題が存在する。本研究では,乳化剤として複数の水酸基を有する親油性の界面活性剤であり,水との共存系で二分子膜が立方晶型に充填した特異なバイコンティニュアスキュービック液晶を形成することが知られているフィタントリオール(3, 7, 11, 15 -tetramethyl- 1, 2, 3 -hexadecanetriol)に着目した。その結果,非極性油,極性油,シリコーン油などさまざまな油分系において,97%もの高内水相比でありながら安定なW/Oクリームを調製することに成功した。乳化メカニズムを解明するため,水,油,フィタントリオール3成分系における相平衡を詳細に検討した。この結果,本乳化系においては,バイコンティニュアスキュービック液晶と構造的な相関性の高いバイコンティニュアスマイクロエマルション相を外相として有するという興味深い乳化メカニズムが明らかになった。さらに,皮膚に塗布時の溶媒の揮発に伴う組成変化により,薄い液晶膜が皮膚上に展開し,さまざまな機能が付与されることが明らかになった。本技術により,重要な機能であるエモリエント性,オクルーション効果がありながら,べたつき,油っぽさがない,極めてさっぱりとした良好な使用感触のクリームが初めて調製可能となった。
著者
池田 智恵
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
東アジア文化交渉研究 (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
no.4, pp.253-271, 2011-03

From the Sino-Japanese perspective, the mystery novel is an import, and something that arrived from the West. In both countries, with translation, the mystery novel became extremely popular, and in the 1920s, attempts were made at creating indigenous mysteries. Periodicals devoted to mysteries began to be published: in China, Zhentan shijie 偵探世界, Banyue 半月, and Ziluolan 紫羅蘭, and in Japan, Shinseinen 新青年. This paper explores the reception phases of the mystery novel through an examination of the readers' submissions published in these various magazines. In comparing the creative conditions of the two countries, Japan succeeded in developing younger writers through literary awards, while in China, the authors never succeeded in mastering the structure of the mystery novel, and were troubled with the production of this new literary genre. The authors who never conquered the "modern novel" become distinct.
著者
池田 智明
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.4_8-4_14, 2010-04-01 (Released:2010-10-18)
参考文献数
15
著者
斎藤 千草 大坪 茂 治田 宗徳 池田 智慧美 川原 克恵 後藤 康司 成田 晃子 三和 奈穂子 久保田 孝雄
出版者
東都大学
雑誌
東都大学紀要 = Tohto University bulletin (ISSN:24358878)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.41-50, 2022-05

当院の透析患者COVID-19感染対策について報告する。従来の感染対策に加え、全職員、患者への疾患の啓発、マスク着用、来院時並びに透析室入室時に手指消毒、毎日検温、透析室入室時にも検温、昼食提供の見直し、感染が疑われる際の電話受けのチェックリスト作成、疑いエリアのリネン等の物品の扱い方の工夫、環境整備、休みやすい勤務体系作り、鼻咽頭ぬぐい検査場所の見直し等を行った。感染疑いの強い患者は導線を分け、裏口より入室し、普段使用していない時間帯のフロアーで隔離透析を行った。その結果、今まで患者150名、スタッフ35名中、血液透析患者1例の感染発生のみで経過している。また、他院より透析室内濃厚接触(疑い含む)13例、家庭内濃厚接触者1例、治療退院直後で維持透析先受け入れ困難3例の合計17例の患者を受け入れた。東京都の血液透析患者のCOVID-19罹患率2.1%に対し、当院の罹患率は0.7%と低値であり、当院の感染対策は効果があったと思われる。(著者抄録)
著者
古賀 佳代子 木村 裕美 西尾 美登里 久木原 博子 池田 智
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.104-113, 2021 (Released:2021-09-16)
参考文献数
30

熊本地震の震災関連死に認定された者のうち3割が車中泊を行なっていたことが報告されている。車中泊による影響は,身体のみならず精神的負担も大きく,車中泊が及ぼす影響についての報告は少ない。そこで,本研究は被災就労者を対象に,熊本地震1年後の車中泊者の特性と精神的健康に影響を及ぼす要因を検討する。対象者は,熊本県上益城郡にある工業団地13社の被災就業者460名を対象者とし,車中泊あり群,車中泊なし群の2群に分類し分析した。結果,車中泊あり群は181名(72.7%)を占めていた。車中泊なし群に比べて,アテネ不眠尺度(Athene Insomnia Scale以下AIS),PTSDスクリーニング尺度(Impact of Event Scale-Revised以下IES-R),精神的健康調査票(General Health Questionnaire 以下GHQ 28)が有意に高いことが明らかになった。次に,精神的健康(①IES-R,②GHQ 28)の関連について重回帰分析を行なった結果,IES-R得点には,「身体機能(PF)」,「社会生活機能(SF)」,「不安と不眠」,「車中泊の有無」が,GHQ 28得点には,「活力(VT)」,「回避症状」,「車中泊の有無」,「自覚症状の有無」が影響を及ぼす要因として明らかになった。災害時の就労者の精神的負担は,累積された業務負担の上に課されている。長引く精神的負担は,改善されない可能性が指摘されており,早急に支援対策の在り方について検討する必要性が高いことが示唆された。
著者
池田 智恵
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
東アジア文化交渉研究 = Journal of East Asian Cultural Interaction Studies (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.225-237, 2012-02-01

At the end of the Qing period, there was a boom in the translation of mystery novels; however, the writing of mystery novels by Chinese authors did not become popular until the 1920s. Beginning in the late 1910s, mystery-writing contests were announced in the newspaper readers’ columns, and many of the submissions resemble the earlier translated works all being set in overseas locations. At the same time, Chinesenewspapers were overfl owing with reader submissions, known as “black curtain” articles, that disclosed the darker side of society, that were extremely popular. With the appearance of mystery novels, it was believed that imagination was necessary for the appreciation of the newspaper article as a form of entertainment. In the 1910s, however, the writing of mysteries and “black curtain” articles had yet to fuse, but in analyzing the works of the 1920s, it is possible to discern that they were written based on the imagination used for the “black curtain” articles. From this point, “black curtain” article and mysteries fuse, and mystery novels that problematise China begin to be produced.
著者
池田 智子 奥田 博之
出版者
岡山大学医学部保健学科
雑誌
岡山大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13450948)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.57-66, 2005-12-25

18~52歳の月経周期のある健康な女性193名を10代,20~24歳,25~34歳,35歳以上の4つのリプロダクティブステージに分類し,月経及び月経痛に関する実態調査を実施した。結果①規則的な月経周期の割合は,リプロダクティブステージが進むにつれ増加し,経血量は減少傾向を示した。②月経痛はリプロダクティブステージの進行と共に軽減し,鎮痛剤使用頻度,日常生活への影響が少なくなる傾向を認めた。③各リブログクティブステージの特徴は,10代では月経痛の頻度や日常労作への影響が最も多く,血塊の出現率が最も高率であった。20~24歳は10代と類似していたが,鎮痛剤使用頻度は最も高率であった。25~34歳では最も安定した性成熟状態を示し,月経痛は「時々あり」が最も高率であったが,血塊の出現率が高かった。35歳以上では月経痛のない人が最も高率であり,生活への支障が最も少なかったが,「1日3回以上」の鎮痛剤使用は他のリプロダクティブステージと変わらなかった。以上の結果に加えてリプロダクティブステージにおける月経周期や経血量の特徴を考えあわせると,身体的な性成熟機能と心理社会的側面を考慮し,各リプロダクティブステージに適した月経痛への対応が必要であると考える。
著者
中谷 淳子 池田 智子
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
産業医大誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.73-78, 2011

2010年8月産業医科大学産業保健学部は, 東京都内において「第3回国際産業看護・第2回アジア産業看護ジョイント学術集会」の特別企画として, シンポジウム-仕事とポジティブ・メンタルヘルス-を開催した. 基調講演として, オランダ・ユトレヒト大学のウィルマー・シャウフェリ教授が「ワーク・エンゲイジメント」の概念について説明された. その理論は, 仕事に対する活力・熱意・没頭の3要素が高い労働者は, 心身ともに健康状態が良好で, 組織の活性化や生産性向上にも貢献するというものである. 続いて, 心理学者, 産業医, 企業の人事担当者および内閣府審議官によるパネルディスカッションを行った. その結果, 深刻なうつ病の予防対策は職場におけるメンタルヘルス対策において必要であるが, それだけでは不十分であり, 同時に健康な労働者のさらなる健康を目指す対策も取り入れて, 職場全体の健康を増進して行くことが, 今後の課題であるという共通認識に至った.