著者
坪井 俊樹 松本 和将 入江 啓 平山 貴博 津村 秀康 平井 祥司 佐藤 威文 岩村 正嗣 馬場 志郎 高山 陽子
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.281-283, 2006-04

31歳男.2年間のアフリカ・南米・中近東旅行から帰国後, 肉眼的血尿, 排尿障害を自覚した.アフリカ滞在中, マラウィ湖で遊泳をしたことがあった.超音波検査, 膀胱鏡検査では, 膀胱に, 黄白色の腫瘤性病変を多数認めた.検尿で特異的虫卵を認め, ビルハルツ住血吸虫症を疑った.経尿道的に膀胱内腫瘤を切除した.組織標本には住血吸虫卵を中心に多数の肉芽腫性, 炎症性変化を認め, ビルハルツ住血吸虫症と診断した.praziquantelの2日間投与により肉眼的血尿は速やかに消失し, 尿中ビルハルツ住血吸虫卵も減少した.治療後1年経過現在, 変性した虫卵が微量に検出されているが, 再発の徴候はない
著者
松本 和也 マツモト カツヤ
出版者
神奈川大学人文学会
雑誌
人文研究 = Studies in humanities (ISSN:02877074)
巻号頁・発行日
no.206, pp.1-35, 2022-09-30

This paper focuses on Hatakazu Kayano (Torahiko Koori), who has been positioned as a minor poet in the history of Japanese literature. At the end of the Meiji Era, the theater was taking a new turn, and Hatakazu Kayano was an active playwright during this period. In this paper, I revisit the plays written by Hatakazu Kayano from the perspective of his contemporaries, focusing on plays published in Mita Bungaku and Subaru. The paper is organized as follows. Chapter I presents the gaps in our knowledge and other problems based on a review of previous studies. Chapter 2 analyzes the evaluation of the works Kayano published before he began writing plays. Chapters 3 and 4 discuss how the plays Kayano wrote were evaluated. With these plays, Hatakazu Kayano had come to be regarded as the standard-bearer of the Neo-Romantic movement by 1907. For Chapter 5, I survey and analyze the criticism of Dojoji and discuss its possibilities and limitations, and then summarize this paper.
著者
村岡 修 中川 好秋 松本 和男 中辻 慎一
出版者
日本薬史学会
雑誌
薬史学雑誌 (ISSN:02852314)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.20-41, 2022 (Released:2022-07-30)

シリーズその2の続編である本報においては,医薬や農薬開発の基礎となる 20 世紀の薬学分野での有機化学研究について,長井長義を源流として,生薬学,薬化学,薬品製造学に分枝して発展してきたわが国特有の薬学における天然物化学研究を中心とした流れを概観する.また,研究開始初期に習得した有機化学の知識と技能を最大限に駆使して新たな分野を切り開き,その分野で傑出した業績を挙げた2名のノーベル賞受賞者を含む化学者の業績についても紹介する.
著者
松本 和也
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.47-57, 2004-09-10 (Released:2017-08-01)

戦争の<はじまり>をめぐる日付の一つとして、太平洋戦争開戦日である"十二月八日"の文学的言説を検討する。具体的には、"十二月八日"を主題として描かれた小説表現と、それらをとりまく同時代言説の布置・受容を多角的に検討し、その上で改めて、太宰治「十二月八日」の読解へと向かう。するとそこには、"日常=戦場"としての"十二月八日"という特異な主題に応じた、新たな小説表象が見出されることになるだろう。
著者
松本 和也 マツモト カツヤ
出版者
神奈川大学人文学研究所
雑誌
人文学研究所報 = Bulletin of the Institute for Humanities Resarch (ISSN:02877082)
巻号頁・発行日
no.66, pp.1-20, 2021-09-27

本稿では,昭和10年代(1935~1944)における地方文化(運動)を主題とした言説を,特に文学言説を軸として分析― 考察した。Ⅱでは,地方主義文学や故郷・郷土を語る文学言説を通じて「地方(文化)」という概念が注目されていた様相を確認する。Ⅲでは,昭和15年の日本文化論の再評価と連動して展開された地方文化言説について,再燃していく地方文学を中心に検証した。この時期,「地方」には,内地の周辺部と外地の日本が含まれていた。Ⅳでは,大政翼賛会文化部が主導した地方文化運動に注目し,文化部メンバーの発言や地方での受容などを分析した。この時期には,国民文化=地方文化を大東亜文化,世界文化へと展開していく回路も言説化されていった。太平洋戦争開戦後を扱うⅤ・Ⅵでは,疎開も含めて,地方文化(運動)が「戦力」として位置づけられていく地方文化言説を検証した。ここで地方文化言説は,文化と生活とが「戦力」において一体化する帰結を迎える。
著者
松本 和也 マツモト カツヤ
出版者
神奈川大学人文学研究所
雑誌
人文学研究所報 = Bulletin of the Institute for Humanities Resarch (ISSN:02877082)
巻号頁・発行日
no.68, pp.1-20, 2022-09-27

本稿では,明治末年における劇壇の新機運について再検討する。明治時代の演劇史についての先行研究は多々あるが,そのほとんどは,個別の演劇人,作品,興業などについてのものであった。それに対して,本稿では,演劇の近代化―西洋化がしきりに議論されていた,明治末年の劇壇を対象とした言説を検討対象とする。第1章では,明治時代の演劇史と自由劇場に関する先行研究をレビューすることで,本論のねらいを明らかにした。第2章~第4章では,時期を区切りながら明治末年における劇壇の言説を調査―分析した。この時期の言説上では,第一に西洋劇の上演組織,第二に雑誌の創刊,第三に新しい脚本,第四として帝国劇場の開場,そして最後に象徴劇(気分劇―情調劇)の隆盛を軸に,劇壇の新機運が語られていたことを確認した。第5章では,大正時代から振り返って,明治時代の演劇がどのように語られていたかを分析―考察して,結論にかえた。
著者
松本 和也 マツモト カツヤ
出版者
神奈川大学人文学研究所
雑誌
人文学研究所報 = Bulletin of the Institute for Humanities Resarch (ISSN:02877082)
巻号頁・発行日
no.57, pp.19-37, 2017-03-25

In this paper, I conducted a survey on reviews in monthly literary magazines in the second decade of the Showa era. The survey focused on the four types of general magazines( “Chuoukouron”,“Kaizo”,“Bungeishunjyuu” and“Nihonhyouron”). After introducing the research situation on the reviews, I obtained data on the posting situation of that 10 years. As a result, I found that review postings were less than expected. In addition, two years earlier than the end of the war, I also found that the reviews had disappeared from those magazines.
著者
濱家 由美子 小原 千佳 冨本 和歩 松本 和紀
出版者
日本精神保健・予防学会
雑誌
予防精神医学 (ISSN:24334499)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.31-42, 2018 (Released:2020-12-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1

精神病とトラウマの関連性は広く知られており、初回エピソード精神病 (First Episode Psychosis: FEP) やAt-Risk Mental State (ARMS) でも子ども時代の逆境体験を含むさまざまなトラウマを経験する割合は高い。トラウマの問題を心理社会的治療の1つに含めることが理想的だが、実際にはトラウマの問題を同定し、適切な対処や治療に結びつける作業は難しいことが多い。トラウマの問題は精神病症状の背後に隠れてしまったり、トラウマに伴う回避や認知の歪みの影響で適切に把握されにくく、トラウマを扱うことへの苦手意識や治療者の自信のなさなどにもよって、トラウマが早期介入の治療標的として選択される機会は少ない。 一方、近年、精神病に併存する心的外傷後ストレス障害 (Posttraumatic Stress Disorder: PTSD) に対してもトラウマに焦点化した治療介入で症状が改善することが明らかにされ、早期介入の視点からもこの問題に取り組んでいく重要性が認識されるようになっている。トラウマの問題を抱える早期精神病の人々を見出し、この問題に早期から取り組むことで、患者の病態の理解が進み適切な支援に結びつくことが期待できる。 今後早期介入の現場においても、治療初期にトラウマ体験の有無を評価し、トラウマが確認された場合には、患者に安心感を与えながらトラウマの問題を共有し、心理教育を行っていく基本的なアプローチを普及させていくべきだろう。さらに、必要に応じてトラウマに焦点化した心理療法を提供するという治療ステップを踏めるような医療環境を整備することが求められる。
著者
松本 和也 マツモト カツヤ
出版者
神奈川大学人文学会
雑誌
人文研究 = Studies in humanities (ISSN:02877074)
巻号頁・発行日
no.204, pp.1-33, 2021-12-25

In this paper, I have attempted to research and analyze the discourse of cultural propaganda during the Pacific War. As there is little previous research on these discourses, I worked on unearthing wartime material. In Chapter Two, I analyzed the discourse on Southern cultural propaganda. As a case study for further analysis, I specifically focused on discourse on the Dutch East Indies before the start of the Pacific War. From the aforementioned examination, I have precipitated the basic structure of cultural propaganda discourse. In Chapter Three, I analyzed the discourse around cultural work starting from after the beginning of the Pacific War and paying particular attention to the keywords of ethnic groups. In the discussion of this section, I followed the trends that this discourse on cultural propaganda will reflect in the ideology of the Pacific War. Finally, I analyzed the discourse surrounding the relationship between literary figures and cultural propaganda at that time. In conclusion, I pointed out that through these discourses, literary figures have contributed to uplifting the war and gained sociality.
著者
松本 和将
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2018-04-25

多くの動物は、生存・繁殖に様々な利点があることから集団を形成して生活している。集団の中で単なる性的な活動以上の協調的な相互コミュニケーションがあれば、その集団には「社会」があると規定される。社会には、複数の個体の間で繰り広げられる様々な個体間相互作用があり、これらは総称して「社会行動」とされる。社会行動は、その意味合いから順位制や縄張りなどいくつかに分けることができ、社会的に複雑な群れを作る種は様々な社会行動をすることが分かっている。霊長類をはじめ多くの動物において社会行動に関する膨大な量の研究が行われてきた。これにより、それぞれの社会の構造や機能が解明されてきた。しかし、進化の過程でいかにして社会が誕生して社会行動が獲得されるのかについての議論は、いまだ確証がないため推測の域を出ない。すでに明確な社会が確立されている種を対象にしていては、社会行動の獲得のための条件を解明することは不可能である。なぜなら、それぞれの動物に特有な社会行動は、長い時間の中で進化した形質であることから、その形成過程を現在では観察することができないからである。3500種以上いるヘビ類は、一般的に全て単独性で集団を形成しない。また多くの有性生殖の動物と同様に繁殖に関する個体間相互作用は存在するが、それ以外の行動においてはほとんど確認されていない。これらのことから、ヘビは一般的に社会性が非常に低いとされてきた。しかし、沖縄島に生息するアカマタという 夜行性のヘビにおいて、ウミガメ卵を採餌する時に限って、社会的な行動をすることを発見した。ヘビがウミガメ卵を餌にすることは非常に珍しく、世界でも本種を含めた2種のみが頻繁に採餌する。本来は社会をもたないヘビが、特定の条件下において社会行動をするようになるメカニズムを解明することができれば、動物の社会の芽生えに必要な条件を探る一助になる。
著者
松本 和浩 加藤 正浩 竹村 圭弘 田辺 賢二 田村 文男
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.339-344, 2010 (Released:2010-07-28)
参考文献数
21
被引用文献数
6 8

秋季の窒素施肥量の違いがニホンナシ‘二十世紀’と‘豊水’の耐寒性と脂質含量に及ぼす影響を調査した.‘豊水’は‘二十世紀’に比べ,多肥による影響を受けやすく,施肥後,樹体内窒素の増加が著しく,耐寒性の上昇が抑制され,春季の生長も阻害された.脂質およびPC含量は‘二十世紀’に比べ‘豊水’で少なかった.両品種とも多肥処理により,脂質およびPC含量の増加が抑制され,脂質の不飽和度の上昇も抑制された.このように,窒素多肥による脂質含量や脂質不飽和度の低下が,耐寒性の低下に影響を及ぼしていると考えられた.
著者
吉田 さち 松本 和子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は祖国を離れた「ディアスポラ言語変種」が、新天地で接触によって誘発され、様々な変容(contact-induced language change)を遂げる過程と結果、その諸要因を究明することで、言語・方言接触に関する理論構築に寄与することを目指している。具体的には、在外コリアンに焦点を当て、日本の首都圏およびロシアのサハリン州(かつての「樺太」)在住のコリアンコミュニティにおいて言語・方言接触の結果として生じた①コード・スイッチング、②借用語、③コイネーに関する事例を収集し、社会言語学分野の様々な理論的枠組みを検証していく。
著者
松本 流星 吉田 稔 松本 和幸 北 研二
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.AM-15, pp.08, 2017-03-03 (Released:2021-08-28)

本研究の目的は,Twitterから感染症に関する発言を抽出し,感染症マップを作成することである.その手法として,抽出した発言に対して事実性解析を行い,その結果から感染者の過去のツイート抽出をし,その人物の住んでいる場所を推定する.既存研究と比べより多くの感染症に対応することができ,さらに位置推定に対しても事実性解析を行うことで,より正確な位置推定を実現する.