著者
大西 直樹 岩切 正一郎 生駒 夏美 佐野 好則 クリステワ ツベタナ 小玉 クリスティーヌ サイモンズ クリストファー 松田 隆美 荒井 直 本山 哲人
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

文学研究と文学教育のあり方を、ことに教養学部の領域で扱うことの問題点と可能性とを国際比較し、今後の展望を探る目的で、イギリス、アメリカ、フランスの主要な大学における経験豊かな文学担当の研究者と直接に長時間の面談による情報集種をおこない、それを日本での現状にどのように反映できるか検討した。
著者
松田 隆美
出版者
研究社
雑誌
英語青年 (ISSN:02872706)
巻号頁・発行日
vol.153, no.10, pp.602-605, 2008-01
著者
明星 聖子 高畑 悠介 井出 新 松原 良輔 松田 隆美 中谷 崇 納富 信留 矢羽々 崇 伊藤 博明 Pekar Thomas 黒田 彰 近藤 成一 宗像 和重 杉浦 晋 武井 和人 北島 玲子
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

昨年度の検討を受けて、今年度は昨年度のテーマに若干変更を加えた以下のAからEの5つのテーマについて、さらに今年度からは総合的なFのテーマも加えて研究を進めた。A.ドイツ文献学の成立の事情とその日本における受容および明治/大正期の文学研究の確立をめぐる検討、B.日本文学における現在の文献学的状況を探るケーススタディ、C.再評価の機運が高まっているイタリアの文献学者S.Timpanaroの代表著作の 読解と翻訳、D.英文学研究および教育における編集文献学的方法論の実践、E.独文学研究および教育における編集文献学的方法論の実践、F.人文学テクスト全般における「信頼性」および「正統性」をめぐる総合的な編集文献学的考察。テーマごとの班活動以外に、全体としての研究会も3回、2019年6月16日に慶應義塾大学で、7月31日に放送大学で、また2020年1月26日に慶應義塾大学で開催した。第1回での研究発表は、「編集文献学の可能性」(明星聖子)、第2回は、「古典文献学の可能性」(納富信留)、「注釈の編集文献学」(松田隆美)、第3回は、「南朝公卿補任の真贋判断をめぐって」(武井和人)、「偽書という虚構ー近代日本の小説3つをめぐって」(杉浦晋)。なお、こうした活動が実を結び、2019年9月に刊行された雑誌『書物学』(勉誠出版)で、特集「編集文献学への誘い」が組まれ、そこでプロジェクトメンバーの論考6本がまとめて掲載されたことは、特筆に値するだろう。
著者
高宮 利行 松田 隆美 アーマー アンドルー 鷲見 洋一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

西洋中世写本及び初期印刷本のデジタル撮影をするにあたって、研究素材への物理的負担を最小限にとどめさらに短時間で高精細の全ページデジタル・ファクシミリを製作するための撮影環境を整備するために、独自のデザインによる専用撮影架台を制作し、撮影対象ページの平面性やサイズの同一性の確保のために実験を重ね、短時間で均質な高精細画像の取得が可能となった。その環境で通常のアナログカメラ(4×5及び6×7)と2048×2048pixelの画像の撮影が可能なSHD View-2デジタルカメラ(NTT/オリンパス製)の両方を用いて、稀覯書のデジタル化作業を進めた。その結果、慶應義塾大学内はもとより、海外の大学や研究期間との国際的協力のもとに、2年間で「グーテンベルク聖書」(慶應義塾大学所蔵、マインツ市、グーテンベルク博物館所蔵、英国図書館所蔵)、チェーザレ・リーパ『イコノロジーア』全5巻(1764-67)、西洋中世写本零葉コレクション、15世紀の時祷書写本(以上、慶應義塾図書館所蔵)などをデジタル撮影して、その経過をウェブサイト(http://www.humi.keio.ac.jp)やCD-ROMで公開した。またネットワーク上でデジタル画像を用いて書物文化研究を遂行するための研究環境の整備につとめ、オンライン比較校合、初期印刷本へのOCRの応用、画像のデータベースのキーワード検索、画像比較のための部分拡大などの実験を、ケンブリッジ大学などの協力を得ておこなった。デジタル撮影、デジタル画像のデータベース化、ネットワークを介した公開、ネットワークを利用した研究環境の構築をひとつの流れとして確立し、その環境の物で各研究分担者及び研究協力者は、初期印刷本の印刷行程に関する書誌学的研究、写本および初期印刷本におけるテクストと挿絵の相互作用に関する研究、デジタル撮影美術のさらなる改良などの個別研究を推進した。
著者
松田 隆美
出版者
慶應義塾大学
雑誌
藝文研究 (ISSN:04351630)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.196-184, 1996-12-01
著者
山中 由里子 池上 俊一 大沼 由布 杉田 英明 見市 雅俊 守川 知子 橋本 隆夫 金沢 百枝 亀谷 学 黒川 正剛 小宮 正安 菅瀬 晶子 鈴木 英明 武田 雅哉 二宮 文子 林 則仁 松田 隆美 宮下 遼 小倉 智史 小林 一枝 辻 明日香 家島 彦一
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

中世ヨーロッパでは、辺境・異界・太古の怪異な事物、生き物、あるいは現象はラテン語でミラビリアと呼ばれた。一方、中世イスラーム世界においては、未知の世界の摩訶不思議は、アラビア語・ペルシア語でアジャーイブと呼ばれ、旅行記や博物誌などに記録された。いずれも「驚異、驚異的なもの」を意味するミラビリアとアジャーイブは、似た語源を持つだけでなく、内容にも類似する点が多い。本研究では、古代世界から継承された自然科学・地理学・博物学の知識、ユーラシアに広く流布した物語群、一神教的世界観といった、双方が共有する基盤を明らかにし、複雑に絡み合うヨーロッパと中東の精神史を相対的かつ大局的に捉えた。
著者
松田 隆美
出版者
慶応義塾大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1996

研究課題について、書物と人の交流という外面史と文学的影響という内面史の両方から研究をおこなった。1. 活版印刷術の伝播と15-16世紀におけるイタリアとイギリスでの出版事情の変化。グーテンベルク以来の活版印刷術の伝播を、個々の出版者の活動と出版対象となった書物の種類およびそのレイアウトに注目しつつ具体的にたどり、15世紀のインキュナビュラから16世紀のより小型な書物への移行の過程に関して、両国を比較した。イタリアでは全般的な書物の小型化が見られる一方で、イギリスでは、テクストのジャンルと用途をより厳密に反映するかたちで書物の形態の多様化が生じたことを指摘した。2. 中世後期から17世紀にかけてのイギリス人旅行者にとってのイタリアの魅力。中世から17世紀にかけての巡礼者へのガイドブック、人文主義者の旅行者が残した紀行文、16-17世紀の外国旅行の手引き書などを一次資料として用い、宗教改革期を経てイタリア訪問の意義が、ローマ巡礼から古代探訪へと徐々にシフトしてゆく過程を跡づけたが、シフトは完全なものではなく、長らくカトリック信仰への興味と古代への情熱が共存するかたちで、イギリス人にとってのイタリアの魅力を形成していたことが明らかとなった。3. ベトラルカの詩および散文作品のイギリス文学における受容。ベトラルカの『老年書簡』に登場する「グリセルダの話」のイギリス、フランスへの伝播を16世紀まで全てのヴァージョンに関して辿り、読者層の変化との関連で主題上のシフトを説明した。またベトラルカの「カンツォニエーレ」のイギリスへの伝播を15世紀の写本、16世紀の英訳によって跡付け、いわゆるペトラルキズムの発展をモチーフと挿絵の両面から考察した。また収集した画像資料を画像データベース化し、Web公開が可能なかたちで整理した。