著者
中林 和重 鈴木 崇範
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物工場学会誌 (ISSN:09186638)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.149-153, 2003-09-01 (Released:2011-03-02)
参考文献数
13
被引用文献数
3 2

Plant growth rate can be controlled by adjusting both the light quality and during light and dark transition. Light intensity and time also have an effect on growth rate.We investigated the effects of low-intensity light irradiation of specific frequency on the growth and inorganic contents of lettuce in the field. Lettuce was cultivated using three types of nutrient solution (complete nutrition, NO3-N-excessive, NO3-N-deficient). Light sources were red and yellow LEDs, which are low-cost artificial light sources used in plant production. Leaves were irradiated by pulsed LED-light for several hours each day.Red and yellow LED-light stimulation of specific frequency (20 Hz, 50 Hz) increased the lettuce yield in nutrient solutions with lower NO3-N concentrations, despite of the fact that the chlorophyll in lettuce does not response much yellow light. Changes in light stimulation frequency affected NO3-N concentrations in lettuce sap. These results suggest that stimulation by red or yellow LED-light in the field has a positive effect on photosynthetic activity.
著者
小林 和夫
出版者
東京都立大学都市研究センター
雑誌
総合都市研究 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.175-192, 2000-03

インドネシアの住民組織RT・RWは1966年にジャカルタで初めて法制化され、次いで1983年にはインドネシア全土でも両組織が一律に設置される法制が発令されている。本稿では、これらの住民組織の淵源とされる日本占領期の隣組・字常会のあり様について当時発行されていた新聞・雑誌記事を主たる資料として考察することを目的としている。近年、フィリピンのパランガイをはじめとするアジア諸国の住民組織の研究報告がされてきているが、その中でもインドネシアのRT・RWについては全体的な理解が最も進んで、いない。本稿では、これらを踏まえ、RT・RWの淵源とされる隣組・字常会について検討し、日本占領期のジャワと日本の隣組制度との類似性、隣組制度の包括的機能、隣組制度導入の背景及びジャワ社会への影響、独立後にもジャワにおける隣組組織が存続していた事実などが明らかにされる。
著者
岩崎 亘典 林 和則 田中 聡久 鹿取 みゆき 小口 高
出版者
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

我が国の農業における農業従事者の高齢化や減少、耕作放棄地の増加等の問題を解決するためには、効率的な農地の維持、管理が求められている。特に、果樹や野菜等の集約型農業においては、適地適作にもとづく新たな農地の活用方法が必要とされている。そこで本提案では、今後、新規参入者の増加や産地形成が想定されるブドウのワイン専用品種の栽培地域を対象として、ほ場一筆単位のワイン専用品種栽培適地図を作成する技術を開発する。そしてこれらの情報を公開・可視化するシステムを開発し、適地適作に配慮した新しい営農形態である「スマート風土産業」の構築を試みる。
著者
藤原 永年 山上 博一 上田 定男 矢野 郁也 小林 和夫
出版者
一般社団法人 日本炎症・再生医学会
雑誌
炎症・再生 (ISSN:13468022)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.133-138, 2001-03-28 (Released:2010-04-12)
参考文献数
20

Host responses against mycobacterial infection result in protection and granulomatous inflammation. Mycobacterial and host factors participate in the process. Mycobacteria are rich in lipids that may be involved in the pathogenesis. Host responses against the infection include both cell-mediated immune responses (host defense) and delayed-type hypersensitivity (expression of lesions) . A surface glycolipid of tubercle bacilli acts as both nonspecific inflammatory stimulus and specific T cell-dependent immunogen. Hosts produce chemokines, proinflammatory and immunoregulatory cytokines in response to glycolipids. The event leads to the recruitment of mononuclear cells, angiogenesis, and apoptosis. Mycobacterial glycolipid is a pleiotropic molecule, which induces pathogenesis and protective responses in the host. The pathogenesis of mycobacterial disease is a multistep process, involving a complex interaction between a range of bacterial and host factors.
著者
林 和俊
出版者
高知医科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

抗性腺作用を有するメラトニンと思春期発来との関連が注目されているが未だ明確ではない。我々は、メラトニンのゴナドトロピン分泌抑制作用は、Gn-RHのpulse generatorに作用し、LHpulseの発現を減弱させる機序に基づくことを明らかにしてきた。また、松果体のメラトニン産生能は、初回排卵後、排卵周期の確立過程で減少すること、さらに、このメラトニンの産生能動態に対して卵巣より分泌の増量がみられるエストロゲンが強く関与していることを明らかにしてきた。思春期のメラトニン産生能に及ぼすエストロゲンの作用機序を明らかにするためにラットを用いて卵巣摘除モデル、エストロゲン負荷モデルを作製し、メラトニン産生酵素である松果体内N-acetyltransferase(NAT)とHydroxyindole-O-metyltransferase(HIOMT)に注目し、検討した。NAT活性は、腟開口期の6週には有意に増量し、排卵周期確立過程の8週では減少、以後、同一レベルで推移し、メラトニンと全く同一の変動パターンを示した。一方、HIOMT活性は、4週より6週にむけて著増し、12週まで漸増する変動パターンであった。初回排卵が認められる6週に卵巣摘除を行うと、NAT活性は8週での減少は見られず、逆に有意の増加を示した。一方、HIOMT活性は正常群との差は見られなかった。6週に卵巣摘除し、エストロゲン(E2 benzoate)を連日皮下投与した群では、NAT活性は0.1μg投与群では、卵巣摘除で認められた増量を有意に抑制し、正常群と同一のパターンを示した。一方、HIOMT活性は0.1μg投与では正常群と同一のパターンを示した。1.0μg投与群では両酵素活性ともに正常群より有意に低値であった。以上の結果より、思春期から性成熟期にかけてのメラトニン産生能は、卵巣より分泌されるエストロゲンが主にNAT活性を強く規制することで調節されていることが示唆された。また、エストロゲンのメラトニン産生抑制作用はNAT、HIOMT活性を抑制することに基づくことが示されたが、その感受性には両酵素間で明らかな差があることも示唆された。
著者
小林 和夫
出版者
北海道地理学会
雑誌
北海道地理 (ISSN:02852071)
巻号頁・発行日
vol.1979, no.53, pp.27-39, 1979-01-30 (Released:2012-08-27)
参考文献数
43
著者
山田 真大 林 和宏 鈴木 章浩 岡本 幸太 小林 良岳 本田 晋也 高田 広章
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2013-OS-126, no.18, pp.1-7, 2013-07-24

組込み向け機器に利用されるハードウェアの高性能化に伴い,組込み OS として Linux などの汎用 OS が搭載されるようになった.組込み機器では,リアルタイム性が重要視されるため,Linux を採用する場合,カーネルに改良を施すことでリアルタイム性を確保している.また,マルチコア CPU を搭載する組込み機器では,Linux が持つ CPU affinity の機能を用いることで,シングルコアでは不可能であった高負荷時におけるリアルタイム性も確保することが可能になった.しかし,CPU コア毎に存在するカーネルスレッドは CPU affinity を適用することができず,また,この処理がまれに引き起こすタイマのカスケード処理には多くの処理時間を必要とし,リアルタイム性を阻害する原因となる.本論文では,マルチコア CPU の各コアを,リアルタイム性を必要とする CPU コアと不要とする CPU コアに分割し,リアルタイム性を必要とする CPU コアでは,タイマのカスケード処理を発生させないよう事前に対策を施すことで,リアルタイム性を確保する手法を提案する.
著者
塩井 太介 宮下 充 渡辺 大貴 日下 佳祐 伊東 淳一 中西 俊貴 小林 和博
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.7, pp.520-531, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
30

This paper proposes a multiport converter based on a flying capacitor converter topology for use in a battery management system. The proposed circuit operates in discontinuous current mode and pulse frequency modulation in order to reduce inductor volume. The circuit achieves load fluctuation compensation and maximum power point tracking of the photovoltaic (PV) system by deciding duty ratio based on load current and PV output current. According to the experimental results, an efficiency of more than 95.8% was achieved under all operation conditions. In addition, the maximum efficiency reached 98.8% at the rated load (750W). Furthermore, the inductor volume reduced by 85.5% compared to that of the conventional circuit using two inductors.
著者
野口 竜也 小林 和生 西村 武 香川 敬生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.I_617-I_625, 2021

<p> 鹿野・吉岡断層は1943年鳥取地震により現れた地震断層である.両断層では,断層変位箇所の調査としては,トレンチ調査,踏査,住民からの聞き取り調査が行われている.地盤構造調査として,微動探査や重力探査を行っており,さらに断層変位箇所やその近傍においては,稠密な微動観測も行われている.ただし,断層の存在による破砕帯や段差構造などの不整形性による地盤震動特性の違いについては十分な検討がなされていない.そこで本研究では,断層変位箇所やその近傍の稠密微動観測の結果を用いて,断層のごく近傍における地盤震動特性を把握した.その結果,地表変位箇所を境にその前後で微動H/Vの形状に違いがみられた.この要因について,地下構造探査の結果との対応関係より,断層の破砕帯や段差構造が微動の特性に関与していることが示唆された.</p>
著者
野口 竜也 小林 和生 西村 武 香川 敬生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.I_617-I_625, 2021 (Released:2021-07-22)
参考文献数
12

鹿野・吉岡断層は1943年鳥取地震により現れた地震断層である.両断層では,断層変位箇所の調査としては,トレンチ調査,踏査,住民からの聞き取り調査が行われている.地盤構造調査として,微動探査や重力探査を行っており,さらに断層変位箇所やその近傍においては,稠密な微動観測も行われている.ただし,断層の存在による破砕帯や段差構造などの不整形性による地盤震動特性の違いについては十分な検討がなされていない.そこで本研究では,断層変位箇所やその近傍の稠密微動観測の結果を用いて,断層のごく近傍における地盤震動特性を把握した.その結果,地表変位箇所を境にその前後で微動H/Vの形状に違いがみられた.この要因について,地下構造探査の結果との対応関係より,断層の破砕帯や段差構造が微動の特性に関与していることが示唆された.
著者
小島 ひとみ 中塚 美帆 小林 和成
出版者
東海公衆衛生学会
雑誌
東海公衆衛生雑誌 (ISSN:2187736X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.77-83, 2021-07-03 (Released:2021-08-04)
参考文献数
13

目的 岐阜県における後期高齢者医療制度被保険者のぎふ・すこやか健診(以下,健診)の特徴,及び健診の有用性を明らかにする。方法 岐阜県後期高齢者医療広域連合において,平成27年から平成29年までの3年間に蓄積された健康診査の結果169,216件分をデータベースとした。受診回数による比較をするため,平成27年度の健診受診時点の年齢が75歳以上の者53,662人(男性21,689人,女性31,973人)を分析の対象とした。健診受診者の基本属性,受診回数別に身長,体重,血圧,脂質検査,血糖検査,肝機能検査,問診項目等との比較検討を行った。次に,各種疾病の有無を目的変数として,性別に年齢を調整変数,受診回数を説明変数としたロジスティック回帰分析にてオッズ比を算出し,健診の有用性を検討した。結果 健診受診回数が増える程,血液データの代表値は基準値に近い傾向にあり,服薬や疾病罹患は管理できていた。生活習慣病の有無に対する受診回数のオッズ比は,男性の75歳以上85歳未満においては0.918(95%CI:0.852-0.989,p=0.024),糖尿病の有病に対する健診の受診回数のオッズ比は男女の75歳以上85歳未満,85歳以上おいて0.889(95%CI:0.842-0.989,p<0.001),0.898(95%CI:0.818-0.985,p=0.023),0.863(95%CI:0.822-0.906,p<0.001),0.914(95%CI:0.851-0.983,p=0.015)であった。結論 後期高齢者の健診受診者の特徴は,健診の受診回数が多い者程,服薬や疾病罹患は管理できており,医療管理下にあっても継続的に健診を受けることの有用性が示された。