著者
網干 光雄 大浦 泰 小林 輝雄 円谷 哲男 上野 勝禧 金子 誠
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.116, no.4, pp.490-496, 1996-03-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

For Projected Shinkansen, it is necessary to develop an economical overhead catenary system allowing stable train operation at high-speed and meeting the transport demands. In order to develop a new overhead catenary system for this purpose, we designed a high tension simple catenary system with CS contact wire (Copper contact wire with Steel-core), and constructed this system on Tohoku Shinkansen line for operation test. During 4 years, we measured contact loss of pantograph, uplift and stress of contact wire, its maintainability including the wear of contact wire, and others. The test results so far obtained prove that its performance is as high as that of high-tension heavy compound catenary system.
著者
林 薫平
出版者
日本農業史学会
雑誌
農業史研究 (ISSN:13475614)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.27-37, 2022 (Released:2023-03-15)

This paper reports a case of transference of historical material. In particular, between Nobunkyo (the Rural Culture Association of Japan) Agricultural Library, which was founded in 1982 and closed in 2015, and the Faculty of Food and Agriculture of Fukushima University, which has just started in 2019, a special project of transferring all the books and historical material, totally amounting almost one hundred thousand, from the former to the latter, was launched in 2020, and is still ongoing. In this paper, I summarize the above process. My special focus is on Emeritus Professor Yasuo Kondo (at the University of Tokyo), who was the president of Nobunkyo Agricultural Library at the time of its foundation and provided for himself a lot of invaluable historical materials including his personal note, unpublished manuscripts, and even prewar Japanese Governmental documents, totally amounting 13 thousand units, to the Library. Also, he has long been the president, the librarian and the best user of the Library since its foundation. My conclusion is twofold: 1) Nobunkyo and Fukushima University are responsible for the completion of this big transference project and archiving of the important materials in the modern style for researchers' and the public utilization; 2) the Faculty of Food and Agriculture of Fukushima University must be the successor of not only Professor Kondo's documents but also his critical spirit and perspectives on agricultural economics and policies, that was built through his life, and we, researchers in Fukushima, will absolutely be able to learn a lot from this library and his perspectives in the face of many challenges of Fukushima's agricultural recovery from the disaster in 2011.
著者
細川 悠紀 福本 まりこ 吉田 陽子 岡田 めぐみ 藥師寺 洋介 上野 宏樹 川崎 勲 依藤 亨 三田 育子 中本 収 林下 浩士 細井 雅之
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.113-117, 2014-02-28 (Released:2014-03-11)
参考文献数
7

症例は20歳女性.非妊時BMI 32.0.妊娠28週に腹痛を発症,血清アミラーゼ上昇,高中性脂肪(TG)血症,高血糖,腹部超音波検査で膵腫大を認め,急性膵炎と診断された.治療を開始したが糖尿病性ケトアシドーシス(DKA),DICを併発,第3病日子宮内胎児死亡が確認された.帝王切開にて死児の娩出後,高TG血症,DKAに対しヘパリン,インスリン持続投与に加え血漿交換を施行,急性膵炎に対する治療を行い臨床所見の改善を得た.妊娠中はリポ蛋白リパーゼ(LPL)活性が低下するため,正常妊娠においてもTGは高値となるが,特に糖代謝異常合併妊娠においてはTGの上昇が顕著である.本症例は膵炎発症時,すでにHbA1cが高値(NGSP値 9.8 %)であり,未診断の糖代謝異常を基礎として高TG血症となり,急性膵炎に至ったと考えられた.妊娠初期に糖代謝異常を早期診断し適切な管理を行うことで胎児死亡を防ぐことができた可能性がある.
著者
小林 隆夫 コバヤシ タカオ Takao Kobayashi
雑誌
史苑
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.83-99, 1989-09
著者
浜岡 克伺 前田 理奈 岡林 碧 杉元 歩実 山川 卓伸 山中 伸 橋本 豊年 吉本 好延
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.933-937, 2014 (Released:2015-01-21)
参考文献数
18
被引用文献数
13 9

〔目的〕本研究は,FIMを運動項目および認知項目別に分類しcut-off値を明らかにすることであった.〔対象〕対象は脳卒中患者215人とした.〔方法〕方法は,過去5年間の診療録を後向きに調査した.退院後の転帰先を在宅復帰と施設入所・転院の2群に分類し,cut-off値はROC曲線から算出した.〔結果〕FIM運動項目のcut-off値57.5点では,感度78.7%,特異度89.7%であり,FIM認知項目のcut-off値23.5点では,感度73.7%,特異度80.6%であった.〔結語〕脳卒中患者の在宅復帰には,FIM運動項目57.5点,FIM認知項目23.5点以上の能力が必要であることが示唆された.
著者
小林 洋一 菊嶋 修示 宮田 彰 三好 史人
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.20-36, 2010 (Released:2010-07-14)
参考文献数
10

ATP(アデノシン三リン酸)は多くの不整脈の診断と治療に用いられる.そのなかで,上室不整脈に対するATPの使い方としては,上室頻拍の停止,上室頻拍の鑑別診断,wide QRS頻拍の鑑別診断,上室頻拍に対するカテーテルアブレーションの評価,WPW症候群に対するカテーテルアブレーション後の副伝導路再発の予知,心房細動に対するカテーテルアブレーションの評価,などがあげられる.まず,ATPのヒトにおける上室の刺激伝導系への作用を概説し,次にATPの基本的な使い方を,さらには,臨床的な診断治療における有用性につき述べ,その他今まであまり使われていない使用方法にも触れる.Ca拮抗薬はすでに20年以上前から不整脈治療に用いられてきたが,本章では静注薬に的を絞り,ATP,ベラパミル,ジルチアゼムの使い分けについて解説する.
著者
五十嵐 里菜 馬場 悠太 平林 雅和 伊從 慶太 大隅 尊史
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.153-156, 2019 (Released:2019-09-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1

ブリティッシュ・ショートヘアー,4歳4ヶ月齢,未去勢雄が両外耳道および耳介周囲に多発性の黒〜灰色,ドーム状の隆起性病変を呈した。病理組織学的検査によって,Feline ceruminous cystomatosisと診断された。自宅での点耳治療が困難であったため,病院での耳洗浄および1%フロルフェニコール,1%テルビナフィン,0.1%ベタメタゾン酢酸エステル配合の点耳ゲル剤による治療を計3回実施したところ,約3ヶ月以内に病変の著しい退縮を認め,最終投与の約6ヶ月後に至るまで再発を認めなかった。
著者
林 博史
出版者
関東学院大学経済学部教養学会||カントウ ガクイン ダイガク ケイザイ ガクブ キョウヨウ ガッカイ||The Society of Liberal Arts Kanto Gakuin University
雑誌
自然・人間・社会 (ISSN:0918807X)
巻号頁・発行日
no.36, pp.1-42, 2004-01

本稿では連合国の戦争犯罪政策の形成過程について、連合国戦争犯罪委員会に焦点をあて、同時に連合国の中小国の動向、役割に注意し、かつイギリスとアメリカ政府の動向を合わせて分析する。枢軸国による残虐行為に対してどのように対処するのかという問題を扱うために連合国戦争犯罪委員会が設置された。委員会は従来の戦争犯罪概念を超える事態に対処すべく法的理論的に検討をすすめ、国際法廷によって犯罪者を処罰する方針を示した。だがそれはイギリスの反対で潰された。その一方、委員会の議論は米陸軍内で継承されアメリカのイニシアティブにより主要戦犯を国際法廷で裁く方式が取り入れられていった。委員会における議論はその後に定式化される「人道に対する罪」や「平和に対する罪」に繋がるものであり、理論的にも一定の役割を果たすことになった。だが当初の国際協調的な方向から米主導型に変化し、そのことが戦犯裁判のあり方に大きな問題を残すことになった。
著者
紅林 章央 前田 研一 伊東 孝
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究論文集 (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.99-116, 2006-06-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
16

This study is made for demonstrating the construction projects about bridges on Ome-Street in Okutama Town in Tokyo. These can be classified into three periods. In the first period, from 4 to 10 years in Showa Era, the Civil Department of Tokyo Prefecture made the street wide. In the second, from 12 to 13 years in Showa Era, the waterworks bureau of Tokyo City built the street to transport the construction materials of the Ogouchi-Dam. In the third, from 31 to 32 years in Showa Era, the waterworks bureau of Tokyo Prefecture built the street in the areas which were under water by building the Ogouchi-Dam. In the first, six long-span bridges were all different, and short-span bridges were rainforced concrete arch bridges. In the second, three bridges were designed by Masayosi Kabashima, Jun Masuda, Katsutake Naruse, famous technicians of bridges. In the third, five arch bridges designed by Katsutake Naruse and Samon Honma were all different.
著者
高林 実 中山 兼徳
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.32-36, 1978-06-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
10
被引用文献数
2

当場畑作部, 当年産の10種の雑草種子を土壌とともに円筒につめて圃場の20cm深に埋蔵し, 4年半にわたり円筒を掘り出して, 種子の出芽率を調べた。また, メヒシバのみについて, 当年産種子を圃場の5, 20cm深に埋蔵し, 以後, 春と秋に埋蔵の深さを変える処理も加え, 2年半にわたり円筒を掘り出して, 種子の発芽率を調べた。(1) 土中埋蔵4年半後でもなお8割以上出芽し, 相対的に生存年限の長い草種はカヤツリグサ, ツユクサ, シロザであった。エノキグサは4年半後で半年後の出芽数の半数近くの出芽数を示した。(2) オオイヌタデ, スベリヒユ, イヌビユは2年半後までは10%以上の出芽率を示したが, 4年半後では大部分が出芽力を失った。(3) メヒシバ, ヒメイヌビエ, クワクサは2年半後で出芽率が10%以下となり, 生存年限は他の7草種に比べ短かった。
著者
東海林 拓郎
出版者
一般社団法人 日本生物教育学会
雑誌
生物教育 (ISSN:0287119X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.122-132, 2023 (Released:2023-08-10)
参考文献数
15

「生物基礎」の免疫分野は,実験教材の不足などを理由に「教えづらい分野」の一つとして知られている.本研究は,「生物基礎」において,実験を伴わずに免疫システム(体液性免疫と細胞性免疫)を学ぶことができる教材の開発と評価を目的とした.開発教材は,免疫システムの各プロセスがイラストで描かれたものであり,生徒はペアとなってGoogle Jamboard上でこれらを並べ替え,その結果をクラス内で発表した.知識の定着や意欲・態度を測るためのアンケートを実施し,開発教材を用いずに講義形式で学習したクラスと比較した.開発教材で学習した生徒は主体的に授業へ参加できており,理解の程度は,講座形式で学習した生徒のスコアより高かった.これらの実施効果は,アニメのキャラクターを用いた教材やGoogle Jamboard上での並べ替えによって導かれたと考えられた.一方で,イラストの意図の解釈に苦慮する生徒への対応などの課題も見られた.
著者
小林 正秀
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第131回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.203, 2020-05-25 (Released:2020-07-27)

ナラ枯れは、江戸時代以前から日本で発生しており、過去の被害は周辺に拡がらなかったが、1980年代以降、全国的に拡大するようになった。京都府では、1990年代に被害が発生し、2011年以降は終息に向かったが、被害が再発している地域も多い。 ナラ枯れの発生原因についても、主因、誘因、素因に別けて考えるべきであろう。主因は、カシノナガキクイムシが媒介する糸状菌(Raffaelea quercivora)であることが証明された。誘因については、2005年の総説で、ブナ科樹木の大径化を指摘した。すなわち、燃料革命で化石燃料の利用が増え、薪炭林(里山よりも奥山に多い)が放置され、カシノナガキクイムシが繁殖しやすい大径木が増えたことを指摘した。この説が定説になってしまったが、総説では温暖化の影響も指摘した。しかし「温暖化を原因とする説が提唱されたこともあったが、60年以上前に冷涼な地域で発生しており、関連性を示すデータは得られていない」と反論され、科学的な検証を試みる人はなかった。そこで、演者は、温暖化がナラ枯れに与える影響について検証してきた。ここでは、温暖化がナラ枯れの要因であることを示す。