著者
大森 正子 橋本 令子 加藤 雪枝
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.50-63, 2002-06-01
被引用文献数
14

本研究では、色彩刺激が、心理と生理に及ぼす効果について明らかにすることを目的とした。色相・明度・彩度と面積の違う合計60試料を作成し、光色刺激による、自律・中枢神経活動を評価するための指標として、心拍変動と脳波の測定行った。心理評価として、SD法による因子分析を行った。実験の結果、以下のような知見が得られた。・開眼状態であっても、α波含有量が後頭部位において顕著に喚起されていた。・小さい面積条件では、光色刺激のCuv^★が、高値になるほど、心理評価の「活動性因子」を高め、α波含有量を抑制することが示喚された。・大きい面積条件では、光色刺激のHuv°が、高値になると後頭部位において、α波含有量を喚起することが示喚された。・感情や情操に関わりのある、前頭部位において、純色、低彩度の光色刺激で、色相のG-P系で、α波成分に1/fゆらぎがみられた。副交感神経活動側に傾いていて、1/fゆらぎを示している光色刺激は、大きい面積条件では、純色赤(5R5/14)・青紫(5PB4/12)、小さい面積条件では、純色黄赤(5YR7/14)・高明度青(5B8/5)であった。生体が安静状態であり、快適に感じているということが、示喚される。・交感神経活動側に傾いていて、1/fゆらぎを示している光色刺激は、生体がよい意味で興奮状態であり、快適に感じているということが示喚された。
著者
森 理恵
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.197-212, 2015

The purpose of this study was to clarify how the term <i>kimono</i> became popular as a way of referring to Japanese traditional clothing. <br>  We collected articles from the <i>Yomiuri</i> and <i>Asahi newspapers</i> in which the term <i>kimono</i> in <i>kanji</i>, <i>katakana</i>, and <i>hiragana</i> were used by searching those words on their online databases, and analyzed them in order to find out the meaning of the word, as well as the sex and the nationality of the people who wore or possessed <i>kimono</i> in the articles. <br>  We found the following: Firstly, <i>kimono</i> once referred to clothing in general or <i>nagagi</i> (long garment), regardless of which sex it was meant for. Secondly, <i>kimono</i> came to mean Japanese traditional clothing in the 1900s after the word "kimono" was established in Western languages. Thirdly, the word "kimono" tended to be used for women while <i>wafuku</i> and <i>nihonfuku</i> were gender-neutral words. In addition, it became increasingly common to write <i>kimono</i> in hiragana in the 1960s, during which time the main consumers of <i>kimono</i> were women, who preferred that it be written that way.
著者
平澤 有里 笠原 酉介 大森 圭貢 渡辺 敏 武者 春樹
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.D1202-D1202, 2005

【目的】慢性心不全患者は,急性憎悪期に安静臥床や活動の制限を受けることが多い.そのため,入院を契機に歩行能力が低下する症例が少なくなく,その傾向は高齢であるほど顕著である.高齢患者の歩行能力を規定する因子としては下肢筋力があるが,高齢心不全患者の下肢筋力は健常高齢者に比べて低値であることがすでに報告されている.そこで本研究では,後期高齢心不全患者を対象に,歩行能力と心機能,下肢筋力の関係を検討したので報告する.<BR>【対象】対象は,75歳以上の後期高齢心不全患者計28名(男性9名 女性19名,平均年齢82±17歳,基礎疾患は陳旧性心筋梗塞10名,拡張型心筋症6名,その他12名)であった.いずれも心不全の急性期を脱しリハビリテーションが施行可能となった症例であり,重度の痴呆や運動器疾患を呈する症例は除外した.<BR>【方法】検討項目は,心機能として脳性ナトリウム利尿ペプチド(以下BNP)と左室駆出分画(以下EF),入院日数,下肢筋力,歩行能力とした.下肢筋力は,アニマ社製μ-TasMT-01を使用し,等尺性膝伸展筋力体重比を測定した.歩行能力は院内歩行の可否,可能な連続歩行距離とその制限因子を調査した.分析はSPSS12.0Jを使用し,χ<SUP>2</SUP>検定,Mann-WhitneyのU検定,Spearmanの相関係数を用いて検討した.<BR>【結果】平均値と標準偏差はそれぞれ,BNP1315±1095pg/ml,EF47.7±17.7%,入院日数41±24日間,下肢筋力29.3±9.1kg/kgであった.院内歩行可能が12名,不可能が16名であり,内4名は歩行不能であった.歩行の可否で有意差が認められたものは性別(p<0.05)下肢筋力(p<0.01)であり,性別では男性の方が歩行可能な症例が多かった.また,連続歩行距離(平均277±264m)と有意な相関が認められたものは年齢(r=0.555,p<0.05)と下肢筋力(r=0.686,p<0.01)であり,心機能(BNP,EF)と歩行能力は相関がなかった.連続歩行の制限因子は下肢疲労が14名(50%),息切れが10名(36%),異常心拍血圧反応が2名(7%),その他2名(7%)であった.<BR>【考察】今回の結果より,後期高齢心不全患者の歩行能力には下肢筋力が大きく関係していることが示唆された.連続歩行の制限因子が下肢疲労である症例が多く存在することは,同程度の心機能でも下肢筋力増強によりさらに歩行能力が向上する可能性があることを表している.後期高齢心不全患者のリハビリテーションは下肢筋力トレーニングが非常に重要であることが改めて考えられた.
著者
森田 剛光 MORITA Takemitsu
出版者
名古屋大学大学院文学研究科
雑誌
名古屋大学人文科学研究 (ISSN:09109803)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.85-97, 2009-02 (Released:2015-11-12)

本稿は、アンナプルナ保護区域、カリガンダキ渓谷地域、タッコーラ地方のトレッキング・ツーリズムについて考察することを目的とする。本稿の執筆は筆者の卒業論文[森出2000]、修士論文[森田2004]を中心に修正、加筆しまとめられたものである。特に2006年以降から2008年にかけて行った調査研究データを新たに加えている。
著者
三森 智裕 中島 敏光
出版者
海洋深層水利用学会
雑誌
海洋深層水研究 (ISSN:13458477)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.23-27, 2001-07-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

近年海洋深層水は水産業, 冷房などの冷熱利用, また淡水などの製品開発に利用されている.汲み上げられた深層水を無駄なく使い切ると言う観点からも, また深層水利用施設の低コスト化という観点からも, 深層水の多段利用システムは重要である.本研究では多段利用システムの構築の際に必要であると思われる, 深層水利用システムの持っ熱エネルギーと栄養塩の供給能力を, 高知県, 富山県, 沖縄県の施設をモデルとして算出した.
著者
森本 浩行 西形 達明 西田 一彦 玉野 富雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.806, pp.806_45-806_54, 2005 (Released:2006-05-19)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

城郭石垣は, 個々の石垣石の大きさや加工の状態, 基本勾配や反りの量などの違いによって様々な断面形状を形成しており, 同じ形状のものは存在しない. これら石垣形状に影響を与える各種要因を考慮した石垣構築の技術的な変遷について解明を進めた結果, 基本勾配や反りの量は石垣石の加工状況に大きく影響されていることが明らかとなった.
著者
森 瑠偉
出版者
関西大学国文学会
雑誌
国文学 (ISSN:03898628)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.233-249, 2015-03-31
著者
森 瑠偉
出版者
関西大学国文学会
雑誌
國文學 (ISSN:03898628)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.233-249, 2015-03-31
著者
森棟 隆弘 池田 正夫 島崎 利治 高畑 謙治 杉山 毅
出版者
富山大学
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.7-13, 1973-03

In producing ferro-manganese we reduce Mn ore in electric furnace or high temperature blast furnace, the path of their chemical change of manganese oxide is not clearly known in raising the temperature. We tried to reduce them in the presence of CO or solid carbon in small muffle furnace from the temperature of 700℃ to 1500℃. And every 100℃ the sample were extracted and examined by X-ray. In these tests, the sample ores were pyrolusite (MnO_2) and contained small amount of braunite (MnO・3Mn_30_4・Si0_2) and Mn_30_4. Next results were known in reducing heating. At 700℃; Mn_20_3 and MnO appeared. At 800℃; No change. At 900℃; MnO increased, γ-Mn_20_3 appeared. At 1000℃; MnO a little increased. At 1100℃; Almost all structure w ere MnO, Mn_30_4 dicreased. At 1200℃; MnO increased. At 1300--1400℃; No change. At 1500℃; Mn_30_4 desappeared, MnO decreased and Fe-Mn solid solution appeared, but Mn carbides (Mn_3C, Mn_3C_4) were not formed.マンガン鉱を高温電気炉又は高温高炉で還元してフエロマンガンを造る場合に,マンガン鉱の化学変化はただ想像されるだけで,それについて調べたものが無い。これらのことから著者らはインド産マンガン鉱を使ってCOガス又は炭素の存在下で鉱石を700℃から1500℃迄の間で加熱還元し,100℃毎にサンプルを取りX線で調べ,マンガン化合物の変化と金属マンガン,マンガン炭化物となる温度を調べた。又各種の化合物の生成について熱力学的にも考察を加へたが,マンガン炭化物については足掛りが出来た程度でなお深い研究を要する。これ等のことについての今迄の研究者はT.Yagi・hashi,K.Asada らで,COガスを使いマンガン鉱の還元挙動を解析している。著者らも昭和15年に,マンガン鉱石が各種の形のものがあることを示し,その製練法に言及している。
著者
森本 滋郎 堀尾 誠 田淵 敏明
出版者
徳島文理大学
雑誌
徳島文理大学研究紀要 (ISSN:02869829)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.59-65, 2015-09

It is said that if the competition rate to get into university decreases by two times it will be difficult to secure the present competiveness. Therefore it is essential to create as soon as possible a competitive environment as well as review the admission quota. As well, in order to reduce the rate of students dropping out of school, we must offer a better education. The fluctuation of the number of applicants and the number of incoming students is a severe problem in regards to management, educational research, and grant donors. However, even if various measures to create a better education are implemented, it not easy to avoid the problem of failing to achieve the admission quota. One proposal to solve this difficult issue is making clear the structural phenomenon of the decrease of the number of applicants and the number of incoming students. By doing so it might be possible to see what needs to be done. For this study we could understand the condition of the fluctuating number of applicants and incoming students by using a model, namely, the model of Kermack-McKendrick that maps the spread of infectious diseases, and we considered the implementation of a plan for increasing the number of incoming students. In our conclusion we describe two main results in order to increase the number of incoming students to match the admission quota.
著者
白藤 徳夫 村上 直人 森岡 泰三 市川 卓 福永 恭平 安藤 忠
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.403-410, 2011-09-20 (Released:2012-10-08)
参考文献数
48

春季の沿岸海域におけるサケ稚魚とニシン仔魚の捕食-被食に関する実態解明のための基礎的知見を得ることを目的に,実験水槽内においてサケ稚魚によるニシン仔魚の捕食実験を行った。解凍した大型,小型ニシン仔魚および生きた仔魚をサケ稚魚に与えたところ,いずれの状態の仔魚も活発に捕食された。したがって両者が同所的に分布していればサケ稚魚はニシン仔魚の捕食者になることがわかった。また,ニシン仔魚を摂餌した際のサケ稚魚の飽食量は体重の4.7~7.4%であること,摂餌後2~4時間で胃内容物の50%が消化されること,捕食されたニシン仔魚は摂餌後3~6時間までは形態学的手法による同定が可能であることがわかった。今後,サケ稚魚の仔稚魚捕食の実態を理解するためには,サケの摂餌時間と消化速度を考慮に入れた採集時間帯設定や捕食量推定法の検討を行う必要がある。